従業員エンゲージメントを構成する要素とは?満足度との違いや向上方法を解説
従業員エンゲージメントは、労働生産性やパフォーマンスの向上、さらには組織の業績アップにつながる重要な指標です。
組織文化や仕事のやりがい、人間関係、人事評価制度など、従業員エンゲージメントに影響する要因は多岐にわたります。
そのため、企業では従業員エンゲージメントを構成する要素を詳しく知り、組織と従業員の課題に即した取り組みを行うことが求められます。
この記事では、従業員エンゲージメントを構成する3つの要素や満足度との違いなどを詳しく紹介します。
▼従業員エンゲージメントについての全体像は下記で解説しています。
⇒【人事担当者必見】従業員エンゲージメントとは?向上につながる5つの施策
▼社員の成長実感を促すことで従業員エンゲージメントを高めるポイントについて解説しています。合わせてご覧ください。
目次[非表示]
- 1.従業員エンゲージメントが重要視される背景
- 2.従業員エンゲージメントを構成する3つの要素
- 2.1.①企業理念やビジョンへの理解度
- 2.2.②企業理念やビジョンへの共感度
- 2.3.③企業の業績向上に対する行動意欲
- 3.従業員エンゲージメントと満足度の違い
- 4.従業員エンゲージメントに影響する要因
- 4.1.6つの要因
- 4.2.要因をつかむためには調査も有効!
- 5.従業員エンゲージメント向上に忘れてはいけない要素
- 6.従業員エンゲージメントを向上のための要素
- 7.従業員エンゲージメントの向上へ
- 7.1.成長実感とは
- 7.2.成長実感を高めるための施策例
- 8.従業員エンゲージメントを向上させる学習管理システム
- 9.まとめ
従業員エンゲージメントが重要視される背景
従業員エンゲージメントとは、企業理念や経営方針に対する理解度や共感度、業績向上に対して自発的に貢献しようする意欲を意味します。
近年、日本では業界問わず人材不足が深刻化しており、優秀な人材の離職防止や将来性のある人材の確保に努める重要性が高まっています。
従業員エンゲージメントを高める取り組みは、組織への貢献度が高い優秀な人材の流出を防ぐ手段としても効果的です。
また、働き方に多様性を求める求職者が増えた今、従業員エンゲージメントが高い企業は採用活動で有利になる可能性があります。
従業員エンゲージメントの向上は、パフォーマンスや労働生産性の向上、組織の活性化にもつながり、最終的に企業の業績アップにも影響します。
従業員エンゲージメントを構成する3つの要素
従業員エンゲージメントは大きく分けて、企業理念・ビジョンへの理解度と共感度、業績向上に対する行動意欲の3つの要素で成り立っています。
(エンゲージメントを構成する要素)
|
①企業理念やビジョンへの理解度
従業員エンゲージメントに含まれる理解度は、企業理念やビジョンに対するものです。
企業の根本的な考え方や経営方針を理解していること、経営目標やミッション達成のためにどのような活動をしているかを具体的に把握しているかが重要です。
企業理念やビジョンへの理解度が低い場合には、理念浸透を目的にした研修や施策の実施が望まれます。
②企業理念やビジョンへの共感度
企業理念やビジョンを十分に理解しているだけではなく、その内容に共感していることも従業員エンゲージメントの構築に不可欠です。
企業・組織・チームに属する一員であるという自覚を持っているとともに、当事者となって組織にコミットするという意識があることが重要です。
また、企業だけではなく、従業員を取り巻く同僚や上司、経営層に対する共感もエンゲージメントに含まれる要素となっています。
③企業の業績向上に対する行動意欲
従業員エンゲージメントが組織の業績向上につながる要素として、行動意欲があります。
ここでいう行動意欲とは、従業員が組織の目標達成やミッションの成功、業績向上のために自発的に行動しようと考えることです。
高い行動意欲を持たせるには、従業員の日々の努力を適切に評価する必要があります。
各種研修や1on1ミーティング後に、従業員が納得するフィードバックを提供することで行動意欲の向上に寄与できます。
従業員エンゲージメントと満足度の違い
従業員エンゲージメントは、組織・仕事・人間関係などの要因が絡み合ったなかで、企業への信頼度・愛着度・貢献意欲を示すものです。
人事評価の適正化やワークライフバランスの推進、承認・感謝・称賛の文化づくりで従業員エンゲージメントを高めていけます。
従業員満足度は、労働環境や業務内容や人間関係などに満足しているかどうかを測定する指標です。待遇・報酬・福利厚生などを改善する取り組みによって、従業員満足度を高められます。
いずれの要素もパフォーマンスや労働生産性に影響しますが、測定する方法や向上に向けた施策が異なります。
エンゲージメントの向上は、生産性を左右するとても大切なことです。従業員満足とは異なり、不満を解消することを中心にはしていません。
経営理念やビジョンへの理解や共感、業績向上への行動意欲など、複合的な要素が関係しています。
▼従業員エンゲージメント調査については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒従業員エンゲージメント調査とは?実施する重要な目的と期待できる効果
従業員エンゲージメントに影響する要因
組織の文化や労働環境、人間関係など、従業員エンゲージメントはさまざまな要因によって変化します。
以下は、従業員エンゲージメントに影響する要因とエンゲージメントを高めるポイントをまとめたものです。
6つの要因
従業員エンゲージメントに影響する要因 |
エンゲージメントを高めるポイント |
組織文化 |
企業理念やビジョンを社内ポータルサイトや社内報、新人研修などで浸透させる |
働きがい |
社内チャレンジ制度やキャリアパス制度の導入、ワークライフバランスの推進など |
成長支援 |
上司によるフィードバックとフォローの強化、学習管理システムでの成長サポート、各種研修制度の整備など |
報酬 |
給与の基準や昇給制度の見直しなど |
評価制度 |
公平な人事評価制度の採用、人事評価基準の透明化、個別表彰など |
人間関係 |
1on1ミーティングやヒアリングの実施、コミュケーションツールの活用など |
従業員エンゲージメントを向上させるにあたって、サーベイツールやアンケートで現状のエンゲージメントを測定する取り組みも重要です。
エンゲージメントが低い原因と部門・職場を洗い出すことで、施策の優先順位や具体的なアクションが明確になります。
要因をつかむためには調査も有効!
従業員エンゲージメントの状態を把握したり、その要因を調べたりするためには、ぐう要因エンゲージメント調査も有効です。
株式会社ビジネスコンサルタントが実施した従業員エンゲージメント調査結果から下記のようなことが分かりましたので、参考として紹介します。
(出典:従業員エンゲージメント調査とは?実施する重要な目的と期待できる効果)
2022年4月~9月の間に47社16,665人の方の回答を分析しています。その結果から言えることは下記です。
(出典:従業員エンゲージメント調査とは?実施する重要な目的と期待できる効果)
従業員のエンゲージメント向上に向けて介入すべき優先順位として「対話」「信頼関係」「役割期待」という職場における「上司の支援」が高いことが分かったのです。
調査を活用することで、エンゲージメント向上に向けた要素をきちんと掴むことが可能となります。
従業員エンゲージメント向上に忘れてはいけない要素
従業員エンゲージメント向上に忘れてはいけない要素が、経営者の強い想いです。
エンゲージメントを高めるためには、経営者が率先して従業員を尊重し、彼らの能力を最大限引き出そうとすべきです。
従業員が深いエンゲージメントを持つためには、経営者が従業員を尊重し、その能力を認識することが先決で、それによって初めて従業員自身が組織内での自分の存在を誇りに思える状態が生まれます。
経営者が積極的にコミュニケーションを取り対話を行うことで従業員は自分の意見を気兼ねなく話せる環境が醸成されます。
オープンな状況を作ることで、従業員自身もより信頼感を持つようになり、前向きに仕事に関わりたいと感じ、会社のビジョンに共感しエンゲージメントを高めることにつながります。
また、経営者が従業員のスキル向上やキャリアアップをサポートすることで、従業員が自身の将来的なキャリアパスを見つける環境を作り出し、従業員の会社に対するコミットメントが高まる役割を果たします。
経営者の強い想いが従業員エンゲージメントを向上させる原動力となります。経営者の決意が従業員の関与とエンゲージメントにつながり、それが組織の成功につながるのです。
従業員エンゲージメントを向上のための要素
従業員エンゲージメントを向上させるための必要な要素として、以下が考えられます。
信頼と尊重:従業員が組織とそのリーダーを信頼し、自身も尊重されていると感じることが、高いエンゲージメントを促します。 |
以上のような要素を考慮し、組織全体で先述の各要素に取り組むことで、従業員エンゲージメントを向上させることが可能です。
▼従業員エンゲージメントを高めるポイントについては下記で解説しています。
⇒従業員エンゲージメントを高める効果的な取り組みとは?おすすめのソリューション6選も紹介!
従業員エンゲージメントの向上へ
従業員エンゲージメントを高めていくことの1つに、従業員の成長実感を高めていくことが有効です。
なぜなら、人は成長を感じられる場所で働きたいと思うからです。以下では、成長実感とその向上のための施策について説明します。
成長実感とは
成長実感とは、従業員が自身のスキルや知識が向上したと実感することであり、エンゲージメントを高める重要な要素となります。
成長実感を得られる環境は、従業員が前向きな態度を持つことを促し、また自身の役割と組織のビジョンをより深く理解する機会を提供します。
成長実感を高めるための施策例
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教育・研修プログラムの整備: 社内研修や外部の研修プログラムへの参加を支援します。従業員は新たな知識やスキルを獲得し、自己成長や自己効力の感覚を味わうことができます。
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フィードバックの提供: 定期的なパフォーマンスレビューやフィードバックの機会を設けることで、従業員が自身の強みや弱みを認識し、改善に向けたアクションプランを作ることができます。
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メンターシップやコーチング: 経験豊富な社員や外部のコーチから1対1で指導を受けることで、具体的なスキル向上や目標設定の支援を受けることができます。
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経験の機会の提供: 新しいプロジェクトへの参加や昇進を推奨することで、従業員は新たな領域に触れることができるようになり、成長する機会を得られます。
- 成功の共有と認識: 従業員の達成や貢献を公に称えることで、他の社員にも成功に繋がる動機づけを提供し、成長への意欲を醸成する機会を提供します。
以上のような施策を取り入れることで、従業員の成長実感を高め、結果的にエンゲージメントを向上させることが期待されます。
▼自律型人材は成長実感を得ており、エンゲージメントが高いです。自律型人材については下記で詳しく解説しています。⇒自律型人材とは?特性と行動パターン・育成方法の実践ポイントを解説!
従業員エンゲージメントを向上させる学習管理システム
エンゲージメント向上においては、企業理念やビジョンへの理解度・共感度を高めていく必要があります。
そのためには、トップメッセージや企業理念を体現している言動・エピソードなどを動画コンテンツとして整備していくことが有用です。
また、単に動画を見るだけでなく、動画を見てどのように感じたか、自分はどうしていこうと思ったかなどについて意見を交換できる場づくりが必要です。
その際には、学習管理システムを活用して、学習環境を整えることが効果的です。それにより、各従業員の動画閲覧状況や意見投稿状況を把握することができます。
さらに、各従業員の成長支援につなげるために、さまざまな学習コンテンツを用意し、提供していくことも効果的です。
LDcubeが提供する『CrossKnowledge CK-Connect』は、従業員の興味・強み・課題を洗い出すパーソナリティタイプ診断とパーソナライズ化した学習で、エンゲージメントを向上させられる学習管理システム(LMS)です。
パーソナリティタイプ診断では、従業員に対して68問の質問で16種類のタイプに分けを行い、自分自身を客観的に知る機会を与えます。
そして、パーソナライズ診断結果に基づいて個人の強みと課題を整理して、最適な学習コースを自動的に配信します。
従業員一人一人に最適なスキルパスを提案することで、学習と成長に対する意欲を高め、エンゲージメント向上につなげることができます。
まとめ
この記事では、従業員エンゲージメントを構成する要素について以下の内容で詳しく解説しました。
- 従業員エンゲージメントが重要視される背景
- 従業員エンゲージメントを構成する3つの要素
- 従業員エンゲージメントと従業員満足度の違い
- 従業員エンゲージメントに影響する要因
- 従業員エンゲージメントを向上させるための要素
- 従業員エンゲージメントの向上へ
- エンゲージメントを向上させる学習管理システム『CK-Connect』
従業員エンゲージメントを構成する主な要素は、企業理念とビジョンに対する理解度・共感度、そして業績向上に向けた行動意欲です。
これらの要素は、組織文化の浸透や働きがいのある仕事環境づくり、人事評価制度の見直しや成長サポートの強化などで補うことができます。
LDcubeが提供する『CrossKnowledge CK-Connect』は、従業員の強みと課題に即した最適な学びを提供する学習管理システム(LMS)です。
パーソナライズ化した学習コースによって、従業員の成長目標が明確になり、仕事のパフォーマンスやエンゲージメントを効果的に向上させられます。
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