オンボーディングをシステムで効率化!現場教育と全社教育で選択すべきツールの違いを解説!
新しい職場に入社した際、職場環境や業務に適応してスムーズにスタートを切るためには、効果的なオンボーディングが欠かせません。
しかし、多くの企業がその重要性を理解していても、適切なシステムを導入していないのが現状です。
そこで今回は、オンボーディングプロセスを効率化するためのシステムやその具体的な例についてご紹介します。
この記事では、オンボーディングを効率化するシステムの概要と具体例を解説します。
また、オンボーディングの目的や期待される効果についても触れ、その重要性を再認識いただきます。
最後に、効果的なオンボーディングプログラムの構築方法とメリット、現場教育と全社教育のシステムの違いや利点についても詳述します。
この記事を読むことで、オンボーディングの効果を最大化するためにどのようなシステムが有効か、導入による新メンバーの早期戦力化や離職率の低減などのメリットも理解できるようになります。
企業が持続的に成長するための重要なポイントであるオンボーディングの最適化に向けた知識をぜひ深めてください。
▼オンボーディングプログラムの構築方法については、下記で詳しく解説しています。
合わせてご覧ください。⇒オンボーディングプログラムとは?プログラム構築のポイントやメリットを解説!
▼オンボーディングについては下記にまとめています。
目次[非表示]
- 1.オンボーディングを効率化するシステム
- 2.オンボーディングの効率化におすすめなシステムの例
- 3.そもそもオンボーディングの目的とは
- 3.1.新メンバーが早期に成果を出す
- 3.2.離職率の低減
- 3.3.組織風土の維持・強化
- 4.オンボーディングプログラムを構築するメリット
- 5.オンボーディングシステムの使い分け
- 6.現場教育のオンボーディングシステム
- 6.1.①多彩なコンテンツを盛り込んだ教材の提供
- 6.2.②業務に特化したケーススタディ
- 6.3.③テクノロジーを駆使した課題実践
- 6.4.④学習習慣の定着を図るプロセス構築
- 7.全社教育のオンボーディングシステム
- 7.1.①知識レベルに合わせたeラーニングの実施
- 7.2.②自主的な学習を促進できる
- 7.3.③多言語対応の質の高い学習コースを設計できる
- 7.4.④全社的に学習の進捗状況を可視化できる
- 8.オンボーディングシステム活用事例
- 9.まとめ
オンボーディングを効率化するシステム
オンボーディングとは、人材育成における新入社員・中途社員(新メンバー)を早期に育成するためのプロセスです。
新入社員研修やOJTと同じにされがちですが、新しく入社するすべての社員を対象として受け入れ体制や育成プログラムなど、組織にいち早くなじんでもらうためのより広義な取り組みを指します。
主に人材の流動が活発な海外や外資系企業で取り入れられている取り組みですが、近年では日本で導入する企業も少なくありません。
オンボーディングは単なる人材育成プログラムではなく、新入社員の離職防止や定着率向上の効果も期待できるため、企業で取り組むことは重要であると考えられます。
オンボーディングの実施やプログラムの作成を効率化させるのであれば、学習プラットフォームやLMS(学習管理システム)が有用です。
オンボーディングの効率化におすすめなシステムの例
オンボーディングの効率化におすすめのシステムは主に以下の3つです。
システム |
特徴 |
学習プラットフォーム LMS(学習管理システム) |
・学習コンテンツの作成/配信 |
eラーニング(コンテンツ) |
・学習を電子化したもの |
1on1支援ツール |
・1on1ミーティングをサポート |
新入社員がいち早く組織になじみ、即戦力として活躍するためには効率的な学習が不可欠です。学習プラットフォームやLMS(学習管理システム)、eラーニングは学習に特化したシステムです。
学習コンテンツの配信やテストの実施、課題の提出など、幅広く活用することが可能であり、オンボーディングの効率化が期待できます。現代では独自にシステム開発するというよりかは、saasで提供されているシステムを利用することが一般的です。
また、オンボーディングでは新入社員と上司・先輩社員のコミュニケーションも重要です。1on1支援ツールを活用して、1on1ミーティングをより効果的に実施することで新入社員のニーズや現状の把握ができます。
これからオンボーディングを取り入れる予定がある企業は、上記のシステムの導入も検討してみてください。
そもそもオンボーディングの目的とは
新メンバーが早期に成果を出す
オンボーディングは新メンバーの職場環境と仕事内容への適応を支援し、スキルと知識を効果的に学び、それを活用して早期に成果を創出することが目的です。
また、オンボーディングプログラムを通して、新メンバーが業務を効果的に進めるために役立つリソース情報なども提供します。
離職率の低減
オンボーディングは新メンバーに安心感を与え、組織へのつながりを強めることができます。
また、オンボーディングを通じて明確な期待値を伝達することで、コミュニケーションミスや誤解を避け、新メンバーが自分のパフォーマンスを客観的に評価し、成長の機会を見つけられるよう支援します。これにより、離職率の低減が期待できます。
組織風土の維持・強化
オンボーディングは新メンバーに企業の目標、ビジョン、価値観や企業文化を理解させ、共感してもらう機会を提供します。
これにより、自身の仕事が組織全体の成功にどのように影響を与えるのかを理解し、企業文化を維持し、強化することが期待できます。
▼オンボーディングとOJTは混同されやすいです。下記にて違いを解説しています。
合わせてご覧ください。⇒オンボーディングとOJTの違いとは?異なる目的や取り組みを理解しよう!
オンボーディングプログラムを構築するメリット
新メンバーの早期戦力化を助ける手段になる
オンボーディングプログラムを展開することで、新メンバーが入社してから一人前としてパフォーマンスを発揮できるようになるまでの教育を効果的に行うことができます。
デジタルコンテンツでプログラムを整え、システムを活用して展開することで、学習の機会が確保され、育成のスピードアップにつながります。また、デジタルコンテンツの活用により、教える人のばらつきが軽減され、育成の再現性を高めることにもつながります。
オンボーディングプログラムの存在は、新たに採用した戦力が早い段階から期待される役割を果たし、企業の業績向上に貢献できるようになるきっかけをつくることができます。
新メンバーの職場への定着率を向上させる手段になる
オンボーディングプログラムとして定めた教育を行うことで、新メンバーを1人も見逃さずに適切にサポートすることにつながります。
またデジタルコンテンツで学習環境を整えることで、新メンバーが必要な時にいつでも学習できるようになります。このような学習環境があることは、入社してまだ日の浅いメンバーにとっては職場での不安を軽減するツールとなります。オンボーディングプログラム自体が早期の離職を防止し、職場への定着率の向上に寄与します。
▼オンボーディングは新卒・中途共に必要なプログラムですが、新卒と中途ではタイミングなどが異なります。中途のオンボーディングについては下記で解説しています。
⇒中途社員向けのオンボーディングとは?実施する効果を最大化するポイントについて解説!
オンボーディングシステムの使い分け
オンボーディングシステムの使い分けについて説明します。
大きく「現場教育」と「全社教育」に分けて考え、それぞれのニーズと目的に特化したアプローチが求められます。
-
現場教育:「現場教育」に関しては、職種ごとの特定のスキルや業務フローを新入社員に円滑に伝えることが重視されます。このため、自社独自のコンテンツを作成しやすく、それを運用しやすいシステムが求められます。
-
全社教育:一方、「全社教育」においては、全社員が共通して理解・実施すべき基本的な社会のルールやリーダーシップ、マネジメント、コミュニケーション、ビジネススキルの習得を目指します。このため、質の高い汎用的なコンテンツが用意されていることと、現状の人材育成業務が効率化されることが求められます。
「現場教育」と「全社教育」ではニーズが違うため、ニーズに合ったシステムを選定することが重要です。
既に全社で使っているシステムがあるからという理由で、それを現場教育に活用しようとしてもうまくいかないこともあります。
現場教育では柔軟でカスタマイズ性の高いシステムが求められ、全社教育では効率的かつ汎用性が高く質の高いコンテンツが求められます。以下の章でそれぞれ見ていきましょう。
現場教育のオンボーディングシステム
オンボーディングを企画する方が主に現場の実務に関する教育を担当する場合には、コンテンツの作成と配信が容易で、アウトプットトレーニングのできる学習プラットフォームの活用がおすすめです。
①多彩なコンテンツを盛り込んだ教材の提供
(AIビデオのイメージ画像)
プラットフォームを活用することで、多彩なコンテンツを盛り込んだ教材の提供が可能になっています。インプット機能では以下のコンテンツが提供可能です。
- 文字・図説:ブログやニュース記事のような文章型のコンテンツ
- 動画:その場で撮影した動画や編集した動画コンテンツ
- ファイル:文書作成ソフトや表計算ソフトのファイル
- 音声スライド:画像・音声・手書きマークアップを組み合わせて簡単動画作成
- AIビデオ:原稿やスピーカーの写真などの素材を読み込むことでAIが自動動画作成
集合研修でありがちな文字や画像だけの学習は、集中力やモチベーションの維持が難しい場合があります。
しかし、プラットフォームのインプット機能では文字コンテンツだけではなく、動画や音声スライドなどが提供できるため学習の幅が広がります。
②業務に特化したケーススタディ
プラットフォームのアウトプット機能を活用することで、業務に特化したケーススタディができるようになります。アウトプット機能は以下のとおりです。
- 試験:単一・複数選択、自由記述形式で試験作成
- 課題:動画、画像+音声、画像+テキスト、ファイル形式で課題提出
- 質問:受講者の意見収集、学習者間の交流(短文投稿やイベントでの使用に向いている)
- ディスカッション:受講者の意見収集、受講者間の交流(長文投稿や討議に向いている)
- アンケート:選択式や自由回答、数値型によるアンケートおよびディスプレイ表示
- 出席確認:講習時やイベント時、オンライン講義などでの出席確認
- 画像共有:写真や画像をコメント付きで共有
試験の実施や課題提出、アンケートの実施など、さまざまな方法で学習者にアウトプットできます。幅広い場面で活用できるため、オンボーディングの効率化に役立てられます。
③テクノロジーを駆使した課題実践
(AI学習:AIコーチング実演イメージ)
プラットフォームを活用することで、テクノロジーを駆使した課題実施が可能になります。以下のようなアウトプットを意識した機能の活用が効果的です。
- 課題提出
- AI学習
- 質疑応答
課題提出機能では、動画・ファイル・写真と音声の組み合わせで受講生に課題を提出させることができます。
AI学習機能では、カメラに向かって話すことで表情や話すスピードをAIが解析し、即座にフィードバックしてくれます。
また、質疑応答機能では、受講者が質問を入力すると事務局や講師、先輩などに通知されます。その後、その方々が回答するといったやり取りで課題実践をサポートすることが可能です。
④学習習慣の定着を図るプロセス構築
プラットフォームを活用することで、学ぶ→練習する→評価・指導する→仕事に生かすという4ステップを簡単に構築できるようになります。
小分け学習や組み合わせ学習で確実に知識をインプットし、学んだことを練習やテストでアウトプットすることで得た知識が身に付きやすくなります。
また、テクノロジーを活用して効果的なフィードバックやコーチングを行うことで、現場で学ぶ習慣を生み出すことが可能です。
さらに、アセスメント機能では自社の成長ステージなどの評価項目について、スキル評価やパフォーマンス評価、その後のデータ活用が可能です。アセスメントで得た結果を基に、必要な学習コンテンツを自動配信することで業務の負担軽減につなげられます。
▼このようなテクノロジーを活用した現場のオンボーディングプログラムの構築には、学習効果を最大化する学習プラットフォーム『UMU』が最適です。UMUについては下記をご覧ください。
全社教育のオンボーディングシステム
オンボーディングを企画する方が人事部門などで全社員の教育を担当する場合には、既存のコンテンツを活用でき、学習が一元管理できる学習管理システム(LMS)の活用がおすすめです。
①知識レベルに合わせたeラーニングの実施
LMSでは、社員の知識やスキルに応じてeラーニングの教材コンテンツが選択可能です。
豊富なコンテンツが導入当初から利用可能であり、学習者はお気に入りコースの登録や受講必須コースの表示などができます。
自身の進捗状況がいつでも確認できるため、各受講者に合ったコンテンツの選択ができるようになります。
②自主的な学習を促進できる
eラーニングなら時間と場所による制約がないため、従業員が必要な知識を自ら学ぶ習慣が生まれます。
LMSではマイクロラーニングの提供が可能であり、1セッション3分〜5分の動画になっているため、隙間時間に学習しやすいです。
単に動画を見て終わりではなく、受講者が自分事として捉えられるように動画の最後に質問コーナーを設けています。学習後に自分のこととして考えることで、学びを深めることが可能です。
③多言語対応の質の高い学習コースを設計できる
LMSで提供できるコンテンツは有名ビジネススクールが監修した質の高いものになっているため、グローバル展開を考えている企業にもおすすめです。
近年では外国人労働者がいる企業も珍しくなく、多言語に対応した学習が必要になってきています。グローバルに対応できるLMSを活用することで国籍に関係なく、格差のない学習を提供できます。
多言語対応のLMS(学習管理システム)について以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。⇒多言語対応の学習管理システム(LMS)の必要性と選ぶ時のポイント
④全社的に学習の進捗状況を可視化できる
LMSを活用することで、社員個々の学習の進捗状況や成績などを容易に確認できるため、適切なタイミングで質の高いフィードバックやフォローができます。
LMSは、学習の進捗状況や各研修の管理を一元化・簡素化・整理することが可能です。
学習の進捗状況を可視化することで、より効果的・効率的にそれぞれの受講者に合った学習に実施ができるようになります。
▼このように豊富なコンテンツを活用した全社共通のオンボーディングプログラムとその一元管理にはグローバルにも対応できる学習管理システム『CrossKnowledge LMS』が最適です。詳しくは下記をご覧ください。
オンボーディングシステム活用事例
現場教育のオンボーディングシステム導入活用事例
社員数:100名以上
事業:土木建築工事、建設工事の設計と監理
活用システム:UMU(ユーム)
◆導入前の課題
-
技術教育の時間と人員不足:ベテラン社員が現場作業に追われ、若手社員への技術教育が十分に行えず、重要な技術やノウハウの伝達が不足していました。
- OJT格差と離職率の上昇:ベテラン社員によるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)にばらつきがあり、若手社員の離職率が高まっていました。
◆取り組みの詳細
-
全社プロジェクトの立ち上げ:必要な業務知識を学べるコンテンツ配信環境を作るためのプロジェクトを設置し、各現場で必要な学習内容を整理しました。中堅社員を中心にコンテンツ作成に取り組みました。
-
全社員アンケートの実施:「現場に配属された際に覚えてほしいこと」についてアンケートを実施し、それを基に必要なコンテンツを精査しました。
-
コンテンツ作成サポート強化:若手社員がコンテンツ作成を担当し、アシスタントによる動画撮影・編集のサポートを強化しました。
◆導入の成果
-
知識習得レベルの向上:若手社員が中心となり、分かりやすいコンテンツを作成。マイクロラーニングの考え方を取り入れ、動画を5分以内に収めることで、隙間時間に効果的な学習が可能になりました。
-
OJT格差是正とコミュニケーション活性化:標準化された学習機会によってOJT格差が縮小し、ベテラン社員と若手社員間のコミュニケーションが活性化しました。
-
入社希望者の増加:教育体制の良さがアピールでき、入社希望者数が増加。県内での知名度ランキングで1位を獲得しました。
全社教育のオンボーディングシステム導入活用事例
社員数:1,000名以上
事業:賃貸・ファイナンス
活用システム:CK-LMS
◆導入前の課題
研修運営の事務局負担が大きく、年間50回以上の研修開催による労力が、人材育成計画の策定に影響を及ぼしていました。また、DXによる働き方と学び方の変化に対応し、事務局の負担を軽減しつつ、学習効果を向上させる教育を実現したいと考えていました。そのためにLMSの活用法や新しい学びのスタイルの浸透について悩んでいました。
◆取り組みの詳細
-
人材育成プログラムの見直し:集合教育のオンライン化とデジタルコンテンツの整理を我々と共に行い、プログラムの見直しを実施しました。
-
教育ポータルサイトのリリース:社員が時間と場所を選ばずに学習できる環境を整備し、eラーニングや独自の知識を提供しました。
-
必須学習や研修課題の一括管理:コンプライアンステストや各研修の課題提出をプラットフォーム上で配信・集計し、未提出者には自動アラートメールを送信しました。
◆導入後の成果
-
効率的な社内研修の管理:研修の案内から課題の提出までをオンライン上で一貫して行え、事務局の負担を大幅に削減しました。
-
社員の早期戦力化:各事業部が作成したオリジナルコンテンツをポータルサイトに掲載し、OJTに加えて自主学習が可能となり、新入社員や異動者の早期戦力化に効果を発揮しました。
- 社外の公募型研修の申し込み増加:ポータルサイト経由での研修申し込みが可能となり、申込数が増加し、事務局の負担を減らしながら多様な教育機会を提供しました。
まとめ
この記事では、オンボーディングについて以下の内容で解説しました。
- オンボーディングを効率化するシステム
- オンボーディングの効率化におすすめなシステムの例
- そもそもオンボーディングの目的とは
- オンボーディングプログラムを構築するメリット
- オンボーディングシステムの使い分け
- 現場教育のオンボーディングシステム
- 全社教育のオンボーディングシステム
- オンボーディングシステム活用事例
オンボーディングは新メンバーのスキルアップや育成だけではなく、離職率の改善や定着率の向上に役立ちます。
しかし、オンボーディングを成功させるためにはより効果的・効率的に実施できるようにするための施策や仕組みづくりが必要です。
オンボーディングの効率化には、多くのコンテンツをデジタル化し、それを学習プラットフォームやLMS(学習管理システム)などのシステムがおすすめです。
オンボーディングを担う部署が現場での教育部署なのか、コーポレートの教育部署なのかの状況に合わせフィットするシステムが変わります。
それぞれの課題を解決するため、各システムの強みを理解し、活用することで、オンボーディングを効率化できる可能性があります。
どちらもカスタマーサクセスによるサポートを得ながらオンボーディングプログラムを構築していくことができます。
『LDcube』では、AIを活用したデジタル学習プラットフォーム『UMU』とLMS(学習管理システム)『CrossKnowledge LMS』を提供しています。
いずれも人材育成や組織への定着を促す便利な機能が豊富に備わっているため、オンボーディングの効率化に役立てられます。無料のデモ体験会なども行っています。お気軽にお問い合わせください。
▼関連資料はこちらからダウンロードできます。
▼関連記事はこちらから。