従業員エンゲージメントの向上に有効な施策とは?企業の成功事例を紹介

現代のビジネス環境では、従業員エンゲージメント向上が企業成功を左右する重要な要素となっいます。

エンゲージメントの高い従業員は生産性や創造性が高く、企業の成長に大きく貢献します

しかし、多くの企業がエンゲージメント施策を実施しているものの、その効果を最大限に引き出せていない現実があります

では、従業員エンゲージメントを高めるためには、具体的にどのような施策を講じるべきでしょうか?

まず、従業員エンゲージメントが低下する原因を考えてみましょう。多くの場合、エンゲージメントが低下するのは、コミュニケーション不足やキャリア成長の機会の欠如、職場環境の悪化などが原因です。

また、従業員が自己の貢献が認識されていないと感じることも大きな要因です。その結果、モチベーションが低下し、生産性が落ち、最終的には離職率が高まるリスクが生じます。
 
本記事では、従業員エンゲージメントを高めるための具体的な施策を紹介します。

施策を実行することで、従業員エンゲージメントを高め、企業全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。

エンゲージメントの向上は、単なる表面的な取り組みではなく、継続的かつ戦略的なアプローチが求められます。
 
従業員エンゲージメントを本気で向上させたいと考えているなら、今すぐこれらの施策を実行し、従業員一人ひとりの声に耳を傾ける組織文化を育てましょう。

その結果、企業は持続可能な成長を実現し、競争力を強化することができるでしょう。

▼従業員エンゲージメントについての全体像は下記で解説しています。
⇒従業員エンゲージメントとは?向上につながる5つの施策【人事担当者必見】

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▼従業員エンゲージメント向上に向けては自己肯定感を高めることも重要です。
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▼社員の成長につなげるためのレジリエンスについては下記にまとめています。

レジリエンス資料

この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.従業員エンゲージメント向上施策成功への基礎知識
    1. 1.1.従業員エンゲージメントとは
    2. 1.2.従業員エンゲージメントが重要視されている背景
  2. 2.従業員エンゲージメントを高める施策のねらい
  3. 3.従業員エンゲージメントを向上させる施策例
  4. 4.従業員エンゲージメント向上おすすめ施策⇒レジリエンス研修とは
    1. 4.1.レジリエンス研修とは
    2. 4.2.心理的安全性の高いチームを作る
  5. 5.従業員エンゲージメントの向上に成功した施策事例
    1. 5.1.①導入前の課題
    2. 5.2.②『SBRP』を活用した取り組み
    3. 5.3.③導入後の成果
  6. 6.従業員エンゲージメント調査の活用と施策の検証
    1. 6.1.従業員エンゲージメント調査とは
    2. 6.2.調査の活用と現状把握
    3. 6.3.施策展開後の調査結果の変化
    4. 6.4.定期的・継続的な調査の実施
  7. 7.まとめ


従業員エンゲージメント向上施策成功への基礎知識

従業員エンゲージメント向上施策①

従業員エンゲージメントの向上に向けて、さまざまな施策が展開されています。

自社でのエンゲージメント向上に向けて施策を検討する前に、基礎知識の確認です。

従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、企業理念・ビジョンに対する理解度と共感度、そして業績向上に対して自発的に行動する意欲を示すものです。

従業員エンゲージメントが高いほど企業に対する信頼や愛着が深く、仕事での高いモチベーションを維持しながら高パフォーマンスを発揮するようになります

従業員エンゲージメント向上は、他にもさまざまなメリットをもたらします。

  • 帰属意識が高まり離職率の低下につながる:従業員のエンゲージメントが高まると、自社への帰属意識も強化されます。帰属意識が高い従業員は、企業と共に長期間働きたいという意欲を持つため、離職率が低下します。高い離職率は企業にとってコストがかかる問題であり、エンゲージメント向上による帰属意識の強化はそれを軽減します。

  • 仕事のパフォーマンス向上によって労働生産性が向上する:エンゲージメントが高い従業員は、自発的に仕事に取り組む意欲が高くなります。結果としてパフォーマンスも向上し、チーム全体の生産性も向上します。従業員が自己の仕事に誇りを持ち、積極的に改善や効率化に取り組むことで、企業全体の労働生産性が向上します。

  • 上司と部下、同僚同士でコミュニケーションが円滑になる:エンゲージメントが高い職場では、上司と部下および同僚同士のコミュニケーションが円滑に行われます。これは、従業員が互いに信頼関係を築き、意見交換や協力がしやすくなるためです。コミュニケーションが円滑であると、業務の進行や問題解決がスムーズに行えるため、チームの効率も向上します。

  • エンゲージメントが高い企業であることを外部にアピールできる:企業が従業員のエンゲージメントを重視していることを対外的に示すことで、企業の好感度や信頼性が向上します。例えば、エンゲージメントが高い企業という評価は、顧客や取引先企業に対しても良い印象を与えることができます。

  • 企業イメージの向上により優秀な人材の確保につながる:従業員エンゲージメントが高い企業は、働きやすい環境を提供しているというイメージが強くなります。求人市場でも競争力が高まり、優秀な人材を惹きつけることが可能となります。特に若手の優秀な人材は、企業文化や働きやすさを重視する傾向があるため、エンゲージメントの高さは大きなアドバンテージとなります。

  • サービスの品質向上によって顧客満足度アップにつながる:エンゲージメントが高い従業員は、仕事に対する責任感が強く、質の高いサービスを提供しようとする意欲が高いです。これにより、サービスの品質が向上し、顧客満足度もアップします。高い顧客満足度はリピート顧客の増加や口コミ効果を生み、企業の成長を後押しします。

  • ワークライフバランスが促進される:エンゲージメント向上に取り組む企業は、従業員の働きやすさを重視するため、ワークライフバランス改善にも力を入れる傾向があります。適切なワークライフバランスが実現されると、従業員の精神的および肉体的な健康が保持され、生産性やパフォーマンスが向上しやすくなります。加えて、従業員の満足度が高くなることで、エンゲージメントもさらに強化されるという好循環が生まれます

以上のように、従業員エンゲージメントの向上は、多方面にわたって企業に多く利点をもたらします。


従業員エンゲージメントが重要視されている背景

近年、日本では従業員エンゲージメントを高める取り組みが重要視されており、その背景には生産年齢人口の減少と個人の価値観の多様化があります

総務省が公開した『令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少』によると、15歳〜64歳までの生産年齢人口は1995年をピークとして減少し続けています。

2050年には、5,275万人(2021年比で-29.2%)まで減少する見込みです。

このデータに裏付けられるように、多種多様な業界で深刻な労働力不足に悩まされているのが現状です。そのため、エンゲージメントを高めて離職の抑制を強化する重要性が高まっています。

また、近年ワークライフバランス(仕事と生活のバランスが取れた状態)や、多様性のある働き方を求める若者が以前より増えたことも、従業員エンゲージメントが注目されるようになった理由の一つです。

ワークライフバランスを推進している企業は、多様な人材を引き寄せる魅力があり、従業員エンゲージメントも高い傾向にあります。

従業員エンゲージメントは、社会の変化に伴い重要性が増しており、企業の持続的成長において無視できない要素となっています。

▼少子高齢化という社会環境の変化の渦中においてはダイバーシティ&インクルージョンも重要です。⇒ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や違い・取り組み事例

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従業員エンゲージメントを高める施策のねらい

従業員エンゲージメント向上施策②

従業員エンゲージメントは、組織の成功に直結する要素であり、高まることで生産性や品質、顧客満足度が上昇します。それを高める施策のねらいには、以下のようなものがあります。

(従業員エンゲージメントを高める施策のねらい)

  • コミュニケーションの取れる環境づくり:従業員が感じている問題点や提案を上層部に伝えられる環境を作り、フィードバックを与えることで、情報共有と相互理解が生まれます。

  • 活躍できる環境づくり:従業員の強みを把握し、従業員が自分の強みを生かしながら、積極的に活躍できる場を提供します。

  • チームがワークする環境づくり:共通の目標に向かって一丸となることで、一体感を生み出し、エンゲージメントを上げます。

  • 働きがいを感じる環境づくり:自身の業務が組織の目的に寄与していると感じることで、達成感や自己実現感を得られます。

  • レジリエンスを高める環境づくり:逆境に立ち向かい、適応し、回復する能力の育成です。生まれつきのものではなく、育てることが可能なスキルです。レジリエンスを高めることが、結果としてエンゲージメントを高めることにつながります。

上記のねらいをもとに施策を展開していくことで、結果として従業員エンゲージメントが高まっていくことが期待できます。

▼社員個々人のセルフエスティームを高めることもエンゲージメント向上に寄与します。
⇒セルフエスティーム(自尊感情)とは?公式や測定尺度・高める方法

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従業員エンゲージメントを向上させる施策例

従業員エンゲージメント向上施策③

従業員エンゲージメントには、組織文化・労働条件・評価制度・福利厚生など、従業員を取り巻く多岐にわたる要素が影響します。

以下は、従業員エンゲージメントを向上させる施策の一例です。

  • アンケート調査結果に基づいた労働条件や人事評価制度の見直し
  • フレキシブルな働き方の採用(テレワーク、フレックスタイム制度 など)
  • 学習管理システム(LMS)を用いた成長支援の環境づくり
  • 1on1ミーティングや面談を通じた成長支援の強化
  • 社内SNSの活用や交流イベントを通じたコミュニケーションの活性化
  • サーベイツールを用いたエンゲージメントの可視化と分析
  • エンゲージメントの分析結果に基づいた人事施策のPDCA
  • エンゲージメントの分析結果を活用した職場ワークショップ
  • エンゲージメント向上に向けたレジリエンス研修の実施 など

  • アンケート調査結果に基づいた労働条件や人事評価制度の見直し:従業員のフィードバックを得るために定期的にアンケート調査を実施します。得られたデータを基に、給与や福利厚生、勤務時間、人事評価制度などの労働条件を再評価します。従業員の意見を反映することで、不満の軽減と働きやすい環境の提供を図り、エンゲージメントを向上させます。

  • フレキシブルな働き方の採用(テレワーク、フレックスタイム制度 など):多様化する生活スタイルに合わせて、テレワークやフレックスタイム制度などの柔軟な働き方を採用します。ワークライフバランスの改善や通勤時間の削減が図れ、ストレスが軽減されます。従業員が自分のライフスタイルに統合する形で働けることで、エンゲージメントが高まります。

  • 学習管理システム(LMS)を用いた成長支援の環境づくり:学習管理システム(LMS)を導入し、従業員が自己成長を続けるための環境を提供します。オンラインコースや研修プログラムを通じて、新たなスキルを習得しキャリアアップを図ることができます。スキルの向上が従業員の自信とモチベーションを高め、エンゲージメントを向上させます。

  • 1on1ミーティングや面談を通じた成長支援の強化:定期的な1on1ミーティングや個別面談を実施し、上司とのコミュニケーションを強化します。従業員の課題やキャリア目標を把握しやすくなり、適切な指導やフィードバックが可能になります。従業員の成長支援と個別のニーズに対応することで、エンゲージメントが高まります。

  • 社内SNSの活用や交流イベントを通じたコミュニケーションの活性化:社内SNSやオンラインチャットツールを活用して、従業員同士のコミュニケーションを促進します。また、定期的な交流イベントやチームビルディング活動を通じて、職場の一体感を醸成します。オープンで活発なコミュニケーションが、従業員の帰属意識とエンゲージメントを向上させます。

  • サーベイツールを用いたエンゲージメントの可視化と分析:サーベイツールを使用して、エンゲージメントの状態を定期的に測定し可視化します。データを分析することで、従業員の満足度やモチベーションの変化を把握し、具体的な改善点を特定します。これにより、エンゲージメントを効果的に向上させるための施策を立案しやすくなります。

  • エンゲージメントの分析結果に基づいた人事施策のPDCA:エンゲージメント調査の結果を基に、具体的な人事施策を策定し、PDCAサイクルを回します。計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)を繰り返すことで、持続的かつ効率的にエンゲージメントの向上を目指します。これにより、長期的な視点での組織の成長を支援します。

  • エンゲージメントの分析結果を活用した職場ワークショップ:エンゲージメントの分析結果を元に、職場ワークショップを開催します。このワークショップでは、従業員が主体的に参加し、現場の課題解決や改善策を協議します。従業員参画型のアプローチによって、自己効力感が高まり、エンゲージメントの向上につながります。

  • エンゲージメント向上に向けたレジリエンス研修の実施:レジリエンス(回復力)を高めるための研修を実施します。従業員がストレスや困難な状況に対処する能力を向上させることで、心身の健康を維持し、長期的なパフォーマンスを向上させます。レジリエンスを高めることで、従業員のモチベーションとエンゲージメントが持続的に向上します。

これらの施策を組み合わせて実施することで、従業員エンゲージメントの向上を図ることができます。それによって、職場の生産性や従業員の満足度が向上し、持続可能な組織の成長を促進することが期待されます。

上記の中でも、ストレスや逆境に対する回復力を養い、問題解決力を身に付けるレジリエンス研修などはエンゲージメント向上に特に効果的です。次章で詳しく紹介します。

▼エンゲージメント向上に効果的な取り組みについては、関連記事でも詳しく紹介しています。興味がある方は合わせてご覧ください。⇒従業員エンゲージメントを高める効果的な取り組みとは?おすすめの方法6選も紹介!

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従業員エンゲージメント向上おすすめ施策⇒レジリエンス研修とは

従業員エンゲージメント向上施策⑤

レジリエンス研修とは

企業におけるレジリエンス研修は、新入社員や若手・中堅層を対象とした階層別研修で実施されるほか、レジリエンス強化に特化した目的別研修として実施されるケースも増えています。

あるいは、「上司がレジリエンス研修に参加し、部下とのキャリア面談に生かす」といった取り組みも見られます。

レジリエンス研修は、おもに以下の要素で成り立っています。

【レジリエンス研修5つの要素】
(1)メンタルヘルスの理解促進
(2)ストレスの理解促進
(3)レジリエンスの理解促進
(4)逆境に直面したとき感情コントロール
(5)コミュニケーションスキルの向上

以下は2日間で行う、レジリエンス研修カリキュラムの例です。

レジリエンス研修2日間カリキュラム

出典:レジリエンス研修とは?実施で得られる効果と代表的な5つの要素

レジリエンス研修では、座学だけでなく、ワークやロールプレイを交えながら、実践的なスキルを身に付けていきます。

自己理解を深め、ストレス対処法やコミュニケーション術を体得することで、困難な状況でも折れない心の強さを養っていくのです。

心理的安全性の高いチームを作る

レジリエンス研修の展開と合わせて「心理的安全性の高いチームを作る」ことも重要です。

心理的安全性とは、チームのメンバーが安心して自分の意見を言ったり、ミスを恐れずにチャレンジしたりできる雰囲気のことを指します。心理的安全性があってこそ、組織のレジリエンスが高まっていくのです。

心理的安全性の高いチームを作るためには、リーダーの役割がきわめて重要です。部下の意見に耳を傾け、失敗を責めるのではなく、そこからの学びを引き出すことが求められます。

【心理的安全性を高めるリーダーのスキル】

  • 傾聴力: メンバーの話に耳を傾け、その背景にある思いを汲み取る力です。アクティブリスニング(積極的傾聴)の技法を身に付け、部下の本音を引き出していきましょう。単に話を聞くだけでなく、相づちを打ったり、質問を投げかけたりしながら、相手の気持ちに寄り添うことが大切です。
    ​​​​​​​
  • 対話力: 質問を投げかけ、メンバー同士の建設的な議論を促進する力です。一方的に指示を出すのではなく、メンバーの主体性を引き出すことが重要です。「○○さんなら、どうしますか?」「ほかにアイデアはありますか?」と問いかけ、多様な意見が出る場をつくりましょう。対話を通じて、メンバーの思考が深まり、新たな気付きを得られるはずです。

  • 承認力: メンバーの頑張りや成果を認め、ねぎらいの言葉をかける力です。小さな進歩でも褒めることで、メンバーのモチベーションを高められます。「○○さんの提案、素晴らしかったです」「今回の成功は、○○さんの頑張りのおかげです」と、具体的に承認の言葉を伝えましょう。メンバーの自己効力感が高まり、さらなる成長につながります。

  • 育成力: メンバーの個性や強みを見抜き、成長の機会を提供する力です。ときには、ストレッチ(背伸び)目標を与え、挑戦を後押ししていきましょう。「○○さんなら、できます」「今の○○さんにぴったりの仕事だと思います」と、メンバーの可能性を信じるメッセージを送ることが大切です。成長の後押しが、メンバーの自己実現につながるのです。
こうしたスキルを備えたリーダーのもとでは、メンバーは安心して自分の能力を発揮できるようになります。

失敗を恐れずにチャレンジし試行錯誤を重ねながら成長していく、心理的安全性の高いチームづくりが、組織のレジリエンスを支える基盤となるのです。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。
"心理的安全性"がビジネスに必要な理由?エドモンドソン博士の視点を解説

出典:"心理的安全性"がビジネスに必要な理由?エドモンドソン博士の視点を解説

▼レジリエンス研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒レジリエンス研修とは?実施で得られる効果と代表的な5つの要素

  レジリエンス研修とは?実施で得られる効果と代表的な5つの要素 ストレスや逆境に直面しやすい現代のビジネスシーンでは、困難な状況でも立ち向かって前に進む力、つまり、高いレジリエンスを持った人材が必要です。そんな人材育成のためにはレジリエンス研修が有用です。研修の概要や得られる効果、代表的な要素について解説します。 株式会社LDcube

▼レジリエンスのトレーナー資格については下記で詳しく解説しています。⇒レジリエンス(研修)トレーナー資格!SBRPライセンス取得認定講座

  レジリエンス(研修)トレーナー資格!SBRPライセンス取得認定講座 社員の心身の健康においても、ビジネスにおいてもレジリエンスが重要な役割を持つ今日、その強化を目指す企業が増えています。ポジティブ心理学に基づいたレジリエンス研修内容、研修を提供できるトレーナー認定資格や養成講座について紹介します。 株式会社LDcube


従業員エンゲージメントの向上に成功した施策事例

従業員エンゲージメント向上施策⑥

ここからは、LDcubeの『SBRP』を従業員エンゲージメントの向上に活用された企業様の事例を紹介します。

①導入前の課題

刃物メーカーA社様の製造本部では、自律自走の人材育成を目指してさまざまな取り組みを行っています。

その取り組みの一環としてエンゲージメント診断を実施したところ、職場メンバーと上司の関係性がエンゲージメントに大きな影響を与えていることが判明しました。

しかし、エンゲージメントを高める取り組みを進めるうえで、通常のコミュニケーション研修や外部講師によるエンゲージメントをテーマにした研修会は「自律自走の趣旨から逸脱する可能性がある」と考えていました

そこでA社様では、自社の職場リーダーに職場活性化のための武器(ツール)を提供するとともに、リーダーを中心として職場変革を進める計画を立てました。

そして、現場に効果的に浸透させていける武器(ツール)として選ばれたのがレジリエンス研修プログラム『SBRP』です。

②『SBRP』を活用した取り組み

A社様は2つの工場の中核リーダーに対して、まずは株式会社ビジネスコンサルタントによるサポート付きでエンゲージメント研修を実施しました。

その後、SBRPライセンスの取得およびレジリエンス研修の内部展開を行っています。

▼ SBRP活用の流れ

  1. 社内でのエンゲージメント診断
  2. 対象工場の職場リーダー層に対して、外部企業のエンゲージメント研修を実施
  3. 職場の中核リーダーがSBRPライセンスを取得
  4. SBRPライセンス取得者が社内でレジリエンス研修を実施 
  5. 社内での再びエンゲージメントを診断

    ポジティブ心理学の考え方やコミュニケーションスキルの向上を重点的に学習させたあと、中核リーダー4名を選抜し、エンゲージメント研修で得た知識を職場に効率よく浸透させるためにSBRPライセンスを取得させています

    その後、SBRPライセンス取得者は各工場に戻り、自身でレジリエンス研修を実施しています。

    社内の中核リーダーによる内部研修のため、他のメンバーも気負うことなく率直に意見を交わすことができ、充実した研修会となりました。

    ※株式会社ビジネスコンサルタントはLDcubeの関連会社です

    ③導入後の成果

    SBRPライセンス取得者によるレジリエンス研修の内部展開は、従業員の自己理解・他者理解を促進して、お互いの関係性を深める機会となりました。

    外部講師ではなく同じ職場のリーダーが研修を運営したため、「研修の本気度が伝わってきた」という声が事務局に届いたそうです。

    また、SBRPライセンス取得者は、職場の関係改善のために自身がレジリエンス研修の企画・実施を担当したことで、「より主体的に関わっていこうという気持ちになった」と声をあげています。

    A社様では、エンゲージメント診断を例年2回実施しており、SBRPライセンスの取得者がいる対象工場でエンゲージメントの数値が向上したという結果が出ています

    ▼レジリエンスを高めるポイントについては下記で解説しています。
    ⇒レジリエンスを高めるには?高い人・低い人の特徴と具体的な実践方法

      レジリエンスを高めるには?高い人・低い人の特徴と具体的な実践方法 レジリエンスとは、逆境やストレスに直面した時に、それを乗り越えて適応していく心の力のことです。高いレジリエンスを持つ人は、困難な状況でも前を向いて歩いていくことができます。レジリエンスとは何か、高い人・低い人の特徴、そしてレジリエンスを高める具体的な方法について詳しく解説します。 株式会社LDcube


    従業員エンゲージメント調査の活用と施策の検証

    従業員エンゲージメント向上施策⑦

    いかに従業員エンゲージメントを向上させるか、そのためには調査の活用による現状把握、展開する施策、それら施策の検証が必要です。

    ただし、施策をただ進めるだけでなく、その結果を評価し継続的に改善していくことが重要です。

    従業員エンゲージメント調査とは

    従業員エンゲージメント調査とは、従業員が組織の目標に向かってどれ程情熱を持って働いているかを評価する方法です。

    働きがいを感じ、企業の目標達成を自身の目標と同化させている度合いを示すもので、組織の生産性、従業員の満足度、退職率などに大きな影響を及ぼします。

    ▼従業員エンゲージメントを調べる調査については下記で解説しています。⇒従業員エンゲージメント調査とは?実施する重要な目的と期待できる効果

      従業員エンゲージメント調査とは?実施する重要な目的と期待できる効果 従業員の組織に対しての信頼や愛着を測定したい場合、サーベイを使ったエンゲージメント調査が有用です。サーベイは組織と個人の現状を定量的に評価して課題を抽出できるため、施策の企画に役立ちます。この記事では、従業員エンゲージメント調査の概要や目的、実施方法、期待できる効果などについて紹介します。 株式会社LDcube

    調査の活用と現状把握

    従業員エンゲージメントを向上させるためには、まず現状を把握することから始まります。具体的な調査結果に基づく施策展開は、より効果を期待することができます。

    調査は従業員が直面している問題や認識やスキルのギャップ、コミュニケーションの問題、組織との関係性など、モチベーションの低下を引き起こす可能性のある問題点を探し出す手掛かりとなります。

    この理解とそれに基づく対策により、より働きやすい環境を作り出すことが可能となります。

    施策展開後の調査結果の変化

    調査による現状把握に基づき、必要な施策を展開します。進行中の施策の成果を計測するためには、再度のエンゲージメント調査が重要です。

    これにより、施策がどの程度成果をもたらし、どの施策に改善や再評価が必要であるかを明確にすることができます。

    定期的・継続的な調査の実施

    エンゲージメントは一時的なものではなく、定期的に評価し直すことが求められます。

    組織の目標や状況、従業員のレベルやニーズは、時間とともに変化していきます。

    そのため、同じ方法でエンゲージメントを維持しようとすると、それは時代遅れとなり、従業員の離職率の増加や生産性の低下を招く可能性があります。

    定期的・継続的な調査により、組織は変化するニーズに対応し、エンゲージメントの向上と維持を図っていくことが可能になります。


    まとめ

    ​​​​​​​

    この記事では、従業員エンゲージメントの向上を目的とした施策の事例について以下の内容で詳しく解説しました。

    • 従業員エンゲージメント向上施策成功への基礎知識
    • 従業員エンゲージメントを高める施策のねらい
    • 従業員エンゲージメントを向上させる施策例
    • 従業員エンゲージメント向上おすすめ施策⇒レジリエンス研修とは
    • 従業員エンゲージメントの向上に成功した施策事例
    • 従業員エンゲージメント調査の活用と施策の検証

    従業員エンゲージメントの向上は、将来性のある人材の確保や優秀な人材の流出防止につながるため、さまざまな企業で多種多様な施策が実施されています。

    代表例としては、フレキシブルな働き方の採用や人事評価の基準の見直し、レジリエンスを養うための研修やトレーニングの実施などが挙げられます。

    LDcubeでは、変化が激しい環境においても柔軟な思考を持ち、逆境を打開できる人材育成をサポートする『SBRP (ストレングス・ベースド・レジリエンス・プログラム)』を提供しています。

    多岐にわたる研修でレジリエンスを効果的に養うプログラムを取り入れることで、組織と従業員のエンゲージメントを高めるための方法が身に付きます。

    SBRPライセンス取得を見越したレジリエンス研修の内製化もサポートしていますので、ぜひこの機会に『SBRP』の導入効果がわかる資料を無料でダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

    ▼関連資料はこちらからダウンロードできます。

    SBRP資料

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      お問い合わせ| LDcube(エルディーキューブ) LDcube(エルディーキューブ)に関するお問い合わせや、料金プランのご相談などは当ページより承ります。組織変革・人材育成を50年以上支援するビジネスコンサルタントが持つ集合研修の豊富な知見と、最先端の学習ツールをかけ合わせ、個人と組織に最適な「学び」をデザインし、企業様の競争力強化に貢献します。 株式会社LDcube

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      従業員エンゲージメント調査とは?実施する重要な目的と期待できる効果 従業員の組織に対しての信頼や愛着を測定したい場合、サーベイを使ったエンゲージメント調査が有用です。サーベイは組織と個人の現状を定量的に評価して課題を抽出できるため、施策の企画に役立ちます。この記事では、従業員エンゲージメント調査の概要や目的、実施方法、期待できる効果などについて紹介します。 株式会社LDcube
      従業員エンゲージメントとは?向上につながる5つの施策【人事担当必見】 企業において従業員エンゲージメントは、個人のモチベーションやパフォーマンス、組織の労働生産性などに影響する重要なものです。様々な施策を通じて具体的に向上させる必要性があります。この記事では、従業員エンゲージメントを高める方法や施策について詳しく紹介します。 株式会社LDcube


      従業員エンゲージメントを高める効果的な取り組みとは?おすすめの方法6選も紹介! 企業の持続的成長に従業員エンゲージメントを高める取り組みは不可欠です。従業員エンゲージメントが低い場合は、さまざまな取り組みで改善する必要があります。この記事では、従業員エンゲージメント向上に効果的な取り組み6選や具体的な方法・施策について解説します。 株式会社LDcube
      離職防止に効果的な取り組み・研修とは?7つの施策やツールを紹介! 企業では将来性のある人材の離職防止が急務です。離職防止に効果的な取り組みとしては、従業員のニーズを捉えた労働環境や人事評価制度の見直し、各種研修の整備による成長支援などが挙げられます。この記事では、効果的な施策7つとツールを紹介します。 株式会社LDcube
      離職防止に効果的な研修とは?対象者・テーマ・時期に合わせて内容を最適化しよう! 組織の成長に不可欠な人材の流出を防ぐためには、社員の課題に即した研修を実施することが重要です。離職防止に効果的な研修は対象者やタイミング、実施方法など考慮する必要があります。この記事では離職防止に向けた研修施策について詳しく解説します。 株式会社LDcube



    LDcube編集部
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    株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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