オンボーディングのプロセスと実施目的を徹底解説!成功事例についても紹介
オンボーディングは、新入社員や中途社員を組織に迎え入れ、スムーズに仕事に馴染ませるための重要なプロセスです。効果的なオンボーディングは、新入社員や中途社員の早期戦力化だけでなく、組織文化への適応や離職率の低減にも大きな影響を与えます。
本記事では、オンボーディングの定義から具体的な実施方法まで、包括的に解説していきます。
プレオンボーディングから入社後1年までの各段階におけるオンボーディングプロセスについて紹介し、効果的な設計と実施のポイントを5つ挙げて説明します。さらに、オンボーディングの効果測定方法についても触れていきます。
最後に、成功事例を紹介することで、理想的なオンボーディングプロセスのイメージを具体化します。この記事を通じて、あなたの組織に最適なオンボーディングプロセスを構築するためのヒントが得られるでしょう。
新入社員や中途社員と組織の双方にとって有益なオンボーディングを実現し、長期的な成功につなげましょう。
▼オンボーディングプログラム構築のポイントやメリットについては以下で詳しく解説しています。
⇒オンボーディングプログラムとは?構築のポイントやメリットなど解説!
▼中途社員のオンボーディングについては以下で詳しく解説しています。
⇒中途社員向けのオンボーディングとは?実施する効果を最大化するポイントについて解説!
▼オンボーディングについては以下の資料にまとめてあります。
目次[非表示]
- 1.効果的なオンボーディングプロセスの全体像
- 2.各段階のオンボーディングプロセスの詳細
- 2.1.プレオンボーディング|入社前の準備
- 2.2.入社初日|温かい歓迎と基本情報の提供
- 2.3.最初の1週間|業務環境の整備と基本トレーニング
- 2.4.最初の1カ月|役割の明確化と初期の業務経験
- 2.5.最初の3カ月|深い業務理解と中期目標の設定
- 2.6.最初の6カ月〜1年|自立と長期的成長計画
- 3.オンボーディングの定義と重要性を解説
- 4.オンボーディングの主要な目的
- 5.オンボーディングプロセスの設計と実施における5つのポイント
- 6.オンボーディングプロセスの効果測定
- 7.オンボーディングのプロセスを改善するためにも学習行動のデータが必要!
- 8.オンボーディングプロセスを効果的に構築した事例
- 9.まとめ
効果的なオンボーディングプロセスの全体像
効果的なオンボーディングは、入社前から入社後1年程度までの長期的な視点で設計する必要があります。プロセス全体は大きく以下の3つのフェーズに分けられます。
フェーズ |
内容 |
1.プレオンボーディングフェーズ (入社前) |
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2.初期適応フェーズ (入社直後〜3カ月) |
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3.成長発展フェーズ (3カ月〜1年) |
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各フェーズでは、「受け入れ体制の整備」「教育プログラムの実施」「メンタリング・サポート」「進捗確認とフィードバック」という4つの要素を、状況に応じて適切に組み合わせていきます。
各段階のオンボーディングプロセスの詳細
効果的なオンボーディングの実現には、入社前から入社後1年程度までの期間を、段階的かつ計画的にサポートすることが重要です。新入社員や中途社員の不安解消、早期戦力化、そして長期的な定着を実現するため、各段階で適切な施策を講じる必要があります。
ここでは、プレオンボーディングから入社後1年までの各段階における具体的な実施項目とポイントを解説します。
プレオンボーディング|入社前の準備
プレオンボーディングは、新入社員や中途社員の不安を軽減し、スムーズな組織適応を実現するための重要な準備期間です。この時期に適切な準備とコミュニケーションを行うことで、入社後の早期戦力化が大きく促進されます。
特に重要なのは、定期的なコミュニケーションの実施です。入社前の不安や疑問を解消するため、メールや電話での状況確認を行うとともに、可能であれば配属先の上司やメンターとの事前面談も行うと効果的です。また、同期入社予定者との交流機会を設けることで、入社への期待感を高めることができます。
入社までに準備すべき重要事項は以下です。
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入社初日|温かい歓迎と基本情報の提供
入社初日は、新入社員や中途社員の組織に対する第一印象を決定づける重要な日です。この日の経験が、その後の組織適応と意欲に大きな影響を与えることを意識し、温かい歓迎の雰囲気づくりを心がけましょう。
事前の環境整備として、デスクやPCなどの業務に必要な環境を全て整えておくことが重要です。新入社員や中途社員を待たせることなく、スムーズに業務を開始できる状態をつくります。
入社初日は、以下の基本情報の提供に重点を置きます。
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最初の1週間|業務環境の整備と基本トレーニング
入社1週間は、基本的な業務環境への適応期間として位置付けられます。
この時期は、業務の詳細な説明よりも、組織の一員として活動するための基本的なルールや仕組みの理解に重点を置きます。
社内システムの使用方法や基本的な業務フローについては、段階的に説明を行い、新入社員や中途社員が無理なく理解できるペースを保ちます。特に重要なのは、日々のちょっとした疑問や不安を気軽に相談できる雰囲気づくりです。
最初の1カ月|役割の明確化と初期の業務経験
最初の1カ月は、実際の業務に段階的に携わっていく重要な期間です。
この時期には、具体的な業務目標を設定し、新入社員や中途社員が自身の役割を明確に理解できるようにすることが重要です。
メンター制度を活用し、定期的な面談を通じて業務上の疑問点への丁寧な対応を行います。また、月末には1カ月の振り返りを行い、適応状況の確認と必要なサポートの検討を行います。
主な確認項目は以下です。
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最初の3カ月|深い業務理解と中期目標の設定
最初の3カ月は、業務の本格的な理解と自立に向けた重要な転換期となります。
この時期には、基本的な業務を独力で遂行できるレベルを目指し、徐々により複雑なタスクにも挑戦させます。
業務範囲を段階的に広げていく中で、必要な専門知識やスキルの習得支援を行います。また、半年後を見据えた具体的な目標設定を行い、キャリア開発の方向性についても話し合いを始めます。
最初の6カ月〜1年|自立と長期的成長計画
入社後半年から1年の期間は、完全な自立と長期的な成長に向けた基盤づくりの時期です。
この時期には、プロジェクトリーダーとしての経験や後輩社員への指導機会を提供するなど、より責任のある役割を担っていきます。
キャリア開発の観点から、専門性の強化や長期的なキャリアパスについても具体的な検討を行います。1年目の総合評価では、これまでの成長を振り返るとともに、次年度に向けた新たな目標設定を行います。
成長確認のポイントは以下です。
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オンボーディングの定義と重要性を解説
新入社員の3年以内離職率が30%を超える現代において、効果的なオンボーディングの実施は企業の重要課題となっています。単なる導入研修や業務指導にとどまらない、包括的な人材育成プログラムとしてのオンボーディングについて、その定義と企業における重要性を解説します。
オンボーディングとは?:
オンボーディングとは、新入社員や中途社員が組織の一員として十分に機能し、早期に成果を出せるよう支援する一連のプロセスを指します。語源は「On-board(船や飛行機に乗る)」から派生しており、新しい乗組員が円滑に職務を遂行できるようにサポートする取り組みを表していました。
現代の企業においては、単なる新人研修やOJTとは異なり、より包括的な人材育成プログラムとして位置付けられています。具体的には、業務スキルの習得だけでなく、企業文化の理解、人間関係の構築、キャリア形成支援まで含む総合的な取り組みとなっています。
オンボーディングが重要な理由:
オンボーディングの重要性は、近年の労働市場の変化とともにますます高まっています。厚生労働省の調査によると、新規学卒就職者の3年以内離職率は、新規高卒就職者で37.0%、新規大学卒就職者で32.3%に達しています。この早期離職の問題は、企業にとって以下のような深刻な影響をもたらします。
マイナス影響 |
具体例 |
採用・育成コストの損失 |
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組織パフォーマンスへの影響 |
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さらに、雇用の流動化が進む中で、中途社員の増加も企業の課題となっています。経験者であっても、新しい組織での活躍には適切なオンボーディングが不可欠です。
効果的なオンボーディングを実施している企業では、以下のような効果が報告されています。
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このように、オンボーディングは単なる導入教育ではなく、組織の持続的な成長と競争力強化に直結する戦略的な取り組みとして認識されるようになっています。
オンボーディングの主要な目的
オンボーディングには、新入社員の早期戦力化から組織全体の生産性向上まで、複数の重要な目的があります。ここでは、オンボーディングの主な5つの目的をご紹介します。
また、それぞれの目的に向けて効果的にオンボーディングを実施することで得られる効果についても、具体的なデータとともに説明します。
新入社員や中途社員の早期戦力化:
新入社員や中途社員の早期戦力化は、オンボーディングの最も基本的な目的です。
企業における人材投資の観点から見ると、新入社員や中途社員が組織に価値を生み出すまでの期間をいかに短縮できるかが重要です。
効果的なオンボーディングでは、段階的な業務の割り当てと適切なサポート体制を組み合わせることで、新入社員や中途社員が自信を持って業務に取り組める環境を整えます。これにより、通常6カ月から1年かかるとされる戦力化の期間を、3~4カ月程度まで短縮することも可能になります。
組織文化への適応促進:
組織文化への適応は、業務スキルの習得と同様に重要な要素です。
企業独自の価値観、行動規範、コミュニケーションスタイルを理解し、実践できるようになることで、チームの一員としての機能を果たすことができます。
特に注意すべき点として、組織文化には明文化されていない暗黙のルールや習慣があります。これらは通常の研修では伝えきれない要素であり、計画的なコミュニケーションやメンタリング、OJTを通じて伝えていく必要があります。
離職率の低減と定着率の向上:
離職率の低減は、企業の持続的な成長において極めて重要な課題です。
効果的なオンボーディングを実施している企業では、以下のような要因により定着率が向上することが報告されています。
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生産性の向上:
適切なオンボーディングは、組織全体の生産性向上にも寄与します。
新入社員や中途社員が早い段階で自立した業務遂行能力を身につけることで、既存メンバーの負担が軽減され、チーム全体のパフォーマンスが向上します。
また、計画的な業務移管により、既存メンバーが本来注力すべき高度な業務や重要なタスクに時間を割くことが可能になります。これは組織全体の付加価値創出能力の向上につながります。
エンゲージメントの強化:
従業員エンゲージメントの強化は、長期的な組織パフォーマンスを左右する重要な要素です。
効果的なオンボーディングを通じて、新入社員や中途社員は以下のような実感を得ることができます。
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このようなポジティブな経験は、入社初期段階での高いモチベーション維持につながり、長期的な業績向上の基盤となります。
オンボーディングプロセスの設計と実施における5つのポイント
オンボーディングの成功には、計画的な設計と効果的な実施が不可欠です。
個別化されたプランの作成から組織全体での協力体制の構築まで、プログラムを成功に導くための5つの重要なポイントについて、具体的な実施方法とともに解説します。
個別化されたオンボーディングプランの作成:
効果的にオンボーディングを実施するには、画一的なアプローチではなく、個々の新入社員や中途社員の特性や経験に応じた柔軟なプランが必要です。
新卒採用者と中途採用者では必要なサポートが異なり、また同じ中途採用者でも、前職での経験や業界知識によって求められる支援は大きく変わってきます。
個別化されたプランを作成する際の重要な観点は以下です。
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OJTとの効果的な連動:
オンボーディングは現場でのOJT活動と効果的に連動させ、単なる業務指導にとどまらない、包括的な育成支援の仕組みとして設計する必要があります。OJTトレーナーには、業務知識の伝達役としてだけでなく、組織文化の伝道者としての役割も期待されます。
効果的なOJTとの連動を実現するには、OJTトレーナー自身の育成も重要です。OJTトレーナーに対して以下のようなトレーニングと支援を提供することで、プログラムの質を高めることができます。
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▼OJTトレーナー研修については以下で詳しく解説しています。
⇒OJTトレーナー研修とは?45%が未実施!内容や実施方法を解説!
定期的なフィードバックと評価システムの導入:
新入社員や中途社員の成長を支援するためには、適切なタイミングで建設的なフィードバックを行うことが不可欠です。フィードバックは、単なる評価ではなく、成長を促進するための対話として位置付ける必要があります。
効果的なフィードバックの実施方法として、以下のような段階的なアプローチが推奨されます。
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テクノロジーを活用したオンボーディング手法:
デジタル技術の進化により、オンボーディングプロセスをより効率的に実施することが可能になっています。オンラインラーニングプラットフォームやコミュニケーションツールを活用することで、以下のような効果が期待できます。
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▼オンボーディングをシステムで効率化するポイントは以下で解説しています。
⇒オンボーディングをシステムで効率化!現場教育と全社教育で選択すべきツールの違いを解説!
協力体制の確立:
オンボーディングの成功には、人事部門、配属部署、OJTトレーナー、そして経営層を含めた組織全体の協力が不可欠です。各関係者の役割と責任を明確にし、定期的な情報共有と調整の場を設けることで、一貫性のあるサポート体制を構築することができます。
特に重要となる連携ポイントは以下です。
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オンボーディングプロセスの効果測定
オンボーディングの効果を最大化するには、適切な評価指標の設定と継続的な測定が重要です。
定量・定性両面からの評価方法や、効果的なデータ収集の手法、そして測定結果をオンボーディングの改善につなげるプロセスについて説明します。
主要な評価指標(KPI)の設定と活用:
オンボーディングプロセスの効果を適切に測定するためには、定量的・定性的な評価指標を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。
効果測定の基本となる主要な評価指標として、以下の項目が重要です。
定量的評価指標の例:
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これらの指標は、オンボーディングの効果を数値で把握し、プログラムの改善につなげる土台となります。
効果的なフィードバック収集方法:
効果測定において重要なのは、新入社員からの直接的なフィードバックです。
定期的なフィードバック収集を通じて、プログラムの改善点や課題を早期に発見することができます。フィードバック収集は、以下のようなタイミングと方法で実施することが効果的です。
入社1カ月後: |
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入社3カ月後: |
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データ分析に基づく継続的な改善プロセス:
収集したデータは、単なる記録にとどめるのではなく、具体的な改善アクションにつなげることが重要です。データ分析を通じて、以下のような視点での改善を進めることができます。
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長期的な成功指標の追跡と分析:
オンボーディングの真の効果は、長期的な視点で評価する必要があります。1年以上の期間にわたって以下の指標を追跡することで、プログラムの本質的な価値を測定することができます。
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これらの長期的な指標を通じて、オンボーディングプログラムが組織全体の成長にどのように貢献しているかを評価することができます。
効果測定の結果は、経営層や現場マネジャーとも共有し、組織全体でのプログラム改善に活用することが重要です。定期的なレビューミーティングを通じて、測定結果の解釈や改善施策の検討を行うことで、より効果的なオンボーディングの実現につながります。
オンボーディングのプロセスを改善するためにも学習行動のデータが必要!
前述の「4.テクノロジーを活用したオンボーディング手法:」の部分でも説明しましたが、これからの時代、オンボーディングプロセスを効果的に評価し、継続的に改善するためには、新入社員や中途社員の学習行動に関するデータが非常に重要です。その理由を以下で詳しく説明します。
学習行動データの収集:
学習活動のトラッキング: 新入社員や中途社員がどのようなトレーニングモジュールを受講し、どのくらいの時間を費やしているかを記録することで、学習者の学習パターンを明らかにします。このデータは、どのプログラムが効果的で、どこに改善が必要かを判断するための土台となります。 |
参加度のモニタリング: 研修セッションやグループディスカッションへの出席率、オンライン学習プラットフォームの利用頻度などを追跡することで、各社員の学びへの積極性を評価できます。 |
フィードバックと成果の記録: 学習後のテストや評価を通じて、新入社員や中途社員がどれほど知識を習得できたかを数値化し、その結果を定期的にレビューします。また、新入社員や中途社員からのフィードバックを集め、実際の業務にどの程度役立っているかを評価します。 |
データ活用のメリット:
ギャップの特定: 学習行動データを分析することで、新入社員や中途社員がどの分野で困難を感じているか、どのスキルが不足しているかといった情報を得ることができます。これにより、具体的な改善ポイントを識別し、必要に応じた支援や追加トレーニングを提供することができます。 |
プログラムのカスタマイズ: 企業はデータを活用して、個人のニーズに合わせてカスタマイズした学習体験を設計することができます。例えば、異なるバックグラウンドや経験を持つ社員に対し、データを活用することで、異なる学習モジュールやサポートを提供できます。 |
効果の測定と改善: オンボーディングプロセスの効果を定量的に測定することで、プログラムのROI(投資対効果)を評価することができます。これにより、パフォーマンスに基づいた継続的な改善が可能になります。 |
学習行動データに基づいてオンボーディングプロセスを評価することで、企業は変化する環境や多様化する社員のニーズに柔軟に対応することができます。
これによりオンボーディングの効果を最大限に引き出すことができ、新入社員や中途社員の定着率向上、早期戦力化、組織全体のパフォーマンス向上につながります。
つまり、学習行動のデータは、効果的なオンボーディングプロセスの構築と成功の鍵であるといえます。学習行動のデータを活用することで、企業はデータドリブンな意思決定が可能となり、一層戦略的な人材育成が進められます。
そのためにも、オンボーディングプロセスを構築する際には、ラーニングプラットフォームなどのデジタルツールを活用して、学習行動のデータ取得をしていく必要があるのです。
オンボーディングプロセスを効果的に構築した事例
業種:サービス業
従業員数:1,500名以上
【ねらい】
毎月20名前後の中途社員を採用しており、そのたびに同様の研修を実施している。
そのデジタル化を図ることで効率化と効果性を高めたい。
【オンボーディングプログラムの構成】
入社手続き関係(書類関係) |
経営理念・価値観 |
中期経営計 |
今期の方針 |
人事制度や評価制 |
福利厚生制度 |
就業ルール |
事業所の説明 |
個人情報の取り扱い |
商品知識 |
セールストーク |
社内システムの使い方 |
メンタルヘルスケア |
・・など |
【オンボーディングプロセス】
- 1週間単位、計8週間(約2カ月間)のプログラムを構築。毎月受講開始できる状態を整備
- 現場に行く日は「実地指導+デジタル学習」、現場に行かない日は「社内研修(勉強会)+デジタル学習」で展開
- 1年目はオンボーディング期間として重点的に学習してもらい、 2年目以降は定着化期間としていつでも学習できる環境を用意
【オンボーディングプログラムの成果(お客さまの声)】
- 育成のばらつきが減ってきたように感じられる。
- デジタル化を図ることで、整備には労力がかかるものの一度作成した学習環境は毎月入社してくる社員に対してもコピーなどして活用ができるため、だいぶ楽になった!
- 今後現地でのOJTリーダーとの連携を図ることでより効果的なプログラムの運用ができそうである。
まとめ
本記事では、効果的なオンボーディングプロセスの設計から実施、評価に至るまでの包括的な内容を解説してきました。
オンボーディングプロセス成功のカギとなるのは、「計画性」「継続性」「個別性」の3つの要素です。入社前から1年程度の期間にわたり、計画的かつ継続的なサポートを提供しながら、個々の特性に応じた柔軟な対応を行うことが重要です。
特に注目すべき実践ポイントとして、まず入社前のプレオンボーディング段階からの準備が挙げられます。この時期に企業文化や期待役割を明確に伝え、新入社員や中途社員の不安を軽減することで、入社後のスムーズな立ち上がりが可能となります。
入社後は、段階的な業務の付与と適切なサポート体制の構築が鍵となります。
メンター制度の活用や定期的なフィードバック面談を通じて、新入社員の成長を支援するとともに、課題の早期発見と対応を行います。
また、デジタルツールの活用も効果的なオンボーディングには欠かせません。
学習管理プラットフォームや進捗管理ツールを活用することで、より効率的かつ効果的なサポートが可能となります。
産業別の特性を考慮しながら、自社に適したプログラムを構築することも重要です。IT業界であればテクニカルスキルの習得支援を、製造業であれば安全管理や品質基準の理解促進を重視するなど、業界特性に応じた重点項目の設定が必要です。
最後に、定期的な効果測定と改善のサイクルを確立することで、プログラムの継続的な進化を図ることができます。定量的・定性的な評価指標を組み合わせ、プログラムの効果を多角的に検証することが重要です。
成功するオンボーディングプロセスは、新入社員の成長支援だけでなく、組織全体の生産性向上とイノベーション創出にもつながる重要な経営施策です。本記事で解説した要点を参考に、自社の状況に合わせて効果的なプログラムの構築を進めていただければ幸いです。
▼新入社員育成については以下にまとめました。こちらからダウンロードできます。
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