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【種類別】経営戦略の成功事例10選|成功企業の法則がわかる

​​​​​​「経営戦略を立てなければならないけれど、どの戦略がいいのか、いまいちよくわからない」
「参考にするために他社はどんな経営戦略で成功しているのか、事例が知りたい」

経営戦略には様々な種類があるため、どの戦略が自社にとって一番最適なのか、悩んでしまうこともあるでしょう。

経営戦略には、主に以下のような種類があり、それぞれの戦略で成功している企業事例を10件取り上げました。

企業名をクリックすると事例を紹介している章に飛ぶこともできますので、興味があるものを参照してください。

経営戦略の種類

概要

向いている企業

事例

差別化戦略

自社の製品やサービスに独自性を持たせることで、市場での優位性を確立する

・独自の技術やブランドを持っている企業
・ニーズが多様でシェアが偏っていない製品、サービスを提供している企業
・価格競争では勝てる見込みが薄い企業

多角化戦略

これまで手掛けてきた事業とは異なる新分野に進出する

・既存事業が安定していて技術やノウハウ、資源がある企業
・既存事業の成長が見込めない企業

集中戦略

特定の市場にターゲットを絞って経営リソースを集中させる

・経営戦略にコストやリソースを割けない企業
・一部のターゲット層向けの強みがある企業

コストリーダーシップ戦略

コストを抑えることで業界最安値を実現し、価格競争をリードする

・高級感より価格を重視される製品やサービスを扱う企業
・ある程度の生産規模があり、技術やノウハウも確立している企業

グローバル戦略

世界全体を市場ととらえてビジネス展開する

・海外拠点で人件費や原材料費の削減が見込める企業
・海外でも需要が見込める企業

ブルーオーシャン戦略

ニーズはあるのにまだ誰も進出していない市場・領域を開拓し、新たな需要を生み出す

・経営戦略にコストやリソースを割けない企業
・市場のニーズをとらえて革新的な製品やサービスを生み出せる企業

カスタマーサービス戦略

質の高いサービスを提供することで顧客ロイヤルティを向上させ、優良顧客を育てる

・継続利用してほしい商材を扱う企業
・顧客満足度や口コミが競争優位性に直結する企業

しかし、「この経営戦略をとればかならず成功する」というものはありません。

企業の業種、扱う商材、企業規模、強みや弱み、戦略実行に使えるコストやリソースなどさまざまな要素によって、適した戦略は異なるからです。

そこで本記事では、各戦略の概要と向いている企業のタイプを挙げた上で、実際に成功した企業の事例を詳しく紹介していくとともに、成功する経営戦略のポイントまでお伝えしていきます。

自社の状況に近い事例を見れば、どんな経営戦略をとればいいのかが判断できるでしょう。

本記事で、あなたの会社が適切な経営戦略を実行し、順調に成長できるよう願っています。

▼経営戦略についてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。

人的資本経営バナー

目次[非表示]

  1. 1.差別化戦略と成功事例2つ
    1. 1.1.差別化戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
    2. 1.2.成功事例:Apple Inc.
    3. 1.3.成功事例:株式会社モスフードサービス
  2. 2.多角化戦略と成功事例
    1. 2.1.多角化戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
    2. 2.2.成功事例:ソニーグループ株式会社
  3. 3.集中戦略と成功事例2つ 
    1. 3.1.集中戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
    2. 3.2.成功事例:株式会社しまむら
    3. 3.3.成功事例:スズキ株式会社
  4. 4.コストリーダーシップ戦略と成功事例2つ
    1. 4.1.コストリーダーシップ戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業 
    2. 4.2.成功事例:株式会社サイゼリヤ
    3. 4.3.成功事例:株式会社ニトリ
  5. 5.グローバル戦略と成功事例
    1. 5.1.グローバル戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
    2. 5.2.成功事例:株式会社小松製作所
  6. 6.ブルーオーシャン戦略と成功事例
    1. 6.1.ブルーオーシャン戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
    2. 6.2.成功事例:キュービーネットホールディングス株式会社
  7. 7.カスタマーサービス戦略と成功事例
    1. 7.1.カスタマーサービス戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
    2. 7.2.成功事例:株式会社オリエンタルランド
  8. 8.経営戦略の事例から見る成功のポイント4つ
    1. 8.1.顧客ニーズや市場の動向、競合他社を的確に分析する
    2. 8.2.自社の強みを明確化する
    3. 8.3.経営リソースを適切に割り振る
    4. 8.4.情勢や環境の変化に備える
  9. 9.まとめ

差別化戦略と成功事例2つ

経営戦略_差別化戦略

まず、多くの企業で採用されている経営戦略のひとつ、「差別化戦略」について、簡単な説明と国内外の事例をご紹介しましょう。

1-1.差別化戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
1-2.成功事例:Apple Inc.
1-3.成功事例:株式会社モスフードサービス

差別化戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業

差別化戦略とは、自社の製品やサービスに競合他社とは異なる独自性を持たせることで、市場での優位性を確立する経営戦略です。

【差別化戦略について】

メリット
  • 独自性により高価格でも売れるようになり、低価格競争に巻き込まれなくなる
  • 顧客ロイヤルティが向上し、優良顧客の増加、LTV(顧客生涯価値)増大が期待できる
  • 「この製品・サービスならA社」となり、自社のブランド力が高まる
デメリット
  • ニーズの分析、新製品開発、ブランディングなどにコストがかかる
  • 低価格を望む顧客や独自性を求めない顧客が離れてしまう恐れがある
  • 他社に後追いで類似の製品やサービスを販売され、独自性が薄れる恐れがある
向いてる企業
  • 競合他社から抜きん出ることができる技術やブランドなどを持っている企業
  • ターゲット層の嗜好やニーズが多様で、まだ市場集中度が低くシェアが偏っていない製品、サービスを提供している企業
  • 価格競争では勝てる見込みが薄い企業

例えば、以下のような点で差別化をはかることができます。

  • 製品やサービスの質、性能の良さ
  • デザインのオリジナリティ
  • ブランドイメージ
  • 特定のユーザーニーズを捉えた製品開発
  • 他にはない顧客体験             など

消費者のニーズやインサイトを的確に捉えて、それに対して他の企業はまだ提供していない製品やサービスで応えることで、他社よりも市場の支持を集めることができるでしょう。

成功事例:Apple Inc.

Apple Inc.

戦略の種類

差別化戦略

課題

パソコン市場のシェアをWindowsに奪われ、経営危機に陥った

戦略の内容

・デザイン性最優先の製品づくり
・アップルストアを出店、特別な顧客体験を提供する

成果

時価総額世界1位の企業に成長

アップル社は、iPhone、iPad、Macなどのデジタルデバイスからソフトウェア、Apple Musicなどのコンテンツサービス、iCloudなどのクラウドサービスまで幅広い製品を提供する世界最大のテクノロジー企業です。

	経営戦略_Apple課題

ただ、1976年の創業から今まで、一貫してトップランナーであったわけではありません。

1990年代、Windowsが急速な進化を遂げたことでMacのシェアが低下し、経営危機に陥りました。

そこで、1997年に創業者のひとりであるスティーブ・ジョブズが暫定CEOに復帰し、経営の立て直しを図ったのです。

	経営戦略_Apple施策

ジョブズはさまざまな改革を実施しましたが、中でも特徴的なのは以下のような差別化戦略でした。

  • デザイン性最優先の製品づくり
  • アップルストアの出店

まずジョブズは、デザイン重視の製品づくりにシフトしました。

それまで多くの製品開発現場では、コストや生産効率性を重視して、デザインはそれに合わせて考えるのが一般的でした。

一方アップルでは、製品開発の権限をインダストリアル・デザイン部門が持ち、デザイン性を最優先に据えて、それを実現するためにサプライチェーンが動く、というプロセスを構築したのです。

さらに、その製品の魅力を十分に伝えるために、量販店で販売するだけでなく、直営の「アップルストア」をつくりました。

高級ブランドが並ぶ繁華街にスタイリッシュな店舗を出店し、そこではさまざまなアップル製品を試用体験できたり、くわしい知識を持ったスタッフの接客を受けられたりと、特別な顧客体験を得ることができます。

	経営戦略_Apple結果

これらの差別化戦略により、アップルは機能美を備えた独自のデザインとブランドを確立することができ、競合他社との差別化に成功しました。

現在では、時価総額世界1位の企業へと成長しています。

<参考>

成功事例:株式会社モスフードサービス

株式会社モスフードサービス

戦略の種類
差別化戦略
課題

競争の激しいファストフード市場で、価格競争に参加せずに消費者の支持を得たい

戦略の内容

・他にはないオリジナルのメニューを開発する
・「日本の味」を追求する
・おいしさ、安全、健康にこだわった独自の安全基準を設ける

成果

ハンバーガーチェーンの中で独自のブランド力を確立、2023年度には過去最高の売上高を更新

モスバーガーは、国内第2位の店舗数を誇る日本発祥のハンバーガーチェーンです。

他にはない商品展開で競合チェーンとは一線を画し、その差別化戦略によって多くのファンを獲得しています。

	経営戦略_モスフード課題

そもそもファストフード業界は、ハンバーガーチェーンをはじめとして牛丼、うどん、フライドチキン、ドーナツなど種類が豊富で店舗数も多く、競争が激しい市場です。

そのため、低価格競争に陥りがちですが、モスバーガーはそこに参戦しませんでした。

かわりに選んだのが、「独自性の確立」だったのです。

	経営戦略_モスフード施策

実際に展開した施策はバリエーションに富んでいて、たとえば以下のようなものでした。

  • オリジナルのメニュー開発:テリヤキバーガー、ライスバーガー、菜摘など
  • 「日本の味」の追求:しょうゆや味噌、米なども用いて、新しい日本の食文化創造を目指す
  • MOS品質:おいしさ、安全、健康にこだわった独自の安全基準を設ける
  • アフターオーダー方式の導入:作り置きせず、注文を受けてから出来立てを提供する

特に際立つのは、他にはない斬新なメニュー開発でしょう。

アメリカの国民食ともいえるハンバーガーに日本の味を融合させたテリヤキバーガーは、モスバーガーが世界ではじめて提供した大ヒットメニューで、今ではアメリカのバーガーチェーンの一部に逆輸入されています。

ライスバーガーもモスバーガー発で、日本人の主食・お米でファストフードを作りたいという思いから生まれました。

菜摘は、バンズのかわりにレタスでパティを挟むという独創的な発想が話題になりました。

それまでの「ファストフードは高カロリー」というイメージを覆し、健康志向の人やダイエット中の人など、より幅広いターゲット層にアピールしています。

経営戦略_モスフード結果

これらの差別化施策によって、競争激しいファストフード市場の中で、「モスでしか食べられないメニューがある」「健康やダイエットにいいファストフードならモス」といったオンリーワン性を醸成することに成功しました。

コロナ禍も乗り越え、2023年度の売上高は930億58百万円(前期比9.4%増)と、過去最高を更新しています。

<参考>
モスバーガー公式サイト「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「『おいしさ、安全、健康』のために」「こだわり・安全安心

多角化戦略と成功事例

経営戦略_多角化戦略

次に、ある程度の規模がある安定企業などがとる「多角化戦略」についてです。

それぞれ、概要と成功事例を見ていきましょう。

2-1.多角化戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
2-2.成功事例:ソニーグループ株式会社

多角化戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業

多角化戦略とは、企業がこれまで手掛けてきた事業とは異なる新分野に進出する経営戦略です。

【多角化戦略について】

メリット
  • 複数事業に売上を分散することで、リスクも分散できる
  • 複数事業が互いに影響し合い、シナジー効果(=相乗効果)が生まれる
  • 経営資源に余剰があれば、効率的に活用できる
デメリット
  • 新事業の立ち上げコストが発生する
  • リソースが分散され、経営効率性が下がる恐れがある
  • 企業のブランドイメージがあいまいになる恐れがある
向いてる企業
  • 既存事業が安定していて、新事業に活かせる技術やノウハウ、資源がある企業
  • これ以上既存事業の成長が見込めず、余剰のリソースを他に回したい企業

例えば、小売業がそれまで仕入れ販売していた製品を自社で製造して販売する、化学メーカーがその技術を活かして化粧品ブランドを立ち上げるといったように、関連の深い事業を始めるケースが考えられます。

あるいは、アパレルメーカーが飲食業に進出する、建設業が保育事業を展開するなど、まったく関連のない事業分野を新規開拓する例もあります。

では、多角化戦略の成功事例を見ていきましょう。

成功事例:ソニーグループ株式会社

ソニーグループ株式会社

戦略の種類

多角化戦略

課題

電気製品にとどまらず、新しい分野に進出して世界に通用する企業グループを目指したい

戦略の内容

・主に海外の他業種企業と合弁などで会社を設立、新領域に進出する
・異なる分野の事業でお互いにシナジー効果を生み、リスクを分散させる

成果

グループとして順調に成長、2023年度の連結売上⾼は13兆208億円と過去最⾼を更新

ソニーグループは、エレクトロニクス事業をはじめにゲームやエンターテインメント、金融業など幅広い分野で事業を展開するコングロマリットです。

経営戦略_sony課題

そのルーツは1946年に設立された「東京通信工業」で、「大きな会社ではできないことをやろう」という志から日本初のテープレコーダーやトランジスタラジオなどを製造する企業でした。

それが1958年、電気製品にとどまらず新しい分野にも挑戦し、世界に通用する企業グループを目指そうと、社名を「SONY」に変えて多角化戦略に乗り出します。

経営戦略_sony施策

その方法は、海外の企業と合弁してその企業の領域に進出したり、分社化して新事業を行ったりというケースが多く、例えば以下のような例がありました。

  • 米テクトロニクス社と「ソニー・テクトロニクス」を設立、オシロスコープや電子計測器類、テレビ放送用機器などの製造販売を始める
  • 米UCC社と「ソニー・エバレディ」を設立、電池の製造販売を行う
  • 米CBS社とレコード会社「CBS・ソニーレコード(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)」を設立、エンターテインメント業界に進出する
  • 分社化により「ソニー・クリエイティブプロダクツ」を設立、雑貨の製造販売や化粧品販売を始める
  • 米プルデンシャル社と「ソニー・プルデンシャル生命保険」を設立、保険業に進出する

このほかにもさまざまな分野に進出しており、その多くが今でも各領域で大きなシェアを獲得しています。

このように、多分野に手広く事業を展開するには当然リスクが伴いますが、ソニーグループではさまざまな施策によってこのリスクに備え、各事業の成長を図ってきました。

例えば2015〜2017年度の経営方針では、各事業を以下の3つに分類し、リスクを分散すると同時にシナジー効果(相乗効果)を生み出しています。

分類
事業
位置付け

成長牽引領域

デバイス分野、ゲーム&ネットワークサービス分野、映画分野、音楽分野

利益成長を牽引していく領域で、成長に向けた施策の実行と積極的な資本投下によって、売上成長と利益拡大を目指す。

安定収益領域

イメージング・プロダクツ&ソリューション分野、ビデオ&サウンド事業

市場全体の成長は見込めないが、着実な利益計上とキャッシュフロー創出を重視する。

事業変動リスク
コントロール領域

テレビ事業、モバイル・コミュニケーション分野

価格競争が激しい市場で、リスクの低減と利益の確保を最優先に事業運営する。

経営戦略_sony結果

つまり、個々の事業での収益に目を向けるだけでなく、「高い採算性が期待できる事業」「安定した事業」「リスクのある事業」の間でマイナスとプラスのバランスを調整しながら、全体で利益とブランドイメージを向上させていこうというわけです。 

この戦略が成功したソニーグループは業績を伸ばし、2023年度の連結売上⾼は13兆208億円と過去最⾼を更新しています。 

<参考> 
ソニーグループ公式サイト「Sony History」 「ニュースリリース ソニー株式会社 2015〜2017年度中期経営方針」「ソニーグループの経営戦略と財務情報分析」(創価経営論集 40 (2), 35-48, 2017-03-31/平岡 秀福) 

集中戦略と成功事例2つ 

	経営戦略_集中戦略と成功事例

次に挙げるのは「集中戦略」です。

中小企業でもコストをかけずに取り組めるので、事例も含めて参考にしてください。

3-1.集中戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
3-2.成功事例:株式会社しまむら
3-3.成功事例:スズキ株式会社

集中戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業

集中戦略とは、特定の市場にターゲットを絞って、経営リソースを集中させる経営戦略です。

【集中戦略について】

メリット
  • 限られた経営リソースでも、大きな成果を得られる
  • 競合が少なく、高いシェアを目指すしやすい
  • ターゲット層での顧客満足度が高くなり、ブランド力が高まる
デメリット
  • 市場開拓後に、大企業が参入してシェアを奪われる恐れがある
  • 消費者ニーズや社会情勢の変化によって、飽きられるなど影響を受けやすい
向いてる企業
  • 中小企業など、経営戦略にコストやリソースを大きく割けない企業
  • 一部のターゲット層に対して魅力を感じさせる、何らかの強みがある企業

例えば、以下のようなセグメントに集中するケースがあります。

  • 特定の「顧客層」に集中する:
    「都市部の富裕層のみ」「後継者のいない中小企業向け」など

  • 特定の「製品分野」「サービス分野」に集中する:
    「フライドチキン中心のファストフード」など

  • 特定の「地域」に集中する:
    「関西限定」「◯◯県内のみに出店」など

  • 特定の「流通チャネル」に集中する:
    「ECサイトでのみ販売」「紹介がないと利用できないサービス」など

自社ですでに保有しているリソースを一部の市場に集中して投入するため、多角化などとは異なり大きなコストが発生しません。

むしろコスト削減や効率化も期待できるため、中小企業で多く採用されています。

成功事例:株式会社しまむら

株式会社しまむら

戦略の種類

集中戦略(コスト集中戦略)

課題

消費者の嗜好の多様化、EC市場の拡大など、不確実性の高い外部環境にあっても、変化に適応できる強固な事業基盤の構築が必要

戦略の内容

ローコストオペレーション(=コストの無駄を省いた効率的な店舗運営)により、高品質で低価格な商品を提供する

成果

価格にこだわる顧客層を獲得、「しまラー」というファンづくりも実現

しまむらは、ユニクロを展開するファーストリテイリングに次いで、国内のアパレル関連業第2位の企業です。

「ファッションセンターしまむら」をはじめ、ベビー・子ども用品の「バースデイ」など、国内外に約2,200店舗を展開しています。

しまむらが成長してきたのは、集中戦略をとったためと言っていいでしょう。

経営戦略_しまむら課題

はじめはロードサイドの大型店舗でファミリー向けに幅広い商品を販売するビジネスモデルをとっていました。

ですが、それでは既存の衣料品店と差別化できません。

また、アパレル分野は消費者の嗜好が多様化している上に移り変わりやすく、そこにECサイトの普及なども相まって、市場の変化が激しい分野だと言えます。

そんな中で、多少の変化でも揺らがないビジネスモデルの構築が求められていました。

	経営戦略_しまむら施策

 そこでしまむらは「高感度・高品質・低価格」、つまり流行りのファッションを安く買いたいという層に向けて「コスト集中戦略」をとったのです。

例えば以下のような「ローコストオペレーション(=コストのムダを省いた効率的な店舗運営)」の方法で、低価格を実現しています。

  • 自社運営の物流センターをつくるなど、物流をできるだけ自社で行う
  • 店舗開発も自社で行い、店舗設計は標準化してコストを削減する
  • チラシなどの撮影も自社スタジオで行う
  • 店舗運営を徹底的にマニュアル化、少人数で運営できる体制を整える
  • 商品の動向を色別・サイズ別・デザイン別・地域別などに分析、それぞれに売れていない店舗から売れる店舗へ移動する、適切に値下げするなどして、最後の1枚まで売り切る

経営戦略_しまむら結果

その結果、価格にこだわる顧客層だけでなく、しまむらブランド自体を愛する「しまラー」というファン層も生み出すことができました。

2024年の「統合報告書」では、業績が3期連続で過去最高を更新したことを報告しています。

<参考>
しまむら公式サイト「事業内容」「ビジネスモデル
しまむらグループ 統合報告書 2024
しまむらグループ 長期経営計画 2030

成功事例:スズキ株式会社

スズキ株式会社

戦略の種類

集中戦略

課題

トヨタ、ホンダ、日産の「ビッグ3」が強い自動車市場で、勝ち筋を見つけたい

戦略の内容

・もともと強みのあった軽自動車に事業を集中する
・海外では、人口が多く発展が期待できるインドに注力する

成果
2020年には国内四輪車保有台数でホンダを抜いて第2位に躍進、インドではシェアおよそ50%を占める

スズキは自動車を中心に、オートバイや船外機なども製造販売するメーカーです。

自動車メーカーの中でも、軽自動車に注力している企業として知られますが、それは集中戦略の結果として確立されたイメージだと言っていいでしょう。

経営戦略__トヨタ課題

自動車メーカーは、国内はもちろん世界規模でもトヨタ自動車がトップに君臨しています。

次いでホンダ(本田技研工業)、日産のいわゆる「ビッグ3」が強く、3社に市場競争で勝つのは簡単ではありません。

そんな厳しい自動車市場で、スズキがとった戦略が「軽自動車」だったのです。

	経営戦略_トヨタ施策

そもそも日本で「軽自動車」という規格が誕生したのが1949年、スズキはそれから間もない1955年に「スズライト」という車種を発売していて、その分野では強みを持っていました。

そこで、普通自動車市場での競争に参加するよりも、強みを活かした軽自動車事業に集中することを選んだというわけです。

また海外展開でも、スズキは特にインドに着目、日本メーカーではいち早く1982年に進出しました。

インドは当時から人口が多い上に増加を続けていて、経済的な成長も目覚ましい国です。

そこに競合他社より集中して経営リソースを投下することで、優位性を得られると見込んだのです。

	経営戦略_トヨタ結果

これらの集中戦略の結果、2020年3月末の国内四輪車保有台数で、スズキはホンダを抜いて第2位に躍進することができました。

インドでも、乗用車市場でシェアおよそ50%を占め、今後はEV車にも力を入れていくということです。

<参考>
スズキ公式サイト「企業情報」「トップメッセージ」「財務ハイライト
2030年度に向けた成長戦略説明会
スズキ、2030 年度に向けた成長戦略を発表
スズキ軽自動車年表 2024年版
インド市場の現状とスズキの展望

コストリーダーシップ戦略と成功事例2つ

コストリーダーシップ戦略

コストに関連する経営戦略といえば、「コストリーダーシップ戦略」があります。 

どんな戦略なのか、実例とともに見ていきましょう。 

4-1.コストリーダーシップ戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業 
4-2.成功事例:株式会社サイゼリヤ 
4-3.成功事例:株式会社ニトリ 

コストリーダーシップ戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業 

コストリーダーシップ戦略とは、自社の製品やサービスにかかるコストをできるだけ低く抑えることによって、競合他社の中でも最安値を実現し、価格競争をリードしていく経営戦略です。 

【コストリーダーシップ戦略について】 

メリット
  • 業界最安値の実現によって、価格を重視する顧客層でシェアの拡大が見込める
  • 効率化などにより、生産性が向上する
  • 価格の値下げ率よりコスト削減率を大きくすれば、安値にしても利益を増加することができる
デメリット
  • サプライチェーン全体の見直しが必要なため、時間やコストがかかる
向いてる企業
  • 高級感やブランドイメージよりも、価格を重視される製品やサービスを扱う企業
  • もともとある程度の生産規模があり、技術やノウハウも確立している企業

この戦略では、例えば以下の方法で製造原価や物流などのコストを削減します。

  • 原材料費を抑える:
    仕入れ先を変える、原料を自社生産する、直接仕入れるなど

  • 大量生産する:
    大量仕入れ、大量生産、機械化による効率化などでスケールメリットを得る

  • 業務を効率化する
    業務フローを改善する、人力の作業を自動化するなど

といっても、単に「最安値で提供する」だけの戦略ではありません。

コスト削減は手段であり、そのために利益を減少させることなく、むしろ利益率の向上を目的としているのがコストリーダーシップ戦略だと言えます。

【コストリーダーシップ戦略とコスト集中戦略の違い】

コストリーダーシップ戦略と、「3-2.成功事例:株式会社しまむら」で説明したコスト集中戦略は、似て非なるものです。

コスト集中戦略は集中戦略の一環で、特定の狭い市場にターゲットを絞り、その中で低コストで商品を販売、競争の優位性を確保します。

戦略の中心は「市場を絞り込んで、ビジネスをそこに集中する」ことで、「低コスト・低価格」はそのひとつの手段です。

一方コストリーダーシップ戦略は、戦略の中心を「低コスト・低価格」の実現におき業界全体での優位性=リーダーシップを獲得する戦略です。

成功事例:株式会社サイゼリヤ

株式会社サイゼリヤ

戦略の種類

コストリーダーシップ戦略

課題

イタリア料理の敷居が高く、来店客が増えなかった

戦略の内容

・価格を7割引に設定するなど、人が驚くほど安く提供する
・低価格を維持するために、自社でできることは自社で行い、ムダを省いて効率化する

成果

物価高の中でも低価格を維持しつつ、売上高を伸ばしている

サイゼリヤは、店舗数でガストに次ぐ第2位、売上高ではゼンショー、すかいらーくに次ぐ第3位を占めるファミリーレストランチェーンで、イタリア料理に特化しているのが特徴です。

その魅力はなんといっても価格の安さで、客単価の平均は2020年時点で681円、物価が上がった2024年でも827円と、ファミリーレストランの中で「コストパフォーマンスではNo.1」という声も多く聞かれます。

	サイゼリヤ課題.

このように、サイゼリヤが他社よりも低価格に設定するコストリーダーシップ戦略をとることになったのは、創業者・正垣泰彦氏の意向によるものでした。

サイゼリヤは1973年、洋食店からイタリアンレストランに転身しましたが、当時はまだイタリア料理が珍しかったためか敷居が高く、来店客がなかなか増えませんでした。

	サイゼリヤ施策

そこで、人が驚くほど安くすれば喜んで来店してくれるのではないかと考え、商品の内容はそのままに、なんと7割引=3割の価格で提供したのです。

すると、翌日からお客が列をなして訪れ、評判が口コミで広がっていきました。

それ以来、サイゼリヤは「おいしい料理をリーズナブルに提供する」ことにこだわっています。

具体的に行なっているのは、以下のような取り組みです。

  • 商品開発から食材の生産、加工、配送までを一貫して行う製造直販を実現、中間コストを削減する
  • 店舗での販売量を予測し、食材を計画生産することで、品質、数量、価格を安定させる
  • 牛肉や乳製品の相場が安いオーストラリアに自社工場を設け、ハンバーグやホワイトソースを現地生産する
  • セルフレジを導入し、人件費の削減と効率化を実現する

	サイゼリヤ結果

これらの施策を実施した結果、昨今の急激な物価高騰の中でもメニューの値上げを最小限にとどめながらも、2024年8月期には前期比124.8%の売上高を達成するなど、低価格と成長を両立することができています。

<参考>
サイゼリヤ公式サイト「サイゼリヤの哲学」「お値打ち品のための取り組み
株式会社サイゼリヤ 第2四半期決算説明資料

成功事例:株式会社ニトリ

株式会社ニトリ

戦略の種類
コストリーダーシップ戦略
課題

日本人に豊かな生活を低価格で提供したい

戦略の内容

・商品企画から製造、物流、販売、IT開発まで徹底的に内製化する「製造物流IT小売業」を目指す

成果

「お、ねだん以上。」=低価格で高品質なインテリア商品を提供、36期連続増収増益を達成

ニトリは、家具・インテリア業界最大手に位置する企業で、「お、ねだん以上。」というキャッチコピーそのままに、低価格で品質の高い商品の提供をモットーとしています。

例えば、以前は10万円以上が当たり前だった羽毛布団を1万円以下で販売したり、専門店では1枚数万円していたカーテンを数千円で買えるようにしたりと、それまでの相場価格を破壊するような低価格を実現してきていますが、それはコストリーダーシップ戦略による成果です。

ニトリ課題

ニトリがこのような戦略に至った原点は、創業者である似鳥昭雄氏が1972年に行ったアメリカ視察でした。

物価が日本の2分の1〜3分の1で、広い持ち家にコーディネイトされたインテリア、その生活水準の高さに衝撃を受け、「日本人の暮らしを、アメリカ並みに豊かにしたい」と考え、安価で高品質なインテリアというコンセプトが生まれたのです。

	ニトリ施策

この志を実現するために始めたのが、商品の製造から販売までを一貫して自社で行ういわゆる「SPA戦略」でした。

ただ、ニトリが他社と異なるのは、徹底的に内製化にこだわってコストを削減する「製造物流IT小売業」という独自のビジネスモデルを構築した点でしょう。

アジアを中心に自社工場を建設、生産地と販売店ネットワークとの距離を近くすることで物流コストを抑えたり、原材料の生産地に足を運んで生産者と直接交渉したり、貿易に関する業務を外部委託せずすべて自社で行ったりといった取り組みを行っています。

	ニトリ結果

ITシステムも、30年前から自社で開発を始めていて、現在では8割のシステムを内製化しているほどです。

このような企業努力の結果、2023年には36期連続増収増益、2024年には世界中で店舗数1,000の達成を報告しています。

<参考>
ニトリ公式サイト「経営方針」「ビジネスモデル紹介
統合報告書 2023」「統合報告書 2024

グローバル戦略と成功事例

グローバル戦略と成功事例

日本企業はグローバル化が遅れているとよく言われますが、そんな中でも海外に挑む企業はあります。

その「グローバル戦略」について考えてみましょう。

5-1.グローバル戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
5-2.成功事例:株式会社小松製作所

グローバル戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業

グローバル戦略とは、国内市場だけでなく世界全体を市場ととらえてビジネス展開する経営戦略です。

【グローバル戦略について】

メリット
  • 新たな市場を開拓することができ、市場規模が拡大する
  • 人件費や原材料費が安い国に拠点を設けることで、コストを抑えられる
  • 海外の人材や技術を取り入れることで、技術力や競争力の向上をはかれる
デメリット
  • 海外で活躍できる人材や、進出先の国での現地人材の確保が難しい
  • その国ごとの文化や法制度の違いに対応しなければならない
  • 地政学的なリスクや、社会情勢の変化によるリスクが生じる恐れがある
向いてる企業
  • 海外に拠点を設けることで、人件費や原材料費の削減が見込める製造業、IT関連などの企業
  • 扱っている製品やサービスに、海外でも需要が見込める企業

日本の人口は減少傾向で、今後は国内市場も縮小していくと考えられます。

その点海外には、人口が増加中でこれから経済的にも発展が期待される国がまだありますので、それらの国を含めてビジネスを展開すれば、新たな市場を開拓して収益を上げることが期待できます。

また、円安が続いている現状では、海外市場は日本製品を安く買うことができるため、輸出企業にとってはグローバル戦略を強化して売上拡大をはかることができるチャンスだと言えるでしょう。

成功事例:株式会社小松製作所

株式会社小松製作所

戦略の種類

グローバル戦略

課題

海外の競合他社に日本国内のシェアを奪われるリスクがあり、世界水準の製品を開発する必要があった

戦略の内容

・主力製品の品質を、短期間で世界水準まで向上させる
・海外のニーズに応える信頼性の高い製品を開発する
・全世界に生産拠点、販売拠点を設置、品質や安全性、人材育成などを統一する

成果

建設機械メーカーとして世界2位に成長、建設機械・車両の海外売上比率は約86%を達成

コマツは1917年に「小松鉄工所」として創業、国産初のトラクターを開発するなど、日本を代表する総合建設機械メーカーとして知られています。

その海外進出の歴史は長く、創業者の竹内明太郎氏が唱えた4つの創業理念の第一に「海外への雄飛」が挙げられていました。

	小松製作所課題

実際に進出したのは1950年代でしたが、大きな転機となったのが1960年代、競合である米キャタピラー社の日本進出です。

当時の建設機械の品質は、日本製よりもアメリカ製のほうが優れていたため、本格進出されればコマツは負けるという危機感が生まれたのです。

	小松製作所施策

そこで、主力製品であるブルドーザーの品質を短期間で向上させるプロジェクトを立ち上げ、2年あまりで量産化にこぎつけました。

これで世界市場で勝負できる力を身に付けたわけです。

ただ本格的な海外進出にあたっては、「耐用寿命が長く故障が少なく、休車時間も短いブルドーザー」を求める海外のニーズに応えなければなりませんでした。

この難しい条件をクリアしたことで、海外向けに信頼性の高い製品を開発するノウハウを得たコマツは、さらに多様な製品を海外に展開することができるようになったのです。

その後もコマツはグローバル戦略を推し進めるため、例えば以下のような施策に次々取り組んでいます。

  • 商品の需要地で生産することを基本方針として、全世界に生産・販売拠点を設置する
  • 開発機能を持つ生産工場を「マザー工場」、同じ商品を生産する海外の工場を「チャイルド工場」として、品質やコスト、安全基準、納期などを統一する
  • 課題の原因を突き詰めて改善する「QC活動」を海外拠点でも展開、人材育成の一環として活用する

	小松製作所結果

これにより、現在では建設機械メーカーとしてアジアでシェア1位、世界でもキャタピラー社に次いで2位のグローバル企業に成長しました。

また、建設機械・車両の海外売上比率は約86%(2019年度)、社員の外国籍比率も約7割となっています。

<参考>
コマツ公式サイト「沿革」「コマツ ヒストリー」「コマツはグローバル企業?」「レポート

ブルーオーシャン戦略と成功事例

ブルーオーシャン戦略

経営戦略の中でも、比較的新しく提唱されたのが「ブルーオーシャン戦略」です。
未開の市場を青い海にたとえたこの戦略とはどんなものでしょうか。概要と、成功事例を紹介していきます。

6-1.ブルーオーシャン戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
6-2.成功事例:キュービーネットホールディングス株式会社

ブルーオーシャン戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業

ブルーオーシャン戦略とは、ニーズはあるのにまだ誰も進出していない(あるいは進出している者が非常に少ない)市場・領域=ブルーオーシャンを開拓し、新たな需要を生み出す経営戦略です。

【ブルーオーシャン戦略について】

メリット
  • 競争がないので、低コストで大きなシェアを獲得できる
  • 競合がいないので、自社が価格設定できる
  • 「この商品・サービスなら◯◯社」というブランドを確立できる
デメリット
  • 高いマーケティング力、分析力がなければブルーオーシャンを見つけられない
  • 成功すると、他社が参入してきて優位性が失われる恐れがある
  • 新たな市場、需要を育てる必要があるため、収益化まで時間がかかる
向いてる企業
  • 中小企業など、経営戦略にコストやリソースを大きく割けない企業
  • 市場のニーズを的確にとらえて革新的な製品やサービスを生み出す力がある企業

これまでになかった斬新な製品を開発する、ニーズを満たすサービスがなかった分野でサービスを提供する、などがこれに当たります。

競合する相手がいない、もしくは極端に少ないので、市場での優位性を確立して大きなシェアを得ることができるでしょう。

ちなみにブルーオーシャンに対して、すでに競合がひしめき合っていて激しい競争が繰り広げられている市場を「レッドオーシャン」と称し、このレッドオーシャンで熾烈な競争に勝ち残って、利益やシェアを獲得する戦略は「レッドオーシャン戦略」と呼ばれます。

成功事例:キュービーネットホールディングス株式会社

キュービーネットホールディングス株式会社

戦略の種類

ブルーオーシャン戦略

課題

理容室で散髪すると、髭剃りやシャンプー、マッサージなどのサービスがついてくるが、それによって時間も費用もかかってしまうので、不要なものは省きたい

戦略の内容

・まだ誰も行なっていない「10分1,000円」の理容室をつくる
・シャンプー、ヘアカラー、顔剃り、パーマを省いてカットのみに特化する
・電話をおかず予約を取らない、店舗を最小限の広さにする、券売機を導入して先払いにするなど、コスト削減と効率化を徹底する

成果

創業27年目で累計来店客数が3億人を突破

QB HOUSEは、「10分1,000円」(現在は税込1,400円)のヘアカットで注目を集めたヘアカット専門チェーンです。

余計なサービスを省いて「カットのみ」を短時間・低価格で提供するというビジネスモデルはそれまでにない画期的なもので、まさにブルーオーシャンを開拓しました。

キュービーネットホールディングス

きっかけは、創業者である小西國義氏自身の体験でした。

大事な商談前に利用していた高級理容室で、普段は1時間以上かかるところを、急いでいるので30分ですませてもらった際に、仕上がりがいつもと変わらなかったのです。

キュービーネットホールディングス

そこで、通常は散髪とセットになっている髭剃りやシャンプー、マッサージなどのサービスをなくしてカットのみに特化し、その分時間と価格を抑えるというコンセプトを思いつきました。

ただ、その時点ではアイディアがあるだけで、ニーズがあるのかがわからなかったため、繁華街でマーケティング調査を行いました。

すると、「利用してみたい」という人が30%もいたのです。

ブルーオーシャンが発見された瞬間でした。

キュービーネットホールディングス結果

その後、後追いの企業も生まれましたが、QB HOUSEは1996年11月の創業から27年後の2024年3月、国内の累計来店客数が3億人を突破しています。

売上高も、コロナ禍で一時落ち込んだものの盛り返し、値上げ後も順調に伸びている状況です。

<参考>
キュービーネットホールディングス公式サイト「私たちの存在意義」「沿革
キュービーネットホールディングス株式会社 中期経営計画
PR TIMES STORY「QB HOUSE誕生秘話。「ヘアカット専門店」という新ジャンルを切り開いた創業期の裏側。

カスタマーサービス戦略と成功事例

カスタマーサービス戦略

最後に挙げるのは、顧客視点を重視する「カスタマーサービス戦略」です。

サービス業や接客業でよく採用されるこの戦略についても、概要と事例を挙げておきましょう。

7-1.カスタマーサービス戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業
7-2.成功事例:株式会社オリエンタルランド

カスタマーサービス戦略とは:メリット・デメリット・向いている企業

カスタマーサービス戦略とは、顧客に対して質の高いサービスを提供することで顧客ロイヤルティを向上させ、優良顧客を育てていく経営戦略です。

【カスタマーサービス戦略について】

メリット
  • 競合他社の製品やサービスとの差別化につながる
  • 1回だけではなく継続して購入、利用する優良顧客を育てることができる
  • 優良顧客が口コミで評判を広げてくれるため、新規顧客も期待できる
デメリット
  • 顧客中心主義を追求しすぎると、利益が減少してしまう恐れがある
  • 顧客満足度の高さが実際の購入や利用に直結しない場合がある
向いてる企業
  • サブスクリプションサービスなど、顧客に継続利用してほしい商材を扱う企業
  • 飲食、ホテル、美容など、顧客満足度や口コミが競争優位性に直結する企業

さまざまな製品やサービスが市場にあふれている現代では、企業が商材の質だけで競合他社から抜きん出るのは難しくなってきたと言えるでしょう。

そこで、カスタマーサービスの質を向上させ、価値の高い顧客体験(=カスタマーエクスペリエンス/CX)を提供することで差別化をはかり、収益を上げていくことが求められています。

製品そのものの価値だけでなく、「よいサービスを受けた」「感動があった」といった特別な体験も得ることができれば、顧客自身が満足して継続的に購入、利用してくれるはずです。

さらに、そのような優良顧客は口コミで評判を広めてくれるので、新規顧客を呼び込むことにもつながるでしょう。

成功事例:株式会社オリエンタルランド

株式会社オリエンタルランド

戦略の種類
カスタマーサービス戦略
課題

来園客に非日常の世界観と体験、質の高いサービスを提供し、夢と感動を味わせたい

戦略の内容

・パークの魅力を向上させる
・従業員の教育を徹底する
・来園客のニーズに合わせて、利用内容や料金などを選べるようにする

成果

入園料を値上げしても来園客数や売上が大きく下がることなく、増加基調が続いている

オリエンタルランドは、東京ディズニーリゾートを運営する企業です。

1983年の東京ディズニーランド開演以来、多種多様な方法で顧客に特別な体験やサービスを提供し続けていて、まさにカスタマーサービス戦略の典型と言っていいでしょう。

オリエンタルランド課題

オリエンタルランドは、「ゲストに『ハピネス』を届ける」ことを目的に掲げています。

消費者のニーズが多様化する中で、ディズニー独自のストーリーにもとづいたアトラクション、ショーやパレードといったダイナミックなエンターテインメントコンテンツ、パーク内で働くスタッフのホスピタリティあふれるサービスなどが一体となって、パークを訪れる老若男女誰でもが楽しめる空間が作られているのです。

	オリエンタルランド結果

オリエンタルランドは、「ゲストに『ハピネス』を届ける」ことを目的に掲げています。

消費者のニーズが多様化する中で、ディズニー独自のストーリーにもとづいたアトラクション、ショーやパレードといったダイナミックなエンターテインメントコンテンツ、パーク内で働くスタッフのホスピタリティあふれるサービスなどが一体となって、パークを訪れる老若男女誰でもが楽しめる空間が作られているのです。

	オリエンタルランド施策

具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。

  • アトラクションは、ハード面もソフト面も世界観を精巧に作り込み、ディズニー映画の中に入ったような没入感を生み出す
  • 従業員向けの教育研修プログラムをていねいに実施、ディズニーの「哲学」などを徹底する
  • 新エリアや新アトラクションの開発、既存アトラクションや既存ショーのリニューアルなど、パークの魅力をより向上させる
  • 年間を通じて待ち時間を一定レベルに抑えるようにし、来園客の体験価値向上を目指す
  • 来園客それぞれのニーズに合わせて、利用内容や料金が選べるようにする

オリエンタルランド結果

東京ディズニーリゾートは、何度も入園料の値上げを繰り返していますが、それにともなってパークの魅力も更新されるため顧客満足度が高く、来園者数が大きく下がることはありません。
それどころか来園者のリピート率は、脅威の90%以上とも言われています。

これは、オリエンタルランドのカスタマーサービス戦略が奏功し、顧客ロイヤルティの高い優良顧客=ファンが多数生まれていることの証左だと言えるでしょう。

<参考>
オリエンタルランド公式サイト「企業理念」「OLCの沿革・歴史」「経営計画」「2024中期経営計画」「研修と教育
株式会社オリエンタルランド FACT BOOK2024

経営戦略の事例から見る成功のポイント4つ

経営戦略成功事例

ここまで、経営戦略の種類とそれぞれの事例を見てきました。

ただ、「他社の事例はわかったけれど、わが社でこれらの戦略に取り組む場合、どうすれば失敗せず成功できるのか」も知りたいという方は多いでしょう。

そこで最後に、経営戦略を成功に導くポイントを挙げておきましょう。

  • 顧客ニーズや市場の動向、競合他社を的確に分析する
  • 自社の強みを明確化する
  • 経営リソースを適切に割り振る
  • 情勢や環境の変化に備える

この4つのポイントすべてを有機的につなげて全社で実施することで、戦略の成果が得られるはずです。

顧客ニーズや市場の動向、競合他社を的確に分析する

まず重要なのは、現状を的確に分析することです。

顧客のニーズやインサイトはどこにあるのか、市場の規模や需給バランス、成長率などはどうなっているのか、競合他社の強みや売上規模、シェアはどの程度なのかなどを事前に把握し、その上で戦略を立ててください。

例えば差別化戦略の場合は、自社の製品と競合製品とを比較して、ニーズに合っている点を強みとして強化するとよいでしょう。

グローバル戦略を展開するなら、進出先の国のニーズは日本のニーズと異なる可能性がありますので、事前に綿密な調査が必要になります。

自社の顧客やターゲット層のニーズはもちろん、広く消費者全体や市場のニーズも探ってください

深掘りしていくうちに、まだ誰もそのニーズに応えていないブルーオーシャンを発見できるかもしれません。

 【失敗パターン・1】

もし現状分析を読み誤ってしまうと、例えばニーズのない市場に進出してしまったり、競合に競り負けてしまったりといった残念な結果を招くでしょう。

自社の強みを明確化する

また、成功のためにはまず己を知ることも欠かせません。

自社の強みはどこにあるのか、あらためて洗い出して明確化しましょう。

「製品の質が強み」と思っているかもしれませんが、それは競合他社も同様でしょう。
もっと具体的に、「質とは何なのか」「どのポイントが、どんなターゲットに、どのように訴求するのか」と突き詰めてください。

その際には、客観的な視点も必要です。

社内の意見と既存顧客の声、あるいはまだ自社製品を利用していない消費者の感じ方には違いがあるかもしれません。

開発担当者は「使いやすさ」を追求したのに、実際に使った顧客は「この部分が使いにくいのでもっと改良してほしい」「それよりデザインに惹かれた購入した」となる可能性もあるのです。

社内、社外あわせて多角的にリサーチしてください。

【失敗パターン・2】

強みの把握があいまいだったり間違っていたりすると、それを活かす戦略も方向性がズレてしまいます。

例えば「わが社は製品が強みだが、販売力が弱い」と考えて、集中戦略やグローバル戦略をとったとします。

ところが実際は、ユーザーは製品にそれほど魅力を感じていなかった場合は、市場で受け入れられずに失敗してしまうリスクが大きいでしょう。

その場合は、価格を引き下げて勝負するコストリーダーシップ戦略や、顧客体験のほうにフォーカスするカスタマーサービス戦略などに舵を切り直したほうがよいと言えます。

経営リソースを適切に割り振る

経営戦略の中には、差別化戦略や多角化戦略、グローバル戦略のように、コストや人材などのリソースがある程度以上必要なものもあります。

ですが、多くの企業にとっては経営リソースは限られていて、無限に使えるものではありません。

そのため、必要なところに適切に割り振ることが求められます。

もしそのバランスを間違えてしまい、たとえば新規事業にリソースを割きすぎて既存事業が回らなくなるようなことがあれば、本末転倒でしょう。

そうならないよう、まずはどの事業のどのプロセスにどの程度のコストや人材などが必要かをリストアップしてください。

その上で、リソースが足りない場合は優先順位をつけ、重要度の高いものから割り振っていくといいでしょう。

【失敗パターン・3】

経営戦略の選び方は適切であっても、それを実行するための資金や人材など経営リソースが足りなければ失敗の原因になります。

たとえば、多角化戦略で新規に飲食業に進出したところ、人材の採用や育成が追いつかなかったり、店舗数を拡大しすぎて資金が不足してしまったりといったケースがこの一例です。

特に、差別化戦略や多角化戦略などは、コストを含めたリソースが必要ですので、綿密で無理のない計画を立てることが重要でしょう。

情勢や環境の変化に備える

ここまで万全な準備をして経営戦略を立てても、計画が頓挫することもあります。

それは、社会情勢や環境の変化による影響を受けてしまう場合です。

例えば以下のようなケースが考えられます。

  • 景気が悪化して、予測より売上が上がらない
  • 技術が飛躍的に向上して、これまであったニーズが失われてしまう
    →デジタルカメラの普及で写真のフィルムが不要になるなど
  • 法律の改正などによって、需要が下がってしまう
    →たばこ税の増税や喫煙に関する条例強化によって、たばこの売上にマイナスの影響があるなど
  • 海外進出した先の国で、地政学的な問題が生じてビジネスがうまく回らない 
    →紛争やテロ、クーデターや政権交代、経済制裁や貿易摩擦などによってマイナスの影響を受けるなど
  • 自然災害やパンデミックによって、ビジネスの継続が困難になる
    →地震などで生産拠点が壊滅したり、新型コロナウイルスなどの蔓延で業務が停止したりするなど

これらの影響を最小限にとどめるには、事前に外部環境の分析を十分にしておくことが重要です。

その上で、何かあった場合も織り込んだ計画を立て、BCP(事業継続計画)を準備しておくなどの備えをしておきましょう。

 【失敗パターン・4】

もし戦略は的確であっても、外部環境のリサーチやそれに対する備えが不十分だと、思わぬリスクに直面する恐れがあります。

例えば海外進出をする際に、現地の事情や文化の違いを理解していなかったために、現地従業員が労働環境に不満を募らせてストライキを起こして製造ラインが止まってしまうこともあり得ます。

政治的な要因から対日感情が急激に悪化し、ビジネスが継続できなくなるかもしれません。

予測不能なこともありますが、考えられる限りのシミュレーションはしておくといいでしょう。

これらのポイントを順に押さえ、現状と課題を整理した上で解決策を検討することが、経営戦略の成功につながるのです。

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まとめ

いかがでしたか?​​​​​​​

あなたの会社がどのような経営戦略をとればいいのか、見えてきたかと思います。

ではあらためて、記事のポイントをまとめましょう。

◎主な経営戦略の種類は以下の通り

経営戦略の種類

概要

向いている企業

事例

差別化戦略
自社の製品やサービスに独自性を持たせることで、市場での優位性を確立する
・独自の技術やブランドを持っている企業
・ニーズが多様でシェアが偏っていない製品、サービスを提供している企業
・価格競争では勝てる見込みが薄い企業
多角化戦略
これまで手掛けてきた事業とは異なる新分野に進出する
・既存事業が安定していて技術やノウハウ、資源がある企業
・既存事業の成長が見込めない企業
集中戦略
特定の市場にターゲットを絞って経営リソースを集中させる
・経営戦略にコストやリソースを割けない企業
・一部のターゲット層向けの強みがある企業
コストリーダーシップ戦略
コストを抑えることで業界最安値を実現し、価格競争をリードする
・高級感より価格を重視される製品やサービスを扱う企業
・ある程度の生産規模があり、技術やノウハウも確立している企業
グローバル戦略
世界全体を市場ととらえてビジネス展開する
・海外拠点で人件費や原材料費の削減が見込める企業
・海外でも需要が見込める企業
ブルーオーシャン戦略
ニーズはあるのにまだ誰も進出していない市場・領域を開拓し、新たな需要を生み出す
・経営戦略にコストやリソースを割けない企業
・市場のニーズをとらえて革新的な製品やサービスを生み出せる企業
カスタマーサービス戦略
質の高いサービスを提供することで顧客ロイヤルティを向上させ、優良顧客を育てる
・継続利用してほしい商材を扱う企業
・顧客満足度や口コミが競争優位性に直結する企業

◎経営戦略の事例から見る成功のポイント3つは、

  • 顧客ニーズや市場の動向、競合他社を的確に分析する
  • 自社の強みを明確化する
  • 経営リソースを適切に割り振る
  • 情勢や環境の変化に備える 

以上を踏まえて、あなたの会社が適切な経営戦略を実施して、大きな成長を遂げられるよう願っています。

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