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経営スキルとは具体的に何を指す?経営者に必要な15個の能力に分解して詳しく解説

「経営者に必要なスキルを具体的に知りたい」
「経営スキルを身に付けて、会社を成長させたい」

このような思いを抱える経営者やリーダーの方は、多いのではないでしょうか。

近年、ビジネス環境の変化が加速し、経営の難易度が増しています。経営スキルを身に付けることは、会社の発展のために不可欠です。

この記事では、経営スキルを「概念的思考能力・対人関係能力・個人的資質」の3つに分類し、それぞれを5つの能力に分解してわかりやすく解説します。

経営スキル②

さらに、経営スキルを効果的に習得するための具体的なアクションも提案します。

ご一読いただくと、経営スキルの全体像を理解でき、経営力を効果的に高めるためのロードマップが見えてくるはずです。

経営の実力を身に付けて、会社を次のステージへと導きましょう。

▼経営の勉強法については下記で詳しく解説しています。
⇒経営の勉強は何をすべきか?実践スキルを身に付ける効果的な方法

  経営の勉強は何をすべきか?実践スキルを身に付ける効果的な方法 これから経営について学ぶ方、および後継者や若手社員に学習させたい方にまずお伝えしたいのは、「経営の勉強の “方法” を、勉強してから進めるべき」ということです。本記事では、経営の勉強をどのように進めるべきか、方法論に焦点を当てて解説します。時代遅れのやり方で、競合他社に後れを取らないために本記事をお役立てください。 株式会社LDcube

▼経営スキルが求められる役員向けの研修については下記で詳しく解説しています。
⇒役員研修とは何か?経営力強化と組織変革を実現する効果的アプローチ

  役員研修とは何か?経営力強化と組織変革を実現する効果的アプローチ 急速に変化する経営環境のなかで、役員には高い経営力とリーダーシップが求められています。役員研修は、そうした役員の能力開発と組織変革を実現する有効なアプローチとして、注目されています。本記事では、役員研修の概要と重要性、扱うべき内容、効果を高めるポイントなどを詳しく解説します。 株式会社LDcube

▼サクセッションプランについてまとめた資料は下記よりダウンロードできます。

サクセッションプラン資料

この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.経営スキル(1)概念的思考能力  
    1. 1.1.情報収集分析能力
    2. 1.2.問題発見形成能力
    3. 1.3.戦略的思考能力
    4. 1.4.決断力
    5. 1.5.計画組織力
  2. 2.経営スキル(2)対人関係能力
    1. 2.1.役割認識発揮能力
    2. 2.2.説得力
    3. 2.3.傾聴力
    4. 2.4.葛藤処理能力
    5. 2.5.集団影響力
  3. 3.経営スキル(3)個人的資質
    1. 3.1.表現力
    2. 3.2.創造性
    3. 3.3.バイタリティー
    4. 3.4.ストレス耐性
    5. 3.5.柔軟性
  4. 4.経営スキル習得のための具体的アクション
    1. 4.1.経営の手法を体系的に学べる教育プログラムを活用する
    2. 4.2.経営シミュレーションゲームで実戦力を養う
    3. 4.3.経営者向けのセミナーや勉強会に参加する
  5. 5.まとめ

経営スキル(1)概念的思考能力  

経営スキル③

経営スキルの中でも、まず重要なのは「概念的思考能力」です。

複雑な経営課題に対して、本質を見抜き、戦略的に対処していくためには、高度に体系化された思考力が欠かせません。ここでは、5つの能力に分解して解説します。

  1. 情報収集分析能力
  2. 問題発見形成能力
  3. 戦略的思考能力
  4. 決断力
  5. 計画組織力

情報収集分析能力

1つ目の概念的思考能力は「情報収集分析能力」です。

経営判断の質は、判断の元となる情報の質に大きく左右されます。

情報収集分析能力とは、意思決定に必要な情報を網羅的に収集し、本質を見抜く力のことです。

【情報収集分析能力を高めるヒント】

  • 情報源を多様化する
    社内で入手できる情報だけでなく、業界動向や競合他社の情報など、幅広い情報源から情報を収集します。

  • 情報の信頼性を見極める
    情報の出所や根拠を確認し、情報のクオリティを見極める力を養います。

  • 情報を構造化する
    収集した情報を整理・分析し、意思決定に役立つように構造化し、意味のある知見を導き出します。

  • データ活用力を高める
    ITツールを活用してデータを可視化・分析する力を養い、データドリブンな(データに基づいた)意思決定を行います。

  • 専門家の知恵を借りる
    社内外の専門家の知恵を借りて情報の死角をカバーし、意思決定に必要な多角的な視点を確保します。

    報収集分析能力は、意思決定の精度を高め、経営判断のクオリティを左右する重要なスキルです。日頃から意識的に情報収集を行い、情報を読み解く力を磨いていきましょう。

    問題発見形成能力

    2つ目の概念的思考能力は「問題発見形成能力」です。

    問題発見形成能力とは、経営課題の本質を洞察し、解くべき問題を明確に定義する力のことです。

    複雑な経営環境の中から、重要な問題を発見し、解決すべき問題として言語化する力が求められます。

    【問題発見形成能力を高めるヒント】

    • 現状を客観視する
      日常業務から一歩引いて、会社の現状を客観的に観察・分析する習慣をつけます。

    • 関係者の意見に耳を傾ける
      社内外のステークスホルダー(利害関係者)から幅広く意見を集め、問題の全体像を把握します。

    • 問題の因果関係を探る
      表面的な問題の裏にある原因を追究し、問題の構造を明らかにします。

    • 優先順位をつける
      特定した問題を、経営への影響度合いに応じて優先順位づけし、対処すべき問題を絞り込みます。

    • 問題をわかりやすく定義する
      ​問題を端的に表現し、関係者と共通理解を得られるようにわかりやすく定義します。

    問題の発見と形成は、問題解決の出発点であり、経営改善鍵を握ります。常に問題意識を持ち、問題を言語化する習慣身に付けていきましょう。

    戦略的思考能力

    3つ目の概念的思考能力は「戦略的思考能力」です。

    戦略的思考能力は、長期的視点に立ち、競争優位性を生み出す戦略を立案する力です。

    将来の環境変化を予測し、自社の強みを生かした戦略を描けるように、鍛錬する必要があります。

    【戦略的思考力を高めるヒント】

    • ビジョンを明確にする
      会社の理想の姿を明確にし、そこからバックキャスト(逆算)して戦略を考えます。

    • 環境分析を行う
      PEST分析(1)やSWOT分析(2)などのフレームワークを活用して、自社を取り巻く事業環境を分析します。

    • 差別化ポイントを見出す
      自社の「強み」と市場の「機会」をマッチングさせ、勝ちパターンを見出します。

    • シナリオプランニングを行う
      複数のシナリオを想定し、環境変化に柔軟に対応できる戦略を立案します。

    • 戦略の実行可能性を吟味する
      戦略を実現するための経営資源や体制、スケジュールなど、実行可能性を多角的に吟味します。

    戦略的思考力は、会社の針路を決める重要な能力です。「木を見て森を見ず」にならぬよう、常に戦略的視座を持つよう心がけましょう。

    *1:PEST分析とは、政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の4つの観点から、マクロ環境を分析するフレームワークです。

    *2:SWOT分析とは、自社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つの視点から、自社の内部環境と外部環境を分析するフレームワークです。

    ▼経営戦略の立て方については下記で詳しく解説しています。
    ⇒経営戦略の立て方・手順とは?|環境分析から実行、検証フェーズまで徹底解説

      経営戦略の立て方・手順とは?|環境分析から実行、検証フェーズまで徹底解説 企業経営において経営戦略が重要だとはわかっているけれど、改めて作り方についてじっくり考えたことがない人が多いのではないでしょうか。経営戦略は、フレームワークなどを活用し、適切な立て方で順番通りに進めることで、より成果を出しやすくなります。本記事では、経営戦略の策定方法について具体的に解説していきます。 株式会社LDcube


    決断力

    4つ目の概念的思考能力は「決断力」です。

    決断力とは、限られた時間の中で、最善の意思決定を下す力のことです。

    スピーディかつ果断に、しかしリスクを見極めたうえでの決断が望まれます。

    【決断力を高めるヒント】

    • 意思決定プロセスを確立する
      情報収集から決断までの自分なりの意思決定プロセスを確立し、スピーディかつ的確な判断を下せるようにします。

    • 判断基準を明確にする
      意思決定の判断基準を事前に設定しておくと、迅速に決断を下せます。

    • 失敗を恐れない
      完璧を求めるのでなく、7~8割の情報で決断を下す勇気を持ちます。

    • 決断のPDCAサイクルを回す
      下した決定はその結果を検証して改善につなげ、決断力を高めていきます。

    経営判断の質とスピードは、会社の命運を左右します。

    決断力は経営者の最も重要な資質のひとつだといえるでしょう。普段の行動でも、果断に決めることを意識して、決断力を鍛えていきましょう。

    計画組織力

    5つ目の概念的思考能力は「計画組織力」です。

    計画組織力とは、戦略を実行に移すために、具体的な計画を練り、適切な組織体制を構築する力を指します。

    綿密な計画を策定し、その計画を確実に遂行する組織集団を作る力が必要です。

    【計画組織力を高めるヒント】

    • 体系的な計画を策定する
      戦略実現のための実行計画を、戦術レベル・部署レベル・個人レベルまでブレイクダウン(組織の階層に沿って細分化)して具体化します。

    • 進捗を管理する
      KPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的にレビュー(評価・検討)を行って、計画の進捗を管理します。

    • 権限委譲を適切に行う
      計画の実行を担うメンバーに、適切に権限委譲を行い、自律的に動ける環境を整備します。

    • 組織のコミュニケーションを活性化する
      縦と横のコミュニケーションを活性化し、メンバー間の連携を促進します。

    • 外部リソースを有効活用する
      社内リソースだけでは不足する場合、外部リソースを有効に活用して計画の実現可能性を高めます。

    戦略を絵に描いた餅で終わらせないためには、緻密な計画と、それを実行する組織づくりが肝要です。

    戦略を支える計画と組織を、どう構築するかが問われます。

    経営スキル(2)対人関係能力

    経営スキル④

    経営においては、組織を動かし、ステークホルダーを巻き込む「対人関係スキル」が不可欠です。

    続いて、以下5つの能力について解説します。

    1. 役割認識発揮能力
    2. 説得力
    3. 傾聴力
    4. 葛藤処理能力
    5. 集団影響力


    役割認識発揮能力

    1つ目の対人関係スキルは「役割認識発揮能力」です。

    役割認識発揮能力とは、組織内での自分の役割を的確に認識し、その役割に応じて主体的かつ効果的に行動できる能力を指します。

    経営者やリーダーには、組織をまとめ、方向づける存在であることが求められます。

    【役割認識発揮力を高めるヒント】

    • 組織の目的を体現する
      組織のミッション・ビジョン・バリューを自ら体現し、模範となることが重要です。

    • 役割に応じたリーダーシップを取る
      自分が果たすべき役割を認識し、企画部門を率いるのか、営業部門を率いるのかなど、役割に適したリーダーシップスタイルを使い分けます。

    • 主体性を持ってチャレンジする
      受け身でなく、常に主体性を発揮し、変革を先導していくことが求められます。

    • 成果に対するコミットメントを示す
      組織目標の達成に対する強いコミットメントを示し、メンバーを牽引します。

    • 謙虚さを忘れない
      リーダーであっても、メンバーから学ぶ姿勢を忘れず、常に学ぶ姿勢を保つ謙虚さが大切です。

    自分の立ち位置や役割を認識し、その役割にふさわしいリーダーシップを発揮することが、組織まとめる鍵となります。状況に応じた柔軟なリーダーシップを心がけましょう。

    説得力

    2つ目の対人関係スキルは「説得力」です。

    説得力は、論理的に筋道を立てて人を納得させ、ときには感情を揺さぶりながら、行動を促す力のことです。

    多様な価値観を持つメンバーをひとつの方向に向けるためには、高い説得力が必要不可欠です。

    【説得力を高めるヒント】

    • 本音で語る:自分の本当の考えや感情を隠さずに、率直に相手に伝えます。こちらから積極的に心を開いて、信頼関係を築きます。

    • 相手の立場に立って考える:相手の悩みや関心事をくみ取り、相手の立場に立って理論を組み立てます。

    • 論理的に筋道を立てる:主張を論理的に組み立て、ときには客観的なデータも活用して説得します。

    • 具体的なメリットを提示する:相手にとっての利点を具体的に提示すると、行動を促しやすくなります。

    • 感情に訴える:人は感情に動かされやすい面もあるので、共感を呼ぶストーリーで感情に訴えかけるのも有効な手段です。

    メンバーを動かせるかどうかは、リーダーの説得力に大きく影響されます。自己開示して真意を率直に伝え、論理と感情を織り交ぜて説得する力磨くことが重要です。

    傾聴力

    3つ目の対人関係スキルは「傾聴力」です。

    傾聴力とは、相手の話をただ聞くだけでなく、背後にある感情や意図を理解し、相手の態度にも注目しながら信頼関係を深める能力を指します。

    メンバーの本音を引き出し、隠れた才能を見出すためには、深い傾聴が欠かせません。

    【傾聴のヒント】

    • 心を開いて聞く
      相手の話に心を開き、批判や否定をせず、フラットな立場で耳を傾けます。

    • オープンクエスチョンで本音を引き出す
      「なぜ」「どのように」など掘り下げる質問で、相手の本音を引き出します。

    • 共感的に聞く
      話を聞きながら、相づちや言い換えで共感や理解を示し、相手が安心して話し続けられる雰囲気を維持します。

    • 相手の感情を受け止める
      相手の表情や声のトーンにも注意を向け、言葉に表れない感情やメッセージもキャッチします。

    • 最後まで聞き切る
      とにかく最後まで聞き切ることが、傾聴の基本です。途中で遮ったり話を変えたりしないよう注意します。

      ンバーの真意をつかむことは、組織の力を引き出すために不可欠です。謙虚に耳を傾け、一人一人と真摯に向き合うリーダーを目指しましょう。.

      葛藤処理能力

      4つ目の対人関係スキルは「葛藤処理能力」です。

      葛藤処理能力とは、チームメンバーへ意欲的に働きかけ、無関心や対立から「協働」へと関係性を構築していく力です。

      組織にはさまざまな価値観を持つ人が集まるため、コンフリクト(葛藤や対立)は避けられない事象といえます。葛藤を恐れずに向き合い、組織の成長の糧とすることが大切です。

      【葛藤処理のヒント】

      • 葛藤を早期に察知する
        葛藤の芽は小さいうちに発見し、初期段階で対処することが重要です。

      • 当事者の話を聞く
        葛藤の当事者双方の主張に耳を傾け、問題の本質を見極めます。

      • 第三者の視点を入れる
        当事者だけでは感情的になりがちなので、第三者の客観的な視点を取り入れます。

      • Win-Winを目指す
        一方的な解決でなく、双方にメリットのあるWin-Winの解決を目指します。

      • フォローアップを怠らない
        一度合意しても、その後のフォローアップを怠らず、葛藤の再発を防ぎます。

      葛藤は、意見のぶつかり合いから新しいアイデアが生まれるチャンスでもあります。葛藤を建設的に昇華させ、組織の成長につなげる力が問われます。

      ▼チームビルディングできることも重要です。チームビルディング研修については下記で解説しています。⇒チームビルディング研修とは?目的や学ぶ内容・種類・実施方法

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      集団影響力

      5つ目の対人関係スキルは「集団影響力」です。

      集団影響力は、グループ内に生じる動きや問題を察知し、チームを望ましい方向へ導く力を指します。

      組織の意思決定は、かならずしも公式の会議の場だけで行われるわけではありません。

      非公式のコミュニケーションや人脈も含めて、集団の意思決定に働きかける影響力が求められます。

      【集団影響力を高めるヒント】

      • 社内外の人脈を広げる
        社内外の人脈を幅広く形成し、さまざまな価値観に触れて、影響力の基盤を作ります。

      • メンバーとの信頼関係を築く
        部下や同僚との日頃の関わりを通じて、信頼関係を醸成することが大切です。

      • ほかの影響力者とつながる
        組織の中のほかの影響力者とコミュニケーションを取り、連携を図ります。

      • 働きかける相手を見極める
        集団に影響を与えるためには、キーパーソンに的を絞って働きかけることが効果的です。

      • タイミングを計る
        重要な意思決定の前には、入念に根回しをするなど、働きかけのタイミングにも配慮します。

        経営判断は、会議での意思決定だけでなく、普段の人間関係が大きく影響します。公式・非公式のあらゆるチャネル(経路)を通じて、存在感と影響力を発揮することが重要です。

        ▼リーダーシップ開発については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
        ⇒リーダーシップ開発とは?実務で使える6ステップの実践ポイント

          リーダーシップ開発とは?実務で使える6ステップの実践ポイント 本記事ではリーダーシップ開発の基礎知識から、企業における実践ステップ、効果的な進め方のコツまで、 実務に役立つ情報を網羅的に解説します。従業員の潜在能力を引き出し、組織力を高める手がかりが見つかるはずです。 株式会社LDcube


        経営スキル(3)個人的資質

        経営スキル⑤

         最後に、経営者に求められる「個人的資質」について見ていきましょう。以下の5つの要素を取り上げます。

        1. 表現力
        2. 創造性
        3. バイタリティー
        4. ストレス耐性
        5. 柔軟性


        表現力

        1つ目の個人的資質は「表現力」です。

        表現力は、自分の考え方や気持ちを明確に、かつ、効果的に人前で伝える能力を指します。

        ビジョンを示し、組織を率いるリーダーにとって、人を惹きつける表現力は欠かせません。

        【表現力を磨くヒント】

        • 体系的に思考する
          論理的な思考の積み重ねが、筋道の通った明瞭な表現につながります。

        • 平易な言葉を使う
          難しい専門用語を使うのでなく、誰もが理解できる平易な言葉で語ります。

        • メッセージを明確にする
          伝えたい核心を一言で表すなど、メッセージを明確にすることが大切です。

        • ストーリーテリング(*3)を活用する
          データや事実を淡々と述べるのではなく、具体的なエピソードを交えながらストーリーを描くと、説得力が増します。

        • 身振り手振りを交える
          言葉だけでなく、身振り手振りやアイコンタクトを加えると、メッセージが効果的に伝わりやすくなります。

          組織を動かすには、強いメッセージ性を持った表現力が不可欠です。日頃からプレゼンテーションの機会を積極的に設け、表現力を鍛えていきましょう。

          *3:ストーリーテリングとは、情報やデータをただ伝えるだけでなく、聞き手が共感しやすい物語形式で情報を組み立て、より深く理解してもらう手法です。

          創造性

          2つ目の個人的資質は「創造性」です。

          創造性とは、課題解決の際に既存のデータや情報を組み合わせ、展開して新しい観点やユニークな発想を生み出す能力を指します。

          先例のない課題に直面する経営者にとって、創造性は必須の資質です。

          【創造性を高めるヒント】

          • 視点を変えて考える
            問題は常に複数の角度から捉え、新たな可能性や死角を探る習慣を持ちます。

          • 既存の知識を組み合わせる
            異なる分野の知識を掛け合わせることで、新しいアイデアが生まれやすくなります。

          • アイデアを出し尽くす
            ブレーンストーミング(集団で自由にアイデアを出し合うこと)で、質より量を重視して、ありとあらゆるアイデアを出し尽くします。

          • 常識にとらわれない
            斬新なアイデアは、世間の常識に反することもあります。先入観にとらわれず、自由な発想を大切にします。

          • 多彩なインプットを増やす
            日頃から多様な分野の書物に触れ、異業種との交流を深めるなど、多彩な刺激を取り入れるのも創造性を高めるうえで重要です。

            イノベーションを起こすには、既存の枠組みを超える創造性が欠かせません。答えのない難題に立ち向かう創造力を、日々の意識的な行動で養っていきましょう。

            ▼創造力を鍛える方法については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
            ⇒創造力を鍛える12の具体的な方法と創造力を発揮しやすい環境の作り方

              創造力を鍛える12の具体的な方法と創造力を発揮しやすい環境の作り方 創造力はトレーニング次第で確実に鍛えられます。むしろ、創造力を鍛えないのは、ビジネスパーソンとして怠慢と考える向きもあるでしょう。 本記事では、「創造力を効果的に高める12の方法」と「創造性を発揮しやすい環境づくり」について詳説します。 株式会社LDcube


            バイタリティー

            3つ目の個人的資質は「バイタリティー」です。

            バイタリティーとは、高い成果を目指し、精神的および肉体的な活力に満ちた状態で、明るく力強く取り組む意欲を指します。

            経営の世界は厳しい競争にさらされています。リーダーには、粘り強く挑戦を続ける強靭な精神力と体力が求められます。

            【バイタリティーを維持するヒント】

            • 健康管理を怠らない
              バランスの取れた食事・適度な運動・十分な睡眠を心がけ、体力と持久力を維持します。

            • ワクワクする目標を持つ
              魅力的なビジョンとチャレンジングな目標を持つことが、モチベーションとエネルギーの源泉となります。

            • ポジティブマインドを保つ
              障壁でなく機会(チャンス)に目を向けます。前向きな心構えがバイタリティーの源です。

            • 小さな成功体験を積み重ねる
              大きな挑戦も、小さなステップに分解して着実に進めることで、進捗と達成感を維持できます。

            • 定期的にリフレッシュする
              日常の中で意識的に休息を取り、心身をリフレッシュすることを習慣化します。

              リーダーのバイタリティーは組織のエネルギーレベルに大きく影響します。情熱とエネルギーを絶えず振りまいてチームを鼓舞し、挑戦を続ける組織文化を築いていきましょう。

              ストレス耐性

              4つ目の個人的資質は「ストレス耐性」です。

              ストレス耐性は、時間的制約や外部からのプレッシャーの中でも課題を達成し、良質な人間関係を築ける心の安定性と粘り強さを指します。

              経営判断の多くは不確実性が高く、時間的制約の中で行われます。そのため、ストレスを乗り越えて的確に判断できる強靭なメンタルが必要です。

              【ストレス対処力を高めるヒント】

              • ストレスの原因を見極める
                漠然としたストレスでなく、ストレスの原因を具体的に特定することが重要です。

              • コントロール可能な領域に注力する
                自分でコントロールできる領域に集中し、できないことは割り切ります。

              • リラックス法を習得する
                呼吸法や瞑想など、ストレス解消法を身に付け、習慣化して実践します。

              • サポート体制を整える
                信頼できるアドバイザーや専門家と連携し、ストレスを一人で抱え込まないことが大切です。

              • 趣味の時間を作る
                仕事一辺倒でなく、趣味の時間を設けて、ストレスから解放される時間を作ります。

              経営の意思決定の質は、リーダーメンタルタフネスにかかっています。ストレスに冷静に対処する方法を身付け、強靭な精神力を養っていきましょう。

              柔軟性

              5つ目の個人的資質は「柔軟性」です。

              柔軟性とは、既存の考え方や過去の行動、特定のモデルや枠組みにとらわれず、変化する状況に応じて適切な判断を下し、新しい行動に踏み切る能力を意味します。

              現代は先行きの予測が難しい環境にあり、状況は刻一刻と変化しています。こうした環境変化に柔軟に適応できる思考は不可欠です。

              【柔軟性を高めるヒント】

              • 前提条件を疑う
                「当たり前」と思っていることを常に疑い、本当にそれが正しいのかを検証する姿勢が重要です。前提条件を見直すことで、新たな可能性が見えてくるかもしれません。

              • アンテナを高くする
                業界の動向や社会の変化に常に敏感でいることが大切です。幅広い情報をキャッチし、変化の兆しを見逃さないようにしましょう。

              • 多様な意見を受け入れる
                自分と異なる意見も謙虚に受け止め、別の視点から学ぶ姿勢が大切です。

              • 試行錯誤をいとわない
                完璧を求めるのでなく、仮説検証のサイクルを早く回し、軌道修正を柔軟に行います。

              • 過去の成功体験にとらわれない
                過去の成功体験は、ときに足かせになります。ゼロベースで考える習慣を持ちましょう。

                臨機応変に軌道修正できる柔軟な思考は、現代の生き抜く力となります。世の中の変化に敏感なアンテナを張り、固定観念を打ち破る柔軟な発想を磨き続けましょう。

                ▼ストレス耐性や柔軟性を高めることはレジリエンスを高めることに通じます。レジリエンスを高める方法については下記で詳しく解説しています。⇒レジリエンスを高めるには?高い人・低い人の特徴と具体的な実践方法を紹介!

                  レジリエンスを高めるには?高い人・低い人の特徴と具体的な実践方法 レジリエンスとは、逆境やストレスに直面した時に、それを乗り越えて適応していく心の力のことです。高いレジリエンスを持つ人は、困難な状況でも前を向いて歩いていくことができます。レジリエンスとは何か、高い人・低い人の特徴、そしてレジリエンスを高める具体的な方法について詳しく解説します。 株式会社LDcube


                経営スキル習得のための具体的アクション

                経営スキル⑥

                ここまで、経営に必要な15の能力を見てきました。最後に、これらのスキルを習得するための具体的なアクションプランを確認していきましょう。

                1. 経営の手法を体系的に学べる教育プログラムを活用する
                2. 経営シミュレーションゲームで実戦力を養う
                3. 経営者向けのセミナーや勉強会に参加する


                経営の手法を体系的に学べる教育プログラムを活用する

                1つ目のポイントは「経営の手法を体系的に学べる教育プログラムを活用する」です。

                経営スキルを習得するうえで、体系的な学習は欠かせません。とくに、経営の勉強を始めたばかりのタイミングなら、教育プログラムの利用が学びの速度を速めます。

                【経営手法を体系的に学ぶメリット】

                • ビジネスの基本を網羅的に学べる
                  経営戦略・マーケティング・ファイナンス・人的資源管理など、ビジネスの基本領域を網羅的に習得できます。

                • ケーススタディで実践的なスキルが身に付く
                  ケーススタディを通じて、実際のビジネスシーンを疑似体験し、実践的な問題解決力が養えます。

                • 最新の経営理論に触れられる
                  カリキュラムによっては最新の経営理論が盛り込まれており、時代に即した経営手法を学べます。

                とえば、下記のようなeラーニングを利用すれば、多忙な日々においても効率的に学習を進め、経営スキル高められます。

                【参考:eラーニングプログラムの例】

                経営スキル⑦

                出典:CrossKnowledge eラーニング|標準コース

                ただし、質の高いプログラムを選定することには、十分な注意を払ってください。教材の質が低いと、学びの質も下がってしまうからです。

                詳しくは以下の記事をあわせてご覧ください。
                ⇒意味がないeラーニングから卒業する6つの秘訣!原因や対策を解説!

                  意味がないeラーニングから卒業する6つの秘訣!原因や対策を解説! eラーニングは会場や講師を必要とせず、学習者の任意のタイミングで学習できることが特徴です。 しかし、eラーニングのコンテンツ内容や展開方法によっては「意味がない」と従業員に思われるケースもあります。この記事では、効果の薄いeラーニングから卒業する秘訣や時代に合わせた最新学習方法について徹底解説します。 株式会社LDcube


                経営シミュレーションゲームで実戦力を養う

                2つ目のポイントは「経営シミュレーションゲームで実戦力を養う」です。

                机上の学習だけでは、経営スキルを実践レベルで身に付けることは難しいものです。そこで有効なのが、経営シミュレーションゲームを活用した実践的な学習です。

                【経営シミュレーションゲームの学習効果】

                • さまざまな状況での意志決定を練習できる
                  シミュレーション内で意思決定を数多く経験でき、疑似的に経営判断力を鍛えられます。

                • データ分析力が身に付く
                  ゲーム内で提供される各種データを読み解き、次の打ち手を考えるプロセスを通じて、データ分析力を養えます。

                • 戦略立案力が磨ける
                  ゲームの中で戦略を立て、実行し、結果を分析する一連のプロセスを通じて、戦略構築力が鍛えられます。

                • リスクテイクの経験値が積める
                  ゲームの中では思い切った決断を下すことができるため、リスクテイクの「度胸」が身に付きます。

                具体的なイメージを挙げると、以下は経営シミュレーション実践型eラーニング「Biz-Ex」の様子です。

                出典:Biz-Ex

                会社経営を疑似体験した成績は、以下のようにスコアで評価され、自身の強みと弱みを明確に把握できます。

                経営スキルBiz-Ex画像

                出典:Biz-Ex

                詳しくは以下のページをご確認ください。
                ⇒経営シミュレーション実践型eラーニング「Biz-Ex」

                ▼経営シミュレーション研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
                ⇒経営シミュレーションとは?人材育成の新手法・研修について解説

                  経営シミュレーションとは?人材育成の新手法・研修について解説! 今回は経営シミュレーションの意義や内容、対象者、必要なスキル、進め方について解説します。ビジネススキルや戦略思考、意思決定力を高め、経営力を育てる研修として、企業の成長を支える人材育成に役立つでしょう。 株式会社LDcube


                経営者向けのセミナーや勉強会に参加する

                3つ目のポイントは「経営者向けのセミナーや勉強会に参加する」です。

                経営者にとって、学び続ける姿勢は欠かせません。その一環として、経営者向けのセミナーや勉強会に積極的に参加することをおすすめします。

                【セミナー・勉強会に参加するメリット】

                • 最新の経営トレンドがわかる
                  セミナーでは最先端のビジネストレンドや経営手法に触れることができ、時代の潮流をつかめます。

                • 他社の経営者と交流できる
                  勉強会などを通じて他社の経営者と交流を深めれば、悩みの共有やアイデアの交換ができます。

                • 自社の強み・弱みが見えてくる
                  他社の取り組み事例を聞くことで、自社の強み・弱みを客観的に認識できるようになります。

                • 視野を広げる機会となる
                  普段の業務から離れて新しい知見に触れる経験は、視野を大きく広げる機会となります。

                • 講師から学びが得られる
                  経験豊富な講師陣から、実践的なノウハウや心構えなどを学べます。

                  セミナー等で得られる情報や気づきが、すぐに業績アップに直結するわけではありません。

                  しかし、世の中の動きをキャッチし、ネットワークを広げ、自社を見つめ直すきっかけとなる点で、大きな意義があるといえるでしょう。

                  ▼自己啓発での学び方については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
                  ⇒自己啓発の意味がない理由3選!効果的なキャリアアップにつなげるポイントを解説!

                    自己啓発の意味がない理由3選!効果的なキャリアアップにつなげるポイントを解説! 本記事では、自己啓発を意義あるものにするために、意味がなくなってしまう理由について解説した上で、これからどのような自己啓発に取り組んでいくべきか、考え方や方法について解説します。さらに世界レベルのMBA教授から学べるeラーニングコンテンツなどについても紹介します。 株式会社LDcube


                  まとめ

                  本記事では「経営スキル」をテーマに解説しました。経営スキルは経営コンサルタントや経営企画、経営管理などの部署に所属している人だけに必要なスキルではなく、経営者へのキャリアアップを目指すビジネスパーソンには必須で求められるスキルです。

                  本記事のまとめとして、弊社の研修資料より抜粋した総括を掲載します。

                  【概念的思考能力】


                  経営スキル
                  説明
                  1

                  情報収集分析能力

                  手許のデータ情報や状況を多面的に把握し、論理的に的確に分析・整理し、核心を捉えた表現や記述でまとめることができる能力。

                  2

                  問題発見形成能力

                  関連データを多面的・多角的に診断分析し、問題の本質や核心を効果的に究明し、全体的視野に立って指摘できる能力。

                  3

                  戦略的思考能力

                  外部環境の変化競合などの状況を把握し、組織の現状や位置づけ(環境の中での長所短所)の明確化を行ってニーズを捉え、組織の進むべき方向を明確にし、ダイナミックでドライで、ドラスティックな戦略策定をしていける能力。

                  4

                  決断力

                  不明確不確実な要素を的確に取捨選択し、現況と将来の展望を見極めた上で、ためらわずにキッパリとリスクに賭けた意思決定ができる能力。

                  5

                  計画組織力

                  組織を取り巻く内外の状況を的確に認識して、論理的にまた、具体的に手順を構成し、まわりを組織化して、システマチックに機能できる組織集団を作り上げていける能力。

                  【対人関係能力】


                  経営スキル
                  説明
                  6

                  役割認識発揮能

                  組織集団の状況のなかで、自分がとるべき役割、自分でなければならない役割、自分に期待されている役割などを感受性をもって感じとり、それらに対応して主体的・効果的に貢献し得る能力。

                  7

                  説得力

                  相手に対して、真実の自分を出し、論理だけでなく、感情も込めてより具体的にわかりやすく表現し、相手をその気にさせる能力。

                  8

                  傾聴力

                  相手の言葉を聞くだけでなく、言葉の背景にある気持ち感情を積極的に聞きとり、相手の態度を観察しながら強い信頼関係を築きあげる能力。

                  9

                  葛藤処理能力

                  課題を達成するために、メンバーに意欲的に働きかけ、無関心—競争—葛藤—協働の関係に持っていける能力。

                  10

                  集団影響力

                  グループの中に起こるいろいろな動きや、解決しなければならない問題点に気づき、他のメンバーと協働し、生産的なチームを作り上げていくために貢献できる能力。

                  【個人的資質】


                  経営スキル
                  説明
                  11

                  表現力

                  自分の考え方や気持ちを明確に、かつ、他者によい印象を与えながら効果的に人前で発表していくことができる能力。

                  12

                  創造性

                  課題を解決するにあたり、既存のデータ情報を組み合わせたり、展開したりして、新しい観点やユニークな発想を生み出す能力

                  13

                  バイタリティー

                  高い業績を達成するために、やる気一杯で、肉体的・精神的に活力にあふれ、明るく頑張ってやり遂げる意欲。

                  14

                  ストレス耐性

                  時間的な制約や他者から受ける圧迫や抵抗の中で課題をやり遂げ、まわりとの効果的な関係づくりもできる心の安定性と粘り強さ。

                  15

                  柔軟性

                  自分のそれまでの考え方や行動、ある特定のモデルや枠組みにとらわれることなく、状況に応じて、あれやこれやを判断し、新しいあり方を模索して、行動に踏み切る状況に適応できる能力。

                  未来の経営環境は、ますます不確実性を増していくことでしょう。状況の変化にしなやかに適応し、人々を巻き込みながらビジョンを示していく力が欠かせません。

                  経営という “生きた学問” を通じて、日々自らを高め続けるリーダーであり続けることが、これからの時代に求められているのです。

                  経営スキル向上のために、今日から一歩を踏み出していただければと思います。

                  株式会社LDcubeでは経営スキルを身に付けるためのプログラムや学習に活用できる高品質なコンテンツ、LMS、経営シミュレーションプログラムなどをご提供しています。

                  無料のデモIDの発行やプログラム体験会などを行っています。お気軽にご相談ください。

                  ▼関連資料はこちらからダウンロードできます。

                  次世代リーダー育成資料

                  能力開発に適した年齢資料

                  Biz-Ex資料

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                    “新”実践型選抜研修とは!?人材育成の現代ソリューションについて解説! 企業の成長をけん引する優秀な人材育成が急務となっています。そのためには、選抜研修という手法が有効です。この記事では、選抜研修の目的、実施のメリット・デメリット、具体的な運用方法等を詳しく解説し、実施のための参考になる情報を提供します。 株式会社LDcube
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