リスキリングに最適なeラーニングの活用法と陥りやすい落とし穴とは?
「時代がどんどん変わって、新しいスキルの習得が急務となっている。しかし、忙しい業務に追われてリスキリングに着手できない……」
このような悩みに直面する方が増えています。
生成AI、DX(デジタルトランスフォーメーション)、グローバル化の加速など、従業員のスキルアップは企業にとって喫緊の課題です。
一方、働き方改革の流れを受けて、場所と時間に捉われない柔軟な労働環境の整備が求められています。
そこで注目を集めているのが、eラーニングを活用したリスキリング支援です。
本記事では、リスキリングへのeラーニング導入の概要や進め方、陥りやすい落とし穴と対策まで、網羅的に解説します。
従業員一人一人に寄り添ったリスキリング支援を実現し、変化の激しい時代を勝ち抜く組織力を強化していきましょう。
▼LMSやeラーニングについてテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
▼関連資料はこちらからダウンロードできます。
目次[非表示]
- 1.リスキリングとeラーニングの基礎知識
- 1.1.リスキリングの重要性が高まる背景とは?
- 1.2.eラーニングがリスキリングに適している3つの理由
- 1.3.集合研修やOJTと比較したeラーニングの特徴
- 1.4.eラーニングを支える学習管理システム(LMS)の役割
- 2.eラーニングを用いたリスキリングの進め方
- 2.1.ステップ1:リスキリング方針の明確化
- 2.2.ステップ2:スキルの棚卸しと育成ニーズの見える化
- 2.3.ステップ3:eラーニングの設計
- 2.4.ステップ4:ブレンディッドラーニングの活用
- 2.5.ステップ5:学習データ分析とPDCAサイクルの実践
- 3.リスキリングのeラーニング活用で陥りやすい3つの落とし穴と対策
- 3.1.コストが大幅に予算超過する
- 3.1.1.具体策(1)全社員受け放題で契約する
- 3.1.2.具体策(2)自作に強みのあるLMSを導入する
- 3.2.学習意欲が上がらない
- 3.3.学んだスキルが埋もれてしまう
- 4.まとめ
リスキリングとeラーニングの基礎知識
デジタル時代のリスキリングにおいて、eラーニングは非常に有力な選択肢です。まずは、リスキリングにeラーニングを活用する意義や特徴などを概観しておきましょう。
|
リスキリングの重要性が高まる背景とは?
かつてないスピードで技術革新が進むなか、従業員のスキルを最新に保ち、イノベーションを生み出す組織力が求められています。
とりわけ、生成AIやロボットに代表されるDXの急速な進展により、デジタル分野でのリスキリング需要が高まっています。
【リスキリング需要が高まる理由】 |
参考データとして、米国では、AIやロボットによる雇用の自動化により、「労働市場の両極化」が起きたことが確認されています。
出典:経済産業省「未来人材ビジョン 令和4年5月」
企業がニューノーマル時代を勝ち抜くには、従業員のリスキリングを推進して高スキル化を図ることが不可欠です。
eラーニングがリスキリングに適している3つの理由
eラーニングを活用したリスキリングは、利便性や効率性、汎用性の高さから大きな注目を集めています。
【eラーニングがリスキリングに適している理由】
|
単に利便性が高いだけでなく、個別最適化された効果的な学びを提供できる点が、eラーニングの大きな強みだといえるでしょう。
集合研修やOJTと比較したeラーニングの特徴
リスキリングの施策には、ほかにも集合研修やOJTなどの手法があり、それぞれに強みと弱みがあります。
ここでは、集合研修やOJTと比較しながら、eラーニングの特徴を整理しましょう。
【リスキリング施策の比較】
|
形態 |
学習の質 |
時間と場所の |
実践的な |
個別最適化 |
集合研修 |
〇 |
× |
△ |
△ |
OJT |
〇 |
× |
◎ |
〇 |
eラーニング |
◎ |
◎ |
△ |
◎ |
この比較からわかるように、eラーニングは学習の質・柔軟性・個別最適化の面で優れています。リスキリングの基盤的な学習施策として、欠かせない存在だといえるでしょう。
ただし、eラーニングですべてが解決するわけではありません。従業員同士の学び合いや実践での経験・フィードバックといった点では、集合研修やOJTに分があります。
したがって、eラーニングを中心としつつ、集合研修やOJTなど他の施策とうまく連携させ、それぞれの強みを生かすことが大切です。
eラーニングを支える学習管理システム(LMS)の役割
企業でeラーニングを導入する際は、学習管理システム(LMS:Learning Management System)との連携は欠かせません。
LMSは、eラーニングの効果的な運用に欠かせないプラットフォームであり、教材配信やコンテンツ、学習者の学習履歴や進捗状況を一元管理する重要な役割を担っています。
【LMSの主要な機能】
|
このようにLMSは、学習者の学習状況を包括的に管理し、eラーニングの運用効率化と学習効果の可視化を実現します。
LMSに関する基礎情報は以下の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
eラーニングを用いたリスキリングの進め方
eラーニングを活用したリスキリングを成功に導くには、従業員のニーズと組織の目指す方向性を的確に捉え、戦略的に取り組むことが不可欠です。ここでは、リスキリング推進の実践的なステップを詳しく解説します。
|
ステップ1:リスキリング方針の明確化
1つ目のステップは「リスキリング方針の明確化」です。
まず着手すべきは、方針を明確に描くことです。経営ビジョンや事業戦略などの上位概念と連動させ、組織として育成すべきスキルと人材像を具体的に定義します。
【リスキリング方針策定の3つの視点】
|
こうした高い視座に立ち、人材開発の羅針盤となる方針を打ち出します。
トップダウンの方針策定と、ボトムアップの実践を融合させながら、リスキリング推進の道筋を立てることが肝要です。
ステップ2:スキルの棚卸しと育成ニーズの見える化
2つ目のステップは「スキルの棚卸しと育成ニーズの見える化」です。
次に欠かせないのが、従業員一人一人の状況を理解して、“組織としてやるべきこと” を特定していくプロセスです。
リスキリングの設計に先立ち、現在の人材ポートフォリオを正確に把握することが鍵となります。
【スキルの棚卸しの進め方】
|
こうして可視化した従業員のスキルマップをもとに、個人としてのニーズと、組織としてのニーズの両面から、育成すべきポイントを明らかにしていきます。
【育成ニーズの見える化のポイント】
|
人材ポートフォリオの現状と目指す姿のギャップを構造的に把握することが、ニーズに即したリスキリング設計の出発点となります。
ステップ3:eラーニングの設計
3つ目のステップは「eラーニングの設計」です。
能力・スキル棚卸しを経て、いよいよeラーニングの具体的な設計に取り組みます。
【eラーニング設計のポイント】
|
eラーニングのカリキュラムを組む際に重要となるのが、教材の選定です。
リスキリング領域によって最適解は異なるため、一概にはいえませんが、参考として、前述のLMS・eラーニング「CrossKnowledge」にて提供可能なプログラムを以下にご紹介します(一部抜粋)。
上記のeラーニングについて詳しくは、以下の資料にてご確認ください。
ステップ4:ブレンディッドラーニングの活用
4つ目のステップは「ブレンディッドラーニングの活用」です。
先にも述べたとおり、リスキリングは、eラーニング単体で完結するのではなく、集合研修やOJTなど他の育成施策と組み合わせたブレンディッドラーニング(Blended Learning)(*1)としての展開を考えることが重要です。
*1:ブレンディッドラーニングとは、対面式の講義や研修、オンライン学習、実務を通じた学習、自主的な学習など、異なる学習方法や媒体を組み合わせた学習手法を指します。
【ブレンディッドラーニングの実践ポイント】
|
従業員のニーズと組織の目的に応じて、柔軟にカスタマイズしながら、eラーニングを中核に据えた効果的な学習体験をデザインしていきましょう。
ステップ5:学習データ分析とPDCAサイクルの実践
5つ目のステップは「学習データ分析とPDCAサイクルの実践」です。
eラーニングを継続的に改善・進化させるために欠かせないのが、学習データの分析とそれに基づくPDCAサイクルの実践です。
効果検証を通じて、より高度な学習設計につなげていきましょう。
【学習データ分析の着眼点】
|
データを多角的に分析し、学習効果を高める鍵を見出します。得られた洞察は、PDCAサイクルに乗せて、改善していきます。
【学習改善PDCAサイクルの回し方】
|
効果検証については、以下の記事もあわせてご覧ください。
リスキリングのeラーニング活用で陥りやすい3つの落とし穴と対策
eラーニングを活用したリスキリングは、大きな効果を生む半面、落とし穴にはまるリスクも伴います。
あらかじめ知っておけば回避できますので、以下のポイントを見ていきましょう。
|
コストが大幅に予算超過する
1つ目は「コストが大幅に予算超過する」です。
eラーニング導入における最初の落とし穴は、コストの予想外の増加です。当初は予見できなかった隠れたコストが、導入後に次々と表面化するケースが少なくありません。
【コスト超過を招く要因】
|
こうしたコスト超過リスクを避けるには、導入前の入念な見積もりと、柔軟性の高い契約設計が欠かせません。
具体策(1)全社員受け放題で契約する
より具体的な対策としては、「全社員・受け放題の契約が可能なeラーニングコンテンツ」を選ぶ方法があります。
費用を正確に見積もりやすいため、施策を中長期的に持続可能にするために、賢明な選択といえます。
たとえば、先ほどご紹介した「CrossKnowledge」の各種コンテンツは、全社員受け放題での提供が可能です。
具体策(2)自作に強みのあるLMSを導入する
もうひとつ、「自社でeラーニングコンテンツを簡単に作成できる機能を持つLMS」を導入する方法もあります。
ユニークなところでは、AIを活用した「UMU」には、AI技術を活用して誰でも簡単にビデオ形式のコンテンツを作成できる機能があります。
出典:UMU機能一覧
自社の人材方針と各種LMS・eラーニングの特徴を捉え、コストを最適化していきましょう。
なお、LMSの選び方に迷っている方は、以下からお気軽にお問い合わせください。
学習意欲が上がらない
2つ目は「学習意欲が上がらない」です。
リスキリングを進めるうえで直面しやすい課題が、従業員の学習意欲の維持です。
新しいスキルの習得には継続的な学習が不可欠ですが、日常業務に追われながら、モチベーションを保ち続けるのは容易ではありません。
【リスキリングにおける学習意欲低下の要因】
|
こうした学習意欲の低下を防ぐには、リスキリングの意義を従業員一人一人に腑に落とすことが重要です。
なぜ今、新しいスキルが必要なのか、それが自身のキャリア開発とどうつながるのか、明確に示す必要があります。加えて、周囲のサポート体制を整える配慮も欠かせません。
【eラーニングを活用した学習意欲の維持策】
|
学んだスキルが埋もれてしまう
3つ目は「学んだスキルが埋もれてしまう」です。
リスキリングの真の目的は、業務パフォーマンスの向上にあります。eラーニングで習得した知識やスキルを、いかに実務で生かせるかが重要な鍵です。
実務での活用が進まないと、前述の従業員のモチベーションにも影響します。
加えて、モチベーションの高い従業員ほど、自分のスキルを存分に発揮できる場を求めて、転職を考える可能性もある点に注意しなければなりません。
【スキル活用が進まない要因】
|
こうした状況を打開するには、新しいスキルを習得したら、スピーディに実践の場で活用できる環境を整備する必要があります。
【eラーニングと連動したスキル活用促進策】
|
リスキリングの成果を即戦力に変えていく好循環が生まれれば、組織全体に活力が広がっていきます。
まとめ
本記事では「リスキリングとeラーニング」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
|
eラーニングを用いたリスキリングの進め方を5つのステップで解説しました。
|
リスキリングのeラーニング活用で陥りやすい3つの落とし穴と対策として、以下をご紹介しました。
|
変化の激しい時代を生き抜く鍵は、eラーニングを中核に据えたリスキリングにあるといっても過言ではありません。さっそく準備を進め、戦略的な人材育成を実現していただければ幸いです。
株式会社LDcubeでは世界のLMS市場トップ50リストで2020年に1位に輝いたCrossKnowledgeのLMS/eラーニング製品を日本で展開しています。
CrossKnowledgeのLMS/eラーニングは多言語対応しており、世界レベルの著名なMBA教授らが監修した高品質なコンテンツを有しており、24時間365日稼働しています。
もちろん自社コンテンツの制作や搭載も可能なため、リスキリングするための学習環境を整えることができます。
無料のデモIDの発行や導入事例の紹介なども行っています。受講者からの評判や受講費用など含めて、お気軽に問合せ、ご相談ください。
▼ 関連資料はこちらからダウンロードできます。