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研修を成功に導くライブ・ファシリテーターという新たな役割

集合研修やオンライン会議システムを使ったオンライン研修は、企業内学習において多くの割合を占めています。しかし、どちらも、研修だけでは社員の学びを効果的にすることができません。効果的な学習の実現には、ファシリテート・ラーニング(※1)が必要です。

※1 ファシリテート・ラーニングとは、デジタルコンテンツ(eラーニングなど)とトレーナーのファシリテーションを融合させ、グループ単位で一緒にデジタルコンテンツを学習しながら、ほかの参加者とディスカッションをするなどの学びを行っていく、インタラクティブな学習のこと。学習効果が高いとされている。

ライブ・ファシリテーターという新たな役割の発揮により、研修のレベルが向上します。ライブ・ファシリテーターは、学習者の「人間的なつながりを求める」というニーズに応え、理解とスキルの定着を深めるインタラクティブにグループ学習を促進します。その結果、実践の場において新しいスキルがより効果的に活用されるようになります。

本記事ではライブ・ファシリテーターの役割や従来のインストラクターやコーチとの違いについても解説します。

目次[非表示]

  1. 1.ライブ・ファシリテーターのユニークな役割
  2. 2.学習へのエンゲージメントを強める
  3. 3.学習体験を強化し、インパクトを高める
  4. 4.場を読み、学習者をエンパワーする
  5. 5.学習プログラムに必要なのはライブ・ファシリテーター
  6. 6.まとめ

ライブ・ファシリテーターのユニークな役割

ライブ・ファシリテーターは、デジタルコンテンツでの学習とグループ学習を融合させ、個人の能力を高めるために学習をガイドします。デジタルコンテンツでの学習リソースを提供したり、学習を促進したり、グループ学習に学習者全員が参加できるようにグループ活動をリードしたりします。また、個人の役割やチームの方向性に関連した会話を促したり、質問を投げかけたりすることで、意見交換を促進し、学び合える学習体験を作り出します。

この学びあうインタラクション(相互作用)は、インストラクターとは異なるダイナミズムを生み出します。インストラクターは通常、教室のような環境で知識を伝達します。そのような環境では、学習者が比較的受け身で学習に臨むため、その場では理解できますが、長期的には学習したことが身についていないこともあります。ライブ・ファシリテーターは学習者に主体的な参加や学び合いを促進し、学習の定着化を図っていきます。

またコーチは、学習者個人の特定のニーズに応じて関わり、学習者の潜在能力を引き出すアプローチをします。対象が学習グループの底上げではなく、個人の専門的な能力の開発に焦点を当てています。ライブ・ファシリテーターは個人対象ではなく、グループ学習の中での効果的な学習体験を作り出し、グループ全体の学習の強化を図っていきます。

学習へのエンゲージメントを強める

研修中、ライブ・ファシリテーターは学習者にガイダンス、サポート、学習リソースを提供します。これにより、学習するという行動を取ることへのハードルを下げていきます。また、ファシリテーターが学習者同士のつながりを作るきっかけづくりを行うため、社員の研修への参加意欲がさらに高まります。

グループ学習では、学習者たちは一緒に学び、お互いの気付きを共有し、同じ時間に同じ情報に触れることができます。これにより、グループ全体の学習が強化され、学んだことをより一層活用しようという機運が高まります。

学習体験を強化し、インパクトを高める

ライブ・ファシリテーターは、社員が研修に積極的に参加するように促します。ライブ・ファシリテーターは、ディスカッションやグループ活動のかじ取りをするなかで、学習者の発言や回答、解決策に焦点を当て、深掘りしながらやり取りすることを通じて、学習者が理解を深めることを促します。これにより、それぞれの新しいスキルが各学習者の役割にどのように影響するかなどについてより深く理解することができ、学習者は新しいスキルを業務ですぐに活用できるようになります。

ファシリテーターは学習をガイド、促進するだけでなく、対話を促したり、質問を投げかけたりすることで、学習者の好奇心も育てます。これはより良い学習を実現するための基本です。好奇心は、クリティカルシンキング、敏しょう性、革新性など、職場での重要なスキルへの足がかりとなります。

場を読み、学習者をエンパワーする

ライブ・ファシリテーターは、研修時のその場の動きにリアルタイムで対応することができます。学習者のエネルギーレベルが落ちれば、ユーモアを交えたり、新鮮な見方を提示したりします。また、ファシリテーターは、学習者に自分の職場での経験を話してもらうことで、研修との関連性を示すことなども行います。このように、ファシリテーターの存在は、学習者が自分の役割と学習内容を結びつける手助けになります。

グループ学習には通常8人から10人の学習者が参加するため、ファシリテーターは、研修慣れしている人や発信がうまい人だけでなく、学習者全員に発言を促す関わりをすることもあります。内向的な学習者が自己表現できるような場を設けることや、グループメンバーの異なる学習嗜好(しこう)や動機を認識し、それらを踏まえて学習を促し、スキルの向上を図ることなども行います。また、苦戦している学習者がいれば、ファシリテーターはフォローアップして手助けをすることができるため、学習者が置いていかれるという心配がありません。このようなファシリテーションは、学習の勢いを維持し、研修を最大限に活用するために非常に重要です。

学習プログラムに必要なのはライブ・ファシリテーター

ライブ・ファシリテーターは、あらゆるタイプの学習者に対して、価値が高く、感動を与えるインタラクティブ・ラーニング体験を作り出し、影響を与えます。

ファシリテーターは、グループ学習においてディスカッションを促し、全員が参加できるようチャレンジすることで、学習者が学んだことをグループとして効果的に活用する方向にリードします。その結果、学習者は自分の考えや、やろうとしていることにエンパワーしてくれたと感じ、自信を持って学んだスキルを実践しようとすることにつながります。その結果、最終的にビジネス上の成果を高めることに貢献します。

まとめ

研修を成功に導くライブ・ファシリテーターという新たな役割について解説してきました。
株式会社LDcubeではデジタルコンテンツとファシリテーションを融合させたファシリテート・ラーニングの実現に向け、良質な学習コンテンツの提供(eラーニングのサービスサイトへ)やライブ・ファシリテーターが研修を運用する際のLMSの提供などライブ・ファシリテーターの活動を支援しています。コロナ禍における研修の効果性を高めるにはライブ・ファシリテーターによるファシリテート・ラーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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▼ CrossKnowledge社原文記事
https://www.crossknowledge.com/blog/live-facilitators-learning-programs/



LDcube編集部
LDcube編集部
株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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