LMS(学習管理システム)のメリットとは?立場ごとの導入判断の視点を解説!
「LMSを導入して、本当にメリットはあるのだろうか」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか。
結論からお伝えすると、立場によってさまざまな利点が存在します。
LMSは、教育現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)として、大きな注目が集まっているため、導入検討中の方も多いでしょう。
とはいえ、LMSを導入しただけで、どの組織でもすぐに成果が上がるわけではありません。
まずは、管理者・教育担当者・システム部門・学習者のそれぞれの立場で、LMSがもたらすメリットを正しく理解することが重要です。
何ができるのかを具体的に把握すれば、自社にとっての意義や導入要否の判断が、的確にできるようになります。
本記事では、LMSを導入するとできることや立場別のメリットを体系立てて解説します。LMS導入の検討材料として、お役立てください。
▼LMSについてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。(関連記事)
- LMSのすべて!機能から導入メリットまで網羅的に解説
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▼LMSについての資料は下記からダウンロードできます。
目次[非表示]
LMSとは何か?導入するとできること
最初に、「LMSを導入すると何ができるのか?」という基礎部分を概観しておきましょう。ここでは、以下のポイントを解説します。
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教材配信や進捗管理を一元化できる
そもそもLMSとは何かといえば、Learning Management System(ラーニングマネジメントシステム)の略で、日本語訳は「学習管理システム」です。.
LMSの最も主要な特徴は、教材の配信や学習者の進捗管理を、1つのシステムで一元的に行えることです。
たとえば、現状、バラバラに管理されている社内の教材をLMSに集約するだけでも、大幅な効率アップにつながります。
加えて、外部機関が提供しているeラーニング教材の配信や、資格取得のための学習コースの提供なども、1つのシステム内で可能になります。
【LMSで一元管理できる教育コンテンツの例】
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学習履歴データを蓄積して分析できる
LMSは、教材を管理できるだけでなく、従業員一人一人の学習履歴を自動的に記録し、そのデータを蓄積できるシステムでもあります。
【LMSで蓄積されるおもな学習履歴データ】
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LMSに蓄積された学習ログデータは、ダッシュボードやレポート機能を使って可視化できます。
個人の学習状況の把握だけでなく、部署別・職種別などのセグメント分析や、教育施策の効果測定にも役立ちます。
以上が、“LMSの基本機能により実現できること” の概要です。導入するLMSの種類により、ほかにも多様な機能がありますが、ここではコアとなる2点に絞ってご紹介しました。
続いて以下では、立場ごとに異なる視点(管理者・教育担当者・システム部門・学習者)から、LMSのメリットを深掘りしていきましょう。
LMSのメリット①管理者の視点
最初に見ていくのは、企業の経営陣や人事部門の管理者にとってのメリットです。4つのポイントを解説します。
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研修の運用や新入社員のオンボーディングの業務を効率化できる
管理者視点の1つ目のメリットは「研修の運用や新入社員のオンボーディングの業務を効率化できる」です。
LMSを導入すると、研修関連の事務作業を大幅に効率化できます。
【LMSで効率化できる研修運用業務】
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こうしたLMSの自動化機能により、現場の教育担当者は事務作業から解放され、より戦略的な人材開発の施策に注力できるようになります。
まさに、働き方改革に直結するLMSのメリットだといえるでしょう。
▼研修業務の効率化については下記で詳しく解説しています。
全従業員のスキルマップをリアルタイムで把握できる
管理者視点の2つ目のメリットは「全従業員のスキルマップをリアルタイムで把握できる」です。
ここでいうスキルマップとは、従業員一人一人がどのようなスキルをどの程度習得しているかを可視化したものを指します。
LMSを使えば、従業員一人一人のスキル習得状況をリアルタイムで把握できるようになります。
【LMSで把握できるスキル習得データの例】
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こうした従業員のスキルデータを一元化し、スキルマップを作成できるのがLMSの強みです。
単に研修を受講させるだけでなく、スキル習得の状況をモニタリングし、充足していない部分を的確にフォローできるようになります。
各部署の強みと弱みを定量的に分析し、戦略的な人材配置の判断に活用できます。
組織全体の学習文化醸成がイノベーションにつながる
管理者視点の3つ目のメリットは「組織全体の学習文化醸成がイノベーションにつながる」です。
LMSは、企業の学習文化を醸成し、従業員のイノベーション創出力を高めるためのインフラとしても注目されています。
【LMSで醸成できる組織の学習文化】
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従業員の自発的な学び合いが促進され、組織全体に学習文化が根付いていくと、新しいアイデアの創出や変化への適応力が高まります。
変化の激しい時代を生き抜く企業にとって、LMSは組織文化を変革していく原動力となるでしょう。
投資対効果(ROI)を明確化しやすい
管理者視点の4つ目のメリットは「投資対効果(ROI)を明確化しやすい」です。
LMSを導入すると、「何を実施して・その結果どのような成果を得られたのか」が可視化されるため、ROIを測定しやすくなります。
【LMSによるROI可視化のおもな指標】
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こうしてLMSは、教育投資の効果を多角的に可視化します。明確になったデータをもとに、PDCAサイクルを回して教育施策を改善すれば、投資対効果の最適化につながります。
▼LMSの費用については下記で詳しく解説しています。
LMSのメリット②教育担当者の視点
LMSは、現場の教育担当者にとっても、心強い味方になります。効率的な教材作成と運用、高品質な学習体験の提供に役立つからです。
「教える側の視点」から見た、以下のメリットを見ていきましょう。
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多様な形式のコンテンツを効率的に作成・管理できる
教育担当者視点の1つ目のメリットは「多様な形式のコンテンツを効率的に作成・管理できる」です。
LMSには、さまざまな形式の教材を効率よく作成・管理するための機能が備わっています。
【LMSで作成・管理できるコンテンツの例】
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こうした多様な教材をLMS上で一元管理すれば、属人的になりがちだった社内ナレッジの共有を進められます。
自社の状況に合わせて、最適な学習コンテンツをタイムリーに提供することも可能です。
▼eラーニングのコンテンツについては下記で詳しく解説しています。
直接自分の時間を割かなくても高品質な教育を提供できる
教育担当者視点の2つ目のメリットは「直接自分の時間を割かなくても高品質な教育を提供できる」です。
直接対面で行っていたレクチャーやトレーニングをLMSに代替させ、かつ質も落とさない(むしろ向上させる)のは、LMSならではの利点です。
【LMSで教育担当者から学習者への負担をシフトできる例】
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*1:反転学習とは、集合研修(授業)と自己学習(復習)の役割を逆転させる学習方法です。基礎知識の講義は集合研修では行わず、各自予習します。そのうえで集合研修ではディスカッションやワークショップなどの実践的な学習を行います。
こうしたLMSの機能を使えば、教育担当者の時間を割かずとも、高品質な学習体験を提供し続けられます。
限られた人的リソースを有効活用しながら、より戦略的な研修プログラムの企画に注力できるでしょう。
▼反転学習を活用した学び方の進め方については下記もご覧ください。
▼コンプライアンス研修を題材に反転学習の進め方について解説しています。
教育をめぐるコンフリクトを回避できる
教育担当者視点の3つ目のメリットは「教育をめぐるコンフリクトを回避できる」です。
教育担当者と教育対象者の間では、さまざまなコンフリクト(対立や衝突)が生じるリスクがあります。
【現場で起こりがちなコンフリクトの例】
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こうした教育をめぐるコンフリクトは、LMSの活用によって緩和できるケースが多々あります。
【LMSで教育担当者と教育対象者の関係性を円滑にできる例】
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教育担当者と教育対象者の間に、LMSという緩衝材があると、程よい距離感と冷静さをキープしやすくなります。お互いの立場や事情を思いやれる、成熟した関係を築けるでしょう。
結果として教育の質が高まり、組織全体の学びの成果を最大化することにつながるはずです。
LMSのメリット③システム部門の視点
LMSは、企業のシステム部門にとっても魅力的なソリューションとなります。以下のポイントを見ていきましょう。
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クラウド型で初期投資とメンテナンス負担を軽減できる
システム部門視点の1つ目のメリットは「クラウド型で初期投資とメンテナンス負担を軽減できる」です。
近年、クラウドサービスとして提供されるLMSが増えています。クラウドサービスは、自社でサーバーを構築する必要がないため、初期投資とランニングコストを大幅に軽減できます。
【クラウド型LMSのメリット】
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このように、自社のシステム部門の工数を大幅に削減しながら、最新のLMS環境を利用し続けられます。
本業の業務システムの刷新など、限られたIT予算をより戦略的に活用することも可能になるでしょう。
なお、クラウド型を避けたい事情がある企業の場合には、オンプレミス(自社運用)のLMSを導入する選択肢もあります。
▼クラウド・オンプレミスの違いについては、以下の記事にて解説しています。
既存の人事システムとのスムーズな連携を実現しやすい
システム部門視点の2つ目のメリットは「既存の人事システムとのスムーズな連携を実現しやすい」です。
LMSの導入を検討する際は、既存の人事システムや業務システムとの連携が重要なポイントとなります。
【LMSと連携させる既存システムの例】
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*2:シングルサインオンは、1度の認証処理で複数のシステムやアプリケーションにアクセスできる仕組みです。ユーザーは1つのIDとパスワードを使うだけで、シームレスに企業内サービスを利用できます。
LMSの側でAPIを公開していたり、特定の人事システムとの連携機能を標準で備えていたりすると、導入時の連携開発がスムーズに運びます。
自社の既存システムの特性をふまえて、最適なLMSを選定すれば、組織全体のフローを効率化できます。
将来の拡張や変更に対応しやすい
システム部門視点の3つ目のメリットは「将来の拡張や変更に対応しやすい」です。
事業の成長や組織変更に伴って、教育研修のニーズは常に変化していきます。
そうした変化に柔軟に適応できるシステム基盤を備えたLMSは、システム部門にとって心強い味方といえるでしょう。
【将来を見据えたLMSのポイント】
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こうした特性を備えたLMSを活用すれば、システム部門はシステム環境の変化に柔軟に対応しながら、長期的に安定稼働を実現できます。
事業の成長や組織変更に伴うシステム面での要件の変化にも、的確に対処できるでしょう。
LMSのメリット④学習者の視点
最後に、LMSの学習者である従業員にとってのメリットを見ていきましょう。
LMSは、学習意欲を高めて自己成長を促し、キャリア形成にプラスにはたらく強力なツールです。
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いつでもどこでも快適に学習ができる
学習者視点の1つ目のメリットは「いつでもどこでも快適に学習ができる」です。
LMSの最大の魅力は、自分の都合に合わせて、どこからでも学習できる点にあります。時間の制約から解放され、自由に学べる環境は、学習者の負担を大幅に軽減します。
【LMSで実現できる柔軟な学習環境】
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このように、LMSを導入すれば、一人一人のライフスタイルに合わせた最適な学習環境を整えられます。
従業員のワークライフバランスを尊重しつつ、最新のスキルを身に付けてもらうことが可能です。
対人ではないので何度でも気兼ねなく繰り返し学習できる
学習者視点の2つめ目のメリットは「対人ではないので何度でも気兼ねなく繰り返し学習できる」です。
LMSで配信されるeラーニングを使えば、対面の講師やほかの従業員を気にすることなく、思う存分繰り返し学習を重ねられます。
自分のペースでじっくりと知識を定着させていけるのは、オンライン学習ならではのメリットだといえるでしょう。
【LMSで実現する反復学習の例】
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こうした学習者目線に立った反復学習の仕組みを提供できるのが、LMSの大きな強みだといえます。自分なりのペースで反復学習し、着実にスキルを身に付けられます。
質の高い学びを得られ自身の成長につながる
学習者視点の3目のメリットは「質の高い学びを得られ自身の成長につながる」です。
LMSは、従業員のキャリア形成を力強くサポートしてくれるツールです。従業員は社内外の多様な学習リソースに触れながら、自身のキャリアアップに必要なスキルを効果的に習得できます。
【LMSが実現する質の高い学び】
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*3:たとえば、LMS・eラーニング「CrossKnowledge」では、世界有数のビジネススクール教授陣による、MBAレベルの講義を動画で受講できます。
詳しくは以下のページにてご確認ください。
CrossKnowledge ビジネススクール教授陣によるマイクロラーニングコンテンツ
CrossKnowledgeの資料は、以下のページよりダウンロードできます。
*4:AIを活用した学習プラットフォームとしては、「UMU」があります。詳しくは以下の資料にてご確認ください。
このように、LMSを使って継続的に学ぶことは、従業員の自己効力感を高め、前向きな学習意欲を引き出します。
キャリアアップのための自己投資を習慣づけ、生涯学び続ける従業員を増やしていくための基盤となるでしょう。
LMSの活用でeラーニング受講率100%を達成した支援事例
支援事例:専門商社(400名)
【これまでの課題】
- eラーニングを「必修」にしなければ学習しない
- 流し見で「完了」することが目的になってしまっている
- 業務が忙しくて受講することを忘れてしまう ・・・など
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【CK-Connectによるパーソナライズ学習を導入】
(CK-Connectはパーソナライズ学習を実現できるLMSです)
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【受講率100%を実現】
- 「必修」「受講期限」の設定がない中で、受講率100%を実現
- 診断結果を基に自動でリコメンドされるコースを自主的に受講
- 1人平均5.7コースの受講(多い人は16コースの受講)
★今回のポイント
- パーソナライズ学習:パーソナル診断結果を基にした個々人に合わせた学習コンテンツを自動配信
- いつでも学べる環境:学習者が必要なときに必要な学習にアクセスできる環境
- 学習データの蓄積:学習者の学習状況をトラッキングするための学習行動のデータ取得
★お客さまの声
- 社内ではeラーニングは結局導入しても、やってくれないのではないかという疑問視する声が出ていました。これまでは「必修」にしないとやってくれなかったことからもそのように捉えられていました。同じことを繰り返していても効果は上がらないと思い、パーソナライズ学習を取り入れたところ、受講率が100%になったので正直驚きました。
- また、これまではコンテンツ数にも限りがあり、自社のオリジナルコンテンツの搭載ができなかったのですが、自社オリジナルコンテンツの搭載もできるようになったことで、学習してもらう幅が広がりました。
- また、診断結果のレポートには、自身の強みや課題の啓発だけではなく、他の職場メンバーとの関係性の中で起こりうることや周囲が必要なことについてもアドバイスがあり、そのレポートを基に、他メンバーと対話することで、職場の中でのコミュニケーションが取りやすくなり、仕事がスムーズに進むようになりました。
まとめ
本記事では「LMSのメリット」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
管理者(経営・人事部門)の視点のメリットは以下のとおりです。
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教育担当者の視点のメリットは以下のとおりです。
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システム部門の視点のメリットは以下のとおりです。
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学習者(従業員)の視点のメリットは以下のとおりです。
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従業員一人一人の可能性を最大限に引き出すツールとして、LMSは大きな役割を果たします。LMSの持つメリットを十分に活用し、持続的な成長を実現しましょう。
株式会社LDcubeでは世界で著名なMBA教授陣が登壇、監修している高品質なCrossKnowledge のeラーニングコンテンツLMSの提供を行っています。多言語対応もしており、グローバル展開している組織や外国人社員を多く抱える組織ではとても重宝します。
また、営業職や技術職の現場教育に強いラーニングプラットフォームUMUの提供も行っています。これらのシステムは使う目的に応じて最適なものを選択するとよいでしょう。
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