社員研修プログラムとは?構築方法、体系化、効果、費用、など徹底解説!
企業では戦略的に人材を育成する手段として、さまざまな社員研修プログラム階層別研修が実施されています。
その様な中、
- 社員研修プログラムはどのように組み立てたらよいのか?
- 環境変化が激しい中、どのように見直していったらよいか?
- 具体的にどのような研修が良いのか?
- 社内講師で展開できるかの?外部にお願いするのか?
など、社員研修プログラムについて悩んだことはないでしょうか?
コロナ禍を経てオンライン研修が普及したことなどにより、従来の集合研修をベースに展開していた時代よりも効果的・効率的に実施できるようになってきています。
この記事では、社員研修プログラムの目的、手法、構築方法、作り方のポイント、効果を高めるコツ、体系化、実施期間、効果、費用、実施機関、社内展開の仕方、LMSでの運用など、社員研修プログラムについて徹底解説します。
最後までお読みいただくことで、自社の社員研修プログラムをブラッシュアップしていくヒントが得られることと思います。最後までお読みください。
▼社員研修プログラムに関連して、階層別研修については下記で解説しています。
⇒階層別研修とは?達成すべき目標や習得させたい知識・スキルを徹底解説
▼社内研修との企画と運用については下記にまとめました。施策立案にお役立てください。
▼社員研修の目的の1つに「離職防止」があります。しかし、研修だけでは解決できません。必要な施策についてまとめました。施策立案にお役立てください。
目次[非表示]
- 1.社員研修プログラムとは
- 2.社員研修プログラムの目的
- 2.1.社員のスキルアップ
- 2.2.組織や組織文化の理解
- 2.3.社員のモチベーション向上
- 2.4.リーダーシップの育成
- 2.5.社員の離職防止
- 3.社員研修プログラムに組み込む主な手法
- 4.社員研修プログラムの構築方法
- 5.社員研修プログラム作成のポイント
- 5.1.5W1Hを意識する
- 5.2.階層に合わせてカスタマイズする
- 5.3.集中が続くコンテンツを取り入れる
- 5.4.研修にゲーム要素を取り入れる
- 5.5.全社員の研修状況を可視化・一元管理する
- 6.社員研修プログラム効果を高めるコツ
- 6.1.マイクロラーニングの活用
- 6.2.ブレンデッドラーニングにする
- 6.3.学習行動のデータ取得と活用
- 7.効果的な社員研修プログラム例
- 8.社員研修プログラム体系図
- 9.社員研修プログラムの実施期間の目安
- 10.社員研修プログラムの効果
- 10.1.スキルと知識の向上
- 10.2.生産性の向上
- 10.3.社員の満足度と帰属意識が高まる
- 10.4.企業の競争力強化
- 10.5.労働環境の改善
- 11.社員研修プログラムの費用
- 12.社員研修プログラムおすすめ実施機関
- 13.社員研修プログラムを社内で実施するには
- 14.社員研修プログラムの運用にはLMS!
- 15.まとめ
社員研修プログラムとは
社員研修プログラムとは、企業が新入社員や既存の社員に対する教育研修のことです。
新入社員に企業の基本的な業務知識や仕事のスキルを身につけさせるための初期研修、昇進や新たな職務につく際の役職者研修、スキルアップやキャリアアップを目指す社員のための目的別研修やキャリア開発研修などが含まれます。
社員研修プログラムは企業が社員のパフォーマンスを引き出す上で重要な手段です。
また、企業文化を理解させたり、チームワークを強化したりするとともに、職場での生産性やモチベーションを向上させることを目指します。
さらに、社員が常に新たな知識やスキルを学び続けることができるため、組織全体の競争力を維持、強化する役割も果たしています。
社員研修プログラムの目的
社員研修プログラムにはさまざまな目的がありますが、代表的な目的を5つ紹介します。
(社員研修プログラムの目的)
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社員のスキルアップ
社員のスキルアップは、個々の社員が業務上のさまざまな課題を解決し、目標を達成するために不可欠です。
なぜなら、持続可能な組織に向けて、組織内では常に誰かが必要な業務を担当し、世代交代や時間の経過とともにそれを後進に引き継ぎ、新たなメンバーでも業務を進めることができるようにする必要があるからです。
研修プログラムの一環として、特定の知識やスキル、専門ツールの使い方、プロジェクトの管理、顧客と効果的にコミュニケートする方法、時間管理、問題解決スキルなど、業務で直接使用する具体的なスキルを学ぶことが多いです。
組織や組織文化の理解
社員が組織のミッション、ビジョン、価値観を理解していると、期待する行動につながりやすいです。
なぜなら、社員は組織のミッション、ビジョンを達成すために組織に属しているからです。価値観や組織文化の理解は、社員が組織内で行動するときのガイドラインとなるため、業務において一貫性と整合性を生み出します。
組織文化や価値観を理解しておくことは、社員が他の同僚と協力して働くときに、効果的にコミュニケーションを取り、問題を解決することも手助けしてくれます。
社員のモチベーション向上
社員が新たな知識やスキルを習得することで、その自己効力感が高まり、仕事への意欲や満足感、モチベーションが向上します。
日々同じことを繰り返し行っているとマンネリ感出てきますが、新たなことを学ぶことは新鮮だからです。そして成長につながるからです。
また、研修で他の受講者の日々の活動状況や仕事ぶりなどに触れることからも刺激を得ることができるとともに、他の社員とのつながりを形成するにもつながります。
リーダーシップの育成
リーダーシップをテーマにした社員研修は、社員が新たにプロジェクトリーダーやマネジャーの役割を引き受ける際に重要で、これを通じてリーダーシップスキル、チームのコーチング能力、意思決定力などを身につけることが期待されます。
それによって、社員は他のメンバーを効果的にリードし、プロジェクトや職場を目標達成につなげることが可能となります。
▼リーダーシップ開発については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒リーダーシップ開発とは?実務で使える6ステップの実践ポイント
社員の離職防止
社員研修の機会を通じて、社員が成長する機会があると感じ、自分自身が価値ある一部として働いていると感じることは、職場での満足感とロイヤリティを高めます。
これは社員が離職することを防ぎ、引き留める効果があります。また、研修への参加を通じて他の参加者と交流することを通じて、社員同士の社会関係資本(※1)が育まれます。
社会関係資本が豊かな組織は離職が少なく、生産性が高い傾向にあります。
※1社会関係資本(Social Capital)とは、人々の社会の中でのかかわり、つまり個人的な人間関係や職業上の人間関係の中で生まれ、蓄積されていく資源のことで、好業績や信頼関係を長期にわたって持続させる鍵になるものです。
社員研修プログラムに組み込む主な手法
社員研修プログラムとは、組織の特定のニーズや従業員の成長目標に合わせて、適切な学習手法や学習コンテンツを組み合わせたものです。
例えば、以下のような人材育成の手法が社員研修プログラムに含まれます。
OJT
OFF-JT(集合研修)
eラーニング
オンライン研修
テーマ別研修
階層別研修 など
社員研修プログラムを設計する際、組み込む学習手法の特徴と得られる効果を十分に理解しておく必要があります。
学習手法 |
概要 |
OJT |
実際の業務で新しいスキルや知識を習得する人材育成の手法。実践的なスキル向上、リアルタイムでの問題解決力、エンゲージメントの向上などに期待できる。 |
OFF-JT(集合研修) |
実務から離れた環境で行われるトレーニング。集中的な学習とフィードバックで体系的に必要なスキルや知識を習得させる。 |
eラーニング |
オンラインプラットフォームを利用した学習コンテンツの提供。従業員の知識・スキルの習熟度に合わせた教材を選択でき、自発的な学習機会を創出する。 |
オンライン研修 |
非対面式でオンライン上にて実施される研修。地理的な制約がないため、集合研修よりも低コストで効率的な学習機会を創出できる。 |
テーマ別研修 |
特定のスキルや知識の習得に焦点を当てた研修。専門的な業種・業務に必要な能力を効率よく習得できる。 |
階層別研修 |
組織内の階層別(従業員の役職や立場)で行なう研修。リーダーシップスキルの向上やチーム効率向上、組織内コミュニケーションの改善などに効果的。 |
広く人材育成プログラムではなく、「社員“研修”プログラム」という文脈の場合、OFF-JT、eラーニング、オンライン研修を活用し、テーマ別や階層別で社員研修プログラムを構築・運用することを意味しています。
▼本記事では触れていませんが、「OJT」については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。⇒効果的なOJTとは?意味と目的、新時代の学習環境の作り方を解説
社員研修プログラムの構築方法
①社内で社員研修プログラムを構築し、運用する
社内講師の存在や研修プログラムの構築・運用ノウハウがある場合は、社内で研修プログラムを作るべきです。
初めに会社のビジョンや目標、そして社員のスキルレベルや必要なスキルを明確に認識することが必須です。
なぜなら、もし現状認識がズレてしまった場合、結果的にプログラムが的外れとなってしまうからです。
この現状認識で得られた情報を元に、どのようなテーマで研修を行い、どんな技能や知識を身に着けるべきかという教育目標を設定します。
そして、その目標達成のために適切な研修方法を選びます。
具体的には、新知識の習得のための講習会や経験豊富な講師から得る知識伝達のための勉強会、または仕事上の問題解決の手法を習得するためのスキル研修などがあります。
これらは教育目標に基づいて計画され、実施後には評価と改善も行わなければなりません。
②社内講師を養成し、社内で構築・運用する
プログラム構築や運用のノウハウがない場合でも、社内講師を育てる意欲があるのであれば、社内講師が中心となり、プログラムの構築・運用を行うことが有効です。
なぜなら、実際にプログラムを運用する講師がいることで、そのノウハウが社内に蓄積されるからです。
まずは、社内で豊富な知識と経験を持ち、そして教育者として優れた能力をもつ講師候補を見つけることから始まります。
選ばれた候補者たちは、その後、教育方法やプレゼンテーションスキル、コミュニケーションスキルを習得するためのトレーナー養成研修を受けます。
研修が終わったら、研修プログラムの内容を組織の目標や計画に基づいて作り、運営します。このやり方は、社内の専門知識や企業文化を継承する上で重要な役割を果たします。
③専門機関に委託し、プログラムを構築・運用する
社内講師がいない場合や、社内講師を育てるリソースが確保できない場合には、外部の専門機関にプログラムの構築と運用を依頼する方法もあります。
これら専門機関は、多様な研修プログラムに関するノウハウを持っているため、社員に新視点や最新の教育手法を提供したいときに役立ちます。
この方法を選択する際には、費用や契約詳細、機密性の管理、プログラム効果の評価など、多方面から検討する必要があります。
また、専門機関を選ぶ際は、その実績と信頼性、そして自社の状況に合わせたカスタマイズ研修プログラムが提供可能かどうかを見極めることが重要です。
(おすすめ外部機関については第12章で紹介しています。)
社員研修プログラム作成のポイント
ここからは、社員研修プログラムを成功させるために必要な要素や取り組みを詳しく解説します。
(社員研修プログラム作成のポイント)
|
5W1Hを意識する
5W1Hとは、以下の英単語の頭文字を取った思考整理の手法のことです。
質問 |
日本語での意味 |
Who |
学習者はだれか? |
What |
何を学ばせるのか? |
When |
いつ学びを提供するのか? |
Where |
どこで学習の提供を実施するのか? |
Why |
なぜ学ばせる必要があるのか? |
How |
どのような方法で学ばせるのか? |
5W1Hは研修の目標設定に役立ち、成果を評価するための指標として使用できます。
従業員は研修プログラムの5W1Hを通じて、自身の役割や期待されていることを理解しやすくなるため、より積極的な参加を促すことができます。
階層に合わせてカスタマイズする
社員の階層に応じて研修プログラムをカスタマイズすることで、従業員に今必要な知識やスキルを明確化し、成長意欲を高められます。
新入社員・若手社員 |
コンプライアンス、ビジネスマナー、モチベーションなど |
中堅社員 |
マネジメント、リーダーシップ、ハラスメントなど |
管理職 |
プロジェクトマネジメント、リスクマネジメント、メンタルヘルスなど |
階層ごとに知識とスキルの標準化を図ることができ、さらに同じ階層の従業員同士のコミュニケーション活性化にも期待できます。
集中が続くコンテンツを取り入れる
研修のモチベーション低下を避けるためには、従業員の集中が続く多彩な学習コンテンツを取り入れるのが望ましいです。
一人で黙々と行う座学だけを詰め込みすぎているのであれば、他の従業員とコミュニケーションをとりながら学習できるコンテンツを積極的に取り入れます。
例えば、グループワークやディスカッションなどの適度に集中できるコンテンツや、アイスブレイクやストレッチなどの緊張感を緩和させるコンテンツを上手に組み合わせて、バランスの良い研修プログラムを作成しましょう。
研修にゲーム要素を取り入れる
ビジネスシーンに生かせる要素を盛り込んだゲームを研修に取り入れることで、楽しみながら問題解決力や意思決定力などを高められます。
例えば、アイスブレイクにおすすめのペーパータワーや、オンライン研修でも実施できる共通点探しゲームなどが代表されます。
ゲーミフィケーションの種類は多岐にわたり、チームビルディングやPDCAの考え方を養わせることも可能です。
全社員の研修状況を可視化・一元管理する
社員研修プログラムは、組織のニーズの変化や従業員の成長度合いに応じて、定期的にアップデートすることが望まれます。
そのため、現状の社員研修プログラムが適切かどうかを判断するため、全社員の研修状況や学習成果を可視化および一元管理する取り組みが重要です。
学習管理システム(LMS)は、すべての研修の参加状況や全社員の学習進捗状況を見える化し、社員研修プログラムの最適化を支援します。
組織の目標達成に向けて、効果的な学習ができているかを根拠に基づいて評価できるようになります。さらには、インプット・アウトプットを意識した多様性のある研修コースを設計できるため、自律性のある人材を効率よく育成することが可能です。
▼社内研修の作り方については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒社内研修の作り方!効果的なプログラムとは?ポイントを解説
社員研修プログラム効果を高めるコツ
コロナ禍を経て、社員研修のあり方についても変化がありました。集合研修にとらわれずに、新たなやり方を取り入れることで、劇的に効果を高めていくことができます。そのコツを3つ紹介します。
(社員研修プログラム効果を高めるコツ)
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マイクロラーニングの活用
マイクロラーニングとは、研修や講義を5分程度の短い動画などにして学習する方法です。
学習者は一度に全てのテーマを学ぶのではなく、小さなパーツに分けて学習することにより、学習負荷を軽減し、理解の定着を促進します。
新たなスキルを効率的に習得するためには、マイクロラーニングが特に適しています。
まず、マイクロコンテンツを通じて特定のタスクや問題に対する内容を学び、その後は理解度クイズや課題提出などを通じて学習した内容についてのアウトプットトレーニングを行います。
また、マイクロラーニングはスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスでの学習に最適です。
学習者は通勤時間や昼休みなどの隙間時間を学習に活用することで、学習の柔軟性とアクセシビリティを向上させることができます。
▼マイクロラーニングについては下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒マイクロラーニングとは?メリットや効果的な活用など一気に解説!
ブレンデッドラーニングにする
ブレンデッドラーニングとは、集合研修とeラーニングなどの個別学習を組み合わせたものです。
オンライン学習の柔軟性と、集合研修による他者との交流を組み合わせることで、学習効果を最大化することが可能です。
集合研修では、ディスカッションやリアルタイムなフィードバック、講師からのサポートや指導を得ることができます。
一方、eラーニングなどの個別学習では、自分自身のペースで学ぶことができ、また場所や時間の制約をうけずに学習することが可能です。個別学習は自分の理解状況に合わせて学習を進めることができ、理解度向上に役立ちます。
ブレンデッドラーニングでは、視覚、聴覚、触覚などの感覚を合わせた多感覚的な学習体験が可能となります。これにより、より深い理解へとつなげることができ、学習の充実化を図ることができます。
学習行動のデータ取得と活用
デジタル時代の学習では、学習者がどのコンテンツをクリックしたか、どのくらいの時間を視聴したか、どの問題で間違えたかなどのデータを取得することが可能です。
これらの学習行動データは、学習者の理解度や興味・関心、学習の進度などを把握する重要な指標となります。
これらのデータを活用することで、学習者一人一人がどのように学習を進行しているか、どの部分で苦労しているかを把握し、それに合った個別の学習サポートを提供できます。
データの活用を通して、例えばハイパフォーマーの学習行動の傾向をつかみ、そのデータをプログラム作成や運用に生かすこともできます。
そのデータをタレントマネジメントシステムなどで管理することにより、効果的なタレントマネジメントを実現することも可能になります。
効果的な社員研修プログラム例
ブレンデッドラーニングでの社員研修プログラム例について紹介します。
具体的には、リモートマネジメントプログラムを例に取り上げます。リモートマネジメントやチームビルディング、エンゲージメントなどの知識習得のみであればeラーニング/マイクロラーニングで可能ですが、リモートマネジメントの実践力を身に付けるためにはブレンデッドラーニングが最適です。
プログラムのねらいと展開ステップ
lテレワークを導入している組織・職場のマネジャーがリモートワークを効果的にマネジメントしていくためのポイント、スキル、実践行動について学ぶ。
まずはオンライン研修の内容について紹介します。
オンライン研修の内容 1回目 オリエンテーション
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続いて、eラーニングの学習内容について紹介します。
eラーニングの学習内容 ①自己紹介をしましょう
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オンライン研修とeラーニングを効果的にブレンドして研修プログラムを組み立てています。再度展開ステップをご案内します。
このプログラムでは、一度にすべてを学ぶのではなく、3カ月間かけて段階的に学びます。そのため、一つ一つのオンライン研修後に、学んだことを職場で実際に実践してみることで実践力の向上に繋がります。
社員研修プログラム体系図
研修プログラムを体系的に整備することは重要です。
なぜなら、個別に研修プログラムを運用していると、プログラム間のつながりが不明瞭になったり、受講管理が複雑になったりするためです。
研修プログラムの体系化は、個々の社員に適切なスキルや知識を効果的に提供し、組織全体のパフォーマンスを向上させるために重要です。以下にそれぞれの種類について説明します。
階層別研修:一般的に等級や役職に基づいて行われます。 例えば、新入社員研修では組織の理解、ビジネスマナーや業務ルールなどを学びます。 中堅・リーダー層向けの研修では組織の方針理解、マネジメントスキル、リーダーシップ等を学びます。 役員・エグゼクティブ層向けには組織の戦略やビジョン設定などの高度なテーマが扱われます。
これは個々の社員が管理職、上級管理職としてパフォーマンスを発揮できるポテンシャルを持っているかどうかを見極める研修です。
例えば、プレゼンテーションスキルや交渉力など、現在の業務を行っていく上で必要性を感じる社員が応募して参加できる形式の研修です。 等級や役職は変わらなくても、担当する仕事が変わる場合などに有効です。
次世代を担うリーダーや、異なる領域でのキャリア転換を目指す社員への教育などが行われます。 |
これらの社員研修プログラムは、役割や職種、経験値、そして組織の目標により計画され運用されます。そのため、組織の状況により変化することもあります。
▼階層別研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒階層別研修とは?達成すべき目標や習得させたい知識・スキルを徹底解説
▼選抜研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒“新”実践型選抜研修とは!?人材育成の現代ソリューションについて解説!
社員研修プログラムの実施期間の目安
(従来の実施期間)
(現代)
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社員研修プログラムの実施期間は、研修の内容や目的、学習者のスキルレベルなどにより変わりますが、多くは1日~2日間が一般的です。
その後、習得した内容を確認し、学びを深めるための1日~2日間のフォローアップ研修が行われるケースが多々あります。
単発の研修にとどまらず、新たに学んだスキルや知識を実際の業務にどのように活用するか職場で実践してみて、フォローアップ研修で実践状況を振り返り、理解を深め、スキルを定着させていく方法が望ましいです。
最近では、デジタル化の波の影響は、eラーニングを含むオンライン研修の増加を意味しています。
オンライン研修は、研修の受け取り方に柔軟性を提供し、時間や場所の制限を減らし、自己学習のペースを自分でコントロールすることを可能にしています。
こうした状況では、多くの場合、"eラーニング+半日×数回"の方式を取ることが多く、一定の期間にわたって学習期間を設けることで、学んだことを理解し、実践し、定着することを手助けします。
この方法が多用される理由のひとつは、我々の脳は一度に大量の情報を処理するのが難しく、学習後すぐに忘れる傾向があるからです。
分割学習により、学習者は繰り返しごとに情報を強化し、長期記憶に移行することができます。
社員研修プログラムは、企業と個々の学習者のニーズを最適に満たすために、さらなる効果性と効率性を目指し、さまざまな形式で提供されるべきです。
社員研修プログラムの効果
社員研修プログラムの効果は研修翌日からすぐに表れるものではありません。
研修をきっかけとして、受講者が学んだスキルを生かして初めて効果が表れます。
そのような時間軸を念頭におきながらも下記のような効果が期待できます。代表的な効果を5つ紹介します。
(社員研修プログラムの効果)
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スキルと知識の向上
社員研修の主要な目的の1つは、社員のスキルと知識を強化することです。
新たな技術や機械、ツール、ソフトウエアの使い方、組織内の新たな規定や手続きの理解、プロジェクト管理の手法、さらには交渉力やプレゼンテーションスキルの向上などが含まれます。
社員は自分の役割を効率的に遂行するためのスキルを磨くだけでなく、新たな役割や責任にも対応可能な能力を身に付けることが可能になります。
生産性の向上
研修で学んだことを実際に実践することで、それまでより生産性を高めることができます。
なぜなら、研修は効果的で、効率的な新たな方法を習得する良い機会だからです。
受講者が学んだことをしっかりと実践に移すことができれば、自分の仕事をより効率的にこなし、目標をより迅速に達成することができます。
ただし、学んだことが実践されない場合は、残念ながら生産性の向上にはつながりません。
▼学んだことを実践につなげられるかどうかのメカニズムについては下記で解説しています。合わせてご覧ください。⇒職場の活性化につなげる方法とは?アイデアやポイントを紹介!
社員の満足度と帰属意識が高まる
研修を通じて社員が自己成長やキャリア開発の可能性を感じる機会を与えることで、満足度と帰属意識を高めます。
なぜなら、社員は成長実感を求めており、研修を通じて自分が組織の一部として成長していると感じることができるからです。
また、他の受講者との交流を通じて社会関係資本を育むことも可能となります。
企業の競争力強化
社員がスキルアップすることは企業の競争力を強化することにつながります。
なぜなら、企業の競争力を決めるのは「人的資本」であり、その人的資本である社員が研修を通じてスキルを向上させることで、人的資本が高まるからです。
社員は新たな知識とスキルを身に付け、企業が市場での競争力を維持し、顧客に対して高品質のサービスを提供するために貢献します。
これにより、企業は競争優位性を維持し、さらに競争力を強化することができます。
労働環境の改善
社員研修プログラムは、社員間のコミュニケーションを活性化し、労働環境を良くする効果もあります。
例えば、チームビルディングの研修では、社員が互いに協力し、コミュニケーションをとるための機会を提供します。
これにより、職場の心理的安全性が向上し、非生産的な活動が減少します。結果として生産性の高い、ポジティブな環境が生まれます。
社員研修プログラムの費用
社員研修プログラムの展開には、3種類の費用が掛かります。1つずつ見ていきます。
(社員研修プログラムの費用)
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研修実施に直接かかる費用(講師料・教材費)
この費用は研修プログラムを行うための基本的なコストで、教育内容によって変動します。
講師料は講師の経験や専門性に影響され、一般的な研修では1日30〜50万円が一般的です。
教材費は研修の内容や規模、形式によりますが、テキストやケーススタディなどが含まれます。
研修実施に伴う費用(会場費・宿泊費・交通費)
これらの費用は特にリアルな会場での研修を行う際に発生します。
例えば、遠隔地での研修開催には交通費や宿泊費が発生します。また会場費も、適切な教育環境を提供するためには欠かせません。
研修参加に伴う費用(受講者の日当)
研修に参加するために、通常業務から離れる必要がある社員に対しては、その分の日当が支払われることが多いです。
これは、業務時間内に行われる研修の参加者に対して支払われます。
最近では、eラーニングを活用したハイブリッド型の研修が増えています。eラーニングは内容にもよりますが、1人あたり約1~2万円程度です。
eラーニング+オンライン研修の場合、会場費や交通費、宿泊費が発生せず、参加者はeラーニングにより自分のペースで学習を進めることができ、オンライン研修では他の受講者との交流もあり、コスト効率が良いとされています。
ただ、これらは各項目ごとの単価であり、総額を示しているわけではありません。研修プログラム全体のコストは、各項目の単価に参加者数や研修日数を乗じて求めます。
社員研修プログラムおすすめ実施機関
社員研修プログラム実施機関としてのおすすめは株式会社ビジネスコンサルタントです。
(株式会社ビジネスコンサルタントの特徴)
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同社は1964年の創業以来、様々な業種・役職の社員に対して、経験を重ねた独自の研修プログラムを提供しています。
そのプログラムは集合研修を基本としつつ、ビジネススキルの強化、リーダーシップの発揮、組織力の強化など幅広いテーマを扱い、顧客の要望に応じてカスタマイズが可能です。
同社は研修プログラムを担当する講師を正社員として雇用・育成してきていることも特徴です。
それにより、60年にわたり蓄積してきた経験やノウハウをベースに柔軟にカスタマイズしたプログラムデザインが可能です。
この点が、研修プログラムごとに契約講師がプログラム提供する他社との大きな違いです。
また、同社の魅力の1つは、子会社である株式会社LDcubeとの連携によるオンライン学習環境の活用です。
LDcubeは、最先端のオンライン学習環境を取り入れ、新しい形の研修プログラム運営を支援しています。
研修の企画から社内講師の育成、eラーニングの提供まで、全てを一括管理することが可能です。
その結果、研修の適切な設計、効果的な運用、そして結果の可視化と改善が実現します。
社員研修プログラムでの悩みや課題を抱えている方は、ぜひLDcubeまたは、ビジネスコンサルタントにご相談いただければと思います。
我々が専門的知見を生かし、皆さまの研修プログラムを最適なものへしていくサポートを致します。
▼⇒株式会社ビジネスコンサルタントのサイトはこちらからアクセスできます。
社員研修プログラムを社内で実施するには
社内で研修プログラムを行う際の1つの方法として、社員を社内講師・トレーナーとして育成するという方法があります。
企業の特有の知識や文化を効果的に伝えることができますが、適切な社内トレーナーの養成は専門的な知識や教育技術を必要とします。
そのため、専門的な社内トレーナー養成サービスを活用することがおすすめです。
具体的には、LDcubeの社内トレーナー養成サービスは、社員が社内講師・社内トレーナーとして活動できるようにするための社内トレーナー養成講座を提供しています。
このプログラムでは、複数あるプログラムの内容理解から、インストラクションスキルの習得、グループワークの運営方法まで、全体的なトレーナースキルの習得を支援しています。
社内トレーナーとしてのスキル習得後(プログラムライセンス取得後)は、教材を購入することで、外部講師が行っているのと同様の研修プログラムを社内で展開することができるようになります。
(社員研修プログラム体系図イメージ:再掲)
上記体系図イメージの赤枠で囲んである部分の研修プログラムは、LDcubeの提供する社内トレーナー養成支援サービスを活用することで、外部講師に依頼せずとも社内で再現することが可能です。
LDcubeでは、株式会社ビジネスコンサルタントなどの専門機関が活用している研修プログラムを社内トレーナー向けに提供しています。
それを活用いただくことで、
プロ(外部講師)さながらの研修が社内で再現可能です! |
このような養成プログラムを通じて社内トレーナーを育成すれば、以下のような効果が期待できます。
(社内トレーナーによる効果)
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LDcubeがていきょうしているような社内トレーナー養成サービスを活用することで、有効かつ効果的な社員研修プログラムを導入し、組織全体のスキルアップと成長に対する投資を最大化することが可能となります。
社員研修プログラムの運用にはLMS!
社員研修プログラムの運用にはLMS(Learning Management System:学習管理システム)の活用が望ましいです。
LMSには汎用的なコンテンツが搭載されており、そのコンテンツを活用して社員研修プログラムをデザインすることができます。
また、研修日程の受付や案内メール配信、事前課題の配布、事後課題の収集などを一元管理することができます。
ここでは世界中で活用されており、2020年のクレイグ・ワイスの世界LMSランキング50で1位に輝いた「CrossKnowledge‐LMS」についてその特徴などを紹介します。
CrossKnowledge(クロスナレッジ)は世界中で利用されているeラーニング・LMSサービスで、日本国内の多くの企業で社員研修プログラムの構築・運用に取り入れられています。
(CrossKnowledge eラーニング・LMSの特徴)
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階層別研修に活用できる汎用的で豊富なコンテンツ
CrossKnowledgeでは、世界的に著名なMBA教授らが監修した高品質なeラーニングコンテンツを提供しています。
リーダーシップ、マネジメント、ビジネススキルなど、さまざまなスキルや知識を磨くためのコースが用意されています。
企業ごとの等級や階層に必要な知識やスキルに応じてコースを選択し、研修の事前課題や事後課題に組み込むことで、効果的な学習設計を実現できます。
【eラーニングコースの例】
【学習目標】
- あなたの目標達成を妨げている原因を理解できます
- 達成につながる目標設定ができるようになります
- あなたのタイムマネジメントの強みと弱み(時間配分の現状、優先事項の設定、優先事項に基づいた日々の活動、他者への仕事の委任)が明確になります
- 自己診断によりあなたの時間の浪費要因を特定できます
- プランニングツールの効果的活用法が習得できます
【内容】
- 適切な目標とは?
- 達成につながる目標設定
- 時間配分と優先事項
- 時間の浪費要因
- プランニングツールの活用
- トラブルメーカーへの対応
【標準学習時間】
- 2時間
出典:セルフマネジメント(目標設定・タイムマネジメント)
上記は、LMS(Learning Management System:学習管理システム)の「CrossKnowledge」にて提供されるeラーニングの一部です。詳しくは以下のページにてご確認ください。⇒CrossKnowledge eラーニング
研修の事前事後を含め研修業務の効率化が可能
CrossKnowledgeは、階層別研修の企画、管理、フォローを一元的に行えるLMSソリューションも提供しています。
例えば、新任主任研修を20名×3コースで実施する場合、その日程の割り振りと調整には大きな労力が必要です。
しかしCrossKnowledgeのLMSを用いると、20名×3つの日程を用意し、受講者自身に日程を選択してもらうことが可能です。
これにより日程の調整業務の負担を軽減できます。
また、CrossKnowledgeのeラーニングコースだけでなく、自社で作成した動画教材や理解度テストなども一緒に配信することができます。
▼詳しくは下記をご覧ください。
⇒成果に結びつく学習設計CrossKnowledge Blendedx
パーソナライズした学習環境が提供可能
CrossKnowledgeでは、受講者にパーソナルサーベイを受けてもらうことで、その結果に基づいて各受講者の強みや自己啓示点をレポートできます。
また、各受講者の強みや自己啓示点に合わせて、おすすめのeラーニングコースを自動でリコメンドするパーソナライズ学習機能も装備しています。
これにより、受講対象の社員研修プログラムだけでなく、社員一人ひとりのスキルアップの機会を提供できます。
それぞれの社員が自身のペースで、自身の学習目標に合わせて学習を続けることが可能になります。
▼詳しくは下記をご覧ください。
⇒自律型学習を加速しスキル開発を最大化するCrossKnowledge CK-Connect
まとめ
この記事では、社員研修プログラムについて以下の内容で詳しく解説しました。
- 社員研修プログラムとは
- 社員研修プログラムの目的
- 社員研修プログラムに組み込む主な手法
- 社員研修プログラムの構築方法
- 社員研修プログラム作成のポイント
- 社員研修プログラム効果を高めるコツ
- 効果的な社員研修プログラム例
- 社員研修プログラム体系図
- 社員研修プログラムの実施期間の目安
- 社員研修プログラムの効果
- 社員研修プログラムの費用
- 社員研修プログラムおすすめ実施機関
- 社員研修プログラムを社内で実施するには
- 社員研修プログラムの運用にはLMS!
社員研修プログラムは、従業員に成長の方向性と必要な知識やスキルを明確に示すために重要なものです。
より成果の見込める社員研修プログラムを作成するには、パーソナライズした研修の企画や、集中を維持できる多彩な学習コンテンツの採用が必要です。
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