
リーダーシップ研修とは?概要や効果から実施の流れまで網羅して解説
「リーダーシップ研修がどういうものかわからず、必要かどうかを判断できない」
「組織の成長に課題を感じているけれど、リーダーシップ研修が必要なのだろうか?」
リーダーシップ研修とはどういうものなのかがイメージできず、やるべきかどうかの判断に迷って本記事へたどり着いたのではないでしょうか。
リーダーシップ研修とは、企業や組織で求められているリーダーとしての能力を養い、社員のリーダーシップスキルを高める研修です。
▼リーダーシップ研修とは
リーダーシップ研修の目的 |
リーダーシップを発揮できる人材を育成すること |
リーダーシップ研修の対象者 |
組織内でリーダーシップを発揮するすべての社員 |
リーダーシップ研修の研修形態 |
社内研修・社外研修・オンライン研修 |
リーダーシップ研修の実施期間 |
半日から2日程度 |
現代社会は目まぐるしく変化し、将来の予測も困難な時代です。
こういう時代にリーダーシップを発揮できる人材がいなければ、時代に順応した対応ができず、大きなトラブルに発展する可能性があります。
情緒面でサポートしてくれる存在がなければ、社内のコミュニケーション不足によりメンバーのストレスが肥大し、モチベーションが低下して離職率を高めてしまうかもしれません。
このような背景から、予測が困難な時代でも進むべき方向へメンバーを導いてくれるリーダーシップを発揮できる人材の重要性がますます高まっています。
企業の存続にも関係する重要課題であるため、優れたリーダーを育成するリーダシップ研修に注目している企業が増えています。
そこで本記事では、リーダシップ研修の基本からおさらいしながら、研修内容やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
本記事を読むことで叶うこと |
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実際に研修を実施することになった場合に押さえておきたい、研修を成功へ導く流れとSTEPごとのポイントも紹介しているので、本記事を読めば最短で優秀なリーダーを育成できるようになるはずです。
▼リーダーシップについてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。
- リーダーシップがある人とは?5つの特徴と育成する方法を詳しく解説
- リーダーシップが苦手な人がしている誤解とは?成長できる方法を解説!
- リーダーシップ発揮に必要なトレーニングとは?不可欠な要素を解説!
-
リーダーシップ開発とは?実務で使える6ステップの実践ポイント
- 心理的安全性を高めるリーダーシップのあり方とは?リーダーの覚悟がカギ!
▼リーダーシップの源泉は自己理解です。下記にまとめています。
目次[非表示]
- 1.リーダーシップ研修とは
- 1.1.リーダーシップ研修の目的
- 1.2.リーダーシップ研修の対象者
- 1.3.リーダーシップ研修の研修形態
- 1.4.リーダーシップ研修の実施期間
- 1.5.リーダーシップとマネジメントの違い
- 2.リーダシップ研修の内容
- 3.リーダーシップ研修の受講で習得が期待できる主な能力
- 3.1.個々の強みを生かしてチームの力を最大限に発揮させる「チームビルディング能力」
- 3.2.問題の早期発見・解決へ導く「課題解決能力」
- 3.3.メンバーの自主性を伸ばして成長意欲を高める「メンバーの育成能力」
- 3.4.適当な人材をアサインして行動を促す「周囲を巻き込む能力」
- 4.企業がリーダーシップ研修を行うメリット
- 4.1.生産性や効率性につながる
- 4.2.組織全体の労働環境の改善につながる
- 4.3.企業のブランド価値が向上する
- 5.企業がリーダーシップ研修を行うデメリット
- 5.1.研修対象者からの理解を得られない
- 5.2.社内風土によっては無駄に終わってしまう
- 5.3.参加者の負担が増える
- 6.組織の多様化や働き方の変化などでリーダーシップ研修の必要性は高まっている
- 6.1.理由①|Z世代以降の仕事に対する価値観や目的意識が変化している
- 6.2.理由②|VUCA時代に順応できる組織づくりが必要になっている
- 6.3.理由 ③|人材確保と定着が難しい時代で深刻な人材不足の状況にある
- 7.【全7STEP】リーダーシップ研修を成功へ導く実践の流れ
- 7.1.STEP1|研修目的と目指すべき姿や目標を明確化する
- 7.2.STEP2|リーダーシップに関する現状分析とニーズを可視化する
- 7.3.STEP3|具体的な研修内容を設計する
- 7.4.STEP4|プロジェクト遂行に必要な予算とリソースを確保する
- 7.5.STEP5|適切な対象者(参加者)を決定する
- 7.6.STEP6|リーダーシップ研修を実施する
- 7.7.STEP7|実施後もフィードバックや定点観測を行いPDCAを回す
- 8.リーダーシップ研修を通して理想のリーダーを育成するためのコツ
- 8.1.学びを可視化できるようにする
- 8.2.座学と実践をバランスよく組み合わせる
- 8.3.研修後に実践できる環境を与える
- 9.リーダーシップ研修のコツをすべて実践したいなら専門家の力を借りよう
- 10.まとめ
リーダーシップ研修とは
冒頭でもお話しした通り、リーダーシップ研修とは、企業や組織で求められているリーダーとしての能力を養い、社員のリーダーシップスキルを高める研修です。
リーダシップ研修を通して、事業や組織をけん引する統率力や課題解決能力、チームメンバーの育成・指導力などの能力を習得することができます。
この章では、リーダーシップ研修とはどういう研修なのかを理解できるように、研修の目的や実施形態などを紹介します。
リーダーシップ研修についてよくわかっていないという人は、この章を読んでリーダーシップ研修の全貌を把握しましょう。
リーダーシップ研修の目的
リーダーシップ研修の目的は、次期リーダーとして考える社員を、企業・組織が求めるリーダー像と合致する人材に育成し、事業やチームの目標達成に貢献できるようにすることです。
リーダーシップを発揮できる人材がいると、メンバーとコミュニケーションを図りながら進むべき方向へと率いてくれるため、組織全体のエンゲージメントが向上し、チームメンバーの士気も高まります。
結果的に、組織やチームの成長を促し、目標達成へ導いてくれる人材を育成することを目的に、リーダーシップ研修を実施する企業が増えています。
リーダーシップ研修の対象者
リーダーシップ研修の対象者は、事業やチームなど、組織内でリーダーシップを発揮するすべての社員です。
管理職だけでなく、中堅社員、次世代リーダーを担うメンバーなどもリーダーシップ研修の対象となります。
管理職 |
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中堅社員 |
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次世代リーダーを担うメンバー |
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次期管理職でなくとも、リーダーシップ研修を通して、スキルを身につけることで、事業やチームのパフォーマンス・業務の質の向上も期待できます。
組織の中核を担うリーダーであることを強く意識させるためにも、今後、組織内でリーダシップを発揮してほしい社員を対象に実施しましょう。
リーダーシップ研修の研修形態
リーダシップ研修の実施形態は、大きく分けると社内研修・社外研修・オンライン研修の3つが挙げられます。
社内研修 |
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社外研修 |
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オンライン研修 |
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研修形態のメリットは異なるため、コストや準備にかかる工数、受講者間の交流など、研修内容に加えた要素で判断するようにしましょう。
リーダーシップ研修の実施期間
リーダーシップ研修は、半日から2日程度のスケジュールが一般的です。
半日の場合は基礎的な座学が中心となるケースが多いですが、1~2日間のカリキュラムでは、グループワークやゲーム形式での研修などが組み込まれており、より実践的な研修が期待できます。
リーダーシップとマネジメントの違い
リーダーシップもマネジメントも組織の成果を上げるために目指す方向は同じですが、目的や時間軸などに違いがあります。
リーダーシップ |
マネジメント |
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共通点 |
事業やチームの目標を達成することを目的とする |
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手段 |
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役割 |
あるべき姿を示す |
あるべき姿にする |
アプローチ |
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必要な能力 |
組織やチームメンバーをまとめ上げ、目標達成に向けた方向性を示し、動機付ける能力 |
限られた経営資源を効果的に配分できるよう組織構造を設計し、人材配置をして組織運営を最適化する能力 |
例えるなら、リーダーシップは目的地を指し示す役割で、マネジメントは目的地までのルートを整備する役割です。
決められたルートで目的地を目指すのではなく、メンバーごとでルートが違っても、同じ方向を向いて目的地を目指せるよう、強力なリーダーシップでメンバーをけん引します。
将来の経営幹部や後継者の育成においては、マネジメントのスキルも必要とされていますが、視点が異なるリーダーシップも企業の発展に欠かせないスキルになっています。
リーダシップ研修の内容
リーダーシップ研修と言っても、アプローチ方法はさまざまです。
研修によって、具体的にどのようなスキルや能力を養えるかが変わってくるため、研修内容を把握し、具体的にイメージできるようになることが大切です。
この章では、モデルケースを挙げて、リーダーシップ研修の内容と習得できる具体的なスキルについて紹介します。
モデル①|メンバーの状況に合わせたリーダーシップの習得
モデルの1つ目が、メンバーの状況に合わせたリーダーシップを習得する研修プログラムです。
社員一人ひとりの強み・弱みはもちろん、価値観も異なりますよね。
相手の理解を促し、行動を起こしてもらうためには、コミュニケーションを通して、メンバーを理解することがとても重要です。
そのため、リーダーはメンバーの状況を理解した上で、個人の力を引き出したり、成長を促す働きかけをしたりする力を育成するための内容が求められています。
例えば、LDcubeではリーダーに必要なリーダーシップとは何かという基本から、メンバーとの効果的な関わり方について習得できる複数のプログラムを1つのパッケージとして提供しています。
コース例 |
内容 |
21世紀の好業績チーム |
メンバーがチーム全体の結果に対する責任感を共有し、達成すべき目的に注力する方法を学ぶ |
ビジョンとリーダーシップ |
リーダーシップとビジョンの関係についての理解を深めた上で、ビジョンを創造して機能させる方法やチームのやる気・モチベーションの源を見つける方法などを学ぶ |
更なる高みを目指すコーチングコース① |
基礎的なリーダーシップを身に付けた人が、更にその能力をはっきするために学習する |
更なる高みを目指すコーチングコース② |
前進するために、弱点を受け入れて認識や行動を改める思考を学習する |
更なる高みを目指すコーチングコース③ |
自分らしさや承認力を高めるようなコーチングを学習する |
これからの時代に求められるリーダーコース① |
第一印象の重要性や職務を超えて高いパフォーマンスを実現するためのリーダーの役割について学習する |
これからの時代に求められるリーダーコース② |
仕事における幸福や、チームのネガティブパワーを防ぐ方法などを学ぶ |
リーダーシップを基礎から体系的に学びつつ、人を動かす話し方についてのスキルも習得できるので、リーダーシップ候補者や今後リーダーになるうえでのスキルを身につけたい方におすすめです。
以下のeラーニングパッケージの詳細ページで、無料トライアルの紹介をしているので、実際にお試ししてから導入をご検討いただけます。
モデル②|時代に合わせたリーダーシップの習得
2つ目のモデルは、デジタル化が進んでいる現代社会ならではのリーダーシップを習得できる研修プログラムです。
組織に求められるリーダーシップの要素のひとつに「意志決定力」があります。
例えば、AI技術の発達により、ビジネスシーンでも多くの場面で活用されるようになっていますが、リーダーはAIに使われるのではなくAIをいかに活用しながらリーダーシップをとるのかがとても重要です。
つまり、常に変化する状況を見ながら、自ら考えて臨機応変に判断し、行動する力が求められているのです。
LDcubeでは、AI時代に求められるスキルを習得できるプログラムを「AI時代のリーダーシップパッケージ」というパッケージにして、要素を満たすのに必要な学習を提供しています。
コース例 |
内容 |
チェンジマネジメント |
変革プロジェクトとは何かという基本を含む、変革のマネジメントとチェンジリーダーシップに関して学習する |
AI活用によるリーダーシップ① |
日々の意志決定や行動に役立つ「コンピュテーショナルリーダー」(コンピューターを効果的に利活用するリーダー)について学習す |
AI活用によるリーダーシップ② |
AIによる自律性の強化やAIリーダーシップへの備え方など、戦略でのAI活用や意思決定の最適化などを学習する |
不確実性なリーダーシップ① |
不確実性の本質やリスクを分散させる意味などを学ぶ |
不確実性なリーダーシップ② |
発想の転換や、可能性を引き出す行動を起こす方法、不確実性にともな困難の中でも自らを維持する方法などを学 |
時代に合わせた新たなリーダーシップを模索しているケースや、AI活用に興味がある場合には、一例としてこうしたプログラムがおすすめです。
以下のeラーニングパッケージも体験版の申し込みを受付しており、無料でお試しいただけます。この機会にぜひeラーニングを活用した研修をご検討ください。
リーダーシップ研修の受講で習得が期待できる主な能力
先述の通り、リーダーに求められるスキル・能力は、後天的に身につけることが可能です。
研修の受講で具体的に習得できる能力としては、次の4つが挙げられます。
なぜ研修をうけることで上記能力が身につくのかを詳しく解説します。
個々の強みを生かしてチームの力を最大限に発揮させる「チームビルディング能力」
リーダーシップ研修で取得できる能力の1つ目が「チームビルディング能力」です。
「チームビルディング(team building)」は直訳すると「チームづくり」という意味で、メンバーを率いてチームの成長や発展を促し、パフォーマンスの向上を図る重要なプロセスとなっています。
リーダーシップ研修では、チームワークの土台となる考え方や組織・チームの状態にあったコミュニケーション、チームの行動と意思決定の基盤となる理念の形成などを学びます。
研修を通して、より強固で協力的なチームを作るスキルが身につくため、各メンバーの能力を最大限に発揮できる環境を整えるチームや組織づくりに貢献できます。
問題の早期発見・解決へ導く「課題解決能力」
研修で習得できる能力の2つ目は、「課題解決能力」です。
研修で問題の本質を捉え、適切な解決策を導き出す論理的思考や的確な意思決定の方法を学び、迅速に対処するためのスキルを習得できるからです。
実際、研修においては、問題解決のためのアイデアを現場からくみ上げる方法から、問題解決の基本を理解し、適切に対応するまでの一連のプロセスを網羅的に学ぶケースが多く見られます。
変化が激しく、将来の予測も容易ではないVUCA時代において、リーダーは組織・チームにおける課題を早期発見・把握して、スピーディーかつより良い判断をして速やかに解決する能力が求められます。
リーダーシップ研修を受講することで、問題の早期発見・解決へ導く「課題解決能力」が向上し、ビジネスにおけるトラブルを未然に防ぎ、円滑な運営・業務を実現できる能力が身につきます。
メンバーの自主性を伸ばして成長意欲を高める「メンバーの育成能力」
リーダーシップ研修を通して習得できる能力の3つ目が「メンバーの育成能力」です。
研修において、適切なフィードバックの方法や、メンバーの強みを引き出すコーチングスキルを学ぶからです。
業務を円滑に進め、組織やチームの目標達成をするには、メンバー自身に高いモチベーションを持ってもらい、チームの目標達成を自分事と捉えて、自発的に行動させる必要があります。
そのため、研修では相手に合わせたアドバイスや、相手の主体性やモチベーションを最大限に引き出すフィードバック方法を含めた指示・指導の方法を取り入れているケースが多く見られます。
LDcubeでも、
更なる高みを目指すコーチングコース①(マイクロラーニング)
更なる高みを目指すコーチングコース②(マイクロラーニング)
更なる高みを目指すコーチングコース③(マイクロラーニング)
といった、メンバーに対する質問や組織内でのコミュニケーション・フィードバックの適切な方法を学ぶコースを提供しており、メンバーのポジティブなエネルギーを引き出すスキルを習得できます。
その結果、メンバーの自主性を高め、成長意欲を持って主体的に行動できる人材育成を行うことができます。
適当な人材をアサインして行動を促す「周囲を巻き込む能力」
リーダシップ研修で習得できる4つ目の能力は、「周囲を巻き込む能力」です。
周囲を巻き込む能力とは、組織やチームの目標達成に向けて、メンバーなどの他者の信頼と協力を得ながら、適当な人材を配置してうまく動かしながら一緒に成し遂げる力のことです。
多くのリーダーシップ研修ではメンバーの特性を理解し、適切な役割分担を行う方法や、協力を引き出すコミュニケーションの方法を学ぶため、周期を巻き込む能力を高めることができます。
プロジェクトや目標の達成は、社内外にいるステークホルダーの協力が欠かせません。
研修を通して「周囲を巻き込む能力」が身につけば、他者との関係を築き、円滑にプロジェクトを遂行して目標を達成するための行動を取れるようになります。
その結果、チーム全体が主体的に動き、組織としての成果を高められるようになるはずです。
企業がリーダーシップ研修を行うメリット
ここまでリーダーシップ研修の概要から具体的に習得できる能力について見てきたものの、企業にとってどんなメリットがあるのかを具体的にイメージできていない人もいると思います。
次期リーダーを担うメンバーに対し、企業がリーダーシップ研修を実施するメリットとしては、次の3つがあげられます。
どのように組織やチームのパフォーマンス向上やメンバーのモチベーション維持などに関与するのかを理解しておきましょう。
生産性や効率性につながる
リーダーシップ研修を行うメリットのひとつが、生産性や効率性につながることです。
研修でリーダーとしての役割や適切な振る舞いを学んだことで、チームが円滑に動くようになり、生産性、効率性の向上が期待できるのです。
具体的には以下のようなイメージです。
研修を通じてリーダーとしての自覚を持ち、自らの方向性を示すという役割や責任を認識する |
このように、スムーズな業務の遂行が可能になり、個人だけでなくチーム全体の生産性や効率性の向上にも貢献できます。
組織全体の労働環境の改善につながる
リーダーシップ研修を行うことで、組織全体の労働環境の改善につながることもメリットのひとつです。
リーダーシップ研修を通して、チームワークの土台となる考え方や組織・チームの状態にあったコミュニケーションを身に付けることができます。
このことで、チーム内で適切なコミュニケーションが取れるようになり、意思疎通のミスが減ります。
また、業務のスムーズな進行やチームの連携強化といった効果が期待でき、チームワークが良くなって働きやすさにもつながりやすくなります。
リーダーが、より良いチームワークを発揮するためのスキルを習得することで、職場環境が改善され、メンバーのモチベーション向上や社員の定着率も高まれば、組織の安定感につながります。
企業のブランド価値が向上する
リーダーシップ研修により、リーダーが課題解決能力を身に付けることで、企業のブランド価値向上につながる可能性があります。
部署やチームのリーダーが課題解決能力を習得していることで、問題が発生した際にも適切な解決策を導き、そのための判断を下せるようになります。
また、リーダーが事前に方向性を示し、周知することで、各メンバーも共通認識のもと同じ目線での対応ができるようになるはずです。
そうなると、例えば予期せぬトラブルやイレギュラーが発生した場合も、リーダーの指示を受けなくとも担当者ベースで迅速に対応ができます。
その結果、リスクを最小限に抑えることができ、社外の評価が高まることで、企業のブランド価値向上も期待できます。
企業がリーダーシップ研修を行うデメリット
企業に有益なメリットをもたらす可能性があるリーダーシップ研修ですが、デメリットはないわけではありません。
以下のようなデメリットもあります。
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研修内容や実施方法を適切に調整し、より効果的なプログラムを実行するためにも、リーダーシップ研修のデメリットについても把握しておきましょう。
研修対象者からの理解を得られない
リーダーシップ研修を行うデメリットのひとつが、研修対象者からの理解を得られないことです。
リーダーシップ研修の必要性や重要性、なぜ自分が受けるべきなのかという理由や実施の目的が十分に伝わっていない場合、参加に対して消極的になり、学習効果も薄れてしまう可能性があります。
そのため、リーダシップ研修を行う場合は、対象者に対して研修の意義や期待される成果などを明確に伝え、研修に対する納得感を高める必要があります。
社内風土によっては無駄に終わってしまう
社内風土によっては、研修が無駄に終わってしまうこともデメリットとして挙げられます。
なぜなら、リーダーシップ研修で必要なスキルを習得しても、受講者が主体的に考えて行動できる風土がなければ、研修内容を実務で最大限に活かすことが難しいからです。
例えば、徹底的にトップダウンで業務を遂行する風潮の中、研修で「主体的に意思決定し、周囲を巻き込む力」を学んでも、職場に戻れば結局上司の指示や判断の下で動くしかありません。
このように、組織全体が自主性を重視しない環境下においては、研修の内容が現場で適切に活かされず、形骸化してしまいます。
そのため、組織の環境も考慮した研修内容を設計したり、場合によっては社内の意識や風潮を変えたりしていく必要があるでしょう。
参加者の負担が増える
参加者の負担が増えてしまうことも、デメリットのひとつです。
通常の業務をこなしながらリーダシップ研修を受けることになるため、単純に考えると、研修時間分、いつもより勤務時間が長くなります。
参加者の負担が増え、それがストレスとなって生産性の低下につながる可能性もあります。
そのため、リーダシップ研修を行う場合は、参加者の状況に合わせて、研修時の業務を分担するなど、業務に支障が出ないように研修スケジュールの調整や見直しを行う必要があります。
また、eラーニングなどをうまく使い、参加者がスキマ時間で受講できるような仕組みを作ることも有効です。
組織の多様化や働き方の変化などでリーダーシップ研修の必要性は高まっている
企業がリーダーシップ研修を行うメリット・デメリットについて見てきましたが、会社や事業の維持、成長、拡大において、リーダーシップを発揮できる人材は必要不可欠です。
そのため、デメリットを踏まえても以下3つの理由からリーダーシップ研修は実施すべきと言えます。
上記のような理由を把握し、現代社会におけるリーダーシップの必要性について理解を深めましょう。
理由①|Z世代以降の仕事に対する価値観や目的意識が変化している
リーダーシップが必要とされる理由の1つに、Z世代以降の仕事に対する価値観や目的意識が変化していることが挙げられます。
特に、Z世代と言われる1990年代後半から2010年代前半に生まれた若手世代は、ワークライフバランスを重視する傾向にあり、仕事の意義や社会的インパクトなどの目的意識も重要視しています。
多様化する人材をうまくコントロールし、組織として統一することが重要となるため、世代間ギャップを理解し、各世代の価値観や意識に寄り添ったリーダーシップを発揮できる人材の必要性が高まっています。
特に、以下に当てはまる企業は、リーダーシップ研修の必要性が高いと言えるでしょう。
▼こんな企業におすすめ
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理由②|VUCA時代に順応できる組織づくりが必要になっている
リーダーシップの必要性が高まっている2つ目の理由として、VUCA時代に順応できる組織づくりが求められていることが挙げられます。
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字です。
現代社会は、その不確かで予測が困難なVUCA時代の渦中にあるため、変化に対して柔軟に対応し、組織やチームを成功へ導くリーダーの存在が不可欠となっています。
出典:LDcube「リーダーシップ開発とは?実務で使える6ステップの実践ポイント」
そのため、時代に合ったリーダーシップを発揮できる人材の育成が急務となっており、リーダーシップ研修の必要性が高まっているのです。
特に、以下に当てはまる企業は、VUCA時代に順応できる組織を導くリーダーの育成を検討しましょう。
▼こんな企業におすすめ
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理由 ③|人材確保と定着が難しい時代で深刻な人材不足の状況にある
3つ目の理由は、人材確保と定着が難しく、深刻な人材不足が続いている点が挙げられます。
少子高齢化が進んでいる上に、労働市場が流動的で人材の定着や確保が難しくなってきています。
下グラフは、中小企業庁がまとめた「従業員数過不足DI」の推移です。
コロナ禍に一時的な上昇が見られたものの、ご覧の通り、右肩下がりになっており、人材不足は深刻さが増しています。
そのため、優秀な人材の確保は企業の課題のひとつにもなっており、メンバーを育成して定着をさせるうえでも、リーダーシップを発揮する人材の必要性が増しているのです。
特に、以下に当てはまる企業は、深刻な人材不足を防ぐ意味でも、リーダーシップの必要性が高まっている状況と言えるでしょう。
▼こんな企業におすすめ
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【全7STEP】リーダーシップ研修を成功へ導く実践の流れ
では、実際にリーダーシップがある人を育成するためには、どのようなフローで進めるべきなのでしょうか?
具体的な研修の流れを7つのSTEPに分けて解説します。
成功へ導くポイントもお伝えするので、要点を押さえたうえで実施しましょう。
STEP1|研修目的と目指すべき姿や目標を明確化する
組織の考えにマッチするリーダーシップを発揮してもらうためには、自社が求めるリーダーシップや理想のリーダー像、目指すべき目標を明確にすることが大切です。
リーダーシップのスタイルもさまざまで、先頭に立ってみんなを引っ張っていくスタイルや、想いや考えをシェアしながらけん引するスタイルなど、どのスタイルを目指すかで育成方法が異なるからです。
また、組織の戦略やメンバーの価値観でも育成するリーダーの方向性が違ってきます。
そのため、自社が求めるリーダーシップとは何かを言語化し、理想のリーダーシップの形を明確にしましょう。
▼研修目的やリーダーシップ像を明確化するためのポイント
(1)組織のビジョンとリーダーシップの目的を一致させる (2)SMARTに当てはめて目標を設定する (3)社内での合意形成を図る |
STEP2|リーダーシップに関する現状分析とニーズを可視化する
自社が考えるリーダーシップが明らかになったら、次はリーダーシップ研修の対象者となる人材のニーズや希望を理解するために、現状を分析してニーズを把握しましょう。
課題や強化すべき点を見つけるこの過程は、研修成功の鍵を握る重要なプロセスです。
▼現状分析とニーズ特定のポイント
(1)組織におけるリーダーの現状を把握する (2)リーダーシップに関する課題を特定する (3)想定対象者のニーズや希望を把握する (4)ギャップを分析する |
この後具体的な研修内容を設計していくため、ポイントを元にニーズを可視化していきましょう。
STEP3|具体的な研修内容を設計する
STEP2までの情報をもとに、具体的なプログラムを設計していきます。
目的やリーダー像に合った内容を盛り込み、研修や実戦的な経験などを組み合わせていくことがポイントです。
▼プログラムの設計のポイント
(1)目的や目標から逆算する (2)多様な学習要素を組み合わせる (3)対象者の特性やニーズに合わせてカスタマイズする |
eラーニングを活用した座学だけでなく、ワークショップやグループディスカッションも取り入れるといった形で、知識の習得と実践に移す機会をバランスよく組わせることが大切です。
STEP4|プロジェクト遂行に必要な予算とリソースを確保する
具体的な研修内容を決定したら、そのプロジェクトを遂行するのに必要な予算とリソースを確保しましょう。同時に、プログラムを実行するのに必要な設備や教材の準備も進めます。
▼予算とリソースの確保のポイント
(1)予算の確保と配分 (2)社内リソースの活用 (3)外部リソースの選定 (4)設備や教材の準備 |
研修をアウトソースする場合、依頼先によって準備の範囲が異なります。
人材育成会社からの提案書や見積もりの詳細を確認し、研修内容や予算と照らし合わせて検討しましょう。
STEP5|適切な対象者(参加者)を決定する
研修プランが固まったら、具体的に研修を行う対象者を決定します。
研修を成功へ導くためには、適切な参加者の選定が鍵となってきます。プログラムの目的や目標と合致する選定基準を設け、対象者を見極めていきましょう。
なお、実施する場合は、参加者の上司との調整を行い、理解を得ることも非常に重要です。
▼参加者選定のポイント
(1)選定基準の明確化 (2)公平性と透明性の確保 (3)上司との調整 (4)参加者の多様性の考慮 (5)参加者のモチベーションの確認 |
研修の成果が、将来に大きな影響を与えるため、十分な時間をかけて対象者を厳選しましょう。
STEP6|リーダーシップ研修を実施する
研修内容と形式、対象者が決定したら、リーダーシップ研修の本番です。計画に沿ってプログラムを進行しましょう。
▼プログラム実施のポイント
(1)計画に沿った進行管理 (2)参加者の主体的な学びの促進 |
参加者が有意義な時間を過ごし、成長を最大限に引き出すことができるよう、研修を実行しましょう。
STEP7|実施後もフィードバックや定点観測を行いPDCAを回す
研修を行った後も、フィードバックや定点観測を行いPDCAを回すことが大切です。
一過性のイベントで終わらせず、継続的に取り組んで定着させていくことがリーダーシップを最大限に引き出すことにつながるからです。
STEP1で設定した目的や目標、リーダー像に対する達成状況を定量的に評価し、今後のプログラムに活かせるよう、PDCAサイクルを回して改善を図りましょう。
リーダーシップ研修を通して理想のリーダーを育成するためのコツ
最後に、リーダーシップ研修後に最短で理想のリーダーを育成するためのコツを紹介します。
リーダーシップ研修を終えるとすぐにリーダーシップを発揮できるとは限らないため、学んだことを活かせる仕組みや環境を整えて、最短で理想のリーダーへ育成することが重要です。
具体的なコツは、次の3つです。
ひとつずつ見ていきましょう。
学びを可視化できるようにする
1つ目のコツは、学びを可視化できるようにすることです。
学びを可視化するというのは、学習管理システム(LMS:Learning Management System)などを利用して、誰が何をどれくらい学んだかを見える形で把握するということです。
※LMSに関する基礎情報は以下の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
LMS(学習管理システム)とは?最新トレンドや導入の目的について解説!
豊富な学習データを持つことは、個々人の学習傾向を見極めたり、パフォーマンスを判断して必要なスキルの習得を促したりするだけでなく、組織全体の教育の方向性を決定する上でも重要な参考情報になります。
学習効果を定量的に評価するのにも役立つため、現代社会における人材育成は、学習行動のデータ取得が重要になっています。
研修を受けて終わりにしてしまうのではなく、学びをいつでも振り返りができるように学習行動を見える化して、個々人の成長や企業全体の教育方針の決定に活用しましょう。
学びを可視化するLMSを導入するならCrossKnowledge
当社、LDcubeでは、様々なスキルに対応したeラーニングと共に、eラーニングの配信と学習管理を一括で行えるLMS「CrossKnowledge」を提供しております。
eラーニングと合わせてLMSをご活用いただくことで、誰が・何を・どこまで学習したのかが詳細に記録されます。
こうした学びを可視化する機能が、リーダーシップ研修のより効果的な運用を実現します。
2週間の無料トライアルも実施中ですので、まずはその使用感をお試しください。
座学と実践をバランスよく組み合わせる
研修内容は、座学だけでなく学んだことを試せる実践もバランスよく取り入れることが重要です。
リーダーシップは頭で理解するだけでは身に付かないからです。
どんなに優れた理論を学んでも、それを実際に使わなければ意味がありません。
たとえば、リーダーシップ研修で「人を動かすコミュニケーション術」を学んだら、それを日々のチームメンバーとのやり取りで試してみると良いでしょう。
ほかにも、ロールプレイングを取り入れ、実際のリーダーシップシナリオを疑似体験するなど、座学の内容をアウトプットする機会があると、うろ覚えの知識が定着し、使えるスキルへと変わります。
学んだことを実践し、試行錯誤を繰り返すことで、本当に使えるリーダーシップが身についていくので、座学と実践をバランスよく取り入れ、研修の学びを積極的に活かしていきましょう。
研修後に実践できる環境を与える
リーダーシップ研修で学んだことを実践できるようになるためには、そのための環境を与えることも重要です。
どれだけしっかりと学んでも、ビジネスシーンにおいて実践できなければ、せっかくの知識も宝の持ち腐れになってしまいます。
たとえば、研修後小さなプロジェクトのリーダーを任せたり、会議でのファシリテーターを担当させたりする機会を与えることで、リーダー候補者に実践の場を提供できます。
その実践後も、上司やメンターが定期的にフィードバックを行えば、成長の方向性がより明確になり、主体性と自信を持って行動できるようになります。
残念ながら、リーダーは一朝一夕で育つものではないですよね。
学びを実践する場さえあれば、成長スピードは格段に上がるため、研修後こそが、本当のスタートラインと言えるかもしれません。
研修での学びを活かす環境を整え、具体的なリーダーシップを発揮できる実践を重ねることで、理想のリーダーへと近づいていきましょう。
リーダーシップ研修のコツをすべて実践したいなら専門家の力を借りよう
初めてリーダーシップ研修を行う場合、コツを把握できてもすべてをうまく実践するのは難しい場合もあるでしょう。
そのような場合は、研修提供会社や人材育成のコンサルタントなど専門家の力を借りましょう。
こうした専門家は、リーダーシップ研修の設計や実施のノウハウなどを持っており、企業の方針や組織の状況に合った効果的なプログラムを提供・提案してくれるからです。
例えば、LDcubeでは、クロスナレッジ社(本社:フランス)が開発したeラーニングコンテンツを提供しています。
このeラーニングコンテンツは、世界中に1200万以上のユーザーが存在する品質の高いコンテンツです。
46コース・254セッションの中から、目的や方針に合ったコースを取り入れることで、効果的に学習することができ、もちろんリーダーシップ育成のためのコンテンツも多数ご用意しております。
どのコースを受講するべきか迷う方向けに、以下のようなパッケージプランも用意しているため、実践的なスキルを効率よく習得できます。
リーダーシップパッケージ①
リーダーシップパッケージ②
AI時代のリーダーシップパッケージ
また、eラーニングコンテンツの配信のほか、研修受講者の学習進捗管理・評価などを一括管理できるLMS(学習管理システム)も合わせて提供しています。
習得スキルや進捗状況を可視化することで、理想のリーダー像への達成状況や教育方針を決める材料としてもお役立ていただけます。
リーダーシップ研修の効果を最大化し、確実に実践へつなげるためにも、人材育成の専門家である当社LDcubeへ、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
本記事では、リーダーシップ研修についての概要から研修実施まで、成功のコツとともに紹介しました。要点は次の通りです。
リーダーシップ研修とは、企業や組織で求められているリーダーとしての能力を養い、社員のリーダーシップスキルを高める研修 |
研修を通して、次期リーダーの担い手となるすべてのメンバーが、事業や組織をけん引する統率力や課題解決能力、チームメンバーの育成・指導力などの能力を習得することを目的に実施されています。
▼リーダシップ研修で習得できる能力は4つ |
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▼企業がリーダーシップ研修を行うメリット |
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▼企業がリーダーシップ研修を行うデメリット |
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メリット・デメリットはありますが、組織が多様化し、働き方に対する価値観も変化した現代社会においては、リーダシップを発揮できる人材の必要性が高まっています。
株式会社LDcubeでは、リーダーシップ研修のプログラムを提供しており、体系的かつ企業の目的や育成したいリーダー像に合わせた研修が可能です。
個々人の成長や企業全体の教育方針を決定するのにも役立つ、一人ひとりの学習状況を可視化できるシステムを採用しており、学習行動を定量的に評価できるのが特徴です。
株式会社LDcubeはリーダーシップの発揮につなげるための自己理解を深めるプログラムや、リーダーシップの専門家によるeラーニング、実際の経営環境に近い状況で行う経営シミュレーショントレーニングを通じたリーダーシップ開発など、リーダーシップを啓発するためのさまざまな支援を行っています。無料のデモ体験会なども行っていますので、お気軽にご相談ください。
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