新入社員教育プログラムの作り方ガイド|Z世代への適応ポイントを解説!
新入社員教育プログラムの設計と実施は、企業の未来を左右する重要な取り組みです。
しかし、新入社員教育に慣れていない人からは、何から始めるべきかわからない、効果的なプログラムの作り方がわからない、せっかく作ったプログラムが現場のニーズと合っていないという声をよく耳にします。
実際、新入社員の早期戦力化と定着率の向上は、多くの企業が抱える課題となっています。新入社員教育プログラムはこの課題を解決する重要な鍵となりますが、効果的なプログラムの設計には、さまざまな要素を考慮する必要があります。
本記事では、新入社員教育プログラムの重要性から具体的な作り方、実践的なテクニックまで、徹底的に解説します。人事担当者の方はもちろん、教育担当者の方にも役立つ実践的な内容となっています。
特に、7つのステップで解説する新入社員教育プログラムの作り方は、すぐに実践できる具体的な手順となっているため、プログラム作成の道筋が明確になるはずです。
また、職種別の具体的なプログラム例や、現場での実践テクニックも紹介しているため、自社の状況に合わせてアレンジも可能です。
さらに、多くの企業で見落としがちな、新入社員教育プログラムの「評価と改善サイクル」についても詳しく解説しています。これにより、一度作って終わりではなく、継続的に改善できる仕組みづくりまでサポートします。
それでは、成功する新入社員教育プログラムの作り方について、順を追って見ていきましょう。
▼新入社員研修を外部委託する際のポイントについては下記で詳しく解説しています。
⇒新入社員研修を外部委託する際のすみ分けとは?定着に向けたポイントを解説!
▼新入社員研修の講師については下記で詳しく解説しています。
⇒新入社員研修の講師ガイド|準備から事後フォローまでコツや事例を交えて解説!
▼新入社員の育成については下記にまとめています。(4部作:企画編・実践編・カリキュラム編)
目次[非表示]
- 1.新入社員教育プログラムが重要な理由
- 1.1.早期戦力化による企業競争力の向上
- 1.2.離職率低下と人材定着への効果
- 1.3.組織文化の継承と一体感の醸成
- 1.4.採用活動への好影響
- 2.新入社員教育プログラムの目的
- 2.1.基礎的なビジネススキルの習得
- 2.2.企業理念と価値観の理解促進
- 2.3.組織への適応とコミュニケーション力の向上
- 2.4.業務遂行に必要な専門知識の獲得
- 3.効果的な新入社員教育プログラムの作り方7ステップ
- 3.1.STEP1.新入社員教育プログラムの目的と目標設定
- 3.2.STEP2.必要なスキルを体系的に洗い出す
- 3.3.STEP3.教育プログラムのカリキュラム設計と期間を定める
- 3.4.STEP4.最適な実施形式を選定する
- 3.5.STEP5.進捗管理の仕組みをつくる
- 3.6.STEP6.効果的なフィードバック体制の構築
- 3.7.STEP7.プログラムの評価システムと改善サイクルの構築
- 4.業種・職種別の新入社員教育プログラム
- 4.1.営業職向けプログラムの特徴
- 4.2.技術職向けプログラムの特徴
- 4.3.事務職向けプログラムの特徴
- 5.新入社員教育プログラムの効果を高める実践テクニック3つ
- 5.1.個別学習を取り入れる
- 5.2.アウトプットを重視する
- 5.3.新入社員同士のつながりを感じられるようにする
- 6.新入社員教育プログラムを作る上での注意点
- 6.1.入社時だけでなく、1年間を見据えて作成する
- 6.2.Z世代に合わせた学習方法を取り入れる
- 6.3.オンラインでできることを集合研修でやらない
- 6.4.OJTとの連携を図る
- 7.新入社員の教育プログラムで劇的な成果を上げた支援事例
- 8.新入社員教育プログラムならLDcubeにお任せ!
- 9.まとめ
新入社員教育プログラムが重要な理由
企業の持続的な成長と競争力の維持において、新入社員教育プログラムは極めて重要な役割を果たしています。適切な教育プログラムは、新入社員の早期戦力化を促進するだけでなく、企業文化の継承や組織の活性化にも大きく貢献します。
ここでは、新入社員教育プログラムが企業にとって重要である4つの理由について、具体的に解説していきます。
早期戦力化による企業競争力の向上
新入社員教育プログラムは、新入社員を早期に戦力化するための重要な機会です。体系的な教育プログラムにより、業務に必要なスキルと知識を効率的に習得させることができます。
これにより、配属後の早い段階から実践的な業務遂行が可能となり、企業全体の生産性向上に貢献します。特に近年の急速な市場変化において、人材の早期戦力化は企業競争力を維持・向上させる重要な要素となっています。
離職率低下と人材定着への効果
適切な新入社員教育プログラムは、新入社員の早期離職を防ぎ、人材定着率を高める効果があります。入社直後の不安や戸惑いを軽減し、必要なスキルを段階的に習得できる環境を整えることで、新入社員の自己効力感が高まります。
また、組織への帰属意識も醸成され、長期的なキャリア形成への意欲も向上します。これにより、採用コストの削減と組織の安定的な成長が実現できます。
▼新入社員がすぐに辞めてしまう場合の対処法については下記で解説しています。
⇒新入社員がすぐ辞める場合の理由と対策とは?新人のオンボーディングについても解説!
組織文化の継承と一体感の醸成
新入社員教育プログラムは、企業の価値観や組織文化を効果的に伝承する機会となります。
研修を通じて企業理念や行動規範を深く理解することで、組織の一員としての自覚が芽生え、組織全体の一体感が高まります。
また、先輩社員との交流を通じて、暗黙知の継承や実践的なノウハウの共有も促進されます。これにより、組織の持続的な発展と文化の維持が可能となります。
採用活動への好影響
充実した新入社員教育プログラムの存在は、採用活動においても大きな強みとなります。就職活動生の多くは、入社後の育成体制を重視しており、体系的な教育プログラムは企業の魅力度を高める要素となります。
実際に、教育プログラムの充実度は、優秀な人材の獲得競争において差別化要因となっており、採用ブランディングにも好影響を与えます。デジタルツールを活用した最新の育成体制を整備しておくことで学生の関心を引くことができます。
新入社員教育プログラムの目的
新入社員教育プログラムの設計において、まず明確にすべきは「何のために行うのか」という目的です。効果的な教育プログラムを構築するためには、企業として新入社員に何を学んでほしいのか、どのような人材に成長してほしいのかという具体的なゴールを定める必要があります。
ここでは、新入社員教育プログラムに不可欠な4つの重要な目的について詳しく解説していきます。
基礎的なビジネススキルの習得
新入社員教育プログラムの主要な目的の一つは、社会人として必要となる基礎的なビジネススキルの習得です。これには以下のようなスキルが含まれます。
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これらのスキルは、職種や部署に関係なく、ビジネスパーソンとして必要不可欠な基礎能力です。
企業理念と価値観の理解促進
企業の持続的な成長には、全社員が企業理念と価値観を深く理解し、日々の業務に反映させることが重要です。
新入社員教育プログラムでは、以下の要素について理解を促進します。
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これらをきちんと学び、日々の業務遂行の前提とすることが、組織の一員として重要な要素です。
組織への適応とコミュニケーション力の向上
新入社員が組織に円滑に適応し、効果的なコミュニケーションを図ることができるようになることは、教育プログラムの重要な目的です。具体的には下記の通りです。
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仕事は1人ではできません。組織についての理解や社内での動き方を学ぶことで、組織の一員としての自覚と責任感が育まれます。
業務遂行に必要な専門知識の獲得
配属後すぐに必要となる専門的な知識やスキルの習得も、教育プログラムの重要な目的です。業務遂行に必要な専門知識には以下が含まれます。
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これらは会社独自の内容を含んでおり、組織内でパフォーマンスを発揮するには不可欠な内容です。いち早く習得することが望まれます。
効果的な新入社員教育プログラムの作り方7ステップ
新入社員教育プログラムを成功に導くためには、体系的なアプローチと計画的な実行が不可欠です。ただ漠然と研修を実施するのではなく、目的設定から評価・改善まで、一連のプロセスを段階的に進めていく必要があります。ここでは、効果的な新入社員教育プログラムを作るための7つのステップを、具体的な実践方法とともに解説していきます。
これらのステップに沿って準備を進めることで、より効果的で実践的な教育プログラムを構築することができます。
STEP1.新入社員教育プログラムの目的と目標設定
効果的な新入社員教育プログラムを作るための第一歩は、明確な目的と具体的な目標を設定することです。
以下の要素を考慮しながら設定を行います。
1.組織としての期待値
2.数値化できる具体的な目標
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これらの目標は、経営層や現場マネジャーとも共有し、組織全体で合意を形成することが重要です。
STEP2.必要なスキルを体系的に洗い出す
新入社員が習得すべきスキルを明確にすることは、効果的な教育プログラムを設計する上で重要な基盤となります。配属先での業務遂行に必要なスキルを漏れなく特定し、優先順位をつけて整理する必要があります。
必要なスキルは以下の3つに分類します:
1.基本スキル
2.職種別スキル
3.組織適応スキル
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これらのスキルを体系的に整理することで、効率的な教育カリキュラムの設計が可能となります。
STEP3.教育プログラムのカリキュラム設計と期間を定める
新入社員教育プログラムの効果を最大化するには、適切なカリキュラム設計と期間設定が不可欠です。学習の順序を考慮しながら、実践的なプログラムを組み立てていく必要があります。
カリキュラム設計のポイント |
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標準的な期間設定例 | |
1.導入期(1カ月目) |
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2.実践期(2-3カ月目) |
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3.定着期(4-6カ月目) |
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このように段階的な設計により、効果的な学習と確実なスキル定着を図ることができます。
STEP4.最適な実施形式を選定する
研修内容に応じて、以下の実施形式を適切に組み合わせます。
1.オンライン研修
2.集合研修
3.ハイブリッド型
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それぞれの研修内容に最適な形式を選択し、効率的な学習環境を実現することが重要です。
▼集合研修とオンライン研修の効果的な組み合わせ方については下記で詳しく解説しています。
⇒新入社員研修は習慣是正のために合宿型が最適!?足りない部分はオンラインで補足!ポイントを解説!
STEP5.進捗管理の仕組みをつくる
新入社員教育プログラムの効果を最大化するためには、適切な進捗管理の仕組みが欠かせません。進捗管理により、新入社員の学習上の課題を早期に発見し、必要な支援を提供することが可能となります。
効果的な進捗管理の要素:
- 定量的な評価指標の設定
- 定性的な成長の確認
- 記録の仕組みの整備
具体的な管理方法として以下を推奨します。
1.評価ツールの活用
2.記録・共有の仕組み
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これらの仕組みを通じて、新入社員の成長状況を可視化し、タイムリーなサポートにつなげることができます。
STEP6.効果的なフィードバック体制の構築
新入社員の成長を支援する上で、新入社員への適切なフィードバックは極めて重要な役割を果たします。単に研修を実施するだけでなく、フィードバックを通じて新入社員が自身の成長を実感し、次の課題を明確に理解できる仕組みづくりが必要です。
効果的なフィードバック体制には、以下の要素を含めることが重要です。
1.定期的な機会の設定
2.多面的なフィードバックの実施
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このような体制を通じて、新入社員は自身の成長を実感しながら、次のステップに向けて主体的に取り組むことができます。
また、これには配属部署の上司やOJT担当者にフィードバックの仕方やポイントなどをあらかじめ共有しておく必要があります。
このような定期的なフォローアップにより、必要に応じた支援や軌道修正も可能となります。
▼OJTの進め方については下記で詳しく解説しています。
⇒OJT効果を最大化する進め方とは? 後輩育成のポイントを紹介
STEP7.プログラムの評価システムと改善サイクルの構築
プログラム全体の効果を測定し、継続的に改善するシステムを構築します。
1.評価の実施
2.改善点の特定
3.プログラムの更新
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業種・職種別の新入社員教育プログラム
新入社員教育プログラムは、基本的なビジネススキルの習得に加えて、配属される職種に応じた専門的なスキルや知識の習得も重要です。それぞれの職種には特有の課題や必要なスキルセットが存在するため、職種の特性に合わせたカリキュラム設計が求められます。
ここでは、代表的な3つの職種において、新入社員教育プログラムの特徴と効果的な教育アプローチについて解説します。
営業職向けプログラムの特徴
営業職の新入社員教育では、顧客との関係構築能力とビジネス創出力の養成が最重要課題となります。まず基本となるのは、商品知識や業界知識の徹底的な習得です。これらの知識をベースに、商談スキルや提案力を段階的に向上させていく必要があります。
特に重要なのは、実践的なロールプレイング研修です。架空の商談シーンを設定し、さまざまな状況下での対応力を養成することで、実践で生きる営業スキルを身につけることができます。
また、営業プロセスの理解も重要なポイントです。見込み顧客の発掘から、アプローチ、ニーズヒアリング、提案、クロージングまでの一連の流れを体系的に学ぶことで、効果的な営業活動の展開が可能となります。
さらに、提案書やプレゼンテーション資料の作成スキルも、営業職には欠かせない要素です。これらのスキルは、実際の事例を用いた演習を通じて効果的に習得することができます。
▼営業職の人材育成については下記で解説しています。
⇒営業人材育成(営業研修)の最適な進め方とは?ポイントを解説!
技術職向けプログラムの特徴
技術職の新入社員教育では、専門的な技術スキルの習得を中心としながらも、プロジェクトマネジメントの基礎知識やチームでの協働の仕方も重要な要素となります。
まずは、その企業で使用される技術の基礎を徹底的に学ぶことから始まります。プログラミング言語やフレームワーク、開発ツールなどの実践的なスキルを、段階的に習得していきます。
品質管理の概念も技術職には重要です。設計段階からの品質の作り込みや、テスト手法など、技術者として必要な品質への意識と具体的な手法を学びます。
また、アジャイル開発やスクラムなどの開発手法についても理解を深め、チームでの開発プロセスを円滑に進められる力を養成します。実際の開発環境を用いた実習や、小規模なプロジェクト演習を通じて、実践的なスキルを身につけることが効果的です。
事務職向けプログラムの特徴
事務職の新入社員教育では、正確性と効率性を重視した業務遂行能力の養成が核となります。
まず重要なのは、基本的な事務処理スキルの習得です。文書作成や各種データ入力、ファイリングシステムの理解など、日常的な業務処理に必要な基礎スキルを丁寧に学んでいきます。
特に、Microsoft Officeなどのビジネスソフトウエアの操作スキルは、実践的な演習を通じて確実に身につける必要があります。
また、事務職は社内外のさまざまな部門や担当者との連携が必要となるため、ビジネスコミュニケーションスキルの習得も重要です。電話対応やメールでのやり取り、社内文書の作成など、実務に即した演習を通じて、適切なコミュニケーション能力を養います。
さらに、業務改善の視点も重要です。効率的に業務を遂行するための工夫や、ミスを防ぐためのチェック体制の構築など、業務の質を高めるための考え方と具体的な手法を学びます。
定型業務の正確な遂行に加えて、業務の効率化や改善提案ができる人材の育成を目指します。
新入社員教育プログラムの効果を高める実践テクニック3つ
個別学習を取り入れる
新入社員の学習速度や理解度には個人差があります。そのため、集合研修だけでなく個別学習の機会を設けることで、より効果的な教育が可能になります。
個別学習を効果的に取り入れるポイントは下記の通りです。
学習管理システムの活用:
個別フォローアップの実施:
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これにより、新入社員それぞれの成長をきめ細かくサポートすることができます。
アウトプットを重視する
新入社員は覚えなければならないことが多く、インプット中心の研修になりがちです。しかし、インプットばかりを続けても忘れていってしまいます。知識のインプットだけでなく、学んだことを実践的にアウトプットする機会を多く設けることで、学習効果を高めることができます。
効果的なアウトプット機会の創出方法は下記の通りです。
1.日次(にちじ)の振り返りレポート作成 学んだ内容を自分の言葉で整理し、理解を深める。 2.アウトプット課題の提出
3.成果発表の機会設定 研修の節目ごとに、学んだ内容を発表する機会を設けることで、知識の定着を図る。 |
新入社員同士のつながりを感じられるようにする
同期入社の仲間との強いつながりは、モチベーション維持と学習効果の向上に大きく貢献します。以下のような施策を通じて、新入社員同士の関係構築を促進します。
チーム学習の促進
コミュニケーション機会の創出
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新入社員教育プログラムを作る上での注意点
効果的な新入社員教育プログラムを作成するには、いくつかの重要な注意点があります。
特に近年は、新入社員の特性や学習スタイルの変化、テクノロジーの進歩により、従来型の教育プログラムでは十分な効果が得られない可能性があります。
ここでは、プログラム作成時に特に意識するべきである、4つの重要な注意点について解説します。これらのポイントを押さえることで、より効果的で現代のニーズに合った教育プログラムを構築することができます。
入社時だけでなく、1年間を見据えて作成する
新入社員の成長は入社直後の研修だけで完結するものではありません。
1年間での育成を想定し、段階的な教育プログラムを設計することが重要です。
年間を通じた教育計画のポイントは下記の通りです。
1.フェーズごとの目標設定
2.定期的な振り返りと評価 四半期ごとに成長度合いを確認し、必要に応じて計画を調整します。 |
Z世代に合わせた学習方法を取り入れる
これから入社してくる新入社員はデジタルネーティブ世代、Z世代と呼ばれる世代です。
この世代の新入社員に対しては、従来型の一方向的な研修スタイルでは十分な教育効果を得られない可能性があります。
これから働くZ世代の新入社員の立場に立ち、彼ら・彼女らが学びやすくパフォーマンスを発揮しやすい、新しいアプローチをしっかりと検討していくことが必要です。
Z世代の基本的な特性として、以下の点が重要です。
- デジタルネーティブ(物心ついたころからデジタル技術に触れている)
- 自己主導的な学習傾向(自分自身で情報を探し、独自の方法で学ぶ習慣)
- フレキシビリティと即時性(柔軟性が高く、即時的なフィードバックや成果を求める)
- コラボレーションと多様性の重視(チームワークを重んじ、多様性を尊重する)
- 目的意識と社会貢献活動(意味や目的を持った活動を重視する傾向)
- 健康とウェルビーイングの重視(心と体の健康に対する意識が高い)
(出典:新入社員研修についていけない状況への対処法とは?Z世代に合わせた学習方法を解説!)
これらの特性を生かすため、効果的な学習方法として以下を推奨します。
オンライン学習システムの活用
リアルタイムでのフィードバックと進捗管理
マイクロラーニング(短くて集中できる学習コンテンツ)の提供
ソーシャルラーニングの促進
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これらのデジタル化の手法を活用することで、新入社員研修がより効率的かつ効果的になります。
(出典:新入社員研修についていけない状況への対処法とは?Z世代に合わせた学習方法を解説!)
ただし、デジタルツールの活用は目的ではなく手段であることを忘れずに、新入社員の成長という本来の目的を見失わないようバランスの取れた教育プログラムを設計することが重要です。
オンラインでできることを集合研修でやらない
限られた集合研修の時間を最大限有効活用するためには、オンラインとオフラインの特性を理解し、適切に使い分けることが重要です。
特に、基礎知識のインプットなど、個人で学習可能な内容はオンラインに移行すべきです。
オンライン学習に適した内容 |
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一方、集合研修では以下に注力します。
集合研修に適した内容 |
双方向コミュニケーションが必要なもの:
実践的なスキルトレーニング:
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このように、それぞれの特性を生かした使い分けにより、効率的かつ効果的な研修プログラムを実現することができます。
OJTとの連携を図る
新入社員研修で学んだ内容を実務で効果的に生かすためには、OJTとの連携が不可欠です。研修内容と実務をうまく結びつけることで、知識やスキルの定着率を大きく高めることができます。
効果的なOJT連携のポイント:
- 研修内容の事前共有
- 実践機会の計画的な創出
- 定期的な振り返りの実施
- 成長課題の明確化
具体的な連携施策として以下を推奨します。
OJTリーダーとの連携強化
実務での学びの機会づくり
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このように、研修とOJTを連携させることで、より実践的な人材育成が可能となります。
新入社員の教育プログラムで劇的な成果を上げた支援事例
建設コンサルタント業 新入社員研修のケース
【背景】
Withコロナ時代の中で、集合研修を実施できない中で、単にオンラインで研修を行うだけでなく、学び方のイノベーションも図りたい。
【新たな取り組み】
- 動画コンテンツを作成してオンライン自己学習の充実化を図る
- 確認テストを実施して都度理解度をチェックする
- 質問BOXを設け、随時質問があれば入力してもらう
- オンライン研修のセッションで演習や、質問BOXに入力された質問で質疑応答を行う
【結果】
受講の満足度は? 理解度は?
2019年度までは集合研修をベースに新入社員研修を実施していましたが、コロナ禍の影響により2020年度は新入社員研修を実施できませんでした。
2021年度はオンラインで新入社員研修が実施できるように準備を進めました。
オンライン新入社員研修の効果について、受講者の満足度と理解度の観点から測定しています。 新入社員研修の満足度アンケートについて、2019年度と2021年度の研修満足度のアンケート結果の比較を見てみましょう。
研修のテーマ別で受講者のアンケートを実施しています。
2019年度までの研修アンケートと2021年度の研修アンケートの結果を比べると、大きな差が出ています。 (2020年度は研修未実施のためデータなし)
2019年度までは研修の満足度に関して、5段階中で4を付けた受講者がボリュームゾーンでしたが、2021年度は5を付けた受講者がボリュームゾーンとなりました。
2021年度は2019年度と比べて、受講者の研修満足度が大きく高まった結果となりました。
また、理解度については毎年テーマ別で試験を実施しています。
新入社員の中には、ある分野について大学時代に学習したことがある履修者と、学習したことがない初学者が混在しています。
例年の傾向として、初学者は得点が低く、履修者は得点が高い傾向にありました。
2021年度の試験は下記のような結果になりました。
初学者の得点が低く、履修者の得点が高いという傾向は存在しますが、点数差はあまりなく、初学者が履修者に追いついてきているという結果になりました。
今回の事例の場合、カリキュラム作成に当たり下記に取り組みました。
【新たな取り組み】
- 動画コンテンツを作成してオンライン自己学習の充実化を図る
- 確認テストを実施して理解度を都度チェックする
- 質問BOXを設け、随時質問があれば入力してもらう
- オンライン研修のセッションで演習や質問BOXに入力された質問で質疑応答を行う
オンラインで効果的な学習環境を構築してきたことで、受講者の満足度も理解度もどちらも高めることに成功しました。
新入社員教育プログラムならLDcubeにお任せ!
LDcubeは、人材育成の支援を行う会社であり、新人育成においても効果的な学習環境を構築するために多岐にわたって支援しています。キーワードで検索して学ぶことができるなど、自発的な学習ができる環境を整えるためのツール導入の支援をしています。
また、外部講師が活用している研修プログラムを社内トレーナーが実施できるようサポートするサービスも提供しています。社内トレーナーの存在により、持続的で一貫した新入社員へのサポートが可能です。
お客さまの研修ご担当者や社内トレーナーの方々と連携し、適切な研修カリキュラムの構築も行っています。新人社員の定着と即戦力化を実現するために、必要に応じて一部研修の実施もサポートしています。
LDcubeなら、新入社員研修を実施する目的に応じて、効果的な学習環境構築を実現し、自社で最高の新入社員教育プログラム研修を作り上げることができます。
▼新入社員研修の講師については下記で解説しています。
⇒新入社員研修の講師ガイド|準備から事後フォローまでコツや事例を交えて解説!
まとめ
新入社員教育プログラムの作り方ガイド|Z世代への適応ポイントを解説!について説明してきました。
- 新入社員教育プログラムが重要な理由
- 新入社員教育プログラムの目的
- 効果的な新入社員教育プログラムの作り方7ステップ
- 業種・職種別の新入社員教育プログラム
- 新入社員教育プログラムの効果を高める実践テクニック3つ
- 新入社員教育プログラムを作る上での注意点
- 新入社員の教育プログラムで劇的な成果を上げた支援事例
- 新入社員教育プログラムならLDcubeにお任せ!
新入社員教育プログラムは、企業の未来を担う人材を育成するための重要な取り組みです。効果的なプログラムの作成には、明確な目的設定から実施後の評価まで、包括的な視点での設計が求められます。
本記事で解説した7つのステップに従えば、体系的な教育プログラムの構築が可能です。特に重要なのは、新入社員一人一人の成長に寄り添った段階的な学習設計です。基礎的なビジネススキルの習得から、専門知識の獲得まで、適切なペースで学びを深められるように配慮することが大切です。
また、Z世代の特性を考慮した学習方法の採用や、デジタルツールの効果的な活用も、現代の新入社員教育には欠かせない要素となっています。集合研修とオンライン学習を組み合わせたハイブリッド型の研修設計や、個別フォローの充実により、より効果的な教育が実現できます。
さらに、教育プログラムは完成して終わりではありません。実施後の評価と改善を通じて、継続的にブラッシュアップを図ることが重要です。新入社員からのフィードバックや、現場からの要望を取り入れながら、プログラムを進化させていくことで、より実効性の高い教育が可能となります。
LDcubeは、これまでのさまざまな新入社員育成の経験(集合研修、社内トレーナー養成、デジタル学習環境づくりなど)を踏まえて、最適な新入社員教育プログラムづくりのご支援をしています。プログラムの無料デモ体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。
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