eラーニングとLMSの違いとは?最適な人材育成体制を構築するポイントを解説
「eラーニングを導入したいけれど、LMSとの違いがよくわかりません……。どちらを選べば良いのでしょうか?」
このような質問を受ける機会が、多くなりました。
近年、企業や教育機関でeラーニングの導入が加速しています。一方で、eラーニングを支えるプラットフォームであるLMS(学習管理システム)との違いに戸惑う方も少なくありません。
おおまかに結論からいえば、“eラーニングはコンテンツを指し、LMSはプラットフォームを指す” と捉えておくと、イメージしやすいはずです。
どちらか1つを選ぶのではなく、どちらも選ぶ必要があり、重要です。選択を誤ると、せっかくの教育投資が無駄になりかねません。
本記事では、eラーニングとLMSの基礎知識から、両者の関係性、選定のポイントまでを体系的に解説します。
ご一読いただくと、自社に最適な体制を構築し、教育効果を最大限に引き出す知見が身に付きます。
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目次[非表示]
- 1.eラーニングとLMSの違いとは?
- 1.1.eラーニングとは?
- 1.2.LMSとは?
- 1.3.LMSとeラーニングの関係性
- 1.4.eラーニングプラットフォームなど類義語との違い
- 1.5.LMSとLXPの違い
- 2.LMSで展開するeラーニングの3つの選択肢
- 2.1.LMSと連携して提供されるコンテンツ
- 2.2.互換性のある他社コンテンツ
- 2.3.自社で制作したコンテンツ
- 3.eラーニングを展開するLMSの選定で注意したいチェックポイント
- 3.1.コンテンツ互換性
- 3.2.提供コンテンツの質と更新頻度
- 3.3.ユーザーエクスペリエンス(UX)
- 3.4.多言語対応
- 3.5.システム連携
- 3.6.スケーラビリティ(拡張性)
- 3.7.セキュリティ
- 3.8.データのポータビリティ
- 3.9.コストパフォーマンス
- 3.10.ユーザーサポート
- 4.LMSでパーソナライズ学習を実現しeラーニング受講率100%を達成した支援事例
- 5.まとめ
eラーニングとLMSの違いとは?
eラーニングとLMSは密接に関係していますが、まずは、それぞれの基本的な概念を、正しく理解することが大切です。
最初に、eラーニングとLMSの定義や特徴を解説するとともに、両者の関係性やeラーニングにLMSが必要な理由についても説明します。
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eラーニングとは?
eラーニングとは、デジタル技術を用いて行う、学習形態の総称です。
より具体的には、インターネットやイントラネットなどのネットワークを利用し、デジタルコンテンツを介して、知識やスキルを習得する学習法を意味します。
【eラーニングの特徴】
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以上のように、eラーニングとは、デジタル技術を駆使して学習コンテンツを提供し、双方向性を確保しながら、学習者の主体的な知識習得を支援する学習形態だといえるでしょう。
従来の教室型学習とは一線を画す、新たな教育の形として浸透しています。
LMSとは?
続いてLMSは、「Learning Management System:ラーニングマネジメントシステム」の略称で、学習プログラムの運営に必要な機能を統合的に提供するシステム基盤を指します。「学習管理システム」とも呼ばれます。
企業の従業員研修から大学などの高等教育、各種学校の講座など、幅広い学習プログラムの運営管理に活用されています。
【LMSの3大機能】
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これらの機能を通じ、LMSは教育研修プログラムの運用効率と質の向上に寄与します。
別の表現をすると、学習プログラムのデジタルトランスフォーメーション(DX)を総合的に推進できるツールとして、さまざまな組織でLMSの導入が進んでいます。
LMSとeラーニングの関係性
LMSは、eラーニングを下支えし、その効果を最大限に引き出すための基盤システムという関係にあります。
【LMSとeラーニングの関係】
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eラーニングの効果的な運用は、LMSの性能と使いやすさに大きく左右されるといっても過言ではありません。
eラーニングとLMSを別々のものと考えるのではなく、一体のものとして設計し活用していく視点が非常に大切です。
eラーニングプラットフォームなど類義語との違い
ここで補足として、類義語を整理しておきましょう。
eラーニングおよびLMSの導入を検討してリサーチを始めると、以下の類義語との違いに戸惑うかもしれません。
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文脈や発信者によっても異なりますが、基本的には、上記はLMSと同じ意味として捉えて問題ないでしょう。
いずれも、eラーニングの運用管理に必要な諸機能を統合的に提供するシステム基盤を指す用語だと理解しておけば、実務上は混乱なく使い分けられるはずです。
LMSとLXPの違い
もう一点、今後、見かける機会が増えていくと考えられるのが「LXP」です。
「LXP(Learning Experience Platform:学習体験プラットフォーム)」は、LMSの発展形として近年登場してきた、新しい学習基盤の呼称です。
LMSが「学習管理」に重点を置くのに対し、LXPは学習者の個別最適化された「学習体験」の創出に主眼を置いているのが特徴です。
具体的には、以下のような機能面での差異が挙げられます。
【LMSとLXPの違い】
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LXPの具体例としては、AIを活⽤したデジタル学習プラットフォーム「UMU」が挙げられます。
注意点として、現時点では、日本国内におけるLXPという用語の浸透度は、まだ限定的です。
そのため、LXPと同等の機能を備えていても、よりなじみのある「LMS」の名称で提供されているケースもあります。
名称ではなく機能面で見極めることが重要です。不明な点があれば、ベンダー(提供元)に確認することをおすすめします。
LMSで展開するeラーニングの3つの選択肢
ここまでのお話で、冒頭で述べた “eラーニングはコンテンツを指し、LMSはプラットフォームを指す” ということが、つかめたかと思います。
続いて、LMS上で展開する「eラーニング」について、見ていきましょう。どのようなeラーニングのコンテンツを導入するか、大きく分けて3つの選択肢があります。
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LMSと連携して提供されるコンテンツ
1つ目の選択肢は「LMSと連携して提供されるコンテンツ」です。
LMSベンダーの多くが、LMSとセットでeラーニングコンテンツを提供しています。
これらのコンテンツは、LMSとのスムーズな連携が保証されているため、導入の手間やコストを大幅に削減できるのが大きな利点です。
【LMSとセット提供されるコンテンツの特徴】
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LMSとセットのコンテンツは、eラーニング導入のハードルを下げ、スピーディな立ち上げを可能にする選択肢だといえます。
ただし、自社に最適なコンテンツがラインナップされているかどうかは、十分に見極める必要があります。
たとえば、以下はLMS・eラーニング「CrossKnowledge」にて提供なコンテンツの一例です。
詳しくは、以下の資料にてご確認ください。
互換性のある他社コンテンツ
2つ目の選択肢は「互換性のある他社コンテンツ」です。
「どんなeラーニングを展開するのかは、どのLMSを選ぶかで決まってしまうのでは?」
と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、導入したLMSとセットではない、外部のeラーニングコンテンツを活用する選択肢もあります。
eラーニングには国際的な標準規格があり、規格を満たした互換性のあるeラーニングとLMSなら、異なるベンダー同士でも連携が可能なのです。
【主要なeラーニング標準規格】
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すでに特定のeラーニングの導入を決めている場合には、そのコンテンツと互換性のあるLMSを選定することが大切です。
自社で制作したコンテンツ
3つ目の選択肢は「自社で制作したコンテンツ」です。
PowerPointやPDF、動画など、自社で作成した各種コンテンツを、LMSを通じてeラーニング化するアプローチは、自社の教育ノウハウを最大限に生かせる選択肢です。
多くのLMSは、そうした一般的な形式のコンテンツをアップロードし、eラーニング教材として配信する機能を標準で備えています。
【自社制作コンテンツのLMS搭載のメリット】
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このように、自社制作コンテンツのLMS搭載は、自社のナレッジを集約し、効率的に社内展開するための有力な方法といえるでしょう。
コンテンツ作成については、以下の記事もあわせてご覧ください。
eラーニングを展開するLMSの選定で注意したいチェックポイント
次に、「LMS」の選定について見ていきましょう。
数多くのLMS製品が市場に存在するなかで、自社に最適なLMSを選ぶために、どのような評価軸を持つべきでしょうか。
とくに注意が必要なチェックポイントを、以下で解説します。
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コンテンツ互換性
1つ目のポイントは「コンテンツ互換性」です。
先ほど述べたとおり、LMSにeラーニングコンテンツを搭載する際には、コンテンツの互換性が重要なポイントとなります。
とくに、既存コンテンツを多数保有する場合や利用したいeラーニングがすでに定まっている場合は、互換性確保の優先順位が高くなります。
【コンテンツ互換性の確認ポイント】
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提供コンテンツの質と更新頻度
2つ目のポイントは「提供コンテンツの質と更新頻度」です。
LMSと連携して提供されるeラーニングコンテンツの質と更新頻度も、LMS選定の重要な評価軸となります。
【コンテンツ品質の評価ポイント】
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魅力的なコンテンツがLMSにそろっていなければ、eラーニングの多くを外部と連携する必要があり、運用の負担が増します。
網羅性や更新頻度など、定量的な指標を軸としつつ、実際のコンテンツに目を通して、質的な評価を加えることが重要です。
ユーザーエクスペリエンス(UX)
3つ目のポイントは「ユーザーエクスペリエンス(UX)」です。
LMSのユーザーインターフェース(UI:利用者が直接触る操作画面)の使いやすさをはじめとする、UX(ユーザー体験)の質は、学習者の学習意欲に直結する重要な要素です。
【UXの評価ポイント】
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優れたUXは、学習者のLMS活用を促進し、ひいては学習効果の向上につながります。
操作マニュアルを読まずとも直感的に使いこなせる、シンプルで洗練されたデザインや操作の快適さは、LMS選択の重要な判断材料です。
多言語対応
4つ目のポイントは「多言語対応」です。
グローバル企業はもちろんですが、外国人従業員の採用可能性がある企業にとっては、LMSの多言語対応は見逃せないポイントとなります。
母語が日本語以外の従業員が在籍している場合、ユーザーインターフェース(UI)の言語切り替えは必須の機能です。加えて、コンテンツ自体の多言語化対応も、重要な選定基準となります。
【多言語対応の評価ポイント】
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日本語・英語だけではなく、多国籍な従業員が母語で学べる環境の整備は、グローバル人材育成の成否を分ける鍵となります。
システム連携
5つ目のポイントは「システム連携」です。
LMSと社内の各種システムとの連携も、運用効率を大きく左右する要素です。とくに、人事システムとのスムーズなデータ連携は、LMS運用の効率化に直接影響します。
【システム連携の評価ポイント】
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社内のシステム部門とも協力して、しっかりと検討を重ねることが大切です。
スケーラビリティ(拡張性)
6つ目のポイントは「スケーラビリティ(拡張性)」です。
eラーニングの対象者が拡大した際に、LMSも柔軟に拡大できることは、重要な要件です。
【スケーラビリティの評価ポイント】
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ユーザー数の増加は、eラーニング施策の成功の証ともいえます。
その成長を、機能面・インフラ面の両方から支えるスケーラビリティを備えていることが、持続的なeラーニング運営には不可欠の条件となります。
セキュリティ
7つ目のポイントは「セキュリティ」です。
現代では、多くのLMSがクラウド型です。クラウド上に学習者の個人情報や、機密性の高い学習データが蓄積されるため、セキュリティ面の評価は選定において不可欠です。
【セキュリティの評価ポイント】
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LMSの運用では、機能や利便性と同様に、セキュリティの信頼性が問われます。
データのポータビリティ
8つ目のポイントは「データのポータビリティ」です。
LMSへ蓄積された学習データは、企業にとって貴重な知的資産です。
ベンダーロックイン(特定ベンダーのシステムに過度に依存してしまうこと)のリスクを回避し、データポータビリティ(移行性)を担保できるかどうかは、長期的な視点でのLMS選定に欠かせない観点だといえます。
【データポータビリティの評価ポイント】
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LMSの選定は、長期的な展望に立った意思決定が求められます。
現時点だけでなく、将来のLMS移行も見据えたデータ戦略を描き、そのうえでデータポータビリティを評価することが大切です。
コストパフォーマンス
9つ目のポイントは「コストパフォーマンス」です。
LMSの選定では、機能や品質とのバランスを見据えたコストパフォーマンスの評価が欠かせません。
初期費用だけでなく、ランニングコストや追加費用など、トータルコストを多角的に検証する必要があります。
【コストパフォーマンスの評価ポイント】
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安価な初期費用に惹かれて導入しても、ランニングコストが想定外に膨らむようでは本末転倒です。
短期的なイニシャルコストだけでなく、中長期にわたるトータルコストを見据えて検討しましょう。
ユーザーサポート
10番目のポイントは「ユーザーサポート」です。
LMSを円滑に運用していく上で、ベンダーの手厚いユーザーサポートは欠かせない要素です。
とくに導入初期の問い合わせ対応や、運用中のトラブルシューティングは、LMS活用の成否を分ける重要なポイントとなります。
【ユーザーサポートの評価ポイント】
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トラブル発生時の頼れるサポート体制があるのと無いのとでは、運用担当者の心理的負担が大きく異なります。
導入後も伴走してくれるベンダーを選ぶことが、円滑なLMS運用への第一歩となるでしょう。
以上、10のポイントを解説しました。
LMSの具体的な選択肢は、以下の記事で幅広く取り上げています。
とくにおすすめのLMSの資料を以下にご紹介しますので、ぜひ検討してみてください。
LMSでパーソナライズ学習を実現しeラーニング受講率100%を達成した支援事例
支援事例:専門商社(400名)
【これまでの課題】
- eラーニングを「必修」にしなければ学習しない
- 流し見で「完了」することが目的になってしまっている
- 業務が忙しくて受講することを忘れてしまう ・・・など
↓
【CK-Connectによるパーソナライズ学習を導入】
(CK-Connectはパーソナライズ学習を実現するLMSです)
↓
【受講率100%を実現】
- 「必修」「受講期限」の設定がない中で、受講率100%を実現
- 診断結果を基に自動でリコメンドされるコースを自主的に受講
- 1人平均5.7コースの受講(多い人は16コースの受講)
★今回のポイント
- パーソナライズ学習:パーソナル診断結果を基にした個々人に合わせた学習コンテンツを自動配信
- いつでも学べる環境:学習者が必要なときに必要な学習にアクセスできる環境
- 学習データの蓄積:学習者の学習状況をトラッキングするための学習行動のデータ取得
★お客さまの声
- 社内ではeラーニングは結局導入しても、やってくれないのではないかという疑問視する声が出ていました。これまでは「必修」にしないとやってくれなかったことからもそのように捉えられていました。同じことを繰り返していても効果は上がらないと思い、パーソナライズ学習を取り入れたところ、受講率が100%になったので正直驚きました。
- また、これまではコンテンツ数にも限りがあり、自社のオリジナルコンテンツの搭載ができなかったのですが、自社オリジナルコンテンツの搭載もできるようになったことで、学習してもらう幅が広がりました。
- また、診断結果のレポートには、自身の強みや課題の啓発だけではなく、他の職場メンバーとの関係性の中で起こりうることや周囲が必要なことについてもアドバイスがあり、そのレポートを基に、他メンバーと対話することで、職場の中でのコミュニケーションが取りやすくなり、仕事がスムーズに進むようになりました。
まとめ
本記事では「eラーニングとLMS」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
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LMSで展開するeラーニングの3つの選択肢として、以下を解説しました。
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eラーニングを展開するLMSの選定で注意したいチェックポイントは以下のとおりです。
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eラーニングの導入検討に際しては、LMSという基盤システムの選択が極めて重要な意思決定となります。本記事を参考に、最善の選択をしていただければ幸いです。
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