クレイグ・ワイスによる調査① コロナ禍(2020年)のLMS(学習管理システム)市場を振り返る
パート1:コロナ禍(2020年)のLMS市場に対するクレイグ・ワイスの洞察
クレイグ・ワイス氏はeラーニング業界のコンサルティングやアドバイザリーを提供する会社の、クレイグ・ワイスグループCEO兼主任アナリストです。20年以上にわたり、さまざまな規模の企業と関わっており、LMS市場についての独自の視点を持っています。
彼は毎年「クレイグ・ワイスのLMSリストベスト50」を発表しており、CrossKnowledgeのLMSが5年連続でランクインしており、2020年には1位に選出されました!
次世代のソリューションについて
クレイグ・ワイス氏によれば、学習ソリューションが他から際立つためには、次世代の機能を提供する必要があります。実際、彼のリストで最も高くランクインされたソリューションは、学習者が求め、期待する最先端のテクノロジーを含んだものです。
顧客に最も価値をもたらす機能として、最も要望の多いものは何でしょうか?
クレイグ・ワイス氏によれば、3つの必須機能があります。
① 自動リコメンド機能
ここ数年、NetflixのUIがトレンドを作ってきたおかげで、人々はプレイリストを求めるようになってきています。これは、受講者の学習内容に大きな影響を与えるため、非常に重要な機能です。
クレイグ・ワイス氏は以下のタイプを支持しています
- 最も人気のあるコース:
組織内でも受講率の高いコース - おすすめ:
受講者のプロフィールと過去に受講したコースに基づき、受講者一人一人にパーソナライズされた推奨コース - お気に入り:
受講者が自分の興味に合わせてリスト化したコース
「CK-Connectによって推奨されるコースは、全てパーソナリティータイプ診断に基づいており、自分自身の強みと弱みについて詳しく説明してくれるところがとても気に入りました」ワイスより
② スキル・マネジメント
価値をもたらす2つ目の機能は、スキル管理を提供できることです。
例えば、学習者が興味を持っているスキルを特定するために事前アセスメントを受けることから始めます。その後、コース全体を通して、自己評価、マネジャー評価、その他スキル評価のオプションの提供を行うことができます。このような機能は、学習者が自分自身の状況を把握し、目標を設定するのに役立つため重要です。
③ 測定指標
学習プログラムの効果を測定するために、LMS導入企業は多くの指標(KPI)を持っています。これにより大量のデータが生み出され、それを分析して理解する必要が生じます。
そのため、測定指標の重要性はますます高まっており、LMSプロバイダーは、シンプルなリスト化されたものではなく、流動的なデータを視覚化するための機能を提供する必要があります。大企業の中には、ある種のビジネスインテリジェンスツール(企業が持つさまざまなデータを分析・見える化し、業務に役立てる)にアクセスできることを期待しているところもあります。
「私は、より多くの測定指標と測定指標の可視化を求めるこの傾向は、ユーザーにとって良いことだと確信しています」ワイスより
全ての人々に学習ソリューションの機会を提供する
クレイグ・ワイス氏はLMSに関して多くの誤った情報や誤解があることに気付き、毎年世界のLMSトップ50を発表することにしました。例えば、LMS新規参入企業は、顧客の新しいものが常により良い製品であるという思い込みから、新しい製品というだけで利益を得られることがあります。
また、ある企業は製品比較などせず、これまでの付き合いや同郷の会社だからという理由でLMSの導入を始めたりすることがあります。ワイスのLMSトップ50は世の中に今どのようなLMSがあるのか、それぞれの会社が持つLMSの特徴はどのようなものかを知るのに参考になります。
コロナによる需要の後押し
コロナにより2020年から企業の学習方法に対して、多大な影響が及ぼされています。クレイグ・ワイス氏は、2021年以降も続く予想を発表しました。
第一に、この1年で私たちは学習方法を変えざるを得なくなりました。コロナ以前は社員に対して、対面での研修が豊富にありました。コロナ禍でこれまでの対面がどれだけマネジメントで重要なのかを目の当たりにすることになりました。それによりウェブ会議をうまく活用する必要性も高まりました。
「私は、いつも対面でできることはeラーニングでも同じように、いやそれ以上にうまくできると信じてきました。全てはコンテンツをどのようにデザインしていくかという話になります」ワイスより
第二に、おそらくコロナの影響で明らかになったことは、ウェビナーの必要性です。ラーニングソリューションは、これまでもオンラインで提供してきましたが、世界中の何十億人もの人間が行動を制限されている今、その傾向はますます高まっています。
しかし、LMSはウェビナー機能を直接提供できず、オンライン会議システムのプロバイダーに依存し、統合のためにAPIを使用します。残念なことに、APIは2つのシステム間でデータを効果的に連携できるとは限りません。LMSプロバイダーにとっての大きな課題の1つは、APIの機能を迅速かつシームレスに活用する能力を開発することです。
「私なら、既に何らかのオンライン会議システムと完全に統合しているLMSベンダーを探します。また、両者の間で共有できるデータにも注意します」ワイスより
パンデミック(世界的大流行)の影響により、最新の機能と流ちょうなウェブ会議の実施が必要とされています。これはクレイグ・ワイス氏が指摘する未来のトレンドで、CrossKnowledgeは引き続き、ビジネスパーソンが成功に必要なスキルを身に付けるための統合的な学習体験を提供し続けます。
引き続き、本記事シリーズのパート2をご覧ください!
まとめ
株式会社LDcubeでは、CrossKnowledge社の日本国内のパートナーとして、LMSやeラーニングを提供しています。世界レベルのMBA教授のマイクロラーニングなど豊富なコンテンツを取りそろえています。パーソナルサーベイをベースにパーソナライズドラーニングを提供できるCK-Connectなどのサービスもあります。無料でのデモ体験会なども行っています。お気軽にお声がけください。
本調査ならびに記事執筆は海外で行われたものですが、株式会社LDcubeでは2023年7月に「ポスト・コロナの人財育成施策の実態調査」を行いました。こちらもご覧ください。
▼関連記事はこちらから。
▼ CrosKnowledge社原文記事
https://www.crossknowledge.com/blog/craig-weiss-look-back-at-learning-systems-in-2020/