デジタル・トランスフォーメーション:トレーニングと人事管理の統合
Michel Diaz(FEFAURアソシエイトディレクター)、Olivier Metzker(CrossKnowledgeオペレーションディレクター)著。この記事は、2019年4月15日にElearning Letter(フランス語)に掲載されました。
トレーニングは、採用、報酬と福利厚生だけでなく、新人研修、業績、人材の流動性、後継者育成などの主要な人事プロセスを促進します。企業の労働力と人的資本を効果的かつ迅速に開発するために、主にはデジタル・トレーニングが活用されます。
そのため、研修部門と人事部門のコラボレーションを強化する必要があります。
デジタル・トレーニングとHR: サイロ・メンタリティを変える
※サイロ・メンタリティとは組織全体ではなく、自部門をことだけを考えることを指します。
人事部門と研修部門が分かれている組織では、新人研修や管理職研修の計画策定といった基本的な事柄を除いて、人事部門と研修部門が協力しているところはほとんどありません。各部門にはそれぞれ独自の業務と目標があるからです。
人事部門はさまざまな異なる領域を管理し、さまざまな進め方で業務を進め、終わることがないくらいの膨大な業務を行っています。
研修部門は、従業員や職務の期待に応じて多額の研修運営予算を管理する一方で、研修管理運営を滞らせるほどのコンプライアンス対応に追われるなど、独自の制約があります。
幸いなことに、人事管理とトレーニングの結びつきが強まるにつれ、このような閉鎖的なアプローチは変化しつつあります。この傾向は今に始まったことではないですが、今日ではその傾向が強まっています。(研修、採用といった古くからある職種にも変化が見受けられます)
この縦割り体制の解消は、さまざまな要因により推進されてきましたが、職場単位での研修による知識移転がその良い例です。研修の費用対効果はさまざまな要因に左右されますが、費用対効果を特に高めるポイントは研修後に直属の上司がどのように部下と関わるかです。職場単位での研修は上司と部下の関わりがその場で起きるため費用対効果が高いです。
また、LMS(Learning Management system)の活用を通じて、企業はすでに導入しているタレントマネジメントシステムが研修部門と人事部門との間で孤立したシステム運用になっていることに気付きます。
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注目されるデジタル・トレーニング
トレーニングの地位は、人事の他の側面を包含するようになり、目の前で進化しています。
トレーニングは、リスキリングなど従業員、会社、そして仕事そのものに焦点を当てた世の中の流れに後押しされ、さまざまな制約から徐々に解放され、急速にニーズが高まっています。これは、企業のDXへの対応と長期的な事業計画と密接に関係しています。
実際、世界中の何億人もの従業員が、新しいデジタル世界で自分の雇用を維持するために、デジタルスキルや新たな技術を習得しなければなりません。トレーニングのニーズはかつてないほど多様化し、その結果、トレーニングがスポットライトを浴びるようになっています。
人事部門による他テーマのトレーニングはさらに予算の制約を受ける可能性があります。拡大し続けるデジタル革新がもたらすスキルの陳腐化に対抗するため、誰もが、どこでも、継続的に新しいトレーニングを受けなければなりませんが、予算がつかなかったり、削減されたりすることもあります。プラットフォームを活用してトレーニングを提供するデジタル・ラーニングはこの厄介な状況を解決する一助になります。ただし十分とは言えません。
そして、トレーニングの効率とコストの最適化は、他の人事領域との連携を強化できるかどうかに大きく依存しています。一例として、ナレッジ共有は、仕事そのものに組み込まれていった結果、飛躍的に進歩しました。もう一つ挙げるべきは、トレーニングが雇用者ブランディング、ひいては採用にどのように貢献しているかということです。最近の新卒採用者やキャリア採用者は、会社の中で必要なトレーニングが受けられるという環境があることに大きな魅力を感じています。彼らにとって、自分の能力を開発するチャンスがあるということは、時に給与や評価に勝ることがあります。
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トレーニングとタレント・マネジメントの統合
人事領域の最近のトレンドであるタレント・マネジメントを進めていった結果、縦割り体制を解消した人事管理が急速に進展しています。高い潜在能力を持つ社員だけでなく、全ての社員が何か価値を提供できるように、さまざまな人材を引きつけ、雇用を維持し、育成しなければなりません。したがって企業は、このグローバルな人材争奪戦で勝ち抜くためには、トレーニングというカードをうまく使いこなさなければなりません。
企業はさらに、従業員のwell-beingを高める「従業員第一主義」の考えを推進する必要があります。従業員が幸せであれば顧客も幸せになり、従業員が幸せであれば生産性も高まります。さらに、企業は専門性を高めることに積極的に取り組む必要もあります。
そのような取り組みは、タレント・マネジメントとトレーニングの管理を単独もしくはシステム連携により一元化できるデジタル・プラットフォームの活用で実現できます。
タレント(人財)を企業の中心に置き、トレーニングによって、人財採用、人財の定着(新規採用者、人財の流動性、福利厚生)、人財育成を行います。
トレーニングは、今後、企業の主要な人事プロセスとタレント・マネジメントの中心となると考えられます。
さらにこの動きは、人事部門と研修部門の協力関係の深化から生まれる将来の成功を暗示しています。どちらか一方だけでは何もできず、成功するためにはもう一方に大きく依存しています。部門最適な考え方から脱却し、人事部門と研修部門が“脱”縦割りで協力体制を構築することは、将来の成功の確かな兆候となるでしょう。
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まとめ
デジタル・トランスフォーメーション:トレーニングと人事管理の統合について紹介してきました。
これからの時代は人事部門と研修部門が連携を強化し、タレントマネジメントシステムとLMSをシステム連携してさまざまなデータを一元管理し、タレント(人財)を中心に置き、トレーニングを採用、配置転換、育成、福利厚生など多方面に生かしていくことが求められます。
株式会社LDcubeでは、デジタル・トレーニングを提供する『CrossKnowledge LMS』の提供をしています。本LMSはタレントマネジメントシステムとシステム連携して、データの一元管理を行うことが可能です。また、多言語にも対応していたり、世界レベルのMBA教授陣のマイクロラーニングを提供していたり、多彩なトレーニングの実現が可能です。
研修と人事管理を融合し、生産性を高めていくために『CrossKnowledge LMS』を活用してみてはいかがでしょうか。
▼ CrosKnowledge社原文記事
https://www.crossknowledge.com/blog/digital-transformation-integrating-training-and-hr-management/