
組織サーベイとは?目的・種類・手順・活用法を徹底解説!
「いろいろと施策を実施しているが、社員や職場に変化は出ているのか?」
「施策や理念が本当に浸透しているのか知りたい。」
こんなお悩みをお持ちの経営者や管理者の方も多いのではないでしょうか?
組織サーベイは、社員の実際の意見や感想を集めることによって、組織全体の健康状態や施策の実効性をデータベースに基づいて明らかにするための手法です。
これにより、施策のリアルタイムな影響を測定し、どの部分が効果的で、どの部分が改善を必要としているのかを詳細に把握できます。また、サーベイを通じて得られた洞察を基に、組織戦略を再構築し、社員のエンゲージメント向上や業務効率化を推進することが可能になります。
本記事では、組織サーベイの基本概念から、その目的や活用法について詳しく紹介します。また、組織サーベイの実施手法や具体的な注意点についても解説します。最後までお読みいただくと、より効果的な施策の実行につながる方法論を学べるでしょう。
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目次[非表示]
- 1.組織サーベイとは?定義と基本概念
- 1.1.組織サーベイの定義
- 1.2.組織サーベイが注目される背景
- 1.3.組織サーベイと類似する調査
- 2.組織サーベイの目的と重要性
- 2.1.組織サーベイの目的
- 2.2.組織サーベイのメリット
- 2.3.経営や人事と現場のメリット
- 3.組織サーベイの種類と実施方法
- 3.1.組織サーベイの種類
- 3.2.組織サーベイの実施手法
- 3.3.組織サーベイの実施手順
- 4.組織サーベイの具体的な実施ポイント
- 4.1.目的の明確化と共有
- 4.2.適切な設問や属性の設定
- 4.3.業務負担の配慮
- 5.組織サーベイのデメリットと注意点
- 5.1.組織サーベイのデメリット
- 5.2.実施コストと社員の負担
- 5.3.従業員の不満とその対策
- 6.組織サーベイの結果の活用方法
- 6.1.組織課題の分析
- 6.2.改善策の立案と実行
- 6.3.結果のフィードバック方法
- 7.組織サーベイと他の調査手法の違い
- 7.1.センサスとパルスサーベイの違い
- 7.2.組織サーベイと社内アンケートの違い
- 8.組織サーベイの実施後のアクションプラン
- 8.1.実施後のアクションプランの重要性
- 8.2.調査頻度と継続的な改善
- 9.組織サーベイを読み解くポイント
- 10.組織サーベイから「5つの経営資本」を強化するポイント
- 10.1.5つの経営資本とは
- 10.2.人材育成に落とし込むポイント
- 11.まとめ
組織サーベイとは?定義と基本概念
組織サーベイは、組織の状態を客観的に評価し、改善点を見つけ出すための有力な手段です。これにより、組織は戦略的に意思決定を行い、業績向上や組織文化の醸成を図ることができます。
組織サーベイの定義
組織サーベイとは、社員の課題認識や組織全体のパフォーマンスをデータに基づいて測定する手法です。
実施方法としては、オンラインアンケートや対面インタビューを利用して、社員の率直なフィードバックを収集します。この情報を通じて、企業は施策の実効性を評価し、必要に応じた改善策を特定することが可能です。
例えば、部門や職種ごと、性別や年齢ごとなどでデータを集計・数値化し、可視化することで、問題点を明確にし、組織文化の強化に役立てます。
組織サーベイが注目される背景
急速なビジネス環境の変化に対応するため、組織サーベイが注目されています。テクノロジーの進化や働き方の多様化が進む中で、従業員の声を経営資源として活用することが重要です。
組織サーベイは、組織の透明性を高め、継続的な改善プロセスを支える役割を担います。具体的な事例として、サーベイ導入後に組織や職場の風土が変革したり、新たな改善施策を実行したりすることにより、業務効率や顧客対応力の向上につながるケースも見られます。
このように、組織サーベイは組織の現状把握と戦略的な方向性の再確認を可能にし、長期的な成功への道筋を示します。
組織サーベイと類似する調査
組織サーベイに似た手法も多く存在し、特定の目的に応じて活用されます。それぞれの調査手法を理解し、組織の課題に最も適した方法を選択することが求められます。
エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイは、従業員の職務に対するエンゲージメント、つまり仕事への熱意や組織への愛着度などを測定します。このサーベイを通じて、従業員がどれほど積極的に職務に関与しているかを可視化し、職場環境やリーダーシップの改善に向けた洞察を得ることができます。組織の目標達成には、従業員のエンゲージメントが不可欠であり、これにより離職率の低下や生産性の向上が期待されます。
従業員満足度調査
従業員満足度調査は、社員の満足感を直接測るための手法です。この調査では、給与や福利厚生、職場の物理的環境、職務の内容といった具体的な要素に基づき、社員の満足度を数値化します。満足度が高いほど、従業員のモチベーションが高まり、組織全体のパフォーマンスにもプラスの影響を与えます。データを基に、職場環境の改善策を講じることで、社員の幸福度を上げ、ひいては組織の安定的成長に寄与します。
コンプライアンス診断
コンプライアンス診断は、組織内で法令遵守がしっかりと実行されているかを評価する調査です。企業にとってコンプライアンスは、法的リスクを軽減するための基本的な要素であり、この診断によって各種法律や規定がどの程度守られているかを確認します。違反のリスクを事前に特定し、必要な是正措置を講じることができるため、企業の信用を守り、円滑な業務運営の維持につながります。
これらは組織サーベイと似た手法ではありますが、特定の目的に沿って実行されるという点で組織サーベイと異なります。
組織サーベイは、あくまでも組織の健康状態、つまりは効果性や健全度合いを測ることを目的とするため、組織の戦略や業務の在り方、戦略を実行するためのタレントマネジメントや仕組み・制度、さらには組織風土などについて明らかにすることが重要です。
組織サーベイの目的と重要性
組織サーベイは、企業が組織の現状を深く理解し、戦略的な改善を実行するための重要な役割を果たします。これにより、組織運営の効果が最大化され、長期的な成長を促進します。
組織サーベイの目的
組織サーベイの主な目的は、組織全体の健康状態を定量的に把握し、従業員からのフィードバックを基に実効性のある改善策を講じることです。
具体的には、社員の意見や認識を反映することで、施策の浸透度や組織内での障害を特定します。これにより、現場のニーズや課題を明確にし、組織の活性化と競争力強化に寄与します。
例えば、調査結果から特定の部署でのモチベーション低下や高い問題意識が判明した場合、その原因を探り、ピンポイントな対策を打つことができます。
組織サーベイのメリット
組織サーベイの導入によって得られるメリットは多くあります。まず、従業員のエンゲージメントが向上し、それに伴って生産性が向上します。
また、サーベイ結果は経営陣やマネジャーの意思決定に資する具体的なデータを提供します。こうしたデータに基づく経営は、客観性と透明性を高め、組織の信頼性を向上させます。
さらに、組織文化の強化につながり、社員が組織の価値観を理解しやすくなります。ここで重要なのは、組織サーベイはあくまで現状把握のツールであることです。
その結果データをどのように読み解き、現場を巻き込みながら改善策を実行に移すのかということが重要です。
経営や人事と現場のメリット
組織サーベイがもたらすメリットは、経営や人事と現場の両方に影響を与えます。サーベイによるフィードバックでコミュニケーションが円滑になり、現場では適材適所の人材活用が可能になります。
これにより、組織のパフォーマンスが最適化され、迅速な問題解決が実現されます。サーベイを通じて、現場の声を経営に反映することで、組織全体の結束力を強めることができます。
このように、組織サーベイは経営や人事と現場にとって、コミュニケーションを促すなど、組織や職場をよりよい方向へ前進させるための「呼び水」となります。
組織サーベイの種類と実施方法
組織サーベイは、企業の目的に応じて多様な形態で実施されます。ここでは、サーベイの種類と、それぞれの実施方法を詳しく解説し、適切な選択をサポートします。
組織サーベイの種類
組織サーベイには、主に定性サーベイと定量サーベイという2つの主要なタイプがあります。定性サーベイは、インタビューやグループディスカッションを通じて、社員の個別の意見や感情を深く掘り下げる手法です。この手法では、特に参加者の感情や考え方の背景を理解することに注力し、質的データを得ることが可能です。
一方、定量サーベイは、アンケート形式で数値データを大規模に収集・分析します。この手法は、組織全体の傾向を迅速に把握したい場合に有効で、統計的な処理により客観的なデータを提供します。これにより、組織は全体像を理解し、数値化された成果を基に施策を再評価することができます。
組織サーベイの実施手法
サーベイの実施手法は、オンライン調査、対面調査、ハイブリッドの3つに大別されます。
オンライン調査は、迅速に大量のデータを収集可能であり、特にリモートワークが普及する現代に適しています。この方法は、コスト効率が高く、参加者が場所を問わず気軽に回答できるメリットがあります。
対面調査は、参加者との深いコミュニケーションが可能で、微細な心理的変化や態度を直接観察できる利点があり、特にリーダー層や重要なステークホルダーに対する調査に向いています。
ハイブリッド手法は、オンラインと対面の利点を組み合わせ、幅広いデータを多角的に収集することが可能です。これにより、組織はより多面的なアプローチで情報を活用し、より精緻な分析と意思決定を行えます。
組織サーベイの実施手順
組織サーベイを効果的に実施するためには、明確な手順の下で進めることが重要です。
まず、サーベイの目的を明確に設定し、それに基づいて調査のデザインを行います。具体的には、適切な質問項目を作成し、回答者の選定を行うことが含まれます。
次に、データ収集を行い、集まった情報を詳細に分析します。この分析は、サーベイの目的に直結した改善策を導き出すための重要なステップです。
そして、得られた結果を関係者にフィードバックし、具体的なアクションにつなげます。このプロセスを通じて、組織は改善点を特定し、より効果的な戦略を打ち出すことが可能になります。
組織サーベイの具体的な実施ポイント
組織サーベイを成功させるためには、明確な目的設定と参加者の負担を考慮した実施が重要です。ここでは、組織サーベイを効果的に行うための具体的なポイントを紹介します。
目的の明確化と共有
組織サーベイを成功に導くためには、最初に目的を明確に設定することが不可欠です。何を知りたいのか、何を改善したいのかを具体的に定義することで、サーベイの方向性が定まります。
このプロセスでは、例えば「従業員のエンゲージメントを向上させたい」「職場のストレス要因を特定したい」などの具体的な目標を設定し、それを組織全体で共有します。
関係者すべてが目標を理解している状態を作り出すことで、サーベイに込められた意義が浸透し、より多くの社員が積極的に参加するようになります。実施後の結果を基に、具体的なアクションプランを策定し、組織の改善に活用されていく流れをつくることが必要です。
適切な設問や属性の設定
サーベイの設問は明確かつシンプルであることが求められます。複雑すぎたり曖昧であったりする設問は、回答者の混乱を招き、正確なデータを得る妨げとなります。
設問は、調査目的に沿ったものであり、例えば「現在の業務に対する満足度」や「施策に関する具体的なフィードバック」を求めるものが効果的です。
また、回答者の属性情報(部署、役職、勤続年数など)を考慮した設問を用意することで、データ分析の際により具体的な改善点を特定できるようになります。設問設計時には、後の分析を見越して、データ集計やクロス集計が可能なフォーマットを意識することが肝心です。
業務負担の配慮
組織サーベイを円滑に実施するためには、社員への業務負担を最小限に抑える配慮が重要です。サーベイを行う時期は、業務が比較的落ち着いている期間を選ぶことが望ましく、これにより参加者のストレスを軽減し、回答率が向上します。
また、サーベイの所要時間を短縮するため、設問数を制限し、質の高い回答を得るための工夫を施すべきです。さらに、迅速な回答を促すために、記述回答と選択回答をバランスよく配置し、短時間で終了できるように設計します。
また、回答に関するサポート体制を整え、不明点や疑問点に対して適切に対応できる環境を用意することも大切です。これらの工夫は、より多くの社員が参加しやすい状況を作り出し、サーベイの精度向上に寄与します。
組織サーベイのデメリットと注意点
組織サーベイを効果的に活用するためには、そのデメリットとリスクを認識し、適切に対応することが求められます。これにより、得られたデータの信頼性を高め、組織改善につなげることができます。
組織サーベイのデメリット
組織サーベイの主なデメリットとして、結果の解釈が難しいことや、従業員の意見が正しく反映されないリスクがあります。特に、解釈においては、収集したデータが偏っていたり、設問設計の不備から曖昧な結果が出たりすることが少なくありません。
また、サーベイが一方通行のものとして受け取られ、従業員の信頼を損なう可能性もあるため、フィードバック方法を工夫することが重要です。これらのデメリットを理解し、対策を講じることで、組織の信頼とデータの品質を向上させます。
実施コストと社員の負担
組織サーベイの実施には、時間とコストがかかることが少なくありません。このため、サーベイが業務に与える負担を最小限に抑える工夫が必要です。
まず、サーベイの実施にかかるコスト対効果をしっかりと見極め、予算内で最大限の効果を得られるように設計します。合わせて、社員がストレスを感じない形での参加を促すため、負担軽減策を実施します。
これには、工夫された設問や事前の準備による時間短縮、サポート体制の構築などが含まれます。こうした配慮があってこそ、サーベイは真に有用なデータを提供し、組織の改善に寄与することができます。
従業員の不満とその対策
組織サーベイの過程において、従業員の不満を招くことも考えられます。サーベイが不十分なフィードバックに終わったり、結果が的確に反映されなかったりすると、従業員の心理に良くない影響を及ぼす可能性があります。
したがって、フィードバックは迅速かつ透明性を持って行い、従業員が意見を安心して共有できる文化を醸成することが求められます。
これには、サーベイの結果をオープンにし、その後のアクションがどのように反映されるかを具体的に示すことが含まれます。定期的な見直しと改善を通じて、従業員の満足度と参加意識を高めることが可能です。
組織サーベイの結果の活用方法
サーベイの結果をいかに活用するかが、組織改善の成否を分けます。効果的なデータ分析を通じて、課題の特定と優先順位の設定を行い、具体的なアクションに結びつけることが重要です。
組織課題の分析
組織サーベイから得られたデータは、組織内の課題を明確にするための貴重な資源です。
まず、集められたデータを分類し、現状の組織文化、エンゲージメントレベル、従業員満足度などのトレンドを把握します。この段階では、各部門のデータを比較し、特定の課題がどの部門に集中しているかを探ります。
また、異なる階層や職種のフィードバックを分析することで、組織全体の健康状態をより立体的に理解することが可能になります。こうした情報を基に、解決すべき課題を優先順位付けすることで、効果的な問題解決に向けた第一歩を踏み出します。
改善策の立案と実行
課題の特定ができたら、次に進むべきは具体的な改善策の立案です。ここでは、サーベイ結果を基に、改善目標を設定し、それに応じたアクションプランを作成します。各アクションステップの責任者を明確にし、進捗を追跡することも重要です。
さらに、改善策を実行に移した後も、定期的な評価とフィードバックを繰り返し行うことで、その効果を最大化します。このプロセスは、問題解決における柔軟性を持たせて改善案を適宜アップデートし、組織全体での成功を目指します。
結果のフィードバック方法
サーベイ結果を参加者へフィードバックする際には、透明性と参加感を重視したアプローチが必要です。フィードバックは、全社的なミーティングや部門ごとのディスカッション、さらには個別のメンターセッションなど、多様な形で行うことができます。
この方法を工夫することで、全員がサーベイの結果とその意味を正しく理解し、自分たちの声がどのように組織改善に生かされているかを実感できます。また、従業員の意見が尊重される文化を構築することで、次回のサーベイ参加への意欲を高める効果も期待できます。
組織サーベイと他の調査手法の違い
組織サーベイは、他の調査手法と比較して独自の強みと目的があります。これを理解することにより、組織のニーズに応じた、適切な調査手法の選択が可能になります。
センサスとパルスサーベイの違い
センサスとパルスサーベイは、それぞれ異なる特徴を持つ調査手法です。センサスは、組織全体を対象にした徹底的な調査であり、主に年に1度の頻度で実施されます。
これは、組織全体の健康状態や長期的なトレンドを把握するために役立ちます。全社員を対象とするため、広範なデータ収集が可能ですが、実施には時間とリソースがかかることが課題です。
一方、パルスサーベイは短期間で特定のテーマに焦点を当てたフレキシブルな方法で、頻繁かつ定期的に実施されます。これにより、組織の変化や従業員の反応をリアルタイムで把握し、迅速な意思決定をサポートします。
例えば、突発的な環境変化への適応状況や特定の新施策の初期反応を評価するために効果的です。それぞれの調査手法の特性を理解し、組織の状況に応じて適切に選択することが、最大の効果を生む鍵となります。
組織サーベイと社内アンケートの違い
組織サーベイと社内アンケートは似ているようで、その目的とアプローチにおいて大きな違いがあります。組織サーベイは、長期的な組織戦略を支える基盤として、社員の意識や満足度を広く測定します。全社的な視点からデータを収集し、長期的な課題の特定と構造的な改善を目指すのが特徴です。
対して、社内アンケートは、特定のトピックや問題に対する社員の意見を迅速に集めるための手段として用いられることが多いです。例えば、新しいシステムやワークフローの導入に関する初期のフィードバックを得るためなど、短期的で具体的な目的にフォーカスします。このため、即時の対応や小規模な調整が求められる状況において適しています。
両手法の違いを理解し、組織の戦略的目的や現状のニーズに応じて適切に使い分けることで、調査活動の効率と効果を最大化できます。
組織サーベイの実施後のアクションプラン
組織サーベイの結果をどのように行動に移すかが、組織変革の鍵を握ります。結果を単なるデータとして終わらせるのではなく、具体的な改善活動へとつなげることで、企業全体の成長を促進することが可能です。
実施後のアクションプランの重要性
サーベイ結果を受け取った後、迅速にアクションプランを策定することは、調査の信頼性と効果を高めるために不可欠です。
アクションプランは、具体的な改善目標を設定し、それに基づいた施策を明示します。これにより、従業員は企業が彼らの声を真摯に受け止めていることを確認でき、組織全体での信頼関係が強固になります。
また、改善策は組織の文化や価値観に即したものであるべきで、サーベイで明らかになった課題を基にした短期・中期・長期のアクションを計画することが求められます。
調査頻度と継続的な改善
組織サーベイは1度限りの活動として終えるべきではなく、定期的に行うことで持続的な改善を図ります。適切な調査頻度の設定により、変化する組織のニーズに対応し続けることができます。
結果を活用したフィードバックを定期的に行うことで、組織全体が改善サイクルに参加する文化を育みます。このサイクルを確立することで、組織の成長を促進し、従業員のエンゲージメントを高め、組織全体のパフォーマンス向上を実現します。
継続的なサーベイ活動を通じて、企業は動向を常に把握し、時代の変化に即した柔軟な経営を進めることができるのです。
組織サーベイを読み解くポイント
組織サーベイは、従業員の認知データを基に組織の現状を把握するためのツールですが、そのデータの解釈には注意が必要です。ただ単に高スコアが良い、低スコアが悪いと結論づけるのではなく、なぜそのスコアになったのかを考察することが重要です。
スコアが高ければ、本当に職場が健全である可能性もあれば、単に問題意識が低いだけという場合もあります。そのため、スコアを自部門や職場の実情と照らし合わせ、職場メンバーとの対話を通じて内容を深く理解することが求められます。
スコアの分析には、平均点と標準偏差を見ることが肝要です。平均点はその組織全体の問題意識の高低を示し、標準偏差はその認識がどれほど一貫しているかを示します。
例えば、平均点が高く標準偏差が低い場合、職場メンバーが共通して高い評価を持っていることを意味します。しかし、平均点が高くても標準偏差が高い場合、多様な意見が存在しているため、一見ポジティブに見えながらも、背後には異なる評価が潜んでいる可能性があります。
逆に、平均点が低い項目については改善策を講じたくなるかもしれませんが、標準偏差が高いと意見のバラつきが大きく、統一した改善策が効果を発揮しにくいです。
そのため、平均点が低く、標準偏差も低い——つまり、全員が共通して問題意識を持っているところから改善を始めることが賢明です。このように、組織サーベイの結果を多角的に分析し、適切な対策を講じることで、組織はより効果的な改善を進めることができます。
組織サーベイから「5つの経営資本」を強化するポイント
組織サーベイは、企業の成長を支える「5つの経営資本」の向上に貢献します。これらの資本は、企業の持続可能な発展と競争優位性の獲得において極めて重要な役割を果たします。
5つの経営資本とは
5つの経営資本については、以下の通りです。
5つの経営資本とは、財務的・経済的資本(Financial Capital)、技術的資本(Technological Capital)、知的資本(Intellectual Capital)、人的資本・社会関係資本(Human&Social Capital)、アイディオロジカル資本(Ideological Capital)です。
財務的・経済的資本は、財務諸表の健全性、利益の最大化、キャッシュの最大化を目指し、経済合理性を徹底追及するために重要なものです。
技術的資本は成長の源泉となりうる強み、特許をはじめとする知的財産、技術力・ノウハウの蓄積などコアコンピテンスになりうるものです。
知的資本は、企業として保有する知的財産を生み出すことにつながる、一人一人の知恵や知識です。
人的資本・社会関係資本は相互の信頼をベースとした人と人との関係により生まれ、蓄積される資源で強い絆、繋がりを指します。
アイディオロジカル資本は組織としての志、思い(念い)、理念やリーダーが持つ志や思いについて「情」と「理」を総動員して説いて聞かせ、社員一人ひとりの骨の髄まで浸透し、年期を重ねて社風・体質・組織文化になった財産のことです。他社が一朝一夕に、簡単にマネできない最大かつ最強の財産のことです。
人材育成に落とし込むポイント
組織サーベイで可視化された認知データや、対話から明らかになった課題を解決するためには、適切な人材育成施策や、組織としての学習環境づくり、組織文化変革のための取り組みが不可欠です。
ここでは、結果としての有形資本である財務的・経済的資本を除く、無形資本に焦点を当ててポイントを解説します。
技術的資本 | 技術的資本を効果的に育成するには、OJTを円滑に行うための工夫が必要です。 例えば、「OJTをする人がいない」「時間が取れない」「技術がうまく伝わらない」といった課題を抱えている組織では、技術の伝承を円滑にするために、スマートフォンを活用した動画やデジタルツールでの学びを推進することが効果的です。 具体的な人材育成施策としては、AIを活用したロールプレイングや、オンラインプラットフォームを利用した学習環境を構築することで、技術的なスキルを効率良く習得することができます。 |
知的資本 | 知的資本の育成には、場所や時間にとらわれずに学ぶ機会を提供することが重要です。特に「現場の知恵」や実践に基づいた知識を短期間で得るためには、eラーニングなどの手法が有効です。 これにより個々人のニーズに合った学習環境を提供し、短時間で効果的に知識を習得することが可能です。個別に設計されたカリキュラムや学習プランを活用することで、より高い学習効果を期待できます。 |
人的資本・社会関係資本 | 人的資本や社会関係資本の育成には、信頼関係や協働の促進が不可欠です。社員間の信頼、思いやり、素直さを引き出し、個人の強みや自己肯定感を高めるための活動を取り入れましょう。 人材育成の施策としては、情報共有の促進やフィードバックを中心にしたコミュニケーションを活発化し、社員同士が絆を深める機会を提供することです。 また、外部講師に頼るのではなく社内トレーナーによる「内製化」した研修を実施し、組織内の知識を活用して定着率を向上させます。 |
アイディオロジカル資本 | アイディオロジカル資本の強化には、組織全体の志や理念を社員全員が共有し、理解することが鍵です。これは単なる知識の伝達を越えて、経営幹部の言動によって組織文化を醸成することを意味します。 人材育成施策として、組織サーベイを通じた、継続的な変化のモニタリングや、外部との交流を通じた「他流試合」などを取り入れます。 また、親しみやすい学習管理プラットフォームやトップの方針を配信する動画を利用して、組織文化の変革に必要な価値観の浸透と学習履歴(LMS)を利用した能力開発を行います。 |
このように、組織サーベイの結果から「5つの経営資本」のモデルで分けて施策を検討することで、施策の目的が明確になり、効果向上に役立ちます。
サーベイの結果を戦略的に活用することが、企業にとっての長期的な競争優位性を維持する鍵となるのです。
まとめ
本記事では、組織サーベイの基本的な定義からその重要性、具体的な実施方法までを詳しく解説しました。組織サーベイは、企業が組織の健康状態を把握し、改善点を明らかにするための強力なツールです。
まず、サーベイの目的は、組織全体の現状を定量的に評価し、施策の効果を検証することです。これにより、企業は戦略的な方向性を明確にし、従業員のエンゲージメントを高めるための具体的なステップを踏むことができます。
また、組織サーベイにはさまざまな種類があり、それぞれの実施方法に応じて企業のニーズに最適な手法を選択することが可能です。オンラインアンケートや対面インタビューを適切に使い分けることで、より多様なデータを集め、的確な分析を行うことができます。
さらに、組織サーベイを活用することで、企業は「5つの経営資本」と呼ばれる重要な指標、つまり財務的・経済的資本、技術的資本、知的資本、人的資本・社会関係資本、アイディオロジカル資本を強化することができます。これらの資本は、組織の成長と持続可能性に直結するため、それぞれの資本に対応した人材育成や施策を展開することが肝要です。
結果として、組織サーベイを通じて得られたデータを基に、実効性のあるアクションプランを策定し、組織全体のパフォーマンス向上を目指しましょう。
この過程で重要なのは、サーベイ結果を単なるデータにとどめず、具体的な組織改善に生かすことで、持続的な組織の発展を達成することです。組織サーベイを通じて、より良い組織運営と人材育成を推進することが、企業の未来を築く大きな一歩となるでしょう。
株式会社LDcubeは、親会社である株式会社ビジネスコンサルタントと協働し、人材育成のみならず、組織サーベイをはじめとした組織開発の支援もしています。そしてLDcubeでは、サーベイから明らかになった課題を解決するための人材育成のサービスを提供しています。
また、LDcubeでは、研修内製化や社内の人材開発を効果的にするためのツールやノウハウの提供を行っています。「外部講師に依頼するつもりはない」組織の社内トレーナーや人材開発担当者の方の相談相手になりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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