オンラインで社員研修・人材育成・教育を実施する効果と注意点とは?
近年、働き方が多様化する中で、社員研修もオンライン形式が急速に普及しています。
しかし、オンラインでの研修には特有の課題や実施のコツがあります。企業がどのように効果的にオンライン研修を導入できるのか、知りたいと思いませんか?
この記事では、まずオンラインでの社員研修がなぜ注目されているのか、その背景を明らかにします。
次に、2024年現在のオンライン研修の実態を紹介し、ライブ配信型とeラーニングという2つの主要な形式について詳しく説明します。
さらに、オンライン研修がもたらす具体的な効果や、実施の際の注意点、デメリットについても言及します。
最後に、実際に効果的に行われているオンライン研修の事例を紹介し、まとめていきます。
この記事を読むことで、オンラインでの社員研修の最新動向や実態、そして企業が導入する際に気を付けるべきポイントやその背景にある効果について理解できるようになります。
研修担当者や企業リーダーの方々には、新しい時代の社員研修の形を考える上で、ヒントになる情報を提供します。
ぜひ、この記事を通じてこの重要なテーマを深く理解し、効果的なオンライン研修の導入に役立ててください。
▼オンライン研修を成功に導く秘訣については下記にて詳しく解説しています。合わせてご覧ください。⇒オンライン研修のメリット!成功の秘訣や背景にある人材育成の流れまで解説!
▼社員研修への動画活用については下記で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
⇒社内研修の動画活用効果を最大化するコツとは?メリットやポイントを解説
▼社員研修のユニークな他社事例については下記にまとめています。施策検討の参考に活用ください。⇒社内研修の事例14選!ユニークな内容を受講者の階層別に詳しく紹介
目次[非表示]
オンラインでの社員研修とは!?
オンラインでの社員研修とは、学習者や講師が対面することなく、オンライン上で行われる研修のことです。リモート研修やWeb研修とも呼ばれます。
パソコンやスマートフォン、タブレットなどの通信機器と適切な通信環境があれば実施可能であり、従来の集合研修のように時間と場所に捉われないことが特徴です。
オンラインでの社員研修は知識や技術に関する学習に向いていますが、対面ではない分、提供するコンテンツやコミュニケーションの取り方に工夫が求められます。
オンラインでの社員研修が注目される背景
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、講師と学習者が同じ場所に集まることが難しくなったことが、オンライン研修の普及を加速させた要因の一つであると考えられます。
感染予防の一環でオンライン研修が企業で取り入れられましたが、その利便性や高効率な特性から今後も集合研修と併用しながら継続される可能性があります。
当初は既存従業員向けの学習が中心でしたが、近年では新入社員研修に取り入れられているケースも珍しくありません。
新入社員研修は、ビジネスの基本やマナーの習得だけではなく、従業員同士の連帯感を強化する重要な機会です。オンライン研修を実施する場合は、新入社員が不安を感じない内容・構成にする必要があります。
▼新入社員研修のオンライン化については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒新入社員研修のオンライン化を成功させる秘訣!詳細事例と合わせてポイントを解説!
⇒新入社員研修で動画を活用するメリット!コンテンツの形式や特徴を解説
オンラインでの社員研修の実態(2024年)
弊社では2024年6月~7月にかけて「ポスト・コロナの人財育成施策の実態調査」と題してアンケート調査を行いました。
その中で、人材育成施策の実施スタイルについて、貴社ではどのようなスタイルで人材育成施策を実施していますか?」という質問をしています。
- 集合研修スタイルが34%で1番回答が多いです
- 次いで、集合研修、オンライン研修、eラーニングの併用が20%です
- オンライン研修スタイルは5%にとどまっています
- eラーニングスタイルは13%とオンライン研修よりも活用されています
【経年変化】
2023年度と2024年度とを比較してみても大きな傾向は変わらないものの、集合研修の比率が高まっています。集合研修には集合研修の良さがあります。反面オンライン研修が好ましい内容を集合研修で行うとコストアップにつながります。その点に注意して研修実施スタイルを選定しましょう。
【コメント】
- オンライン研修が普及した世の中ですが、集合研修スタイルが34%で1番多い回答となりました。2023年度と2024年度との比較では集合研修が増加傾向にあります。感染症も落ち着き、従来集合で実施していた研修について、コロナ禍で実施できていなかった分などを集合研修で実施するように戻していることなどが推察されます。
- 次に多かったのが、集合研修、オンライン研修、eラーニングの併用です。20%の組織がこのように回答しています。3つの研修スタイルを組み合わせて展開していくことが、真に効果の高い学びを実現するために必要です。2023年度と2024年度との比較ではこの比率が下がっていることが気になります。学びの効果性を高めていくためのスタンダードとも言える学びの組み合わせが減少傾向にあります。
- 集合研修が増えていることから合わせて推察すると、感染症も落ち着き集まれるようになったので、多くの研修を集合研修に戻しているという動きがあるのではないかと考えられます。集合研修には集合研修の良さが、オンライン研修にはオンライン研修の良さが、eラーニングにはeラーニングの良さがあります。良いとこどりをして組み合わせるのが理想のカタチですが、安易に集合研修に戻してしまっていることが懸念されます。オンライン研修やeラーニングでの学びの方が好ましい内容を集合研修で行うと効果性が下がり、コストがアップします。その点に注意して施策に反映させましょう。
(本章出典:【調査レポート速報!】(2年目)ポスト・コロナの人財育成施策の実態調査の結果を公開!)
▼調査結果は下記よりダウンロードできます。
オンラインでの社員研修における2つの種類
ここでは、オンラインでの社員研修の種類を2つ紹介します。
①ライブ配信型
ライブ配信型とは、講師がリアルタイムで講義を配信するタイプのオンライン研修です。
学習者は講師にリアルタイムに質問をすることが可能であり、講師もその日の学習者のレベルに合わせて内容を調整できます。
ただし、ライブ配信型のオンライン研修を実施するためには安定した通信環境が必須であるため、学習者の環境によっては受けられない可能性があります。
②eラーニング
eラーニングとは、事前に録画した動画や資料を、教材としてオンライン上で配信するタイプのオンライン研修です。
ライブ配信型のようにリアルタイムで講師が講義を行っているわけではないため、双方向のコミュニケーションはできません。
しかし、eラーニングは録画コンテンツを使って繰り返し視聴できるため、学習者の任意のタイミングで学習できるメリットがあります。
▼eラーニングの活用については下記にて詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒eラーニングを活用した社員研修とは?トレンドやポイントを紹介!
オンラインでの社員研修がもたらす効果
ここでは、オンラインでの社員研修がもたらす効果を3つ紹介します。
①研修・教育担当者の工数削減できる
オンライン研修であれば、会場の手配や資料の印刷などの業務が最小限に抑えられるため、研修・教育・研修担当者の工数削減につながります。
研修の準備にかかる手間を減らすことで、リソース不足の解消も可能であり、より安定した学びを学習者に提供できます。
②質の高い学習を従業員に提供できる
オンライン研修では、事前に登録したコンテンツですべての学習者が同じ研修を受けるため、学習の質を一定に保てます。 地域差や講師のスキルによる差が発生しないため、提供される学習における質の格差を防止できます。
③研修管理が容易になる
オンライン研修なら、学習者一人ひとりの受講状況やテストの成績などを一つのシステムで一元管理することが可能です。
したがって、教育・研修担当者の管理が容易になり、業務効率化に繋がります。
一定の成績に達していない受講者に対しては、個別に最適なフォローをすることで、スキルや知識の均一化を図れます。
▼eラーニングを活用した効果的なオンライン研修については下記にて詳しく解説しています。
合わせてご覧ください。⇒オンライン研修での効果的なeラーニングの活用とは?
オンラインでの社員研修を実施する際の注意点
ここでは、オンライン研修(ライブ配信型)実施時の注意点を3つ紹介します。
①事前準備は入念に行う
オンライン研修は、デバイスや通信環境、マイクやカメラなどの準備に時間がかかります。
スムーズに研修を実施するためにも、事前に動作テストや接続テストなどを入念に行い、問題がないか確認しておくことが大切です。
事前準備がしっかり行われていれば、万が一トラブルが発生しても適切な対応ができるため、研修への影響を最小限に抑えられます。
②講師と受講者ともに顔出し参加する
オンライン研修を音声のみで実施する場合は、緊張感が薄れ、研修の内容が聞き流される可能性があります。
そのようなリスクを避けるためにも、事前に受講者の了承を得て、顔を出して研修を実施することが重要です。
講師と受講者がお互いの顔や表情が見える状態は、適度な緊張感が生まれます。受講者が集中して研修に臨めるようになり、学習の効果向上に期待できます。
③マイクのミュートには注意する
オンライン研修を実施するにあたって、会議システムや機器の操作に慣れておくことが大事です。
例えば、音響トラブルや不要な騒音は、受講者の集中を逸らしてしまう可能性があります。そのため、発言時以外はマイクをミュートにしておくことが無難です。
マイクの機能を理解していない方もいるため、オンライン研修を実施する際は、事前にミュートについて説明しておくことをおすすめします。
また、オンライン研修の実践が少ない間は、トラブルがあった際に講座進行に支障が出ないよう、一人で進めるのではなく、サポートスタッフと共にチームを編成して対応できる体制を整えておくこともポイントです。
▼オンラインでの新入社員研修については下記で詳しく解説しています。
⇒新入社員研修にオンラインを活用して効果を高める秘訣!事例も紹介!
▼オンラインでのマネジメント研修については下記で詳しく解説しています。
⇒効果的にオンライン化したマネジメント(管理職)研修とは?ポイントを解説!
オンラインでの社員研修のデメリット
オンライン研修は集合研修と比較すると下記のようなデメリットがあります。
- その場の空気感などが醸成しづらい
- リアルに比べ懇親会などの副次的な要素のリアリティーが薄くなる
- 配信に必要な機材・機器やネットワーク回線、セキュリティーなど通信環境をそろえる必要がある
- 受講者はパソコンの前で画面を見続ける状態が続き、集中力が持たず飽きやすい
- カメラがOffの状態では受講者の表情やリアクションが見えず、状況がつかみにくい
- グループディスカッションなどグループワークのやり方がweb会議システムの種類により限定されることがある
上記のようなデメリットがありますが、オンライン研修は従来の集合研修ベースの学び方を変え、本当に効果のある学び方を実現してくれる貢献度の高い研修スタイルです。留意点を加味しながら、うまく取り入れていくことがポイントです。
▼eラーニングのデメリットについては、下記にて詳しく解説しています。合わせてご覧ください。⇒eラーニングシステムのデメリットとは?課題を解決する方法
効果的なオンラインでの社員研修事例
建設コンサルタント業 新入社員研修のケース
【背景】
- Withコロナ時代の中で、単にオンラインで研修を行うだけでなく、学び方のイノベーションを図りたい。
【新たな取り組み】
- 動画コンテンツを作成してオンライン自己学習の充実化を図る
- 確認テストを実施して理解度を都度チェックする
- 質問BOXを設け、随時質問があれば入力してもらう
- オンライン協調学習のセッションで演習や質問BOXに入力された質疑応答を行う
【結果】
- 受講の満足度は?
- 理解度は?
2019年度までは集合研修をベースに新入社員研修を実施していましたが、コロナ禍に突入した2020年度は新入社員研修を実施できませんでした。
2021年度はオンラインで新入社員研修が実施できるように準備を進めました。
オンラインで行った新入社員研修の効果について、受講者の満足度と理解度の観点から効果測定しています。
満足度を見てみましょう。研修のテーマごとに受講者のアンケートを取っています。2019年度までの研修アンケートと2021年度の研修アンケート結果を比べると、大きな差が出ています。
(2020年度は研修未実施のためデータなし)
2019年度までは研修の満足度に関して、5段階中で4をつける人がボリュームゾーンでしたが、2021年度は5をつける方がボリュームゾーンとなりました。受講者の研修満足度が大きく高まった結果となりました。
また理解度については、毎年テーマごとに試験を実施しています。
新入社員の中には、ある分野について大学時代に学習したことがある履修者と、学習したことがない初学者が混在しています。例年の傾向として、初学者は得点が低く、履修者は得点が高い傾向にありました。
2021年度の試験は下記のような結果になりました。
初学者の得点が低く、履修者の得点が高いという傾向は存在しますが、その差はあまりなく、初学者が履修者に追いついてきているという結果になりました。
オンラインで効果的な学習環境を構築してきたことで、受講者の満足度も理解度もどちらも高めることに成功しました。
今回のケースの場合、下記に取り組みました。
【新たな取り組み】
・動画コンテンツを作成してオンライン自己学習の充実化を図る
・確認テストを実施して理解度を都度チェックする
・質問BOXを設け、随時質問があれば入力してもらう
・オンライン協調学習のセッションで演習や質問BOXに入力された質疑応答を行う
※上記について、ラーニングプラットフォームUMU(ユーム)を活用して展開
その取り組み施策の効果測定をしたところ、受講者の満足度、理解度ともに良い結果を得ることができ、上記の施策が効果的であるということを証明することができました。
▼UMUが他のeラーニングと違う点などについては下記で解説しています。
⇒UMUが通常のeラーニングよりも優れている点や魅力を紹介
まとめ
この記事では、オンラインでの社員研修について以下の内容で解説しました。
- オンラインでの社員研修とは!?
- オンラインでの社員研修の実態(2024年)
- オンラインでの社員研修における2つの種類
- オンラインでの社員研修がもたらす効果
- オンラインでの社員研修を実施する際の注意点
- オンラインでの社員研修のデメリット
- 効果的なオンラインでの社員研修事例
オンラインでの社員研修は従来の集合研修に比べて、手軽に実施することが可能であり、企業にとってもメリットをもたらします。
しかし、オンライン研修はただ導入するだけでは、学習者の興味・関心やモチベーションを維持できない可能性があるため、注意が必要です。
自社の従業員の特性やニーズに合わせて、独自の工夫や方向性を定めることでより効果的な学習が期待できます。
また、プラットフォームを活用することで、学習者の学習行動データを取得することが可能になります。データを利用することで、より良い研修づくりにつなげて行くことができます。
『LDcube』では、学習プラットフォーム『UMU』を提供しています。オンライン・オフライン・個別学習・集合研修など、幅広い研修プログラムの設計と学習状況の可視化が可能です。
効果的なコースのデザインや学習方法はもちろん、想定されるトラブルの解決策なども提案できるため、オンライン学習プラットフォームがはじめての場合でも安心導入できます。
時代に合わせた効果的な研修を行うことができます。研修を実施する講師の方の研修運営もレベルアップします。
また、オンライン研修を展開していくにあたり、研修の事前事後に学習してもらう汎用的なコンテンツが必要な場合には、『CrossKnowledge』のeラーニングやマイクロラーニングを提供しています。世界中で1200万人以上が学習している高品質なコンテンツを提供することができます。世界レベルのMBA教授の動画講義などもラインナップしています。必要な人が必要な時に学べる仕組みづくりにぜひ活用ください。
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