外国人向け社員研修3つの内容とは?相互理解を促す手順を紹介!
「外国人社員に対して、どんな点に注意して研修を行えばいいのだろう」
「外国人社員に研修を行いたいが、課題が多すぎてどこから手をつけるべきか」
外国人社員が日本人社員と円滑にコミュニケーションをとり、仕事を効率よく進めるためには、外国人社員に向けた研修が必要です。
具体的には、以下の内容を以下の手順で行います。
STEP1:異文化理解の促進 |
日本人の新入社員に向けた研修とは異なり、背景となる大きな文化的相違について、配慮する必要があるため、まずは「異文化理解の促進」から行う必要があるのです。
一方で、「外国人社員が日本企業の文化や、やり方に合わせるべき」という考え方では、せっかく雇用した外国人社員の能力を生かすことができず、生産性や効率を下げる結果を招いてしまいます。
また、海外拠点で採用した外国人の場合、英語が共通語でないケースもあり、育成に向けた課題は山積みです。
そこで、この記事では、外国人社員に向けた研修について、どのような内容の研修をどんな手順と方法で行うべきなのか、具体的に解説していきます。
本記事のポイント |
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この記事を読むことで、効果的で効率の良い外国人社員への研修を行い、生産性の高いチームビルディングに生かすことができます!
▼外国人が働きやすい組織をつくるにはダイバーシティ&インクルージョンの考え方が重要です。
⇒ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や違い・取り組み事例
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目次[非表示]
外国人の社員研修で行う3つの内容
外国人社員に向けた社内研修では、主に以下の3つを行います。
STEP1:異文化理解の促進 |
日本人の新卒者向け研修では、各人の文化的背景や社会通念が共通であると前提されているため、STEP1は飛ばし、企業文化や理念の教育から始めることが多いでしょう。
注意したいのは、外国人社員に向けた研修では、つい「異文化理解の促進」に注目し、そこだけに注力してしまう傾向があることです。
外国人社員向け研修であっても、そしてたとえ経営部門ではない外国人社員であっても、「企業文化や理念の教育」や「個人のビジョンと役割の認識」は、円滑で風通しの良い職場環境を作るためにも絶対に欠かせないものです。
「異文化理解の促進」や、それに付随したビジネスマナー研修を行っただけでは、外国人社員向け研修では、不十分といえます。
また、国民性や習慣、文化の相違については、「これが日本社会だ」と一方的に教えるだけでは、具体的にどんな場面でどのように違うのかについての応用が効きません。
外国人社員が現場で立ち往生したり、日本人社員となじめなかったりしたままでは、いたずらに生産性を下げてしまう可能性があります。
外国人社員向けの研修でどんなことを行うのか、その内容をそれぞれ具体的に見ていきましょう。
外国人社員研修①異文化理解の促進
まずは異文化理解の促進を行います。
主に国民性や習慣など、自国と日本の間にある様々な文化的違いについての理解を促すものです。
これは単に、日本の文化やビジネスマナーについて紹介し、覚えさせれば済むものではありません。
主に以下の流れで行います。
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それぞれ具体的に見ていきましょう。
自国文化の認知
最初に行うことは、自国文化の認知をしてもらうことです。
自国文化というものは、本人がふだん意識しているものではないため、改めて言語化することで、日本文化との違いを客観的に認識することができます。
客観的に認識することではじめて、差を埋めるための具体的な行動や意識付けができます。
そのため、日本文化の一方的な紹介ではなく、まず自国文化の認知をすることが重要になるのです。
自国と日本の文化の違い認識
具体的に、日常や業務上のどんなシーンで、どんな違いがあったのかを振り返ります。
よく挙げられるのは、以下のようなシーンです。
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言動は結果にすぎないため、その根底にある考え方や価値観優先順位を理解するため、違和感を覚えるシーンや日本人の言動、わかりにくい言葉について洗い出しをします。
日本人の考え方の理解促進
相違を踏まえた上で、「日本人」の特徴を確認します。
以下は主なものですが、下記以外にも研修の中で外国人社員から上がってくるものがあれば取り扱うと良いでしょう。
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研修で日本人の言動の根拠を知るだけでも、実際に日本人独特の考え方に遭遇した際の対処法が浮かびやすくなります。
▼異文化理解にはダイバーシティインクルージョンを理解することが必要です。
外国人社員研修②企業文化や理念の教育
人材育成や人事評価に対する考え方など日本企業における独特な文化を踏まえながら、自社の理念やコンセプトについて教育します。
日本固有の人事評価で、各国の外国人に理解されにくいものには以下のようなものがあります。
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自立的にキャリアアップをはかる傾向の強い日本以外の多くの国の社員にとっては、上記の内容は非常に奇妙に映るでしょう。
なかなか理解を得るのが難しいものだという認識を持って、丁寧に説明する必要があります。
ここで大切なのは、社員がこの評価制度と文化の中で、どのように自社に貢献・活躍するかのイメージを持ってもらうことです。
STEP1での学びは、単に職場における自社の日本人社員との日常的な関わりについてだけでなく、自社の顧客や取引先も同じ文化を持っているという前提を認識してもらうのに役立ちます。
この認識がないと、自社の顧客に対する価値を生み出すという軸から離れてしまい、人事評価がしづらくなることを理解してもらうのです。
外国人社員社員研修③個人のビジョンと役割の認識
企業の理念を現場での外国人社員自身の役割に落とし込むことで、細かい文化的な相違よりも大目的が優先されるため、外国人社員も動きやすくなります。
日本人の新卒向け社員研修と同様に、社員として求められる行動規範やロールモデル、マイルストーンなどを示して、働き方を具体的にイメージできるように導きます。
合わせて、日本社会において必要とされる以下の内容を伝えます。
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このように、企業としての大目的から順にビジネスマナーなどの現場で求められる細かい点に下ろしていくことで、STEP1:異文化理解の促進で行った異文化理解が客観的に捉えられ、受け入れやすくなるのです。
外国人社員研修を行うときのポイント
海外拠点の現地採用外国人社員に対しては、日本国内での日本人社員採用以上に、ダイバーシティ&インクルージョンを理解することが重要です。
そのため、外国人社員への研修では、以下のことに注意して進める必要があります。
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それぞれ具体的に見ていきましょう。
外国人社員の問題や不安を絶えずヒアリングして拾い上げる
研修は、個々の外国人社員が理解できない点や文化的なギャップを感じる部分を、ヒアリングして拾い上げながら進めていきましょう。
すでに働き始めている外国人社員だけでなく、採用直後の外国人社員であっても、すでに日本企業や日本文化への驚きや不安を抱えている場合があるからです。
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これらは組織だけでなく配属されている部署によっても異なるため、できるだけ具体的に挙げてもらいましょう。
また、感情的な処理をしないよう、事実を整理して客観的にギャップを埋める方法を、双方向で都度模索する姿勢が必要です。
既存社員への理解研修も同時に実施する
たとえ外国人社員の比率が低かったとしても、一方的に日本企業の文化を押し付けることはしないように配慮しましょう。
既存社員への理解研修も同時に実施することで、現場で一緒に働く日本人社員との間の不要なあつれきを生むことが大幅に減ります。
特に海外拠点の場合、欧米以外のアジア圏では、日本人社員が現地採用の外国人社員に対して、人種優位な言動をしてしまうケースも少なくありません。
せっかく採用した外国人社員が職場内で孤立状態となり退職してしまっては、いたずらに採用コストがかさむだけでなく、海外拠点設置のメリットを生かすことができなくなってしまいます。
外国人社員の研修・トレーニングプログラムは双方向コミュニケーションの体制があるものを選ぼう
外国人社員の研修を成功に導くためには、以下の「双方向コミュニケーション」についての体制がある派遣元や講師を選ぶことが大切です。
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それぞれ理由を見ていきましょう。
英語または現地語と日本語の両方でコミュニケーションができる
海外拠点の外国人社員への研修自体は、基本的に英語で行われることになるケースが多いでしょう。
自社の理念や企業文化など、細かいニュアンスを確実に伝えたいものは、日本語で伝えて理解できる派遣元や講師を選んでください。
また、敬語や丁寧語を含めたビジネスマナーは、外国人社員が日常的にもっとも困惑するもののひとつです。
的確に答えられるよう、英語または現地語と日本語の両方でコミュニケーションができる派遣元や講師であると安心です。可能なら、外国人社員の現地語に対応したものを選ぶとベストです。
現地時間に合わせた研修ができる
オンラインを活用すればリアルタイムで各拠点をつないで研修を実施することができるようになりました。ただし、海外拠点の場所にもよりますが、時差が大きいと研修時間の設定にも影響が出ます。
現地の祝祭日や残業時間に対する考え方など、配慮すべき項目が多くなるため、柔軟な研修時間の設定ができる専門家であることが望ましいです。
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まとめ
今回は、外国人社員に向けた研修について、行うべき研修の内容と注意点を解説しました。
会社が用意すべき外国人社員に向けた研修は、以下の順で行います。
STEP1:異文化理解の促進 |
外国人社員への研修での注意点は、以下の通りです。
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外国人社員の研修を成功に導くために専門家に求めるべき体制は、以下の通りです。
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この記事が、海外拠点の人材育成を進めたいあなたのお役に立てば幸いです。
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