
心理的安全性を動画で効果的に学ぶ方法とは?eラーニング講座も紹介!
近年、組織の成功に重要な要素として「心理的安全性」が注目を集めています。Googleの大規模な調査でも、高いパフォーマンスを発揮するチームには心理的安全性が確立されていることが明らかになりました。
しかし、この概念を組織全体に浸透させるには、効果的な学習方法が不可欠です。
そこで注目したいのが「動画」という学習ツールです。動画を活用した心理的安全性の学習は、視覚と聴覚の両方に訴えかけることで理解を深め、時間や場所を選ばず学べる柔軟性があります。
また、全社員が同じ質の高いコンテンツを視聴できるため、組織全体で均一な理解を促進できるという大きなメリットがあります。
実際に多くの企業では、ロールプレイング動画やマイクロラーニングを活用し、心理的安全性の構築に成功しています。リモートワークが増える中、オンラインでのコミュニケーションにおいても心理的安全性を高める手法として、動画の重要性はさらに高まっています。
本記事では、心理的安全性の基本概念から実践的な動画活用法まで、5つの具体的なステップをご紹介します。心理的安全性の高い会社づくりに向けてお役立てください。
▼心理的安全性についてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。
- 「心理的安全性」その本質・作り方とは?今すぐ取り組みたい20の具体策を解説!
- 心理的安全性の研修はどう企画する?具体的な内容や設計のポイント
- 心理的安全性を向上させた企業事例6選から学ぶ!課題別の解決方法
- 心理的安全性が低い上司との関係改善の方法16のヒント| 特徴や原因から解説!
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心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐには?職場と組織の仕組みづくりのコツを解説
- 【2025年版】企業のコンプライアンス違反事例20選と対策
- 【最新|ハラスメントの種類一覧表】40のハラスメント詳細とリスクを解説
▼心理的安全性については下記にまとめています。
目次[非表示]
- 1.心理的安全性を動画で学ぶにはエドモンドソン博士の動画が最適
- 2.心理的安全性とは?組織パフォーマンスへの影響
- 2.1.組織内で意見を安心して発言できる状態が心理的安全性である
- 2.2.Googleの研究は心理的安全性が高いチームほど生産性が高いことを実証
- 2.3.心理的安全性の低さが引き起こす不祥事リスク
- 2.4.心理的安全性を高めるための研修支援事例
- 3.心理的安全性を動画で学ぶメリット
- 4.心理的安全性を高める動画学習のステップ
- 4.1.STEP1.心理的安全性について動画で学ぶ(事前学習)
- 4.2.STEP2.心理的安全性について研修でディカッション(集合・オンライン)
- 4.3.STEP3.心理的安全性向上に向けて自職場でのアクションプランを提出
- 4.4.STEP4.自職場でアクションプランの実践
- 4.5.実践時における職場の反応を投稿
- 5.心理的安全性を高める動画活用法
- 6.心理的安全性についてのエドモンドソン博士の動画コンテンツ
- 7.まとめ:心理的安全性を動画で高め組織のパフォーマンスを向上させよう
心理的安全性を動画で学ぶにはエドモンドソン博士の動画が最適
エイミー・C・エドモンドソン博士は、ハーバード・ビジネス・スクールの教授であり、心理的安全性の概念を広めた著名な研究者です。
博士は、職場における心理的安全性の重要性について数多くの研究を行っており、その結果として、多くの企業や組織が効果的なチームづくりのために心理的安全性を取り入れるようになりました。
エドモンドソン博士の動画は、その内容が非常に分かりやすく、実践的であるため、心理的安全性を学ぶには最適です。
博士の講演やインタビューでは、心理的安全性とは何か、それが組織やチームにどのような影響を与えるのかを具体的に説明しています。
また、博士はさまざまな実例を用いて、心理的安全性を高めるための具体的な方法や戦略を紹介しています。
動画を通じて学べるポイントとしては、次のようなものがあります。
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これらの内容は、多くのリーダーシップトレーニングや組織開発における重要な要素となっており、エドモンドソン博士のインサイトを直接学ぶことで、より効果的な職場環境を作り上げることができるでしょう。
エドモンドソン博士の動画サンプルを紹介します。
▼エドモンドソン博士については下記で詳しく解説しています。
心理的安全性とは?組織パフォーマンスへの影響
心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態を表します。この概念は、職場環境における信頼関係の基盤となり、組織のパフォーマンスに直接的な影響を与えます。
心理的安全性が高い組織では、メンバーが自由に意見を交換し、新しいアイデアを提案し、失敗から学ぶことができるため、革新的な解決策が生まれやすい環境が整います。
また、メンバー間の協力関係が促進され、情報共有がスムーズになることで、業務効率や意思決定の質も向上します。
組織内で意見を安心して発言できる状態が心理的安全性である
エイミー・C・エドモンドソン博士は心理的安全性を「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。実際の職場では、これはどのように表れるのでしょうか。
心理的安全性が高い環境では、以下のような特徴が見られます。
まず、メンバーは質問や意見を躊躇なく述べることができます。「無知だと思われるのではないか」「邪魔をしていると思われるのではないか」といった不安を感じることなく、分からないことを素直に質問できる環境です。また、失敗や間違いを報告することに対する恐れがなく、むしろそれらを学びの機会として捉える文化が醸成されています。
さらに、異なる意見や反対意見も尊重され、建設的な議論が行われます。これにより、問題の多角的な分析が可能となり、より良い解決策を見つけることができます。心理的安全性は単にポジティブな雰囲気をつくるだけでなく、組織の意思決定や問題解決能力を向上させる重要な要素なのです。
日常的な例で考えてみましょう。あるチーム会議で、新人社員が「この企画には課題があると思います」と発言したとします。心理的安全性が低い環境では、「まだ入社して間もないのに意見するなんて」と否定的な反応が返ってくるかもしれません。
一方、心理的安全性が高い環境では、「具体的にどんな課題があると思いますか?」と質問が返り、建設的な対話につながります。このような小さな違いが、組織全体の雰囲気とパフォーマンスに大きな影響を与えるのです。
アサーティブ・コミュニケーションの実践も、心理的安全性の向上に効果的です。これは相手を尊重しながら対等に自分の要望や感情を伝えるコミュニケーション方法で、「私は〜と思う」という主語を明確にした発言や、感情的にならずに事実に基づいた意見を述べるといった特徴があります。
このようなコミュニケーションスタイルを組織内で広めることで、メンバー間の相互理解と信頼関係が深まります。
Googleの研究は心理的安全性が高いチームほど生産性が高いことを実証
Googleが2012年から実施した「プロジェクト・アリストテレス」は、心理的安全性の重要性を科学的に実証した画期的な研究でした。この研究では、社内の数百に及ぶチームを分析し、成功するチームに共通する要素を特定しました。
研究の結果、最も重要な要素として浮かび上がったのが心理的安全性でした。具体的には、心理的安全性の高いチームでは、メンバーの離職率が低く、異なる視点からのアイデアを効果的に活用でき、収益性が高く、マネジャーからの評価を受ける機会が2倍多いことが明らかになりました。
この研究の特筆すべき点は、当初研究チームが「高いパフォーマンスを上げるチームには、優秀なメンバーが集まっている」「メンバーの性格タイプや背景が似ている」などの仮説を立てていたにもかかわらず、それらの要素よりも心理的安全性が圧倒的に重要だったことです。つまり、メンバーの能力や専門性よりも、チーム内の信頼関係と発言のしやすさが業績に直結していたのです。
こうした研究結果から、心理的安全性は単なる「働きやすさ」や「社員満足度」の問題ではなく、企業の競争力に直結する経営課題であることが明らかになっています。特に複雑な問題解決やイノベーションが求められる現代のビジネス環境において、心理的安全性は競争優位性を生み出す重要な要素となっているのです。
心理的安全性の低さが引き起こす不祥事リスク
一方で、心理的安全性の低い組織では、さまざまな問題やリスクが発生する可能性が高まります。エドモンドソンが「TED」で紹介した「4つの心理的安全性を損なう要因と特徴行動」の観点から考えると、以下のようなリスクが考えられます。
「無知だと思われる不安」や「無能だと思われる不安」により、メンバーは質問や確認を避けるようになります。これにより、重要な情報の共有不足や誤解が生じ、業務上のミスやトラブルの原因となることがあります。また、「邪魔をしていると思われる不安」や「ネガティブだと思われる不安」により、問題点の指摘や改善提案が抑制され、組織の問題が放置される状況を招きます。
具体的な事例として、自動車メーカーの品質問題や航空会社の安全性に関わる事故などが挙げられます。これらの事例では、現場の技術者や従業員が問題を認識していたにもかかわらず、「上司に言いづらい」「指摘すると評価に影響する」といった理由で報告されなかったケースが多いのです。
例えば、ある航空会社では、パイロットが気象条件の悪化について懸念を持っていたにもかかわらず、「スケジュール通りに飛行すべき」という圧力により発言できなかったという事例があります。
さらに深刻なのは、こうした環境では組織的な不正行為やコンプライアンス違反が発見されにくくなることです。懸念や疑問を提起することへの恐れがあると、不正行為を目撃しても報告されず、結果として大きな不祥事につながる可能性があります。
近年の企業不祥事の多くは、組織内で問題が共有・議論されないまま放置され、拡大してしまったケースが少なくありません。
心理的安全性を高めることは、こうしたリスクを未然に防ぎ、組織の持続可能性を高めることにもつながります。問題の早期発見・早期解決が可能になるだけでなく、多様な視点からの意見が反映されることで、より健全で強靭な組織運営が可能になるのです。
心理的安全性は、単に働きやすさの問題ではなく、組織の倫理的な健全性を保つためにも不可欠な要素といえるでしょう。
心理的安全性を高めるための研修支援事例
エンジニアリング業界 5000名以上
研修対象:職場リーダー
研修のねらい
- 心理的安全性について理解を深める。
- 体験実習を通して、お互いに助け合い、発言しやすい環境・雰囲気づくりの重要性とポイントを学ぶ。
- 心理的安全性を阻害する要因について理解する。
研修実施のポイント
- 単なる知識学習ではなく、体験学習を通して心理的安全性が高い/低い状態を経験し、その生産性の違い、 重要性を実感してもらう。
- 合わせて心理的安全性を阻害する要因、高める具体的アプローチを学ぶ。
研修内容(1日間)
研修中の討議の様子(あなたの話しやすい雰囲気は?)
研修後のアンケート(心理的安全性についての理解度は?)
「グループワークを通して相手の言いたいことを理解することの難しさ、自分の意見を伝えることの難しさを感じた」「チーム内での発言者に対する傾聴や言い換えによる整理によって、発言しやすい環境になる気付きがあった」など理解が深まった様子でした。
受講者の声
- ワークを通して、話し合いの考え方や見方を学ぶことができた。また、仕事上で直面している問題点へのアプローチがつかめました。
- 質の高い討議を体験することができ、今後に生かせそうです。
- チーム活動で大事なことに対人関係の質があることを知れました。そして、自身は発信力が低いことに気付きました。
- 心理的安全、傾聴、防衛について理解·気付きを得られました。
- 普段感じていたことが分かりやすく言語化されており、自分の中では腑に落ちて研修を受けられました。
- 相手の話を聞く上で何が足りてないか、何ができているかを気付くことができた。
- 心理的安全性が、会議のスムーズさや意見・発言の出しやすさに大きく影響していることが体感的に理解できました。
- グループワークを通して相手の言いたいことを理解することの難しさ、自分の意見を伝えることの難しさを感じました。
- 話しやすい雰囲気がこれからの職場活動に大切だと感じました。大変勉強になりました。
- 相手の話を聴く時、自分が話をする時に、自分はどんな心理的状況で聴いているのか話しているのか客観的に振り返ることができました。
- 心理的安全性がないと効果的な活動ができないことを改めて確認できました。
- 心理的安全性の確保のための新たな手法を知れました。
- 発言しやすい環境をつくる手法を改めて確認できた。そして、自分が本当にできているか、自分で心理的安全性を阻害していないかを考えさせられました。
- 相手が本当に言いたいことを聞き出すのに環境、雰囲気が重要であることを改めて理解できたと思います。
心理的安全性を動画で学ぶメリット
心理的安全性は組織のパフォーマンス向上において非常に重要な概念ですが、抽象的な性質を持つため、理解して実践するのが難しい場合があります。
そこで特に効果を発揮するのが動画を活用した学習法です。動画は視覚と聴覚を同時に刺激し、具体的な事例を交えた説明を可能にするため、心理的安全性のような考え方やコミュニケーションの機微を効果的に伝えることができます。
動画による視覚と音声の効果的な学習体験
心理的安全性のような人間関係やコミュニケーションに関わる概念は、文字だけの説明では十分に伝わらないニュアンスが多くあります。動画による学習では、言語的な説明に加えて、表情、声のトーン、身ぶり手ぶりなどの非言語コミュニケーションも同時に伝えることができるため、より深い理解が可能になります。
例えば、心理的安全性が高いチームの会議中の様子や、上司と部下の効果的な1on1ミーティングのデモンストレーションなどを見ることで、理論だけでなく実践的なイメージを掴むことができます。
また、ロープレを記録した動画を視聴することで、「こういう言い方は避けた方がよい」「このような返答が相手の発言を促進する」といった具体的なコミュニケーションスキルを学ぶことができます。
さらに、実際の成功事例や失敗事例をインタビュー形式で紹介する動画は、現実に基づいた学びを提供し、自組織での実践に応用しやすい知見を得ることができます。こうした多面的な情報が一度に得られる点が、動画学習の大きなメリットです。
時間や場所を選ばない柔軟な学習環境
動画による学習のもう1つの大きなメリットは、時間や場所の制約を受けずに、自分のペースで学習できる点です。特に忙しい管理職や人材育成担当者にとって、この柔軟性は非常に重要です。
従来の集合研修では、特定の日時に全員が参加する必要があり、業務との調整が難しいケースも少なくありませんでした。しかし、動画学習では、通勤時間や昼休み、業務の合間など、自分のスケジュールに合わせて学習することが可能です。また、理解が不十分な箇所は繰り返し視聴することで、確実に内容を把握することができます。
さらに、スマートフォンやタブレットなどさまざまなデバイスからアクセスできるため、場所の制約もなくなります。オフィスだけでなく、自宅やカフェ、移動中など、さまざまな環境で学習を進めることができるのです。こうした柔軟性により、学習の継続率が高まり、結果として組織全体への浸透も促進されます。
動画を活用した、組織全体での均一な理解促進
組織全体で心理的安全性の概念を浸透させる際に、動画学習は特に効果を発揮します。動画コンテンツは一度作成すれば何度でも活用でき、組織のすべてのメンバーに同じ品質の学習機会を提供することができます。
従来の対面研修では、講師のパフォーマンスや参加者の理解度にばらつきが生じる可能性がありましたが、動画を活用することで、すべての社員が均質で高品質なレクチャーを受けることができます。これにより、「部署によって理解度が異なる」「研修の質にばらつきがある」といった問題を解消することができるのです。
また、新入社員の導入研修から管理職研修まで、さまざまなレベルや役割に応じたコンテンツを体系的に整備することで、組織全体の心理的安全性に対する理解を段階的に深めていくことが可能になります。
さらに、動画を通じて組織のトップからのメッセージを発信することで、心理的安全性の重要性に対するコミットメントを示すこともできます。
このように、動画を活用した学習は、心理的安全性という抽象的な概念を具体的に理解し、組織全体で共有するための効果的な手段となります。次のセクションでは、具体的な動画学習のステップについて詳しく見ていきましょう。
心理的安全性を高める動画学習のステップ
心理的安全性を組織に根付かせるためには、体系的なアプローチが必要です。ここでは、動画を活用した効果的な学習ステップを紹介します。この5つのステップを順番に実施することで、単なる知識習得にとどまらず、実践的なスキルの獲得と組織文化の変革につなげることができます。
各ステップでは動画を中心に据えながらも、対話や実践を組み合わせることで、学びを定着させていきましょう。
STEP1.心理的安全性について動画で学ぶ(事前学習)
最初のステップは、心理的安全性の基本概念を動画で学ぶことです。この事前学習段階では、エドモンドソン博士の動画など、心理的安全性の基礎知識を提供する動画を視聴します。
5~10分程度の短い動画を複数用意し、以下のようなテーマで構成するとよいでしょう。
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動画視聴後には簡単な確認テストを実施することで、基本的な理解度を測定します。また、視聴後に「自分の職場における心理的安全性の現状」や「改善すべきポイント」について意見投稿してもらうことで、次のステップへの準備を整えます。この事前学習により、次のディスカッションでより深い対話が可能になります。
STEP2.心理的安全性について研修でディカッション(集合・オンライン)
2つ目のステップでは、事前学習で得た知識を基に、グループでのディスカッションを行います。対面での集合研修でもオンラインでも実施可能です。このセッションでは、まず動画で示されたポイントを踏まえながら、以下のようなテーマについて議論します。
自組織の心理的安全性の現状評価安全性が低い場面の具体例:
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ディスカッションの補助として、ワークシートを用意し、具体的な対応策を考える演習も効果的です。参加者同士が意見を交換することで、多様な視点から心理的安全性を捉えることができ、実践へのヒントを得ることができます。
STEP3.心理的安全性向上に向けて自職場でのアクションプランを提出
3つ目のステップでは、ディスカッションの内容を基に、各参加者が自分の職場における具体的なアクションプランを作成します。このアクションプランには以下の要素を含めるとよいでしょう。
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アクションプランの作成を支援するために、成功事例を紹介する動画や、アクションプランのテンプレート解説動画を提供すると効果的です。
また、作成したアクションプランを動画で提出してもらうことで、計画内容をより具体的に説明する機会を提供することもできます。こうした可視化により、実行への責任感も高まります。
STEP4.自職場でアクションプランの実践
4つ目のステップでは、作成したアクションプランを実際の職場で実践します。この実践期間(通常1〜3カ月には、定期的に短い実践方法の解説動画や、起こりがちな困難とその乗り越え方についての動画を配信することで、モチベーションの維持と実践の質の向上を図ります。
具体的には、以下のような実践をサポートする動画を定期的に配信するとよいでしょう。
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また、実践中の悩みや疑問を共有するためのチャットグループを設けることで、参加者同士の相互学習を促進することもできます。
ここでも、参加者から寄せられた質問に対する回答を動画形式で提供することで、理解を深めることができます。
実践時における職場の反応を投稿
最後のステップでは、アクションプランの実践結果と職場の反応を共有します。参加者は自身の取り組みとその効果、直面した課題とその克服方法について、レポートを投稿します。
このレポートでは以下の点に触れるよう指示します。
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これらのレポートを組織内で共有することで、成功事例の水平展開が可能になります。また、優れた事例については、次回の研修の教材として活用することで、組織に適した実践知の蓄積につながります。
さらに、定期的にフォローアップセッションを設けることで、長期的な実践を支援し、心理的安全性を組織文化として定着させることができます。
このように、動画学習を中心に据えながらも、対話や実践、振り返りを組み合わせたブレンド型の学習アプローチを採用することで、心理的安全性の概念理解から実践、そして組織文化への定着まで、体系的に進めていくことが可能になります。
心理的安全性を高める動画活用法
心理的安全性を高めるための動画活用は、さまざまな形で実現できます。特に企業内で効果的な動画コンテンツを作成・活用することで、組織全体の心理的安全性の醸成を促進することができます。
ここでは、実践的な動画活用法として、4つのアプローチを紹介します。これらの方法は、組織の状況や文化に合わせて選択・組み合わせることで、より効果的な学習環境を構築できるでしょう。
心理的安全性についてのトップメッセージ動画
組織のトップが心理的安全性の重要性を直接語るメッセージ動画は、組織変革において非常に効果的です。経営者や役員などが自らの言葉で心理的安全性に対する考えや組織としてのコミットメントを述べることで、社員全体に強いメッセージを伝えることができます。
トップメッセージ動画を作成する際のポイントは以下の通りです。
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トップメッセージ動画は3〜5分程度の短いものでも十分効果があります。重要なのは、経営層が本気で心理的安全性の向上に取り組む姿勢を示すことです。
こうしたメッセージは組織文化の形成に大きな影響を与え、心理的安全性を「重要な経営課題」として位置づける助けとなります。
心理的安全性の成功事例インタビュー動画
組織内で心理的安全性を実現している部署や、具体的な成功体験を持つ管理職へのインタビュー動画は、実践的な学びの宝庫となります。同じ組織内の事例であるため、「自分たちにもできる」という実感を持ちやすく、具体的な実践方法も自組織の文脈に即したものとなります。
インタビュー動画の作成ポイントは以下の通りです。
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このようなインタビュー動画は、10〜15分程度の長さで、質問と回答が明確に理解できるよう編集するとよいでしょう。
また、異なる部署や役職の方へのインタビューを複数用意することで、さまざまな文脈での実践方法が学べます。
社内でのしくじり先生動画(失敗事例)
「しくじり先生」のように失敗事例から学ぶアプローチは、心理的安全性の理解を深める上で非常に有効です。
特に管理職や経験豊富な社員が「心理的安全性を損ねてしまった経験」や「その結果起きた問題」、そして「そこから学んだこと」を共有することで、具体的な反面教師としての学びを提供できます。
失敗事例動画の作成ポイントは以下の通りです。
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このような動画は、失敗を認め、そこから学ぶ組織文化を育む上でも重要な役割を果たします。また、「失敗しても大丈夫」というメッセージを組織に広めることにもつながります。5〜10分程度の簡潔な動画にまとめると、視聴しやすく記憶に残りやすいでしょう。
要点を10分以内の短編動画に集約する
心理的安全性に関する情報は膨大ですが、それを簡潔にまとめた10分以内のマイクロラーニング動画は、特に忙しいビジネスパーソンにとって効果的な学習ツールとなります。テーマごとに短い動画を作成し、必要な時に必要な知識を学べるようにすることで、継続的な学習を支援できます。
短編動画の作成ポイントは以下の通りです。
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具体的なテーマとしては、「1on1での心理的安全性の高め方」「会議での発言を促す技術」「フィードバックの伝え方」「質問力の高め方」といった実践的なトピックが効果的です。これらの短編動画をシリーズ化し、体系的に提供することで、継続的な学習と実践を支援することができます。
このように、さまざまな形式の動画を目的に応じて組み合わせることで、組織全体の心理的安全性の理解と実践を効果的に促進することができます。重要なのは、単に動画を提供するだけでなく、その内容を実践し、振り返る機会を設けることで、学びを定着させることです。
心理的安全性についてのエドモンドソン博士の動画コンテンツ
ここでは心理的安全性を学ぶ際に利用できる動画によるeラーニングコンテンツを紹介します。
心理的安全性がつくる恐れのない職場コース①② |
【コース概要】 組織やチームにとって重要な内容であるにもかかわらず、自分の考えを言わず、質問を控え、黙っていたことが何度ありますか? 従業員が安心して発言できるようにするには、心理的に安全な環境を整える必要があります。本コースでは、対人関係の不安がいかに組織をむしばむか、そして、その乗り越え方をさまざまな事例を通じて学習します。 【講師略歴】 エイミー・C・エドモンドソン エイミー・C・エドモンドソンは、ハーバード・ビジネススクールのノバルティス記念講 座教授として、リーダーシップとマネジメントを教えています。 2年に1度発表される経営思想家の世界的なランキング、Thinkers50では、2011年、2013年、 2015年、2017年に選出され、2017年にはTalent Awardも受賞しました。 リーダーシップ、チーミング、組織学習に関する教育や執筆に従事し、ハーバード・ビジネス・レビューやカリフォルニア・マネジメント・レビューなどの経営誌や一流 の学術誌に寄稿しています。 心理的安全性に関する先駆的な研究で最もよく知られており、過去15年間に わたって経営、医療、教育分野のさまざまな学術研究に貢献してきました。 『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』(英治出版)や『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』(英治出版)などの著書があります。 |
まとめ:心理的安全性を動画で高め組織のパフォーマンスを向上させよう
本記事では、心理的安全性を動画で学び、高めていくためのさまざまな方法について解説してきました。心理的安全性は、Googleの研究で「最も生産性の高いチームの共通点」として特定された重要な要素であり、組織のパフォーマンス向上に直接的な影響を与えます。
心理的安全性とは、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」を指し、この環境が整うことで、メンバーは自由に意見を述べ、質問し、失敗から学び、新しいアイデアを提案できるようになります。結果として、イノベーションが促進され、問題の早期発見・解決が可能となり、組織全体のパフォーマンスが向上します。
動画による学習は、こうした微妙な人間関係やコミュニケーションの概念を理解する上で非常に効果的です。視覚と聴覚を同時に活用することで、文字だけでは伝わりにくいニュアンスや非言語コミュニケーションも含めて学ぶことができます。また、時間や場所を選ばず、自分のペースで学習できる柔軟性や、組織全体で均一な理解を促進できる点も大きなメリットです。
心理的安全性を高めるための動画学習は、「事前学習→ディスカッション→アクションプラン作成→実践→振り返り」という5つのステップで進めると効果的です。
この過程で、エドモンドソン博士の基本動画から始まり、トップメッセージ動画、成功事例インタビュー、失敗から学ぶ「しくじり先生」動画、そして実践的なマイクロラーニング動画など、さまざまな形式の動画コンテンツを活用することで、理解を深め、実践につなげることができます。
心理的安全性の向上は一朝一夕に実現するものではありません。継続的な取り組みと、組織全体の意識改革が必要です。しかし、動画を効果的に活用することで、その過程をよりスムーズに、より効果的に進めることができます。
心理的安全性が高まった組織では、メンバーが自由に意見を交換し、チャレンジし、失敗から学ぶことができます。それにより、イノベーションが促進され、問題の早期発見・解決が可能となり、結果として組織のパフォーマンスが向上します。また、メンバーのエンゲージメントも高まり、優秀な人材の定着にもつながります。
ぜひ本記事で紹介した方法を参考に、動画を活用した心理的安全性の向上に取り組み、組織のパフォーマンス向上につなげていただければ幸いです。
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