エンゲージメントを向上のカギとは?施策や事例を紹介!
近年、企業では社員のエンゲージメントが重要視されるようになりました。
社員のエンゲージメント向上は企業全体のレベルや業績などに影響する可能性があることから、エンゲージメント向上施策を検討している企業もいるのではないでしょうか。
この記事では、エンゲージメントの定義や企業にもたらすメリット、エンゲージメントを推進するための取り組みやおすすめのツールについて詳しく解説します。
▼従業員エンゲージメントについての全体像は下記で解説しています。
⇒【人事担当者必見】従業員エンゲージメントとは?向上につながる5つの施策
▼エンゲージメント向上についての資料はこちらからダウンロードできます。
目次[非表示]
- 1.そもそもエンゲージメントとは?
- 2.エンゲージメント向上のカギは上司の支援
- 3.エンゲージメント向上に向け上司がすぐにできること
- 4.エンゲージメント向上に向け職場メンバーがすぐにできること
- 5.エンゲージメント向上の推進施策
- 5.1.①組織の現状把握と課題の定義
- 5.2.②研修・人材育成の改善
- 5.3.③ワークライフバランスの取り組みを強化する
- 5.4.④人事評価制度の最適化
- 6.エンゲージメント向上のメリット
- 6.1.①組織の活性化につながる
- 6.2.②キャリアアップを目指す社員が増える
- 6.3.③離職防止につながる
- 7.エンゲージメント向上する上での課題
- 7.1.期待の明確化を図ること
- 7.2.フィードバックとコミュニケーションを行うこと
- 7.3.心理的安全性の確保すること
- 7.4.成長の機会を提供すること
- 7.5.働きがいの実感を得られるようにすること
- 8.エンゲージメント向上への取組事例
- 9.社員のキャリアアップを支援する学習環境づくり
- 10.まとめ
そもそもエンゲージメントとは?
エンゲージメントという言葉は、一般的に深いつながりや関係性を意味します。
ビジネスシーンにおいてエンゲージメントは、社員の会社に対する愛着や思い入れ、仕事に対する熱意を表すものとして捉えられています。
エンゲージメントが高い社員は企業への帰属意識が強まり、企業の方針や取り組みへの関心が向上しやすいです。
関心が高まることで自発的に行動・組織に貢献するようになり、業務効率の向上や新たなアイデアの創出につながる可能性があります。
また、社員のエンゲージメントを高めることで離職防止や優秀な人材の流出防止にもつながるため、企業にとってもメリットとなり得ます。
▼エンゲージメントを構成する要素については下記で詳しく解説しています。⇒従業員エンゲージメントを構成する要素とは?満足度との違いや向上方法を徹底解説
エンゲージメント向上のカギは上司の支援
エンゲージメント向上のカギは「上司の支援」です。特に職場での「対話」「信頼関係」「役割期待」がポイントです。
株式会社ビジネスコンサルタントが行ったエンゲージメントについての調査によると、上司の支援がカギであることが分かりました。
(出典:従業員エンゲージメント調査とは?実施する重要な目的と期待できる効果)
エンゲージメント向上に向け、一度自社のエンゲージメント状態を調べるとともに、全体的な処方箋ではなく、自社状況に合わせた処方箋を確認してみることも有効です。
▼エンゲージメント調査については下記で詳しく解説しています。
⇒従業員エンゲージメント調査とは?実施する重要な目的と期待できる効果
エンゲージメント向上に向け上司がすぐにできること
エンゲージメント向上のため、上司がすぐにできることを以下に示します。
コミュニケーションの強化:定期的に1対1の会話を設け、メンバーが直面する問題や懸念を理解することが大切です。具体的な解決策を提案し、オープンで率直なコミュニケーションを心掛けることで、エンゲージメント向上につながります。 目標設定と目標達成:チーム全体、そして個々のメンバーに対して明確で頑張れば達成できそうな目標を設けます。これにより、彼らに目指すべき明確な方向を示し、成果に対する満足感を高めることができます。 成長の機会の提供:メンバー個々のスキルアップの機会やキャリア開発の支援を行います。これによって、メンバーは自分の未来への投資を実感し、エンゲージメントが高まるでしょう。 成功事例の共有:チームの一員が良いパフォーマンスを発揮したり、目標を達成した際には、その成功を称え、公に認識することが大切です。これによりチームメンバーの貢献が評価されるとともに、エンゲージメントが向上します。 一体感の強化:チームビルディングの活動を行ったり、チームで共通イベントを行うなどして一体感を強化します。これを通じて、チームメンバー同士の理解と信頼感が深まり、エンゲージメントも向上します。 フィードバックの提供と受け取り:チームメンバーに対して定期的に具体的かつ建設的なフィードバックを提供します。また、自己へのフィードバックも積極的に求めることで、組織の成長と透明性を促進します。 |
これらの活動を実行することで、上司からエンゲージメントの向上を助け、組織全体の生産性と満足度の向上に寄与します。
▼エンゲージメント向上に向け、部下育成の具体的なポイントについては下記で詳しく解説しています。⇒部下が育ちにくい原因と10の対処法!「仕事」を与えない上司の部下は育たない?
エンゲージメント向上に向け職場メンバーがすぐにできること
エンゲージメント向上に向けて、職場のメンバーがすぐにできることは以下の通りです。
コミュニケーションを強化する:定期的にメンバー同士で情報を共有し、質問や意見をオープンに出し合うことで、互いの理解を深め、エンゲージメントを向上させることができます。 誠実さと一貫性を持つ:自分の約束を守り、誠実に仕事に取り組むことで信頼感が生まれ、エンゲージメントが向上します。 自己成長の機会を作る:ワークショップやセミナーなどの教育機会を探したり、新しいプロジェクトや役職にチャレンジすることで、自己成長を促し、エンゲージメントが向上します。 相互にフィードバックを提供する:プロジェクトや仕事に対するフィードバックや意見を積極的に提供するだけでなく、他のメンバーからのフィードバックを受け入れ、改善に活かすことも大切です。 チームワークを大切にする:チームの目標を確認し、それぞれが目標達成に向けて自分の役割を理解し、協力しながら作業を進めましょう。これにより、結束力とエンゲージメントが高まります。 定期的に自己評価を行う:自分自身の仕事のパフォーマンスを定期的に振り返り、どのように改善できるかを考えることで、スキルを高め、エンゲージメントを向上させることができます。 |
これらの行動を日常的に実行することで、職場のメンバーは互いに助け合い、協力することでエンゲージメントの向上に寄与できます。
エンゲージメント向上の推進施策
ここでは、エンゲージメント向上を推進するための組織的な取り組みを4つ紹介します。
(エンゲージメント向上の施策)
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①組織の現状把握と課題の定義
エンゲージメント向上を推進するためには、組織の現状を把握してエンゲージメント向上への課題を定義する必要があります。
組織の課題(離職率、労働環境、人間関係、キャリア支援など)を具体的に洗い出すことが大切です。
課題解決に向けて、エンゲージメントの向上に関わる要素(指標)をいくつか用意することで、より効果的な取り組みが実現できます。
②研修・人材育成の改善
研修や人材育成のあり方を改善することで、エンゲージメント向上の推進につながります。
社員が高い意識でキャリアアップを目指せるよう、各種研修の内容や目標設定、人材育成の手法を改善することが重要です。
また、現代では求められるスキルも多岐にわたっており、社員個々人に合わせた学習を提供していくことが必要です。
LMS(学習管理システム)であれば、組織全体の研修・学習の管理ができるため、自社の社員に合ったより効果的な学習を提供できるようになります。
▼エンゲージメント研修についてはこちらもご覧ください。⇒エンゲージメントを高める研修とは?カリキュラムと成功させる秘訣を解説!
③ワークライフバランスの取り組みを強化する
エンゲージメント向上の推進には、ワークライフバランスの取り組みの強化が有用です。
ワークライフバランスとは、仕事と生活が両立できている、充実している状態のことをいいます。
フレックス制や在宅ワークなどを取り入れ、多様な働き方や選択肢を用意することでワークライフバランスを実現している企業もいます。
ワークライフバランスの実現に向けた取り組みはエンゲージメント向上だけではなく、社員の定着、離職低下、モチベーション向上など多岐にわたるメリットがあります。
④人事評価制度の最適化
エンゲージメント向上を推進するためには、企業の人事評価制度の最適化が必要です。
人事評価制度の最適化をする際は、現在の人事評価システムが組織のエンゲージメント向上における課題を解決できるものなのか見直さなければなりません。
エンゲージメントサーベイなどを活用し社員の声を拾いながら、エンゲージメントを高めていくための要素を人事評価システムに反映させるなど、工夫が求められます。
▼エンゲージメントを高めるための取り組みについては下記でも詳しく解説しています。⇒従業員エンゲージメントを高める効果的な取り組みとは?おすすめのソリューション6選も紹介!
エンゲージメント向上のメリット
ここでは、エンゲージメント向上が企業にもたらすメリットを3つ紹介します。
(エンゲージメント向上のメリット)
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①組織の活性化につながる
エンゲージメントを高めることで、組織に対する愛着や帰属意識が生まれることで、やらされ感ではなく自主的に貢献したいと思えるようになります。
「どうすれば目標を達成できるのか」「どうすれば組織をよくできるか」など、前向きな考えが生まれやすくなるため、組織全体のパフォーマンスアップが期待できます。
組織が活性化することで生産性が向上し、業績アップも期待できるため、企業にとってエンゲージメント向上は重要な取り組みの一つです。
②キャリアアップを目指す社員が増える
エンゲージメントを高めることで、仕事に対する熱意や自身の成長に対するモチベーションが生まれやすくなります。
社員のなかにキャリアアップのために成長しようとする意識が芽生え、社員個人のパフォーマンス向上が期待できます。
熱心に仕事に取り組む傾向が増せば、企業全体のレベルアップにつなげることも可能です。
③離職防止につながる
社員のエンゲージメントを高めることで、経営理念・方針を理解し、仕事に対するやりがいを感じられるようになります。
早期離職する社員の大半は「仕事にやりがいを感じない」「企業の方針が理解できない」など、何らかの不満を抱いて離職を決意するケースがあります。
エンゲージメントを高め、社員の帰属意識や組織への愛着が高まることで、離職防止につなげることが可能です。
▼離職防止については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。⇒若手社員の離職防止をするには?効果的な取り組みや定着を支援するツールも紹介!
エンゲージメント向上する上での課題
期待の明確化を図ること
社員が自分の仕事の目標と期待を明確に理解していることが重要です。これには社員が担う業務上のタスクなどの制度的役割だけではなく、部署や職場の中での周囲からの期待される役割も含みます。
期待される役割が明確になると、それに対するモチベーションが高まり、積極的に活動しようという意識が生まれやすいです。
フィードバックとコミュニケーションを行うこと
社員は定期的にフィードバックを受け取ることで、自分がどのようにパフォーマンスを発揮しているかを理解し、必要な改善点を確認することができます。
フィードバックはタイムリーに行われることが重要です。Here &Now(その場その時)でのフィードバックを心がけましょう。
また、コミュニケーションを通じて、社員は困難な問題を上司やチームと共有し、解決策を共同で見つけ出すことが可能です。
心理的安全性の確保すること
社員が自分の意見を自由に表現でき、その意見が尊重され、認識される環境は、良好なエンゲージメントを生む土台となります。
この心理的に安全な状態を作り出すことが、エンゲージメントを生む土台となります。心理的安全性を高め、風通しを良くすることはとても重要な要素です。
▼心理的安全性については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。⇒"心理的安全性"がビジネスに必要な理由?エドモンドソン博士の視点を解説
成長の機会を提供すること
キャリアアップの道筋やスキル向上・成長の機会が与えられると、社員は自分が価値ある一員であり、組織が自分たちの成長を支援してくれると感じます。
成長を支援することでエンゲージメントが高まり、これが長期的な社員定着にも繋がります。
働きがいの実感を得られるようにすること
仕事を通じて価値を提供できたり、顧客や他者から感謝されたりすれば、社員はより満足感を得て、仕事に情熱を持つことができます。
これは組織のビジョンやミッションと価値観と社員が携わっている仕事内容がしっかりとリンクすることで実現できます。また実現につなげるために組織のビジョンやミッションと価値観の共有し、従業員が理解共感し、そしてそれを自らの行動や仕事に反映しようとする姿勢が重要です。
エンゲージメント向上への取組事例
自律自走できる人材が育つエンゲージメントの高い職場づくり
導入前の課題 ~自律自走の人をつくるために自分たちの職場を自分たちで変えていきたい~ 製造本部では、自律自走の人づくりを目指し、さまざまな取り組みを行ってきました。その中で行ったエンゲージメント診断の結果から、職場メンバーと上司との関係性がエンゲージメントに大きな影響を与えることがわかりました。 |
取り組みの詳細 ~自分たちの職場を変えていくためのツール(武器)を中核リーダーに提供し、リーダーを中心とした職場変革へ~ まずは全体から2工場をピックアップし、その工場の中核リーダーに対してエンゲージメント研修を(株)ビジネスコンサルタントのコンサルタントが実施しました。 職場の中のリーダー層を対象に、工場内のエンゲージメント向上に必要なポジティブ心理学の考え方を学習するとともに、メンバーの潜在能力に気付き、向上を促すコミュニケーションの方法について学習しました。 その後、エンゲージメント研修で学習したことを職場で浸透させていくために、中核リーダー4名を選抜し、SBRP(ストレングス ベースド レジリエンス プログラム)のライセンスを取得し、自分たちがレジリエンス研修を実施するための基本的なスキルを身につけていただきました。 社内の中核メンバーが実施をすることにより、研修会とはいえ、気負うこともなくメンバー同士も率直にお互いについて語り合うことができ、充実した内容になりました。
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導入後の成果 ~職場内での研修会を通して、自己理解・他者理解ができお互いの関係性が深まった~ ライセンス取得者(中核リーダー)によるレジリエンス研修を受講した方からは、自分の強みを確認できたり、他の人から自分も気付かない強みを指摘してもらったりすることで自信になったという話や、お互いがお互いについての話ができたことで、より関係性が深まったという感想を多くいただきました。 例年2回実施しているエンゲージメント診断の結果も対象の工場の数値が向上したことにより、新たにライセンス取得者を増やして本取り組みを加速していくことになっています。 |
社員のキャリアアップを支援する学習環境づくり
エンゲージメント向上には社員のキャリアアップを支援できる学習環境づくりが必要です。
学習管理システム(LMS)などを活用して、社員が自律的に学習できるeラーニングの配信などを行いながら、学習の進捗状況や各研修の一元管理ができます。
社員の成長が可視化されるため、より的確なフィードバックやサポートができるようになります。
LMSの中には、個人診断結果から、自分の強みや啓発点に合わせてコンテンツの自動レコメンドしてくれるものもあります。
また、上司と部下の設定をし、上司から部下におすすめコンテンツをタスクとして割り振るができるものもあります。
そのような学習環境を整備することで、より効果的・効率的な学習を提供し、社員のキャリアアップを支援することが可能です。
まとめ
この記事では、エンゲージメントについて以下の内容で解説しました。
- そもそもエンゲージメントとは?
- エンゲージメント向上の推進施策
- エンゲージメントの向上のメリット
- エンゲージメントを高める上での課題
- エンゲージメント向上に向けマネジャーがすぐにできること
- エンゲージメント向上に向け職場メンバーがすぐにできること
- エンゲージメント向上への取組事例
- 社員のキャリアアップを支援する学習環境づくり
エンゲージメント向上は離職防止や会社全体のレベルアップなど、さまざまなメリットがあるため企業で取り組むことは重要です。
評価制度の見直しや教育体制の見直し、ワークライフバランスの実現など、エンゲージメント向上を推進できる取り組みは多岐にわたります。
自社の方針やニーズによって最適な取り組みが異なるため、社員の意見を取り入れながら推進していくことが大切です。
エンゲージメント向上を目指すのであれば、社員のキャリアアップを支援するシステムの導入も有用な手段の一つです。
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