動画研修のメリットとは?効果的な社員育成の方法・親和性の高い研修も紹介
企業研修の形態が多様化する中、「動画研修」が注目されています。
しかし、多くの企業が抱える疑問は、動画研修が従来の対面式研修と比較してどのようなメリットを提供するのか、そしてそれが実務にどれほど効果的に活用できるかという点です。
では、動画研修を導入することで得られる具体的なメリットとは何でしょうか?
まずは、従来の対面式の研修において、多くの企業が直面する課題について考えてみましょう。
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それに比べて、動画研修にはメリットが多く、効果的に活用することができれば、学習の生産性を劇的に高めることが可能です。
本記事では、動画研修の定義や特徴を解説した上で、5つのメリットと3つのデメリットを詳しく説明します。
さらに、動画研修の具体的な活用例や成功のためのステップも紹介します。
最後に、従来の対面研修との組み合わせ方についても触れ、組織の学びを変革するための指針を提供します。
動画研修の可能性と課題を理解し、効果的に活用するためのヒントが得られる内容となっています。
▼動画研修とは?については以下で動画研修の作り方など交えて解説しています。
⇒動画研修は社員教育の新たなカタチ!作り方や効果の高め方まで解説!
▼動画の中でもマイクロラーニングの活用がベースとなっています。マイクロラーニングについては以下で解説しています。⇒マイクロラーニングとは?効果の上がった事例、メリット、作り方など全解説!
▼研修用動画の作り方については以下にまとめています。合わせてご覧ください。
目次[非表示]
- 1.動画研修とは?従来の研修との違い
- 2.動画研修がもたらす5つのメリット
- 3.動画研修の3つのデメリット
- 4.動画研修のメリットを得やすい研修7選
- 4.1.新入社員オンボーディング研修
- 4.2.製品知識研修
- 4.3.コンプライアンス研修
- 4.4.技術スキルアップデート研修
- 4.5.ソフトスキル向上研修
- 4.6.昇進昇格者の研修
- 4.7.全社員のエンゲージメントを高めるための研修
- 5.動画研修のメリットを生かした事例
- 6.動画研修のメリットを得るための3ステップ
- 7.動画研修のメリットを従来の対面研修に生かす
- 8.動画研修ならLDcubeにお任せ!
- 9.まとめ:動画研修で組織の学びを変革する
動画研修とは?従来の研修との違い
動画研修とは、オンラインで研修動画を視聴することでスキルや知識を身に付ける人材育成手法です。
インターネットに接続されたパソコンやスマートフォンでいつでもどこでも学習できるため、「eラーニング」というカテゴリーに分類されます。
動画研修で学べる内容は多岐にわたり、企業のビジョンや方針、業務の手順や方法、ビジネスマナー、コンプライアンスなど、さまざまなテーマで活用されています。
従来の研修との違いは以下の通りです。
比較項目 |
動画研修 |
従来の集合研修 |
実施形式 |
オンラインで動画を視聴 |
講師が対面で講義 |
時間の 柔軟性 |
高い(いつでも受講可能) |
低い(決められた日時に受講) |
場所の制約 |
なし(どこでも受講可能) |
あり(指定された会場で受講) |
受講ペース |
個人のペースで調整可能 |
講師のペースに合わせる |
双方向性 |
低い |
高い(その場で質問や議論が可能) |
コスト |
初期投資後は比較的低コスト |
講師料、会場費などで高コスト |
内容の 一貫性 |
高い(常に同じ内容を提供) |
講師や開催回によって変動の可能性あり |
受講者間の交流 |
限定的(オンラインでの交流のみ) |
活発(対面でのグループワークなどが可能) |
受講者の 集中力維持 |
工夫が必要(視聴者を引きつける仕掛けが重要) |
比較的容易(講師が臨機応変に対応可能) |
繰り返し 学習 |
容易(何度でも視聴可能) |
困難(再受講が必要) |
この表から分かるように、動画研修は時間や場所の制約が少なく、個人のペースで学習できる一方で、従来の研修は双方向のコミュニケーションや受講者間の交流に優れています。
動画研修がもたらす5つのメリット
動画研修は、従来の研修方法と比較して多くのメリットをもたらします。
個々の学習体験の向上から組織全体の効率化まで、その効果は幅広い領域に及びます。
ここでは、動画研修が組織にもたらす主要なメリットについて詳しく解説します。
これらのメリットを理解し、適切に活用することで、より効果的な人材育成と組織の成長を実現できるでしょう。
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動画研修の3つのデメリット
動画研修には多くのメリットがある一方で、いくつかの課題や制限も存在します。
これらのデメリットを理解し、適切に対処することは、動画研修を実施する上で非常に重要です。
ここでは、動画研修に関連する主要なデメリットについて詳しく解説します。
これらの課題を認識し、適切な対策を講じることで、動画研修の効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
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動画研修のメリットを得やすい研修7選
動画研修は、あらゆる分野で活用できる柔軟な学習ツールですが、特定の研修分野においては、そのメリットをより顕著に発揮します。
ここでは、動画研修の特性を最大限に生かせる5つの研修分野を紹介します。
これらの分野では、効率的な知識伝達、一貫性のある内容提供、柔軟な学習環境の実現など、動画研修の利点が直接的に組織の成長と従業員のスキル向上につながります。
以下の事例を参考に、自社の研修プログラムに動画研修を取り入れる方法を考えてみましょう。
新入社員オンボーディング研修
新入社員オンボーディング研修は企業文化を理解し、職場環境に早くなじむために重要です。動画研修を活用することで、会社の歴史やビジョン、業務プロセスなど、標準化された情報を一貫して伝えることができます。
例えば、社内の各拠点・施設ツアーを動画で提供することで、新入社員が物理的に訪問することなく社内の雰囲気をつかむことができます。
また、FAQ形式の動画を用意することで、よくある質問に簡単にアクセスできるようになります。
製品知識研修
製品知識研修では、特に新製品のローンチ時に、営業社員や販売員が即座に詳細情報を把握することが求められます。
動画を使用することで製品の特徴や利点、使用方法を視覚的に伝えられるため、理解が深まるだけでなく、情報の統一性も図れます。
また、AR技術を組み合わせて、製品の内部構造や機能をより詳細に疑似的に学ぶことも可能です。
これにより、さらに自信を持って顧客に製品を紹介できるようになります。
コンプライアンス研修
コンプライアンス研修は、企業の法令遵守と倫理意識の向上を図るための重要な研修です。特に、異なる勤務地やリモートワークを行う社員が増える中、一貫したコンプライアンスの基準を保つために動画研修が有効です。
社内外の事例を取り入れた動画を用いることで、実際の業務中のコンプライアンス違反例を示し、社員の意識を高めることができます。
さらに、テスト機能を併用して、理解度チェックを行うことも可能です。
技術スキルアップデート研修
技術スキルの研修では、IT技術や業界の変化に伴うツールの使い方を継続的に学ぶ必要があります。
動画であれば、画面共有やライブデモンストレーションを交えて説明することができ、新しい技術の導入も円滑に行えます。
また、チャットを併用することで、受講者同士が疑問を解決し合う環境をつくることができます。
これにより、学習した内容の実践と即時フィードバックが可能になります。
ソフトスキル向上研修
ソフトスキル向上研修は、職場での人間関係や業務効率を向上させるために不可欠です。
動画研修では、コミュニケーションスキルを身に付けたり、リーダーシップ開発に必要な理論を学んだりすることができます。
例えば具体的なケーススタディーやロールプレイングを動画で示すことによって、交渉スキルやチームビルディングの手法を視覚的に学ぶことが可能です。
その後、ワークショップ形式で集中的に演習したり、フィードバックを受けたりすることで、習得した知識を実際の業務に応用する効果を高めることができます。
昇進昇格者の研修
昇進昇格者は、新しい役割に迅速に適応するために研修を受けることが必要です。
この研修では、リーダーシップスキルや意思決定力を身に付けたり、部下指導の方法などを学んだりします。動画研修を活用することで、成功事例の紹介や、困難な状況における解決策をシミュレーション形式で学ぶことができます。
また、昇進昇格者は、職場で初めての事案に対応しなければならないことも多く、その事案は職場により異なります。
そのため、一律的な研修ではなく、さまざまなテーマを学べる動画研修の環境が整っていれば、自分の状況に合わせ、必要なテーマを必要なときに学ぶことが可能となります。
全社員のエンゲージメントを高めるための研修
社員のエンゲージメントを高めるための研修は、会社全体の生産性向上や離職率の低下に寄与します。
この研修は短期間のうちに全社員に受講してもらうことが重要であり、集合研修で全社員にいきわたらせるのには時間と労力が膨大にかかります。
動画研修で、組織文化の説明やエンゲージメントの重要性を伝えるコンテンツを展開し、会社の目標に対して社員がどのように貢献できるかを明確にします。
また、インタラクティブコンテンツやクイズを通じて、社員の興味を引きつけ、積極的に参加する環境をつくります。
さらに、動画研修と職場内でのリフレクションセッションやグループディスカッションを組み合わせることで、自己の役割と会社の成功の関連性を深く理解し、モチベーションの向上につなげることができます。
動画研修のメリットを生かした事例
建設コンサルタント業 新入社員研修のケース
【背景】
Withコロナ時代の中で、集合研修を実施できない中で、単にオンラインで研修を行うだけでなく、学び方のイノベーションも図りたい。
【新たな取り組み】
- 動画コンテンツを作成してオンライン自己学習の充実化を図る
- 確認テストを実施して都度理解度をチェックする
- 質問BOXを設け、随時質問があれば入力してもらう
- オンライン研修のセッションで演習や、質問BOXに入力された質問で質疑応答を行う
【結果】
受講の満足度は? 理解度は?
2019年度までは集合研修をベースに新入社員研修を実施していましたが、コロナ禍の影響により2020年度は新入社員研修を実施できませんでした。
2021年度はオンラインで新入社員研修が実施できるように準備を進めました。
オンライン新入社員研修の効果について、受講者の満足度と理解度の観点から測定しています。
新入社員研修の満足度アンケートについて、2019年度と2021年度の研修満足度のアンケート結果の比較を見てみましょう。
研修のテーマ別で受講者のアンケートを採っています。
2019年度までの研修アンケートと2021年度の研修アンケートの結果を比べると、大きな差が出ています。 (2020年度は研修未実施のためデータなし)
2019年度までは研修の満足度に関して、5段階中で4を付けた受講者がボリュームゾーンでしたが、2021年度は5を付けた受講者がボリュームゾーンとなりました。
2021年度は2019年度と比べて、受講者の研修満足度が大きく高まった結果となりました。
また、理解度については毎年テーマ別で試験を実施しています。
新入社員の中には、ある分野について大学時代に学習したことがある履修者と、学習したことがない初学者が混在しています。
例年の傾向として、初学者は得点が低く、履修者は得点が高い傾向にありました。 2021年度の試験は下記のような結果になりました。
初学者の得点が低く、履修者の得点が高いという傾向は存在しますが、点数差はあまりなく、初学者が履修者に追いついてきているという結果になりました。
今回の事例の場合、カリキュラム作成に当たり下記に取り組みました。
【新たな取り組み】
- 動画コンテンツを作成してオンライン自己学習の充実化を図る
- 確認テストを実施して理解度を都度チェックする
- 質問BOXを設け、随時質問があれば入力してもらう
- オンライン研修のセッションで演習や質問BOXに入力された質問で質疑応答を行う
動画研修を効果的に活用したことで、受講者の満足度も理解度もどちらも高めることに成功しました。
※上記について、ラーニングプラットフォームUMU(ユーム)を活用して展開カリキュラムの効果測定をしたところ、受講者の満足度、理解度ともに良い結果を得ることができ、上記のカリキュラムが効果的であるということを証明することができました。
(出典:新入社員研修のカリキュラム作成!効果を最大化するポイントを紹介)
▼新入社員の即戦力化するポイントについては以下で解説しています。
動画研修のメリットを得るための3ステップ
効果的な動画研修の実施は、単に動画を作成して配信するだけでは達成できません。メリットを得るためには、綿密な計画と戦略的なアプローチが不可欠です。
ここでは、動画研修のメリットを得るための3つの重要なステップを詳しく解説します。
これらのステップを着実に実行することで、組織の学習目標を効果的に達成し、従業員の能力開発を最大化することができます。
以下のガイドラインを参考に、自社の動画研修プログラムを最適化し、さらに学習効果を引き出しましょう。
STEP1:明確な目標設定とコンテンツ設計
動画研修のメリットを得るためには、まず明確な学習目標の設定が不可欠です。何を学んでもらいたいのか、どのようなスキルや知識の習得を目指すのかを具体的に定義します。
その上で、目標達成に最適なコンテンツを設計します。
単に情報を詰め込むのではなく、受講者の理解度や興味を考慮し、効果的な学習順序や構成を考えることが重要です。
STEP2:効果的な動画制作とプラットフォーム選択
目標とコンテンツが決まったら、次は効果的な動画制作を行います。
単調な講義形式ではなく、図表やアニメーション、実演などを適切に組み合わせ、視覚的に分かりやすい内容を心がけます。
また、動画の長さも重要で、一般的には5〜15分程度が適切とされています。
同時に、動画を配信するプラットフォームの選択も重要です。社内のLMS(学習管理システム)を使用するか、外部のサービスを利用するかを検討し、セキュリティーや使いやすさを考慮して選択します。
STEP3:運用体制の構築と継続的な改善
動画研修の運用体制を整えることも成功の鍵です。
受講管理や進捗状況の確認、質問対応などを行う担当者を決め、スムーズな運営を心がけます。
また、受講者からのフィードバックや学習データを分析し、継続的に研修内容や運用方法を改善していくことが重要です。
定期的に内容を更新し、最新の情報や事例を盛り込むことで、研修の価値を維持・向上させることができます。
動画研修のメリットを従来の対面研修に生かす
動画研修と従来の対面研修は、それぞれの長所を生かしながら組み合わせることで、より効果的な学習体験を提供できます。
この組み合わせ方を「ブレンデッドラーニング」と呼びます。
心理的安全性をテーマにした動画研修を例として挙げた場合、以下のような組み合わせ方が考えられます。
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事前学習として動画を活用:基礎知識や理論を、「心理的安全性がつくる恐れのない職場コース」などの動画で事前学習します。
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研修実施:研修では事前学習で学んだことを踏まえて、自職場で心理的安全性を高めるにはどのようなことに取り組む必要があるかをディスカッションします。これは集合研修でもオンライン研修でも状況に応じて実施しやすいスタイルでよいでしょう。
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自職場でのアクションプランを提出:ディスカッションしたことを踏まえ、自職場で実践するアクションプランを検討し、課題として提出します。
- 実践した職場の反応を投稿:アクションプランをもとに、自職場で実践した上で、職場メンバーの反応などを投稿し、学び合います。
また、以上のような学習を、プラットフォームを活用して運用することで、学習者の学習行動のデータを蓄積することができます。
学習の進捗状況を追いかけ、学習が止まってしまうことが多いポイントなどがデータから分かっていれば、予め対策を講じることもできます。
効果的な組み合わせ方は、研修の目的や対象者、内容によって異なります。
重要なのは、各研修方法の特性を理解し、最適な学習体験を提供することです。
また、定期的に効果を測定し、必要に応じて組み合わせ方を調整することも大切です。
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このような柔軟な対応により、企業の独自のニーズに応じたカスタマイズが可能となり、継続的な人材育成を強力にサポートします。
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