
リスキリングで何を学ぶ?6領域33種のスキルと決める手順を解説
急速に進む社会の変化の中で、将来に向け学び直すリスキリングが注目されています。
「リスキリングでは何を学ぶのが正解なのだろう?」
「自社の成長には、どのようなスキルが必要?」
このように、リスキリングの必要性を感じながらも、具体的に何を学ぶべきか方向性に迷われているのではありませんか?
結論、リスキリングで何を学ぶべきかは、企業によっても従業員によっても異なると言わざるを得ません。
ただ、企業においてリスキリングが求められる背景として、DXの推進が求められていることや、事業環境の激しい変化が挙げられます。
こうした状況に適応すべく、リスキリングの必要性が高まっていることを加味すると、リスキリングで学ぶべきおすすめのスキル領域としては以下のようなものが挙げられます。
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実際、こうしたスキルの習得を目指してリスキリングを推進する企業は多いです。
しかし、そもそもリスキリングの先には事業成長を見据えているはずです。
そうであれば、自社で具体的に何を学ぶべきかは、あくまで経営ビジョンや事業戦略を軸に検討しなければなりません。
ただ、リスキリングで何を学ぶべきか全くイメージがついていない状態なら、時代背景を加味した上記のおすすめスキルを把握することで、自社のリスキリングの方向性を見定めやすくなるでしょう。
そこでこの記事では、以下の通り解説します。
本記事の内容 |
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本当に自社のためになるリスキリングを実施するため、ぜひ最後までお読みください。
▼リスキリングについてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。
▼関連資料はこちらからダウンロードできます。
目次[非表示]
- 1.リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(1) ITリテラシー
- 2.リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(2)システム開発に関わるスキル
- 3.リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(3)AIを利活用する知識・スキル
- 4.リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(4)データ分析
- 5.リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(5)Webマーケティングスキル
- 6.リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(6) グローバル対応力
- 7.リスキリングで何を学ぶか決める際にトレンドに流されるのはNG!経営ビジョンを軸に検討しよう
- 8.リスキリングで何を学ぶべきかを決める手順
- 9.リスキリングでのスキル習得はさまざまな方法を組み合わせるのがおすすめ
- 10.まとめ
リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(1) ITリテラシー
リスキリングで学ぶべきおすすめスキルの1つ目は、ITリテラシーです。
デジタル化が加速度的に進む現代において、ITリテラシーを習得していないことは、大きな痛手となります。
例えば、社内のITリテラシーレベルが低いと、
- 業務効率化のためのツールを導入できない(使いこなせない)
- 情報セキュリティの意識や知識が乏しいことで、情報漏えいが発生しやすい状態になる
- 人手が介入する業務が多く、ミスが起こりやすい
といった状況に陥りやすく、企業の生産性・信頼性を損ないかねません。
そのような事態を避け、デジタル化の波に遅れをとらないためには、社内のITリテラシーレベルの底上げが非常に重要です。
ここでは、ITリテラシーが具体的にどのようなスキルなのか、ITリテラシーを学ぶことでどういったことが期待できるのかを中心にお伝えします。
ITリテラシーとはどのようなスキル?
「ITリテラシー」とひと口に言っても、具体的にどのようなスキルなのかイメージしづらいかもしれませんね。
端的に言えば、ITリテラシーとは、ITツールを正しく使いこなすための知識や能力のことです。
一例を挙げれば、次のようなスキルがITリテラシーに包含されます。
【ITリテラシーに含まれるスキルの具体例】
情報セキュリティの知識 |
サイバー攻撃やデータ漏えい等のリスクを回避するための知識 |
情報を活用するスキル |
インターネット等を使って情報を収集・精査し、法規制に則って正しく活用するスキル |
ネットワークの知識 |
社内外のネットワークを安全に使用したり、正しく接続・設定を行ったりするための知識 |
Officeソフトを使うスキル |
Excel、PowerPointなどを使いこなすスキル |
クラウドツールやシステムを使うスキル |
ツールやシステムの機能を理解し、操作するスキル |
本来、リスキリングで学ぶことは、企業ごと・従業員ごとに異なるものですが、こうしたITリテラシーに関しては、デジタル化が進む現代で事業を行うなら最低限身につけておくべきです。
したがって、次の項目に当てはまるなら、リスキリングで学ぶこととしてITリテラシーを含めるべきでしょう。
リスキリングでITリテラシーを学ぶべきケース |
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リスキリングでITリテラシーを学ぶと何が期待できる?
リスキリングを推進し、ITリテラシーを従業員に身に付けさせると、その他のIT関連のリスキリングを行う土台が整います。
DXの推進が求められているという時代背景を考えると、リスキリング施策において、AIやデータ分析等のスキルを習得する方針をとるケースは少なくないはずです。
しかし、そうしたスキルを習得するには、そもそもITリテラシーが備わっている必要があります。
例えば、生成AIは、質問を打ち込めば回答してくれますが、その回答の確からしさや、不足がないかどうかを判断するのは人間です。
ITリテラシーに含まれる「情報を活用するスキル」を身に付けていれば、その判断を適切に行うことができ、さらなるAI活用のスキルを身に付けていけるでしょう。
このように、ITリテラシーは、その他のIT分野のスキルを学ぶための基礎となるスキルです。
習得することで、より発展的なIT関連のリスキリングも実施しやすくなるはずです。
リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(2)システム開発に関わるスキル
リスキリングで学ぶべきおすすめスキルの2つ目は、システム開発に関わるスキルです。
システム開発に関わるスキルを持つ人材は、DX推進において重要な存在となります。
しかし、そうした人材は大きく不足しており、採用するハードルは上がり続けています。
このため、特にDXを意識した経営ビジョンを掲げている企業にとって、システム開発に関わるスキルをリスキリングで習得することは大きな意義を持つはずです。
ここでは、システム開発に関わるスキルが具体的にどのようなものなのか、学ぶことでどういったことが期待できるのかをお伝えします。
システム開発に関わるスキルとはどのようなスキル?
システム開発に関わるスキルと聞くと、真っ先に思い浮かぶのは「プログラミング」かもしれません。
もちろん、プログラミングもシステム開発に関わるスキルの1つではありますが、実際にはそれ以外にもさまざまな知識やスキルが必要です。
その具体例を、以下の表で確認していきましょう。
【システム開発に関わるスキルの具体例】
仕様設計スキル |
効率化したい業務フローに対して、どのような機能が必要で、どのように組み立ていけば良いか判断するスキル |
インフラに関する知識・スキル |
システムを動かすサーバー・ネットワークに関する知識や、構築するスキル |
データベースに関する知識・スキル |
システム上で使用するデータを管理するためのソフトウェアに関する知識や、操作するスキル |
プログラミングスキル |
プログラミング言語(Java、PHP、Python等)を理解し、システムを構築するために適切に記述するスキル |
このように、システム開発に関わるスキルは多岐に渡ります。
ただ、全てを習得せずとも、例えばシステムで何をできるようにするかを学ぶだけでもDXは確実に推進しやすくなるはずです。(その一例を続けてご紹介します。)
こういったことから、以下に当てはまる場合は、リスキリングでシステム開発に関わるスキルを学ぶことを積極的に検討してみてください。
リスキリングでシステム開発に関わるスキルを学ぶべきケース |
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リスキリングでシステム開発に関わるスキルを学ぶと何が期待できる?
先ほども少し触れましたが、リスキリングでシステム開発に関わるスキルを学ぶことで、DXを推進しやすくなります。
システム開発に関わるスキルは、「デジタルを前提としてビジネスに変革を起こす」DXを推し進めるための強力な武器となるからです。
その一例として、次のような事例があります。
久野金属工業株式会社のリスキリング事例 |
自動車や産業用機械向けのプレス部品を製造する同社では、6名の従業員がシステム開発に関わるスキルを習得し、関連会社と共同で、製造ラインの稼働状況をモニタリングするシステムを開発しました。 ・リスキリングで学んだこと ・どのように学んだか ・成果 現場スタッフの作業時間が大幅に減り、製造ラインの改善に取り組む余裕も生まれて、生産性が急速に向上。 さらに、開発したシステムの外販も実現。 |
参考:久野金属工業株式会社「メディア情報」、リクルートワークス研究所「久野金属工業株式会社:「自分の仕事を自動化できる」可能性が、社員の提案力を高める」
こちらの事例では、従業員がシステムの使用設計スキルを習得することで、現場スタッフがしっかりと使ってくれるシステムの開発に漕ぎ着けています。
それだけではなく、「開発したシステムを他社に販売する」という既存事業とは異なる新たな事業も生まれており、まさにDXが大きく前進していることがわかりますね。
このように、システム開発に関わるスキルの一部をリスキリングで習得するだけでも、DXを進めやすくなるはずです。
リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(3)AIを利活用する知識・スキル
リスキリングで学ぶのがおすすめなスキルの3つ目は、AIを利活用する知識・スキルです。
DXの推進が求められる中で、AIを利活用する知識やスキルは、システム開発に関わるスキルと並んで重要となります。
実際、製造現場のモニタリングや、資料作成、販売予測などあらゆる分野でAIが利活用されており、すでにその利活用スキルの必要性を感じていらっしゃる方もあるでしょう。
ここでは、AIを利活用する知識・スキルが具体的にどのようなものなのか、学ぶことでどういったことが期待できるのかをお伝えします。
AIを利活用する知識・スキルとはどのようなスキル?
AIを利活用する知識やスキルは、求めるレベルによって、大きくその内容が異なります。
あらかじめ構築されたAIツールを使うのと、AIモデルを組み込んだツールを開発するのとでは、どのようなスキルが必要かが変わってくるのです。
具体的には、それぞれ以下のような知識や能力が求められます。
【AIを利活用する知識・スキルの具体例】
AIの基礎知識 |
画像/文章生成、翻訳、画像/音声識別、予測など多様なAIの種類や機能に関する知識 |
AIの活用方法の知識 |
AIの活用事例など、活用の仕方に関する知識 |
プロンプト作成スキル |
より精度の高いアウトプットを生成AIから引き出すための指示文(プロンプト)を作成するスキル |
AI利用における倫理観 |
コンプライアンス・倫理に反した使い方をしないための知識 |
【開発まで目指す場合に習得したいスキルの具体例】
プログラミングスキル |
AI開発で標準的に使われるプログラミング言語(Python等)を理解し、モデル構築のために正しく記述するスキル |
数学スキル |
AIに適切にデータを学習させたり、動作させたりするために必要となる、確率・統計・行列(線形代数)・微分積分などへの理解 |
機械学習に関する知識 |
機械学習の種類・方法についての知識や、機械学習のモデルやアルゴリズムを表す数式への理解 |
データベース運用スキル |
AIの学習等に必要なデータを管理するデータベースの知識や、専用の言語(SQL等)を用いてデータベースを操作するスキル |
このように、既存のAIツールを使いこなせることを目指すのであれば、比較的リスキリングのハードルは易しめと言えます。
一方、自社でAIツールを開発するところを目指すのであれば、技術的なスキルや数学的なスキルまで必要となってきます。
こうしたAIを利活用する知識・スキルは、企業のDX推進においては少なからず必要となってくるものです。
DXを推進するのであれば、必然的にAIの利活用を検討する局面が出てくるためです。
こういったことから、以下のような企業においては、リスキリングで習得するスキルとして、AIを利活用する知識・スキルをおすすめします。
リスキリングでAIを利活用する知識・スキルを学ぶべきケース |
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リスキリングでAIを利活用する知識・スキルを学ぶと何が期待できる?
リスキリングで、AIを利活用する知識・スキルを学ぶことは、企業のDXを大きく後押ししてくれます。
DXにおいて、AIは、業務や事業に変革を起こすためのキーパーツの1つです。
自社のDX推進において、「AIを使って変革を起こす」という選択肢を持てることは、大きなメリットであり、リスキリングでAI利活用のスキルを学ぶことの意義でもあります。
実際に、リスキリングでAIを利活用する知識を学び、DXを推し進めている事例もご紹介しましょう。
西川コミュニケーションズ株式会社のリスキリング事例 |
印刷事業や販促サポートなどを展開する同社では、従業員の学び直しをサポートする体制を構築し、さまざまなスキルの習得を支援してきました。 その一環としてAIに関するスキルのリスキリングを推奨し、AI人材を育成することで、新たな事業の展開に成功しています。 ・リスキリングで学んだこと AIに関する検定や資格(G検定・E資格)取得のための知識 ※G検定:ディープラーニングの基礎知識を持ち、ビジネスに活用する能力を持つと認定された場合に取得できる資格 ※E資格:ディープラーニングの理論を理解し、適切に実装することができると認定された場合に取得できる資格。G検定の上位資格のような位置付け。 ・どのように学んだか 「先進技術を柔軟に取り込みながら、新しい発想でビジネスモデルを構築できる人」を自社が求める人材として打ち出し、社長自身がG検定を取得。 資格取得の費用は会社が全額負担する等のサポート体制も従前より運用。 ・成果 AIを活用したプロモーション/マーケティングソリューションの提供事業を確立し、分社化。 |
参考:西川コミュニケーションズ株式会社「「学びなおし」が成長のカギ 変化の時代を生きるための人材教育とは」、「自発的な学びへの道筋がポイント 西川コミュニケーションズのAI人材育成事例」
こちらの事例では、AIを利活用する知識・スキルを、既存の資格を利用して習得しています。
その結果、AIを活用した新たなソリューション事業が誕生し、グループ企業として独立するまでになっており、事業に大きな変革が起きていることが見て取れるでしょう。
このように、リスキリングでAIを利活用する知識・スキルを学ぶことは、自社のDXを力強く後押ししてくれるのです。
リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(4)データ分析
リスキリングで学ぶのがおすすめなスキルの4つ目は、データ分析です。
データ分析も、DXの推進が求められる中で必要性が高まってきているスキルの1つです。
実際、気象データや販売実績データなどを分析して販売予測を立てたり、製造機器のデータをモニタリング・分析して、より効率的に製造を進めるための判断に役立てたり、といった形でDXを推し進める企業も少なくありません。
ここでは、データ分析が具体的にどのようなスキルなのか、学ぶことでどういったことが期待できるのかをお伝えします。
データ分析とはどのようなスキル?
データ分析は、ビジネス上の意思決定を、データに基づいて行うためのスキルです。
一例を挙げるなら、
「顧客や購買のデータからニーズを把握し、商品開発に役立てる」
「顧客の行動データから最適な時期に最適なアプローチをかける」
といったことを行うために、データを収集・整理したり、解釈したりするための能力です。
具体的には、以下のような能力の習得が必要となります。
【データ分析スキルの具体例】
論理的思考力 |
課題を発見し、その解決に向けてどのようなデータが必要か、データから何が言えるかを的確に思考する力 |
データ可視化ツールを |
データをわかりやすく可視化するためにPower BIなどのツールを操作するスキル |
確率・統計の知識 |
データの基本的な性質を把握するために必要となる、平均・中央値・分散・確率分布・ヘイズ理論などへの体系的な理解。 |
数学スキル |
データの形状や構造を把握するのに必要となる、ベクトル・行列・固有値・微分積分などへの理解 |
データベース運用スキル |
データを管理するデータベースの知識や、専用の言語(SQL等)を用いてデータベースを操作するスキル |
データクレンジング |
適切なデータを用いて分析をするために必要な、不正確なデータを処理するスキル |
プログラミングスキル |
データ収集ツールを操作するための知識や、プログラミング言語(Python等)を正しく記述するスキル |
機械学習に関する知識 |
機械学習の種類・方法についての知識や、機械学習のモデルやアルゴリズムを表す数式への理解 |
高度な分析を効率的に行うためにAIが用いられることも多いため、AI開発を目指す場合に必要となるスキルと重なる部分も多いです。
こうしたデータ分析スキルを持った人材を育成できれば、社内外のあらゆるデータを使って、センスや経験則に頼らない根拠のある意思決定が行いやすくなるでしょう。
そのため、以下のような企業では、リスキリングで学ぶことの1つとしてデータ分析をおすすめします。
リスキリングでデータ分析を学ぶべきケース |
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リスキリングでデータ分析を学ぶと何が期待できる?
リスキリングでデータ分析を学ぶことで、業務効率・生産性の向上が期待できます。
データ分析を習得することで、社内のあらゆる意思決定・判断の質が向上し、それに基づいて業務を進められるからです。
実際に、リスキリングでデータ分析を学び、生産性の向上に成功している企業の事例を見てみましょう。
Obeikan Investment Groupのリスキリング事例 |
包装資材の製造と印刷業を主力事業とするサウジアラビアの企業、Obeikan Investment Groupでは、最新のデジタル技術について体系的に学べるオンライン講座やワークショップを実施し、従業員のリスキリングを図りました。 結果、製造・印刷現場でもロボティクスやAIの活用が進み、生産性の向上を実現しています。 ・リスキリングで学んだこと データ分析手法や、ビッグデータ、AI、仮想通貨などの最新テクノロジーに関する知識と活用法など ・どのように学んだか マネジャーを対象に、約半年間のオンライン講座を実施 ・成果 製造現場では、全ての機器をネットワークに接続し、マシンから収集されたリアルタイムのデータを読み取って、それを基に必要なアクションを取るようになった。 |
こちらの事例では、社をあげて、データ分析をはじめとしたデジタル技術に関する広いリスキリングを実施しています。
結果、製造現場においてはデータ主導で作業員が的確に行動できるようになり、生産性の向上が叶ったのです。
さらに、このノウハウを他社に販売し、導入コンサルティングをする新たな事業も生まれています。
リスキリングでデータ分析を習得し、生産性の向上だけでなく事業にも大きな変革が起きている好例です。
リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(5)Webマーケティングスキル
リスキリングで学ぶべきおすすめスキルの5つ目は、Webマーケティングスキルです。
誰もがWeb上でものを買ったり、情報収集を行ったりする現代において、効果的な販促活動やリード獲得をしていくには、Webを活用したマーケティングは欠かせません。
企業が消費者や顧客の行動を分析するためには、アンケートなど、労力がかかる従来のアナログな手法だけでは不十分となりつつあり、Web上のデータを使って、Web媒体で発信するWebマーケティングのスキルの必要性が高まってきているのです。
ここでは、Webマーケティングスキルが具体的にどのようなものなのか、学ぶことでどういったことが期待できるのかをお伝えします。
Webマーケティングスキルとはどのようなスキル?
Webマーケティングスキルとは、Web上で集客を行い、購入や成約に結びつけるためのスキルです。
マーケティング活動をWeb上で行うためには、そのための知識やスキルが必要となります。
具体的には、以下のようなスキルが求められます。
【Webマーケティングスキルの具体例】
Webサイト運用の知識 |
Google Analytics等の解析ツールを用いてWebサイト訪問者の行動を分析し、より強い関心を引いたり、購買・問い合わせに繋げたりしやすいようにサイトを改善しながら運用する知識 |
SEOの知識 |
自社のサイトやページが上位に掲載されやすくするために必要な、検索エンジンのアルゴリズムに関する知識や、それに対応するための技術的スキル |
Web広告の運用スキル |
自社のターゲットや予算に応じて、WebやSNS上に広告を効果的に掲載するスキル |
コンテンツ作成スキル |
興味を引いたり、ファン化してもらったりするためのコンテンツ(動画、コラム記事、SNS投稿など)を作成・編集するスキル |
Webデザインスキル |
Webサイトや広告バナーなどをAdobe illustrator、Adobe Photoshop等のソフトを使って作成するスキル |
Webマーケティング施策に関わる業務をどこまで内製したいかにもよりますが、制作の部分まで自社で対応するなら、動画編集やデザインといったクリエイティブスキルも必要となります。
こうしたWebマーケティングスキルは、どんな企業においても一定の需要があるはずです。
今日において、Web上に顧客とのタッチポイントが一切無い企業は、ほぼ無いためです。
ただ、強いて言うなら特に以下のような企業においては、リスキリングで優先的に習得することを検討すると良いでしょう。
リスキリングでWebマーケティングを学ぶべきケース |
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リスキリングでWebマーケティングのスキルを学ぶと何が期待できる?
リスキリングでWebマーケティングスキルを学ぶことで、人的リソースを抑えながら売上の拡大を目指せます。
効果的にWebマーケティングを行えるようになれば、営業など窓口となる人員の手を介さなくても、ターゲットに接触するところから商談(BtoC企業の場合は購買)までのプロセスを自動化できるためです。
そのような効果を狙って、Webマーケティングスキルの習得を実施した実例をご紹介します。
ソフトバンク株式会社のリスキリング事例 |
ソフトバンク株式会社では、業務用スマートフォンなどのモバイルデバイスを管理するシステムを提供する部署において、Webマーケティングスキルのリスキリングを実施しました。 Webマーケティングの成果は今後、中長期的に判断するとしていますが、実質的な成果をあげるための着実な一歩目を踏み出しています。 ・リスキリングで学んだこと ・どのように学んだか ・成果 |
こちらの事例では、Webマーケティングによる具体的な成果については中長期的に判断するとしながらも、知識の平準化ができたことで、次のステップを具体的に考えられるようになっています。
今後は、営業員ありきの販売スタイルから、Webマーケティングの強化やセールステックの活用・体系化を目指すとのことです。
実現すれば、営業の人員を増やすことなくWeb上で従前より多くの接点を持ち、比例して見込み顧客や成約の数も向上していくことでしょう。
リスキリングで何を学ぶ?おすすめ(6) グローバル対応力
リスキリングで学ぶのがおすすめなスキル6つ目は、グローバル対応力です。
円安、世界情勢の変化、人材不足といったさまざまな問題を打開する選択肢の1つに、事業の海外展開や外国人人材の登用といった戦略が考えられます。
その際に、必要となるのがグローバル対応力です。
国内外の市場や経済状況の変化が起こりやすい現代において、グローバル対応力は重要性の高いスキルの1つと言えるでしょう。
ここでは、グローバル対応力が具体的にどのようなものなのか、学ぶことでどういったことが期待できるのかをお伝えします。
グローバル対応力とはどのようなスキル?
グローバル対応力とは、事業や企業の国際化に対応できるスキルのことです。
そう聞いて語学の習得を思い浮かべる方は多いかと思いますが、語学を含め、以下のようなスキルもグローバル対応力には含まれます。
【グローバル対応力の具体例】
語学 |
外国語でコミュニケーションを取る、プレゼンを行う、資料を作る等のスキル |
国外市場の知識 |
国外市場で事業を確立するために必要な、ニーズやトレンド、法律、経済環境などの知識 |
異文化への理解 |
齟齬なくコミュニケーションを取るために必要となる、日本とは異なる価値観や宗教、商習慣などへの理解 |
これらの知識やスキルを習得することで、事業の海外展開や、国外でのリソース確保、外国人従業員の登用などの選択が可能となります。
国内外で経済・情勢不安が絶えない中で、こうしたグローバル対応力があることは大きな強みとなるでしょう。
特に以下のようなケースでは、リスキリングにおいてグローバル対応力の習得を積極的に検討すべきです。
リスキリングでグローバル対応力を学ぶべきケース |
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リスキリングでグローバル対応力を学ぶと何が期待できる?
リスキリングでグローバル対応力を習得することで、国内外の環境変化に柔軟に対応しやすくなります。
海外の企業や人と齟齬の無いスムーズなやり取りができることで、収入源や供給元の選択肢が国外に広がり、事業環境に変化があった際に最善の選択ができるためです。
そのように、グローバル対応力を身に付け、環境の変化にうまく対応している企業の事例をご紹介します。
三井不動産株式会社のリスキリング事例 |
三井不動産株式会社では、成長戦略として海外事業の拡大を打ち出すと同時に、英語のリスキリングを大々的に実施しました。 結果、海外業務に従事できる従業員が増加し、海外事業も飛躍的に成長を遂げています。 ・リスキリングで学んだこと ・どのように学んだか ・成果 |
参考:株式会社アルクエデュケーション「社員の英語力、視野を広げた三井不動産のグローバル研修」、三井不動産株式会社「海外事業の飛躍的な成長」
こうした思い切ったリスキリングを実施した結果、海外業務を担える人員が増加し、海外事業は飛躍的に拡大。2017年〜2023年の6年間においては、海外資産の残高が2.7倍に伸長しています。
少子高齢化など、国内の不動産市場が縮小リスクを抱える中でも、リスキリング施策が功を奏して企業成長を続けられているのです。
リスキリングで何を学ぶか決める際にトレンドに流されるのはNG!経営ビジョンを軸に検討しよう
ここまで、リスキリングで学ぶのがおすすめなスキルをご紹介してきましたが、自社では何を習得すべきか、どれから優先的に学べばいいか、と悩む人事や経営者の方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、リスキリングで「何を学ぶべきか」に迷ったときは、経営ビジョンや事業戦略を軸に考えていくことがおすすめです。
経営ビジョンに基づいて必要な人材要件を定義すると、事業の成長に直結するスキルを見極めることができるからです。
逆に、間違っても世の中のトレンドに引っ張られて習得するスキルを決めてはいけません。
例えば、食品製造用の産業機械を製造・販売する企業において、「新規顧客を飛躍的に拡大するために販売手法を大きく転換する」という大まかな戦略があったとします。
この戦略に即して考えれば、リスキリングで学ぶと良いものとしてWebマーケティングが挙げられます。
Webマーケティングのスキルを学び、協力会社と共にWebサイトの刷新や、SEOも考慮したコラム記事発信などを行うことで、認知の拡大やリード獲得の増加が見込めることでしょう。
一方で、「今話題の生成AIを、自社でも活用すべきではないか?」とトレンドに影響されて、AI活用スキルの習得に注力したとすると、どうでしょうか。
確かに、提案資料の作成や、定期連絡などの効率化は叶うかもしれません。
しかし、Webマーケティングを習得した場合に比べると、インパクトは小さく、企業成長にも大きく影響は与えられないでしょう。
このように、リスキリングの成果を最大化するためには、経営ビジョンや事業戦略ありきで何を学ぶか決めるべきです。
そのため、「何を学ぶか」検討する際には経営陣も巻き込んで、ビジョン実現を支えるスキルを選び抜いてください。
リスキリングで何を学ぶべきかを決める手順
リスキリングで何を学ぶべきかは、経営ビジョンや事業戦略を基準に検討すべきであることがお分かりいただけたかと思います。
ここからは、その手順について4つのステップでご紹介します。
【リスキリングで何を学ぶか決める手順】 STEP1:経営陣を巻き込む |
ぜひ参考にして、自社のリスキリングで何を習得すべきかを明確にしていきましょう。
STEP1:経営陣を巻き込む
まずは、経営陣や、それに近しい人を巻き込み、共にリスキリングの方向性を定めていきましょう。
お伝えしているように、リスキリングで学ぶべきスキルは、経営ビジョンや事業戦略に基づいて決めるべきです。
そこにズレが生じないように、経営ビジョンを詳細に把握している人と密に話し合う必要があります。
STEP2:必要な人材像を定義する
次に、経営ビジョンを達成するために必要な人材を具体的に定義します。
このステップは、リスキリング施策のゴールを設定する作業です。
新たなスキルを習得させて、どのような人材を育成したいのか、高い視座に立ってゴールを明確化しましょう。
この時、経営ビジョンを基準としつつも、以下のような視点も持っておくと、より明確で現実的な人材像を定めやすくなります。
【必要な人材像を定義する際に念頭に置くべき要素】 経営環境の変化: 事業ポートフォリオの分析: |
STEP3:従業員の現状のスキルを把握する
続いて、現状、従業員がどのようなスキルを持っているのか把握します。
経営ビジョンの達成に必要な人材像がリスキリング施策のゴールなら、今の従業員の状況は言わばスタート地点です。
つまり、このステップ行うことは、スタート地点を明確にすることと言えます。
従業員の現状のスキルを詳細に把握するためには、以下の通り「スキルの棚卸し」を実施してください。
【スキルの棚卸しの進め方】 スキル調査: 上司による評価: 自己分析: |
STEP4:リスキリングで学ぶべきスキルを特定する
最後に、必要とする人材像と、現状の従業員の状況のギャップから、リスキリングで学ぶべきスキルを特定します。
STEP3で可視化した従業員のスキルマップをもとに、個人としてのニーズと、組織としてのニーズの両面から、育成すべきスキルを明らかにしていきます。
【育成スキルの見える化のポイント】 目指す人材像とのギャップ分析: 重点分野の見極め: 個人の成長ビジョンの尊重: |
こうしたポイントを押さえることで、リスキリングで何を、どのような優先順位で学ぶべきか見えてくるはずです。
リスキリングでのスキル習得はさまざまな方法を組み合わせるのがおすすめ
リスキリングで習得させるべきスキルが定まったら、次に考えるべきは、「どう育成するか」という点です。
リスキリングの効果を最大化するなら、「対面研修」「OJT」「eラーニング」の3つの方法を活用することをおすすめします。
それぞれの特徴やメリットは以下をご参考ください。
3つのリスキリング方法 | |
対面研修 |
特徴:講師の指導により、専門知識や実践的なスキルを学べる |
OJT |
特徴:業務の中で実践的に学ぶ方法 |
eラーニング |
特徴:オンラインで学ぶため、時間や場所に制限がない |
それぞれ異なる特徴があります。
組み合わせることで理解度と実践力の双方が高まるため、状況や習得するスキルに合わせて組み合わせると良いでしょう。
特にeラーニングは、各スキルの習得に必要な知識が体系的にまとまった教材が用意されているうえ、従業員が業務を進めながらスキマ時間に学習を進めることも可能です。
「基本的な知識についてはeラーニングで各自習得してもらい、一定レベルの知識やスキルが備わったら対面研修やOJTによって実際に能力を使ってみる」
というサイクルなら、従業員や、研修を提供する人事の方の負担を最小限に抑えながらも、体系的な知識と実践力を着実に身に付けていけます。
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まとめ
本記事は、「リスキリングで何を学ぶべきか」というテーマで解説してきました。
最後に今回の内容をまとめておきます。
リスキリングが求められている背景を鑑みると、特に習得するのがおすすめなスキルは、以下6領域です。
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しかし、自社で何を学ぶべきかは、あくまで経営ビジョンや事業戦略を軸に検討すべきです。
そのための、具体的な検討手順は以下の通りです。
【リスキリングで何を学ぶか決める手順】 STEP1:経営陣を取り込む |
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