
新規営業がうまくいかない理由とは?対処法から成功するためのセールストレーニング方法まで解説!
新規営業を強化しようとしても、なかなか成果につながらない。
掛け声だけが繰り返され、現場は既存対応に追われ、気づけば新規活動は後回しになってしまう。
そんな状況に悩む企業は少なくありません。
担当者本人のスキル不足や努力不足が原因に見えることもありますが、実は多くの場合、問題の本質はもっと深いところにあります。
例えば:
会社として新規を増やしたいと言いながら、評価制度は既存売上中心のまま
育成はOJT頼みで体系化されておらず、管理者も忙しくて支援しきれない
役割も曖昧で、誰がどこまで新規営業を担うべきか明確になっていない
こうしたズレが積み重なることで、現場は新規営業をやりたくても動けず、結果として成果が出ない状態に陥ってしまうのです。
さらに、新規営業は拒否される場面も多く、心理的負荷が大きい活動でもあります。挑戦を後押しする風土がなければ、担当者は継続しにくく、自信も積み上がりません。掛け声や根性論だけでは、決して長く続かないのです。
では、どうすれば新規営業を組織として前に進められるのか。その鍵となるのが、戦略・仕組み・人材育成・評価・風土といった組織全体の整合性です。
本記事では、組織の合致性モデルを基盤に、新規営業がうまくいかない構造と、その解決策を分かりやすく解説します。そして、これらの構造を効果的に解決するための方法も紹介します。
新規営業を組織に根付かせたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次[非表示]
- 1.新規営業は組織の戦略・方針を成果につなげる体制づくりがポイント
- 2.新規営業が大事という方針が明確化・共有されていない
- 2.1.現状と目指す姿が不明確
- 2.2.ストーリーで伝わっていない
- 2.3.現場管理者が自分の言葉で伝えられていない
- 3.新規営業をやるための仕組みが複雑・不明瞭
- 3.1.役割が不明確
- 3.2.あまり評価されない
- 3.3.報酬に反映されない
- 3.4.社内手続きが複雑・不明瞭
- 4.新規営業をやれる人材が育成できていない
- 4.1.必要な能力・スキルが不明確
- 4.2.必要な能力・スキルが備わっていない
- 4.3.新規営業に適した人材が不足している
- 4.4.育成の仕組みが整っていない
- 5.新規営業を推進する組織風土ができていない
- 6.新規営業がうまくいくための重要ポイント
- 6.1.重要性の理解・腹落ち
- 6.2.評価と報酬の明確化
- 6.3.営業のスキルトレーニング
- 6.4.上司の率先垂範・積極的な関わり
- 6.5.相互に関心を持ち、高め合う組織づくり
- 7.新規営業がうまくいかない場合はUMUの活用が効果的!
- 8.UMUが与える新規営業への効果
- 9.AIロープレを活用したトレーニングで成果を挙げた事例
- 10.新規営業がうまくいかない原因を整理し、効果的な解決手段を検討しよう
新規営業は組織の戦略・方針を成果につなげる体制づくりがポイント
新規営業で成果を出せるかどうかは、営業担当者の努力だけでなく、組織として「効果的に続けられる体制」をつくれているかに大きく左右されます。
掛け声や根性論では長続きしません。必要なのは、戦略・方針が現場の仕組みや行動にしっかり落ちている状態です。本章ではその要点を、組織の合致性モデルを用いて整理します。
新規営業は掛け声だけではうまくいかない
新規営業がうまくいかない多くの組織では、「やるぞ!」という掛け声だけが先に立ち、実際の行動が続かない傾向があります。
なぜ掛け声だけでは成果につながらないのでしょうか?
それは、新規営業が既存業務に比べて「不確実性が高い」「成果までの時間が長い」「拒絶されやすく心理的負荷が大きい」という特性を持つためです。
つまり、放っておけば誰もが自然と回避したくなる活動なのです。特に既存顧客対応が多い組織では、新規営業は「時間があればやる仕事」として扱われ、日々のルーティンに押しつぶされてしまいます。この状況では、担当者の熱意や気合いだけでは継続が困難です。
成果が出る前に心が折れ、「結局やれない」「やっても成果につながりづらい」という悪循環が起こります。
だからこそ、新規営業を継続できるように、組織が目的・仕組み・評価・人材育成などを一貫して整えることが欠かせません。掛け声ではなく、続けられる環境づくりこそ本質なのです。
体制づくりには「組織の合致性モデル」で考えよう
新規営業の体制づくりを考える上で役立つのが、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・L・タッシュマン教授が開発した組織モデル「組織の合致性モデル」です。
【組織の合致性モデル】 組織の活動は、環境に適合するように「戦略」を構築することから始まります。「戦略」が期待するアウトプットつまり、「結果・成果」を産みだすためには戦略を実行するために関わってくる4つの要素「業務遂行」「構造」「人材」「組織文化」の整合性がとれていなければならないという考え方です。
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重要なのは、どれか1つでもズレがあると、思ったような成果は出ないという点です。
例えば、戦略では「新規開拓が重要」と言っていても、現場では既存対応の比重が高く配置が偏っていたり、育成は既存営業中心だったり、評価制度は売上全体の数字だけを見て新規活動の努力が反映されなかったりします。
これは一見すると小さなズレに見えますが、累積すると「新規営業は優先すべき仕事ではない」というメッセージとして現場に伝わります。結果として、仕組みと行動がかみ合わず新規営業は進まなくなります。
つまり、新規営業を成功させるには、戦略を示すだけでなく、「整合した体制として整備する」ことが必要なのです。
モデルから見る新規営業がうまくいかない理由
組織の合致性モデルで新規営業を分析すると、うまくいかない理由は個人のスキル不足だけではなく「組織の不整合」にあることが浮き彫りになります。
例えば、戦略では「新規を増やす」と明言しているのに、現場のKPIは訪問件数や既存売上ばかりで、新規開拓の成果や努力が反映されないケースはよくあります。
また、必要なスキルの定義が曖昧で育成機会が提供されず、「やってみろ」と丸投げされる組織も多いです。さらに、上司自身は新規営業を率先垂範せず、現場の空気として「結局新規は優先されていない」と感じさせてしまいます。
これらの不整合が積み重なると、どれだけ意欲のある担当者でも新規営業に向かうエネルギーを維持できません。つまり新規営業が進まないのは、担当者の努力やスキル不足といった要因だけではなく組織の構造によって生じる結果なのです。
だからこそ、戦略・業務遂行(重要タスク)・仕組み・人材育成・組織風土を一貫性のある形に整えることが、成果につながる道と言えます。
以降では、組織の合致性モデルに沿って、新規営業がうまくいかない理由を詳しく解説していきます。
新規営業が大事という方針が明確化・共有されていない
新規営業が進まない背景には、方針自体が曖昧で、現場へ十分に伝わっていないという問題があります。企業としては重要だと思っていても、それが営業担当者の行動に落ちていなければ成果にはつながりません。本章では、方針が共有されない理由と、その構造的な課題を解説します。
現状と目指す姿が不明確
新規営業がうまく進まない組織では、まず現状と理想の姿が明確に整理されていないケースが多く見られます。
例えば、現状どれだけ新規獲得ができておらず、どんな課題が存在しているのか。逆に、どれくらいの新規を獲得すれば事業の成長につながるのか。これらが示されていないと、現場は何を目標に動けば良いのか分からず、新規活動は曖昧な業務として埋もれてしまいます。
また、新規営業が必要な理由が事業戦略に紐づいて説明されていない場合、担当者にとっては単に負担が増えるだけの施策に見えてしまい、心理的に受け入れにくくなります。
重要なのは、現状の課題と目指すべき姿を具体的な数字や根拠とともに示し、なぜ新規営業に取り組むべきなのかを明確にすることです。このギャップ提示がなければ、現場は自分事として捉えられず、行動に結びつかないのです。
ストーリーで伝わっていない
新規営業の重要性は、単に言葉で伝えるだけでは浸透しません。特に営業活動は日々目の前の営業活動(既存先営業)に追われやすく、抽象的なメッセージでは行動に落ちにくい傾向があります。
必要なのは、組織の課題、外部環境の変化、事業の未来、新規営業が果たす役割をストーリーとしてつなげて伝えることです。ストーリーがあることで、担当者は新規営業を会社都合ではなく、自分たちの仕事の未来にとっても必要なものだと感じられるようになります。
例えば、既存顧客の売上減少リスクや市場の成熟など、具体的な背景を共有し、だからこそ新規開拓が組織存続・成長に不可欠だと理解してもらう流れが必要です。
この一貫したストーリーが欠如していると、情報が断片的に伝わるだけになり、新規営業は単発の号令として扱われます。結果として、現場が納得感を持てず行動に結びつかないという問題が生じるのです。
現場管理者が自分の言葉で伝えられていない
新規営業の方針を現場に浸透させる上で最も重要なのは、管理者がメッセージを自分の言葉で語れるかどうかです。しかし、多くの組織では管理者が方針を十分に理解していなかったり、説明資料をそのまま読み上げるだけになっていたりします。
これでは現場の営業担当者に響かず、指示が行動に変わりません。また、管理者自身が新規営業の経験や成功体験を語れない場合、説得力が欠けてしまい、部下は心から納得できないままになります。
さらに、管理者側が既存対応で忙しく、新規営業に深く関われないケースも多いため、方針が形骸化しやすくなります。管理者が腹落ちしていないまま伝えると、メッセージは表面的になり、現場の動機づけにはつながりません。
だからこそ、管理者自身が方針の背景、目的、自部門の役割を理解し、自分の言葉で語れるということが欠かせないのです。管理者の納得と理解が深まれば、組織全体の行動も一気に変わり始めます。
新規営業をやるための仕組みが複雑・不明瞭
新規営業の重要性が共有されていたとしても、実際に活動するための仕組みが複雑だったり不明瞭だったりすると、現場はスムーズに動けません。
本章では、仕組みの不整備がどのように現場の行動を阻害するのかを整理します。
役割が不明確
新規営業が進まない組織では、まず現場の役割分担が曖昧なことが多く見られます。例えば、既存営業担当も新規営業を行うべきなのか、新規担当を別で設けるべきなのか、インサイドセールスとの連携はどうあるべきか、といった点が明確にされていません。
この曖昧さがあると、誰がどこまで責任を持つのかが不明瞭になり、結局は既存対応が優先されて新規活動が後回しになります。
また、役割が曖昧なまま新規営業を指示されると、担当者は自分の行動が組織にどう貢献するのか実感できず、モチベーションを維持できません。さらに、役割の基準がないために上司の期待も不統一となり、マネジメントにもばらつきが生じます。
新規営業を定着させるには、職種・部署・担当者ごとの役割を明確に定義し、期待する行動と責任範囲を可視化することが欠かせないのです。
あまり評価されない
新規営業が軽視される根本的な理由の1つが、評価制度に新規営業の活動が十分に反映されていないことです。
例えば、新規案件をつくるために何十件もアプローチしても、結果がすぐに出なければ評価されなかったり、最終的に受注した案件を担当した人だけが高く評価されたりする、といった状況はよくあります。
これでは新規営業への意欲が下がるのは当然です。また、新規売上が評価対象であっても、プロセス(架電、アポ獲得、提案数など)が評価項目に入っていない場合、短期的な成果を追わざるを得なくなり、継続的な新規活動の意欲が失われます。
評価は行動を方向づける最も強いメッセージです。新規開拓が本当に重要であるならば、成果だけでなく努力量やプロセス、初期段階の成果も適切に評価し、担当者が継続しやすい制度を整える必要があります。
報酬に反映されない
評価だけでなく、報酬と連動していない場合も新規営業は進みません。人は自分の努力が正当に報われると感じて初めて、継続的に取り組む意欲を持てます。
しかし、新規営業に多くの時間を割いても、成果が出るまでの期間が長く、短期的に報酬に反映されにくい場合、担当者は既存業務に時間を振り向けてしまいます。
また、組織全体として報酬体系が既存顧客の売上に偏って設計されていることも多く、新規開拓の難易度や労力に見合ったインセンティブが設定されていないケースも少なくありません。
新規営業は拒否される回数も多く精神的負荷が大きいため、その活動を続けるためには、努力を可視化し、その結果・成果を報酬へ適切に反映させる仕組みが必要です。報酬の透明性と納得感が整えば、新規営業に取り組む意欲は自然と高まります。
社内手続きが複雑・不明瞭
新規営業活動が滞る大きな要因として、社内の手続きが複雑で不明瞭なことが挙げられます。
例えば、新規リードの登録方法が煩雑だったり、提案書の承認プロセスに時間がかかったり、案件を進めるための社内調整が多すぎたりすると、現場のスピードは著しく低下します。
担当者にとっては、本来時間を割くべき商談や顧客接点の活動よりも、社内処理に追われてしまい、新規営業そのものが負担として感じられてしまいます。
また、手続きが不透明だと、正しい方法が分からず活動が停止してしまうケースも発生します。特に新規営業はスピードが重要で、手続きが遅れるほど機会損失も増加します。
そのため、新規営業を推進する組織では、手続きのフローをシンプルにし、誰でも迷わず動ける状態をつくることが不可欠です。手続きが整備されることで、新規開拓に向けた行動量が大きく向上します。
新規営業をやれる人材が育成できていない
新規営業の重要性が共有され、仕組みも整備されていても、実行できる人材が育っていなければ成果は出ません。新規営業には既存営業とは異なるスキルセットやマインドが求められるため、それに応じた育成が不可欠です。
必要な能力・スキルが不明確
新規営業が定着しない組織では、まず必要な能力やスキルが定義されていないことが多く見られます。例えば、リサーチ力、初期接点のつくり方、価値提案スキル、仮説構築力、アポ獲得のための話法など、新規営業特有のスキルが明文化されていないケースです。
必要な能力が曖昧だと、育成方針も定まらず、現場は経験任せのOJTに頼るしかなくなります。また、上司によって求めるスキルの基準が異なるため、育成が属人的になり、組織全体でスキルが標準化されません。
その結果、育成のばらつきが生じ、担当者は何を習得すべきかが分からないまま行動せざるを得なくなります。新規営業に必要なスキルセットを言語化し、組織として共通認識を持つことが育成を体系立てる第一歩です。
必要な能力・スキルが備わっていない
必要なスキルが定義されていたとしても、多くの担当者がその能力を身に付けられていない状態では新規営業は進みません。既存営業と新規営業では求められるスキルが異なるため、既存に強いメンバーが必ずしも新規も得意とは限りません。
例えば、新規営業では顕在ニーズがない状態から関係をつくり、相手の問題意識を掘り起こし、興味を引いて次のステップに進める力が必要です。
しかし、多くの営業担当者は既存顧客の深耕やルーティンフォローに慣れており、ゼロから商談機会を創出する経験が乏しいままです。加えて、スキル不足が自覚できていない場合も多く、成果が出ない理由を環境やタイミングのせいにしてしまうこともあります。
組織としては、新規に必要なスキルギャップを把握し、段階的に補う育成ステップを設計することが不可欠です。
新規営業に適した人材が不足している
組織によっては、新規営業に向いた人材が十分に確保されていないことも課題となります。新規営業では、失敗や拒絶を恐れない耐性、挑戦する姿勢、好奇心、仮説思考、粘り強さなど、特有の資質が求められます。
しかし、人材配置が既存優先で行われている場合、新規に適した人材が別業務に割り当てられたり、経験の浅い若手のみが担当させられたりすることがあります。また、上司が忙しいため適切に見守る体制が整わず、新人に新規営業を丸投げするケースも少なくありません。
その結果、成果が出ないまま負荷だけが高まり、新規営業は避けたい仕事として扱われてしまいます。適性を踏まえた配置と、成長可能性を見据えた支援が必要です。
育成の仕組みが整っていない
最後に大きな課題となるのが、育成の仕組みそのものが整備されていないことです。多くの組織では、指導がOJTに依存し、誰がどのように育成するかが明確ではありません。
上司や先輩も自分の業務で手一杯になり、丁寧なフィードバックやロールプレイの機会を提供できないことも多いです。また、育成内容が個人の経験則に偏りがちで、新規営業に必要なスキルや型が体系化されていないケースもあります。
さらに、学習機会が単発の研修にとどまり、継続的なトレーニングが不足することにより、学んだ内容が実践に定着しません。新規営業は反復によってスキルが磨かれる領域であり、継続的に挑戦して改善する環境が不可欠です。
育成の仕組みが整うことで、個人の成長速度が高まり、新規営業は組織全体で取り組める活動へと変わっていきます。
新規営業を推進する組織風土ができていない
新規営業を継続し成果につなげるには、個人のスキルだけでなく、挑戦を後押しする組織風土が不可欠です。適切な風土がなければ、どれだけ仕組みを整えても現場は動きづらくなります。本章では、新規営業がうまくいかない組織で起きがちな風土の問題を整理します。
叱られないし、褒められない
新規営業がうまくいかない組織では、新規営業の活動に対してポジティブなフィードバックもネガティブなフィードバックも極端に少ない傾向があります。つまり、やっても褒められず、やらなくても叱られない状態です。
このような風土では、新規営業が努力しても評価されない活動として認識され、優先度が低くなります。また、途中のプロセスやチャレンジを認めてもらえないため、担当者は達成感を得られず継続意欲を失います。
重要なのは、新規営業は「成果が出る前に数多くのトライが必要になる活動」だと組織が理解し、その努力を日々認める文化をつくることです。
褒められない環境では挑戦が止まり、叱られない(成果や行動に対して適切なフィードバックがなされない)環境では改善が生まれません。
新規営業をするのは若手だけ、上司はやらない
多くの組織で見られる問題が、新規営業を若手や特定のメンバーに押し付け、上司やベテランが自ら取り組まないという構図です。この状況では、現場に2つの悪影響が生じます。
第一に、若手は手探りで活動せざるを得ず、成功例や模範となる行動を学べません。第二に、上司が新規営業の苦労や課題を理解できないため、表面的な指示や根性論になりがちです。
また、上司が取り組んでいない姿を見ると、部下は新規営業が本気で求められているとは感じず、行動が続かなくなります。
新規営業は難易度が高いため、本来は経験のある管理者こそが先頭で動き、ロールモデルとなることが求められます。上司の率先垂範こそ、新規営業を文化として根付かせる鍵なのです。
既存先でミスしたら新規営業活動を理由に怒られる
新規営業を阻害する、深刻な風土の問題として、既存顧客対応でミスが起きた際に、原因を新規営業に求めて叱責するケースがあります。
これは現場に非常に強いネガティブメッセージを与え、「新規営業に取り組むとリスクが増える」という認識を植え付けてしまいます。その結果、担当者は新規に割く時間を減らし、既存対応に全振りするようになり、新規活動が完全に停滞します。
ミスの本質は新規営業の活動ではないところにあるにもかかわらず、活動時間の配分に責任を押し付けてしまうと、新規営業は恐れられる活動になってしまいます。
必要なのは、既存と新規を適切に両立できる体制や業務設計を整え、ミスの背景を冷静に振り返る文化をつくることです。新規営業は挑戦を伴う活動だからこそ、心理的な安心感を担保し、失敗を過剰に責めない風土が求められるのです。
新規営業がうまくいくための重要ポイント
新規営業を軌道に乗せるには、個々の努力ではなく、組織としての総合的な取り組みが欠かせません。本章では、新規営業を成功させるために押さえるべき要点を整理します。
重要性の理解・腹落ち
新規営業を成功させる最初のポイントは、組織全体がその重要性を腹落ちして理解することです。
新規営業が必要な理由を、外部環境の変化や事業の将来に紐づけて説明しなければ、現場は新しい行動を起こせません。
例えば、既存市場の飽和や顧客入れ替わりのリスク、成長戦略など、なぜ今新規営業が必要なのかをストーリーで伝えることが重要です。
単に上層部が新規開拓を求めているから、という理由では納得感が生まれず、優先順位も上がりません。現場が自分事として理解することで、行動の持続力が大きく変わります。組織一人一人の腹落ちが、新規営業推進の出発点です。
評価と報酬の明確化
次に重要なのが、新規営業が正当に評価され、報酬に反映される仕組みを整えることです。どれだけ新規活動が重要だと伝えても、評価制度が既存売上中心のままでは、現場は新規活動を優先できません。
特に新規営業は成果が出るまでに時間がかかり、途中プロセスの努力が見えづらいため、プロセス評価を組み込むことが不可欠です。
アポ獲得数、初回接点数、提案準備などの行動指標を評価に加え、長期的な成果を認める仕組みが求められます。
報酬面でも、成果に連動したインセンティブや成功体験をつくる制度があると、行動の持続力が高まります。
営業のスキルトレーニング
新規営業は、既存営業とは必要なスキルが大きく異なります。そのため、体系的なスキルトレーニングが欠かせません。
具体的には、初期接点のつくり方、興味喚起のトーク、相手の課題を引き出す質問、仮説提案の組み立て方など、実践的なスキルを段階的に習得する必要があります。
単発研修だけでは実践に定着しないため、ロープレやフィードバックを繰り返し行う場が必要となります。また、新規営業は拒否される場面が多いため、精神的な耐性や感情コントロールも重要なスキルです。
継続的なトレーニング環境が整えば、新規活動をする営業パーソンが自信を持って行動できるようになり、組織全体の新規活動量が着実に増えていきます。
▼新規開拓については、以下の記事も参考になります。併せてご覧ください。
⇒テレアポ獲得率が劇的に上がるロープレ実践術!4ステップで詳細解説
⇒インサイドセールスのトレーニング方法とは?効果的なAIツールも紹介!
上司の率先垂範・積極的な関わり
新規営業を組織に根付かせる上で最も強い影響力を持つのは、現場管理者の行動です。上司が新規営業に取り組んでいなければ、部下は新規営業を重要視しません。
また、管理者自身が新規営業の難しさや成功のポイントを理解していないと、的確なアドバイスや支援ができず、表面的な指示になってしまいます。上司が自ら新規営業に挑戦し、その経験を共有することで、メンバーは前向きに取り組むことができます。
さらに、活動状況を定期的に確認し、困りごとに寄り添い、必要なフィードバックを提供することで、現場は安心して挑戦できるようになります。
相互に関心を持ち、高め合う組織づくり
最後のポイントは、営業組織全体が互いに関心を持ち、助け合い、学び合う環境をつくることです。新規営業は孤独な活動になりやすく、失敗が続くと心が折れやすいため、仲間同士の支援や刺激が大きな力になります。
具体的には、新規営業の成果共有会、成功事例の交換、困りごとの相談機会、ロープレの相互実施など、メンバー同士の関わりを強化することが効果的です。
また、挑戦を歓迎する文化があれば、失敗を恐れずチャレンジできるようになり、活動全体の質が向上します。相互に学び合う姿勢が組織に根付くことで、新規営業は個人の努力ではなく、チームとして取り組む領域へと進化します。
新規営業がうまくいかない場合はUMUの活用が効果的!
新規営業に関する人材育成なら、株式会社LDcube(以下、LDcube)にお任せください。
ここでは、LDcubeが提供する学習プラットフォーム「UMU」を、新規営業活動に生かすためのポイントを解説します。
「AIロープレ」を搭載した学習プラットフォーム「UMU」とは
新規営業のロープレに生成AI(LLM)を導入することで、トレーニングの効果と効率を劇的に高めることができます。そこでおすすめしたいのが、「営業ロープレに最適化された生成AI(LLM)」を搭載したツール「UMU(ユーム)」です。
このUMUは、営業ロープレに最適化されたインプットとアウトプットの場として生成AI(LLM)を活用したチャットボットを組み込んでおり、実践的なトレーニング環境を提供します。
■ 「UMU」の特長
- マイクロラーニングによるインプット学習:
短時間で完了する1口サイズの学習コンテンツを提供し、効率的に知識を吸収できる学習方法です。隙間時間を活用して、営業スキルや製品知識を効率良く学ぶことができます。 - 理解度クイズによるアウトプット学習:
学んだ内容をクイズ形式で確認することにより、記憶の定着を図ります。アウトプットを通じて理解度を評価し、自身の学習進捗を測ることが可能です。 - AIコーチングによるプレゼンテーションエクササイズ:
AIがコーチ役となり、学習者のプレゼンテーションに対してフィードバックを提供します。明瞭さ、流暢さ、スピード、ジェスチャー、アイコンタクトなど、実践的なフィードバックを受けることでプレゼンスキルが向上します。 - AIチャットボット(生成AI(LLM))による実践的トレーニング:
生成AI(LLM)を活用したチャットボットがロープレの相手を務め、営業シナリオに基づいたリアルな対話を行います。これにより、即時フィードバックを得ながらコミュニケーションスキルを磨けます。 - ソーシャルラーニングによる受講者同士での学び合い:
学習者同士が知識や経験をシェアしながら学び合うことを促進する方式です。ディスカッションを通じて、学びを深め、異なる視点を得ることができます。 - 学習行動データを用いた効果測定:
学習者の学習プロセスをデータとして収集し、分析することで、トレーニングの効果を客観的に評価します。これにより、学習の成果や適宜改善ポイントを明らかにし、さらなる効率化が可能になります。
■ 「UMU」でのチャットボット実施イメージ
ここでは、弊社内でUMUのAIチャットボットを活用して会社案内のトレーニングに使っている環境の画像を活用しながら、トレーニング実施のイメージを紹介します。
まずは、AI音声による質問の投げかけから会話がスタートします。それに対して、音声で回答します。こちらの回答を踏まえ、さらに追加で深掘りの質問が投げかけられます。
また、自分の回答について「改善の提案」というボタンを開くと、AIからのアドバイスが得られます。
AIからのアドバイスも参考にしながら、会話を続けていきます。あらかじめ設定した要素をすべてクリアするまで会話が続きます。すべての要素を満たすと会話が終了となります。
あらかじめ会話に必要な要素は設定しておく必要がありますが、AIからの質問や投げかけ、会話の表現などは、要素を含めている前提で、表現は毎回異なります。そのため、1度トレーニングを実施した後も、表現自体は毎回違うため、飽きずにトレーニングを行うことが可能です。
こんなにも強力なツール「UMU」を活用した営業ロープレトレーニングの導入は、LDcubeにお任せください。私たちは、各企業の独自のニーズを深く理解し、最適な活用方法を提案します。営業チーム全体のパフォーマンスを底上げし、競争力を大幅に向上させましょう。
▼営業ロープレに生成AIを取り入れる方法は下記で詳しく解説しています。
⇒営業ロープレに生成AI(LLM)を導入する方法とは?効果的なツール活用について解説!
UMUが与える新規営業への効果
新規営業を組織に根付かせるためには、仕組みや風土だけでなく、学習の仕組みを継続的に整えることが必要です。本章では、AIロープレ学習プラットフォーム「UMU」が、個人のスキル向上にとどまらず、どのように新規営業を加速させるのか、その具体的なメリットを解説します。
上司・先輩が忙しくても1人でスキルアップできる
新規営業の育成で大きな障壁となるのが、上司や先輩が多忙でロープレの時間を十分に確保できないことです。結果として、現場はOJT頼みになり、学習の機会が偏ったり質が安定しなかったりします。
AIロープレ学習プラットフォーム「UMU」があると、担当者は自分のペースでいつでもロープレが行え、何度でもやり直せるため、練習量が飛躍的に増えます。また、AIは感情に左右されず、公平で一貫したフィードバックを提供できるため、学習の質が担保されます。
さらに、特定の業種やケースに合わせた会話シナリオを再現できるため、実践に近い形で学ぶことができます。上司や先輩が時間を割けない状況でも、担当者が自立してスキルアップできる環境が整うことは、新規営業の成功に大きく寄与します。
新規営業の育成の仕組みを整えられる
AIロープレを導入する最大の価値の1つは、育成を属人化させず、組織として体系的に仕組み化できることです。
従来の育成は、指導者の経験値やスキルに依存する傾向があり、教える内容や質にばらつきが出ていました。AIを活用すると、必要なスキルを体系化し、それに沿ったトレーニングコンテンツを整備できます。
また、誰がどのスキルをどの程度習得しているのかを可視化できるため、個別の苦手ポイントに応じた学習支援が可能です。これにより、育成の抜け漏れが防がれ、組織全体で標準化された営業力が育ちます。
さらに、育成プロセスそのものがデータ化されるため、改善サイクルを回しやすく、教育効果を高めることができます。
上司が関わりやすくなる
AIロープレは個人学習に役立つだけでなく、上司のマネジメントを大きく助けるツールにもなります。従来のロープレは、上司がその場に立ち会う必要があり、時間確保が難しい場合は実施頻度が低くなっていました。
しかしAIロープレがあると、部下の練習履歴や改善ポイントがデータで蓄積されるため、上司は短時間で状況を把握できます。そのため、1on1面談や指導の質が上がり、より具体的なアドバイスが可能になります。
また、上司はAIが指摘した内容に基づいて支援ができるため、部下の成長をサポートしやすくなります。結果として、管理者の負担が減りながらも、育成への関与度は高まり、新規営業の推進力が強化されます。
学び合い、高め合う風土がつくられる
AIロープレを組織に導入すると、学習が個人だけの取り組みではなく、チーム全体の文化へと発展します。
例えば、AIが記録したロープレ結果や成果を共有し、メンバー同士で学び合う機会をつくることで、成功パターンの共有や改善ポイントの発見につながります。
定期的にロープレ結果を持ち寄って振り返る場を設定すれば、互いに関心を持ち、刺激し合うチーム文化が生まれます。
また、AIが客観的にスキル評価を行うため、誰の意見にも偏らない公正な情報共有が可能となり、議論が建設的に進みます。
学び合う風土ができれば、新規営業は個人の努力任せではなく組織全体で取り組むテーマへと変化し、挑戦と改善が自然に生まれる強い組織が育っていきます。
AIロープレを活用したトレーニングで成果を挙げた事例
デジタルOJTとリアルOJTの連動で業績向上へ【UMU活用事例】
社員数:3000名以上 事業:住宅メーカー
■ 導入前の課題「環境変化に対応した教育を提供したい」
働き方改革など、時代や環境の変化に伴い、従来通りの詰め込み型教育では新入社員がなかなか育たないという課題を抱えていました。
この課題を解決するため、2018年に新入社員の教育方針を「全社の人材育成システムを確立し、共通認識の下、営業人材を長期的視点で組織的・計画的に育成する」というものに変更しました。
3年で一人前とする本計画の元、「研修は事前学習→集合研修→職場実践サイクルによる、OJTとの連動形式をとる」「計画的なロープレの実施で営業のスキル向上を図る」「個々の学習の進捗状況と習得度の把握」しながら持続的学習を促進していくために、マイクロラーニングによるインプットとAIによるロープレ(ラーニングプラットフォーム:UMU(ユーム)の活用)の導入を決定しました。
■ 取り組みの詳細
「マイクロラーニングによるインプットで本部・現場の負担減へ」
現場のハイパフォーマー社員に依頼し、1人2テーマの模範ロープレ動画を提供してもらい、その動画をプラットフォーム上に掲載しました。
動画学習+AIロープレ導入前は現場でのOJTの質にばらつきがあるという課題もありましたが、動画学習の導入を機に、学習の質を均一化することができ、今では入社1年目~3年目の必須コンテンツとなっています。
「研修後の確認テストで学びの定着を図る」
研修の最後にまとめとして、受講生にプラットフォーム上で確認テストへ回答してもらうことで、研修の理解度を測るとともに、学習内容の定着化を図る取り組みをしました。
講師はリアルタイムに受講生たちの理解が浅いポイントが分かり、その場で解説や補足説明を行うことで、効率的な学習を実現できました。
「48のテーマに細分化したロープレの提供で営業スキル向上へ」
一人前になるまでに必要な知識を48テーマに細分化し、それをロープレの課題として受講生に提示、順次プラットフォーム上に動画をアップロードしてもらうことで、営業スキルの向上を図っています。
1週間に1本ずつ、模範ロープレ動画を視聴した上で、自身のロープレ動画を提出し、上司からの評価70点以上でテーマクリアとして運用することで、デジタルで体系的な学習をしながら、リアルでOJTを促進するという連動を図っています。
■ 導入後の成果
「一人前として必要な知識を漏れなく学習」
プラットフォーム導入前は、3年間営業活動をしていても、人によっては現場で遭遇しないテーマもありましたが、48テーマを計画的に展開していくことで、体系的に、漏れのない学習の提供が可能となりました。
「学習と上司からのフィードバック率と業績の相関が分かった」
受講生が動画を提出すると、AIからのフィードバックを受けられるため、1人でも自分のロープレにおける啓発ポイントを確認しながら、何度もロープレの練習することが可能です。また、トークの中身についても上司からのフィードバックを受けることで、トークのブラッシュアップを図ることができます。
実際に受講生の学習や上司のフィードバック率のランキングデータを確認すると、上位者には好業績者の顔ぶれが並んでおり、学習と上司からのフィードバック率と業績が相関していることが分かりました。
これまで現場でのOJT実施状況は不透明でした。しかし、学習状況やフィードバック率がデータとして可視化することで、実施状況を把握しながら上司の関わりを促進し、全体の学習・育成を促進することができました。
新規営業がうまくいかない原因を整理し、効果的な解決手段を検討しよう
新規営業がうまくいかない背景には、担当者のスキルや努力だけではなく、組織の方針・仕組み・育成・風土といった複数の要素がかみ合っていないという、構造的な問題が存在します。
掛け声だけの新規強化が失敗するのは、戦略が明確に共有されていなかったり、評価や報酬が既存営業中心のままだったり、役割や手続きが曖昧だったりするためです。さらに、育成がOJTに偏り、挑戦を後押しする文化が不足していることで、担当者は継続しづらく、成果が出る前に心が折れてしまいます。
本記事で整理したように、新規営業を成功させるためには、戦略の腹落ち、評価基準の明確化、役割と仕組みの整理、スキルトレーニング、上司の率先垂範、そして学び合う組織風土の形成が必要です。これらが一致して初めて、新規営業は組織に根付き、成果として積み上がっていきます。
そして、AIロープレのようなツールを活用すれば、育成を属人化させず、継続的な学習サイクルを組織に実装することも可能になります。上司が忙しくても、現場が自分のペースで練習し、成長し、成果に結びつけられる環境が整います。
新規営業は決して個人戦ではありません。組織全体で整合性を持って取り組めば、必ず成果を産み出せる領域です。本記事で紹介したポイントを踏まえ、持続的に新規営業を前へ進める組織づくりに取り組んでみてください。
株式会社LDcubeでは、学習プラットフォーム「UMU」を活用したAIロープレツールの提供から、基礎知識を学ぶためのeラーニングの提供、自社に合わせたセールストレーニング研修を実施するための社内トレーナー養成の支援もしています。
無料の体験会やデモID発行も可能です。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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