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創造力を鍛える12の具体的な方法と発揮しやすい環境の作り方

「創造力を鍛えるには、どうすればいい?」

近年、イノベーションが企業の競争力を左右する重要な要素となっており、あらゆる職種で創造力が求められています。

創造力を鍛えることは、個人と組織の価値を高めるうえで必要不可欠です。

しかしながら、

「具体的にどうすれば創造力が高まるのか、そもそも努力で高められるものなのか疑問」

という声をよく聞きます。

結論からいえば、創造力はトレーニング次第で確実に鍛えられます。むしろ、創造力を鍛えないのは、ビジネスパーソンとして怠慢と考える向きもあるでしょう。

本記事では、「創造力を効果的に高める12の方法」と「創造性を発揮しやすい環境づくり」について詳説します。

自身の創造性を高めたい方はもちろん、組織の創造力向上を目指す経営者・人事担当者・チームリーダーの方にとっても、有用な情報を集約しました。ぜひご活用ください。

▼創造性については下記でで解説しています。
⇒創造性とは何か?ビジネスパーソンに必要なクリエイティビティの本質

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▼ 商品開発に向けたアイデアだしについては下記で解説しています
⇒​​​​​​​新商品開発のアイディアがあふれ出す!即実践テクニック9選を大公開

  新商品開発のアイディアがあふれ出す!即実践テクニック9選を大公開 商品開発での悩みは「アイディアがなかなか出ない」という点です。アイディア出しの段階ではアイディア自体の精度よりも、数多くのアイディアを出すことの方が重要です。本記事ではアイディアを出しのテクニックを伝授します。 株式会社LDcube

▼ 創造性を発揮するには、組織や職場に心理的安全性が確保されていることが重要です。
⇒"心理的安全性"がビジネスに必要な理由?エドモンドソン博士の視点を解説

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この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.創造力は大人でも鍛えられる
    1. 1.1.「創造力=生まれつきの才能」は勘違い
    2. 1.2.創造力はビジネスパーソンが鍛えるべき重要スキル
    3. 1.3.あらゆる職種で創造力は必要となる
  2. 2.創造力を鍛える12の効果的な方法  
    1. 2.1.知識とアイデアのインプットを増やし発想の源を豊かにする
    2. 2.2.ゼロベース思考で常識や先入観にとらわれない発想を鍛える
    3. 2.3.異分野の知識を積極的に取り入れ新しい組み合わせを生み出す
    4. 2.4.思考の枠組みを外し、制限を逆手に取る発想法を身に付ける
    5. 2.5.「質問力」を磨き問題の本質を見抜く洞察力を高める
    6. 2.6.マインドマップやブレインストーミングで発想を自由に広げる
    7. 2.7.アイデアをいつでもメモできる習慣でひらめきを逃さない
    8. 2.8.インキュベーション効果を活用し無意識のアイデア発想を促す
    9. 2.9.創造的な場所に行きインスピレーションを得る
    10. 2.10.心身のリラックスとポジティブ思考で創造性を最大化する
    11. 2.11.失敗を恐れずチャレンジし経験から学ぶ姿勢を大切にする
    12. 2.12.プロトタイピングでアイデアを素早く進化させる
  3. 3.創造力を発揮しやすい環境の作り方
    1. 3.1.心理的安全性の高い組織風土を醸成する
    2. 3.2.自律性を重んじ主体的な創造活動を奨励する
    3. 3.3.創造力を高めるオフィス設計をする
    4. 3.4.創造力に特化した研修を提供する
  4. 4.まとめ

創造力は大人でも鍛えられる

創造力鍛える②

創造力を鍛える具体的な方法を解説する前に、冒頭で触れた「創造力はトレーニングで鍛えられる」という点を、もう少し詳しく確認しておきましょう。

「創造力=生まれつきの才能」は勘違い

創造力は生まれつきの才能だと思い込んでいる人が少なくありません。しかし、それは大きな勘違いです。

たしかに創造力には個人差がありますが、その差の大部分は、後天的な要因によるものです。

つまり、創造力は適切なトレーニングを積めば、大人になってからでも十分に伸ばせます。

【創造力を左右する後天的な要因】

  • 知識の量と質:知識が豊富で多様であるほど、創造力を発揮しやすくなります。知識は創造の源泉であり、アイデアを生み出す土台となるからです。

  • 思考の柔軟性:固定観念にとらわれず、柔軟に発想を転換する力が創造力を大きく左右します。思考の柔軟性はトレーニングで向上できます。

  • 好奇心と観察力:好奇心旺盛で観察力が鋭いほど、新しいアイデアが浮かびやすくなります。日頃から好奇心を持ち、観察を怠らないことが重要です。

  • 失敗を恐れず学ぶ姿勢:失敗を恐れて挑戦を避けていては、創造力は育ちません。失敗から学ぶ姿勢こそが、創造力を高める鍵となります。

創造力の基盤となるこれらの要因は、すべて後天的に身に付けられるものばかりです。

創造力はビジネスパーソンが鍛えるべき重要スキル

創造力は、現代のビジネスパーソンにとって必須のスキルといえます。

イノベーションが競争力の源泉となる時代において、創造力の有無が、個人や組織の明暗を分けるからです。

創造力を発揮して新しい価値を生み出せる人材は、どの企業からも引く手あまたの存在となるでしょう。

【創造力が重視される理由】

  • 市場の変化への対応力:創造力があれば、変化の激しい市場環境にも柔軟に対応し、新たな価値を提供し続けられます。

  • 差別化の実現:創造力を武器として、画期的な商品やサービスを開発し、競合他社との差別化を図れます。

  • 生産性の向上:創造力で創意工夫し、業務の効率化やコスト削減を実現すれば、生産性の大幅な向上が期待できます。

  • 組織の活性化:創造力豊かな人材を擁する組織は活力にあふれ、イノベーションを次々と巻き起こします。

ビジネスパーソンが創造力を鍛えることは、自身のキャリアを切り拓くとともに、組織の発展にも貢献するのです。

あらゆる職種で創造力は必要となる

創造力への需要が高まっているのは、一部のクリエイティブな職種に留まりません。

いまや、ありとあらゆる職種において、創造力は不可欠なスキルとして重要視されています。

その背景には、どんな仕事でもイノベーションが欠かせない時代になったことが挙げられるでしょう。

【創造力が求められる職種の例】

  • 営業:顧客のニーズを的確に捉え、独創的な提案で他社と差別化するには、創造力が必要です。新規開拓においても、陳腐化した古い手法ではなく、創意工夫を凝らした新しいアプローチが求められます。

  • 商品開発:革新的な商品やサービスのアイデアを発想するには、卓越した創造力が問われます。既存の枠にとらわれない自由な発想力と、それを具現化する構想力が鍵となります。

  • 研究開発:加速する技術革新の流れのなかで、新たな研究テーマを見出していくには創造力が欠かせません。未知の分野に果敢に挑み、価値ある発見を生み出す力が必要です。

  • マーケティング:ターゲットの心をつかむ斬新な戦略を編み出すには、豊かな創造力が不可欠です。型にはまったアイデアではなく、消費者や顧客の琴線に触れる独創的な発想が重要となります。

  • 経営管理:激変の時代を勝ち抜くには、創造力を駆使して新しいビジネスモデルを構想する力が問われます。既存の事業の枠を超えて、未来を切り拓くビジョンを描ける創造力が経営には必要です。

    このように、創造力は職種を問わず、現代のビジネスパーソンに必要とされる資質といえます。

    創造力を鍛える12の効果的な方法  

    創造力鍛える③

    ここからは、創造性を高めるための12の実践的な方法をご紹介します。すべて実践するつもりで、取り組んでみてください。

    1. 知識とアイデアのインプットを増やし発想の源を豊かにする
    2. ゼロベース思考で常識や先入観にとらわれない発想を鍛える
    3. 異分野の知識を積極的に取り入れ新しい組み合わせを生み出す
    4. 思考の枠組みを外し制限を逆手に取る発想法を身に付ける
    5. 「質問力」を磨き問題の本質を見抜く洞察力を高める
    6. マインドマップやブレインストーミングで発想を自由に広げる
    7. アイデアをいつでもメモできる習慣でひらめきを逃さない
    8. インキュベーション効果を活用し無意識のアイデア発想を促す
    9. 創造的な場所に行きインスピレーションを得る
    10. 心身のリラックスとポジティブ思考で創造性を最大化する
    11. 失敗を恐れずチャレンジし経験から学ぶ姿勢を大切にする
    12. プロトタイピングでアイデアを素早く進化させる


    知識とアイデアのインプットを増やし発想の源を豊かにする

    第1の方法は「知識とアイデアのインプットを増やし発想の源を豊かにする」です。

    創造力を高めるうえで重要なのが、着想の源泉を豊富に蓄えておくことです。

    日頃から知的好奇心を満たすインプットを、積極的に行いましょう。

    【知的インプットを習慣化するコツ】

    • 読書の目標ペースを週1冊に設定する:読書のペースは週1冊を目安にすると、年間で50冊以上のインプット量を確保できます。通勤時間やランチタイムを活用し、コンスタントに読書を継続する習慣を身に付けましょう。

    • テレビやSNSは意識的に制限する:テレビやSNSの情報は玉石混交になりがちです。依存的にならずに、接し方をコントロールしましょう。質の高い情報に触れる時間を優先的に確保することが大切です。

    • アウトプットの目的を持ってインプットする:ブログ記事の執筆やプレゼン資料の作成など、何らかのアウトプットを想定してインプットすると、情報の取捨選択が的確になります。常にアウトプットを念頭に置いて、能動的にインプットしましょう。

      ゼロベース思考で常識や先入観にとらわれない発想を鍛える

      第2の方法は「ゼロベース思考で常識や先入観にとらわれない発想を鍛える」です。
       
      既存の価値観や先入観は、創造的な発想を阻害する最大の要因です。
       
      ゼロベース思考(物事を白紙の状態から見直す思考法)を実践し、常識という枠組みから自由になることを意識しましょう。

      【ゼロベース思考を実践するコツ】

      • 前提条件を疑う:その業界や組織で当然視されている前提条件を改めて疑ってみます。「なぜそうなっているのか?」「本当にそうする必要があるのか?」と自問自答し、先入観による思考の制約から脱却しましょう。

      • 反対の立場で考える:議論の際、自分と反対の立場に立って考える癖をつけます。相手の主張の根拠を推察する習慣により、物事を多角的に捉える力や、反対意見にも一理あると受容する柔軟性が身に付きます。

      • 「なぜ?」を5回繰り返す:物事の本質を追究するために、「なぜ?」という問いを5回繰り返して考えます。表層的な理由から深層的な真因へと思考を掘り下げていくと、根本的な課題やニーズが見えてきます。

        異分野の知識を積極的に取り入れ新しい組み合わせを生み出す

        第3の方法は「異分野の知識を積極的に取り入れ新しい組み合わせを生み出す」です。

        創造的なアイデアの多くは、“一見無関係な複数の事象の掛け合わせ” から生まれます。

        自分の専門領域とは異なる分野の知見を吸収し、既存の知識と結びつけることが、これまでにない新しい発想を生む源泉となるのです。

        【異分野知識の習得と応用のコツ】

        • 専門外の講演会やイベントに参加する:異業種交流会や専門外の講演会など、普段は接点のない分野の情報に触れる機会を持ちましょう。新たな刺激を受けると、自分の観点だけでは気づかなかった着想が生まれます。

        • 他分野のメソッドを自分の仕事に適用する:他業界の手法を自分の仕事に転用することを考えます。たとえば、飲食業のオペレーション改善のノウハウを自社の業務効率化に生かすなど、分野を超えた発想の掛け合わせがブレイクスルー(現状を打破する画期的な進歩)につながります。

        • 異業種の知り合いと意見交換する:異業種で活躍する友人・知人と意見交換する機会を積極的に設けましょう。互いの知見を共有し刺激し合えば、既存の発想を超えた新たなアイデアが生まれます。

          思考の枠組みを外し、制限を逆手に取る発想法を身に付ける

          第4の方法は「思考の枠組みを外し、制限を逆手に取る発想法を身に付ける」です。

          制約やリソースの限界は、創造的な発想を阻害する要因ではありません。むしろ、制限があるからこそ知恵を絞り、独創的なアイデアが生まれると考えることが重要です。

          「制限を創造のチャンス」と捉え、制限を嘆くのではなく “てこ” にして、創造性を拡大させましょう。

          【制限を生かした発想のコツ】

          • 制限をクリエイティブの源泉と捉える:「〇〇ができない」ではなく「〇〇だからこそ、どうするか?」と、制限をプラスに捉え直します。リソースの限界があるからこそ、知恵を絞って新たな解決策を編み出せるのです。

          • 「二択」から「多択」へ発想を広げる:AかBの二者択一ではなく、CやDなど他の選択肢を考えるトレーニングを行います。「木を見て森を見ず」に陥らないよう、常に広い視野で多様な可能性を探ることを意識しましょう。

          • 「使えないもの」から発想する:提示された条件を活用するのではなく、逆に“使えないもの”から発想を広げていきます。「それがなかったらどうするか」を考えると、固定観念から解き放たれた柔軟な思考が身に付きます。

            「質問力」を磨き問題の本質を見抜く洞察力を高める

            第5の方法は「『質問力』を磨き問題の本質を見抜く洞察力を高める」です。

            イノベーティブな解決策を編み出すには、「正しい答え」を探すのではなく、「正しい質問」をする力を磨くことが役立ちます。

            物事の本質を見抜く鋭い眼力を養えば、見慣れた日常の中に転がっているヒントに気づけるようになります。卓越した質問力を武器に、誰も気づいていない問題の本質をあぶり出しましょう。

            【質問力を高めるコツ】

            • 「What(何を)」より「Why(なぜ)」を問う:What(事実)を尋ねるよりも、Why(理由・背景)を問う質問を多用します。物事の裏に潜む真の課題を見極めるには、表層的な事象ではなく深層にあるメカニズムを探ることが肝心です。

            • 自問自答を重ねて考えを深める:1人でも自問自答を繰り返しながら、徹底的に考え抜く習慣をつけましょう。「なぜそう思うのか?」「本当にそうだろうか?」などの掘り下げた問いを自分に投げかけると、独創的なアイデアが生まれやすくなります。

            • 「もしも〜だったら」のシミュレーション思考を取り入れる:「もしも予算に制限がなかったら?」「もしも法律を変えられたら?」など、非現実的な仮定を置いて考えを展開します。現状の制約から一時的に離れて自由に発想することも、斬新なアイデアを生む土壌となります。

            マインドマップやブレインストーミングで発想を自由に広げる

            第6の方法は「マインドマップやブレインストーミングで発想を自由に広げる」です。

            創造的な問題解決に欠かせないのが、アイデア発想を促進するテクニックの数々です。

            よく知られているのが、マインドマップやブレインストーミング、付箋を活用して自由に発想を広げる手法です。

            【自由に発想を広げる例】

            • 紙とペンでマインドマップを描く:中心にテーマを書き、そこから放射線状に自由に連想を広げていきます。関連性を線で結びながら、思いつくアイデアを次々と書き連ねると、発散的思考が促されます。パソコンではなく、あえて手書きで行うのも創造性を刺激します。

            • ブレインストーミングではオープンマインドに徹する:ブレストの原則は「批判厳禁・自由奔放・質より量・結合改善」の4点です。自他のアイデアを批判せず、自由な発言を大切にします。多くのアイデアを出し、新たな発想を模索しましょう。

            • テーマから連想される言葉を付箋に書き出す:テーマに関連する単語を思いつくまま付箋に書き、ホワイトボードなどに貼り付けていきます。出てきた言葉をグルーピングしたり、組み合わせを変えたりしながら、新しいアイデアを探ります。1人でもグループでも効果的な手法です。

            このようなテクニックは、ほかにも多数あります。自分に合ったものを見つけましょう。自在に駆使できるようになれば、創造力は飛躍的に高まるはずです。

            組織の人材育成として、より体系的・専門的に習得を推進したい場合は、ITS (イノベイティブ・シンキング・システム)を活用する方法があります。

            以下のように、アイデアを生み出すフェーズはもちろん、絞り込み、実践するまでを “技法” として、習得できます。

            創造性開発のスキーム


            詳しくは、以下のページにてご確認ください。
            ⇒ITS (イノベイティブ・シンキング・システム)


            アイデアをいつでもメモできる習慣でひらめきを逃さない

            第7の方法は「アイデアをいつでもメモできる習慣でひらめきを逃さない」です。

            創造的なアイデアは、日常の何気ないシーンでふと舞い降りることがよくあります。ひらめきは、それを捕まえる準備ができている人にだけ訪れるもの、ともいえます。

            アイデアをいつでもメモできる習慣を身に付けておくことが、ひらめきを逃さない秘訣です。日々の生活の中で訪れるインスピレーションを見逃さず、メモ魔になりましょう。

            【アイデアキャッチのコツ】

            • スマートフォンのメモ帳アプリを活用する:iPhoneの「メモ」など、クラウド同期できるメモ帳アプリを使いこなします。いつでもどこでもメモを取れる環境を整え、パソコンとスマホでも共有しましょう。

            • 音声入力やスケッチでハードルを下げる:文章入力が面倒なときは、音声入力やスケッチで手軽にメモを取る方法もあります。スマホのボイスメモ機能や、絵や図で直感的にアイデアを記録する習慣をつけると、ひらめきを逃さずキャッチできます。

            • アイデアの断片をこまめに書き留める:完成度の高いアイデアを求めるあまり、メモを躊躇してはいけません。断片的な言葉やフレーズ、イメージの片鱗などもどんどん書き留めていきましょう。後からブラッシュアップすればよいのです。

            インキュベーション効果を活用し無意識のアイデア発想を促す

            第8の方法は「インキュベーション効果を活用し無意識のアイデア発想を促す」です。

            集中的に考えをめぐらせても、なかなか良いアイデアが浮かばない経験は、誰にでもあるでしょう。

            そのようなときは、いったん課題から離れて別のことをする、“インキュベーションの時間(温める時間)” を設けるのが効果的です。

            インキュベーション(incubation)は、卵を温めること・孵化・培養といった意味です。ここでは、問題から離れている間に、無意識下も含めて思考が熟成されていくプロセスを指します。

            温めている間に思考が進むと、自然とアイデアが浮かび上がってきます。潜在意識の創造力も味方にする習慣を取り入れてみましょう。

            【インキュベーション効果を高めるコツ】

            • 問題から一時的に離れ、無関係なことに没頭する:問題に立ち向かっても一向に進展がない時は、意識的に距離を置きましょう。スポーツやハイキング、読書など、まったく関係のないことに没頭すると、無意識にアイデアが温められていきます。

            • インプットした情報を寝かせる:書籍や記事、人との対話などから得た情報は、すぐに結論を出そうとせず、一定期間寝かせておくことが大切です。インプットした知識を潜在意識の中で熟成させると、斬新な着想が生まれやすくなります。

            • リラックスした状態でインスピレーションを待つ:力みすぎず、リラックスした状態でふとしたひらめきを待ちましょう。散歩やランニング、ヨガなどで力みが抜けると、問題解決のヒントがひらめくことがあります。就寝前や起床直後なども発想力が高まりやすい時間帯です。

            創造的な場所に行きインスピレーションを得る

            第9の方法は「創造的な場所に行きインスピレーションを得る」です。

            創造的なアイデアは、ただ机に向かって考えていては、なかなか生まれません。

            日常から離れ、創造性に富んだ場所に足を運ぶと、これまでにない視点が得られるでしょう。

            【創造的な場所の例】

            • 自然の中でリフレッシュする:森林浴や海辺の散策など、大自然に触れることは創造性を高める最良の方法のひとつです。日頃の慌ただしさから解放され、アイデアが湧き出しやすい状態が整います。

            • アートスポットを訪れ感性を刺激する:美術館やギャラリー、博物館など、芸術に触れられる場所に足を運ぶのもおすすめです。先人たちの創造の結晶に触れ、作品から受けた印象をメモしておくと役立ちます。

            • 旅に出て非日常の感覚を味わう:旅に出るのは、創造性を刺激する王道といえます。見知らぬ土地の風習や光景は、既成概念から解き放たれた自由な発想を誘発します。旅の思い出が多いほど、後々まで創造の源泉になってくれることでしょう。

              心身のリラックスとポジティブ思考で創造性を最大化する

              第10の方法は「心身のリラックスとポジティブ思考で創造性を最大化する」です。

              ストレスを感じたり不安に支配されたりしていては、自由な発想は望めません。

              創造力を存分に発揮するには、心身の緊張をほぐし、ポジティブな思考を維持する必要があります。

              「創造力とネガティブ思考は相容れない」と胸に刻み、望ましいマインドセットを保つことに注力してください。

              【創造性を高める習慣の例】

              • 瞑想でマインドフルな状態を保つ:1日の始まりと終わりに、瞑想の時間を設けましょう。5分から10分ほど目を閉じ、呼吸に意識を集中すると、雑念が消え去り集中力が高まります。マインドフルな精神状態は、創造的なアイデアを引き寄せる磁石の役割を果たします。

              • 適度な運動で頭をリフレッシュする:適度な運動は、脳に酸素を巡らせ思考力を高める効果があります。ジョギングやサイクリングなど、好みの運動を日課にすることをおすすめします。汗を流した後は、爽快な頭の中から斬新なアイデアが飛び出すこともあります。

              • ポジティブな言葉で思考をコントロールする:ネガティブ思考に陥らないよう、使う言葉を意識的に選択しましょう。「絶対にできる」「うまくいく」など、ポジティブな言葉を口に出せば思考が前向きになります。

              • 感謝の習慣を大切にする:日々の小さな幸せに感謝することは、精神を安定させる最高の処方箋です。朝起きたら感謝の言葉を口にしたり、就寝前に良かったことを振り返ったりする習慣をつけましょう。

              • 十分な睡眠時間を確保する:質の高い睡眠は、創造性を高めるために欠かせません。1日7~8時間の十分な睡眠を心がけましょう。熟睡した翌朝は頭がクリアになり、アイデアが湧きやすくなります。

                失敗を恐れずチャレンジし経験から学ぶ姿勢を大切にする

                第11の方法は「失敗を恐れずチャレンジし経験から学ぶ姿勢を大切にする」です。

                創造的なアイデアを生み出すには、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢が欠かせません。

                ゼロイチで新しいことに挑む以上、失敗のリスクは常につきまとうものです。だからこそ、失敗を恐れず果敢に挑戦し、その経験から学び続けましょう。

                【チャレンジ精神を育むヒント】

                • 克服の経験を積む:簡単にはできないことにも、何度も繰り返し挑戦すれば、克服の経験が積み重なっていきます。乗り越える力が身に付けば、次なるチャレンジへの意欲も湧いてくるはずです。

                • 小さな成功体験を積み重ねる:いきなり大きな目標に挑むのではなく、まずは小さな成功体験を積み重ねることを意識しましょう。ハードルの低い簡単な課題からコツコツとこなしていけば、自信と達成感が生まれます。小さな一歩の積み重ねが、いつしか大きな飛躍につながるのです。

                • 「やってみなければわからない」の精神を大切にする:完璧主義に陥ることなく、まずは行動に移すことを優先しましょう。パーフェクトな計画を立てるよりも、とにかくトライしながら軌道修正していく姿勢で臨みます。「やってみなければわからない」の精神こそが、チャレンジ精神の源泉となります。

                ▼失敗を恐れずにチャレンジするにはレジリエンスが必要です。下記で詳しく解説しています。
                ⇒レジリエンスを高めるには?高い人・低い人の特徴と具体的な実践方法を紹介!

                  レジリエンスを高めるには?高い人・低い人の特徴と具体的な実践方法 レジリエンスとは、逆境やストレスに直面した時に、それを乗り越えて適応していく心の力のことです。高いレジリエンスを持つ人は、困難な状況でも前を向いて歩いていくことができます。レジリエンスとは何か、高い人・低い人の特徴、そして高める具体的な方法について詳しく解説します。 株式会社LDcube


                プロトタイピングでアイデアを素早く進化させる

                第12の方法は「プロトタイピングでアイデアを素早く進化させる」です。

                プロトタイプとは、製品・サービスの開発段階で作成する試作モデルのことです。

                初期段階からプロトタイプを作成し、それを検証・改良しながらスピーディに開発を進める手法をプロトタイピングといいます。

                プロトタイピングの考え方は、商品開発はもちろん、あらゆる課題に適用できます。

                【プロトタイピングのコツ】

                • ラフなプロトタイプを素早く作る:プロトタイプに完成度は必要ありません。それよりもスピード勝負で、できるだけ早くラフな試作品を作ることを心がけましょう。いわゆる「たたき台」として活用します。

                • 生の声を取り入れる:プロトタイプは、ほかのメンバーに意見を求めたり、実際のユーザーに試してもらったりして、率直な感想を聞くことが重要です。期待通りに機能しない点や使い勝手の悪い点など、生のフィードバックから学ぶことは多いはずです。反応を真摯に受け止め改善に生かしていきましょう。

                • 改良を繰り返しブラッシュアップする:フィードバックをもとに、プロトタイプを改良していきます。修正と検証のサイクルを素早く回して、アイデアを洗練させていくのです。試行錯誤を重ねながら、最適解を追求していきましょう。


                創造力を発揮しやすい環境の作り方

                創造力鍛える④

                創造力を存分に発揮するには、それを後押しする環境づくりが欠かせません。

                組織として創造性を喚起する風土を醸成し、挑戦を奨励するカルチャーを根づかせることが重要です。

                以下では、創造力を最大化する組織の取り組みについて、4つのポイントを解説します。

                1. 心理的安全性の高い組織風土を醸成する
                2. 自律性を重んじ主体的な創造活動を奨励する
                3. 創造力を高めるオフィス設計をする
                4. 創造力に特化した研修を提供する

                心理的安全性の高い組織風土を醸成する

                1つ目は「心理的安全性の高い組織風土を醸成する」です。

                心理的安全性とは、チームのメンバーが安心して自分の意見を言ったり、失敗を恐れずに挑戦したりできる環境のことです。

                アイデアを気兼ねなく発言できる風土を醸成することが、組織の創造力を高める大前提となります。

                【心理的安全性を高める具体策】

                • 失敗を責めない文化を根付かせる:失敗をネガティブに捉えるのではなく、チャレンジした勇気を評価する文化を育みます。ミスを責めるのではなく、そこから学びを得ることを重視する組織なら、創造的な挑戦が活発になります。

                • 対話を通じて信頼関係を深める:メンバー同士の信頼関係は、対話を重ねる中で育まれます。普段から積極的にコミュニケーションを取り、互いの考えや感情を率直に言い合える関係性を築きましょう。

                • 多様性を尊重する組織文化を作る:多様な価値観や背景を持つメンバーが集まることは、創造性を高めるうえで欠かせません。性別や年齢、国籍などの多様性を受け入れ、違いを強みに変える組織文化を醸成しましょう。

                  ありのままの自分を出せる安心感が、創意工夫を促すイノベーションの原動力となります。

                  ▼多様性(ダイバーシティ)については下記で詳しく解説しています。
                  ⇒ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や違い・取り組み事例

                    ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や違い・取り組み事例 ダイバーシティ&インクルージョンとは多様性を包摂(包み込むこと)して、新たな価値を創造する概念です。本記事ではダイバーシティインクルージョンについて解説します。また、企業の取り組みとして何をすべきか、行動ベースでの理解が深まるよう事例もご紹介します。 株式会社LDcube

                  心理的安全性については以下の資料にて詳しく解説しています。合わせてご覧ください。  

                  心理的安全性資料


                  自律性を重んじ主体的な創造活動を奨励する

                  2つ目は「自律性を重んじ主体的な創造活動を奨励する」です。

                  組織の創造力を高めるためには、メンバーの自律性を尊重し、主体的な創造活動を促すことが重要です。

                  一人一人が自らの意思で考え、行動できる環境があってこそ、真の創造性が発揮されるのです。

                  【自律性を促す取り組みの例】

                  • 権限委譲を進め個人の裁量を拡大する:些細な決定まで上司の許可が必要な環境では、創造性が制限されます。メンバーに適切な権限を委ね、自らの判断で行動できる範囲を広げましょう。

                  • 成果よりもプロセスを評価する:創造的な活動を評価する際は、成果だけでなく試行錯誤のプロセスに着目することが大切です。完璧な結果を求めるのではなく、チャレンジした姿勢や創意工夫を評価しましょう。

                  • 創造的な社外活動も奨励する:社内とは異なる領域での経験は、創造力のトレーニングになります。副業の許可やボランティア休暇・旅行休暇といった休暇制度の導入など、自社に合うやり方を取り入れましょう。

                  創造性は、自らの内なる声に耳を澄まし、主体的に行動することから生まれます。自律性を重んじる組織マインドが重要です。

                  ▼自律性に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
                  ⇒自律型人材とは?特性や特徴と行動パターン・育成方法の実践ポイントを解説!

                    自律型人材とは?特性や特徴、行動パターン・育成方法などポイントを解説! 自律型人材とはどのような存在でしょうか?本記事では自律型人材について、その特性や特徴、行動パターンを解説しながら育成する具体的な方法や、それを支える組織風土について、理論的背景も交えて紹介します。自律型人材を育成するための実践的知見が得られ、人材育成の取り組みに生かせるはずです。 株式会社LDcube


                  創造力を高めるオフィス設計をする

                  3つ目は「創造力を高めるオフィス設計をする」です。

                  創造性を刺激する空間デザインの力は、見過ごせない重要な要素です。

                  働く環境そのものが、アイデア発想やイノベーションを後押しする状態を目指しましょう。

                  【創造性を高めるオフィス設計】

                  • 開放的でフレキシブル(柔軟で変化に対応しやすい)なレイアウトを取り入れる:固定席や個室を減らし、開放感のあるレイアウトを採用すれば、コミュニケーションが活性化します。多様なシーンに対応できるフレキシブルな空間を目指しましょう。

                  • アイデアを書き込めるホワイトボードを設置する:打ち合わせスペースや共有エリアに、大型のホワイトボードを設置するのもおすすめです。自由に書き込み、アイデアを可視化できる環境があれば、創造的な議論を進めやすくなります。

                  • リラックスできる癒やしの空間を用意する:創造性を高める癒やしの空間も欠かせません。オフィス内にカフェスペースやリフレッシュルームを設け、くつろぎながらアイデアを練ることのできる場を提供しましょう。

                  • アートや観葉植物で感性を刺激する:オフィスの随所にアート作品や観葉植物を配置すると、創造性を喚起する効果が期待できます。視覚的に美しく心地よい空間に身を置くと、感性が磨かれ創造力が高まります。

                  具体的には、創造力を重視したオフィス設計の実践例として、Googleが有名です。

                  ⇒ Googleで[Google オフィス]と画像検索した結果ページ

                  上記リンクからGoogleのオフィス画像を確認できますので、参考にしてみてください。

                  創造力に特化した研修を提供する

                  4つ目は「創造力に特化した研修を提供する」です。

                  組織の創造力を引き出すには、創造性やイノベーション思考に特化した研修の実施が効果的です。

                  創造力に関わるスキルは、体系的な学習と実践を通じて、効率的に習得可能です。具体的には、先ほどご紹介した「イノベイティブ・シンキング・システム(ITS)」があります。

                  ITSは、変革期に必要とされる「革新的な行動」を実践できる人材を育てるプログラムとして、高い評価を得ています。

                  創造力鍛える⑤

                  創造的な組織文化の醸成を目指す企業にとって、ITSは直接的な効果を実感できる手段となります。

                  展開方法は、

                  • 3時間のセミナー
                  • 半日~4日間
                  • 半日×複数回

                  など、状況に応じてカスタマイズ可能です。

                  詳しくは以下のページよりご確認ください。
                  ⇒ITS (イノベイティブ・シンキング・システム)


                  まとめ

                  本記事では「創造力を鍛える」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

                  創造力を鍛える12の効果的な方法として、以下をご紹介しました。

                  1. 知識とアイデアのインプットを増やし発想の源を豊かにする
                  2. ゼロベース思考で常識や先入観にとらわれない発想を鍛える
                  3. 異分野の知識を積極的に取り入れ新しい組み合わせを生み出す
                  4. 思考の枠組みを外し制限を逆手に取る発想法を身に付ける
                  5. 「質問力」を磨き問題の本質を見抜く洞察力を高める
                  6. マインドマップやブレインストーミングで発想を自由に広げる
                  7. アイデアをいつでもメモできる習慣でひらめきを逃さない
                  8. インキュベーション効果を活用し無意識のアイデア発想を促す
                  9. 創造的な場所に行きインスピレーションを得る
                  10. 心身のリラックスとポジティブ思考で創造性を最大化する
                  11. 失敗を恐れずチャレンジし経験から学ぶ姿勢を大切にする
                  12. プロトタイピングでアイデアを素早く進化させる

                  創造力を発揮しやすい環境の作り方のポイントは次のとおりです。

                  1. 心理的安全性の高い組織風土を醸成する
                  2. 自律性を重んじ主体的な創造活動を奨励する
                  3. 創造力を高めるオフィス設計をする
                  4. 創造力に特化した研修を提供する

                  創造力は人間に備わった無限の可能性です。その力を最大限に引き出し、イノベーションを生み出す原動力としていきましょう。

                  株式会社LDcubeでは、パターン化した思考を崩し、発想力と実践力を育てる人材育成プログラム「ITS」を提供しています。

                  プログラムの実施のみならず、社内トレーナーを養成・サポートすることで、効率の良い研修の内製化を実現するためのサポートも行っております。

                  無料でのプログラム体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。
                   
                  ▼ITSについての資料はこちらからダウンロードできます。

                  ITS資料ダウンロード

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                  LDcube編集部
                  LDcube編集部
                  株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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