
創造的とは?クリエイティブな人・仕事・思考の具体例と習得する方法を解説!
「創造的とはどういうこと?」
「創造的は生まれ持ったものではないの?」
創造的という言葉を見聞きするものの、ビジネスにおいて「創造的」がどういうものなのかよくわかっていないという人も多いのではないでしょうか?
「創造的」とは、独自の方法で今までにない新しいアイデアや概念を生み出し、価値を見出す能力やプロセスに対して使われる言葉です。
例えば、人物でいえば、スティーブ・ジョブズのiPhoneやイーロン・マスクのテスラ(Tesla)のように、独自の視点で課題を見つけ、従来とは異なるアプローチで新しいアイデアを生み出す人のことです。
彼らのように、新しい何かを生み出す創造性は先天的なセンスだと思うかもしれませんが、創造的な考え方は才能ではなく、努力やトレーニングで養うことができます。
ですが、後から身に付けられるとはいえ、具体的に何をどうすれば良いのか、会社としてできることがあるのか、など疑問を抱かれることでしょう。
そこで本記事では、具体例を挙げながら創造的とはどういうことかを深掘りし、創造的であるために必要な要素を紹介します。
本記事を読むことで叶うこと |
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各要素を身に付ける方法やコツについても紹介しています。
今から「創造的」に必要な要素を身に付けたい人はもちろん、創造的な人材を育成したいと考えている人にとっても有益な情報なので、ぜひお役立てください。
▼創造性に関連するテーマについては下記で詳しく解説しています。
- 創造性とは何か?ビジネスパーソンに必要なクリエイティビティの本質
- 創造力を鍛える12の具体的な方法と発揮しやすい環境の作り方
- 想像力と創造力の違いとは?それぞれを鍛える具体的な方法も解説
- 新商品開発のアイディアがあふれ出す!即実践テクニック9選を大公開
- 【商品開発フレームワーク22選】段階別で活用すべき方法を徹底解説!
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目次[非表示]
創造的とはこれまでにない独自の視点で価値を生み出すこと
冒頭でもお伝えした通り、「創造的」とは従来の枠組みに囚われず、新しいアイデアや概念、解決策などを生み出す能力やプロセスに対して使われる言葉です。
競争の激しい現代のビジネス環境においても、創造的な発想でイノベーションを生み出せる企業や人材が成功しています。
例えば、Appleは直感的な操作を可能にするスマートフォンとして、タッチスクリーンを採用したiPhoneを開発しました。
また、アプリストアという開発者が自由にアプリを提供できる仕組みも生み出し、創造的な発想で、電話・メールなどの通信ツールを超えた多機能なデバイスへと進化させ、携帯業界に革命をもたらしています。
このように、従来の枠組みや制約に囚われず、独自の視点で新しいアイデアを生み出し、さらには具体的に実現させて価値を生み出すことが、「創造的」であるということです。
ビジネスにおける「創造的」の具体例
先ほど、「創造的」の意味について解説しましたが、ビジネスシーンにおける「創造的」とはどういうものなのかは、まだイメージしづらいところもあるかもしれません。
この章では、ビジネスにおける「創造的」について、次の3つの視点で解説します。
創造的な人や仕事、思考とはどういうものなのかを掘り下げてみていきましょう。
創造的な人とは
創造的な人とは、既存の常識に捉われず、独自の発想と実行力で新しい価値を生み出せるような人を指します。
例えば、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクは、その「創造的な人」の代表格です。
スティーブ・ジョブズは先述の通り、「シンプルさ」を追及し、使いやすさとデザイン性に富んだiPodやiPhoneを開発し、革新的な製品を生み出し、モバイル端末の在り方を一変させました。
イーロン・マスクも、従来の自動車メーカーが進めているガソリン車をベースとした開発ではなく、ソフトウェアのアップデートによる車の進化や、自動運転技術の開発に注力する「テスラ(Tesla)」で業界の常識を覆しています。
宇宙開発の分野においても、「スペースX(SpaceX)」では従来のロケットの再利用や旧来の技術をあえて使うことで、開発コストの削減や軽量化を図り、民間宇宙ビジネスの発展に大きく貢献しています。
このように、独自的な視点で物事の課題を発見し、未来の可能性を広げる幅広い発想と行動を行える人は、創造的な人と言えるでしょう。
創造的な仕事とは
次は、「創造的な仕事」についてです。
創造的な仕事とは、新しい発想やアイデアを用いたプロセスで、これまでにはない価値を生み出すことです。
例えば、IT業界であれば新しいシステムを開発する、アプリを作るといったプロジェクトにおいて、マニュアル通りに設計することや、指示されたことしか行わないことは、創造的な仕事とは言えません。
なぜなら、すでに決められた手順通りに行動し、再現しているだけなので、新しい価値を生み出しているとは言えないからです。
システム開発においては、過去のプログラムやアルゴリズムを参考にしつつも、新しい可能性を探り、既存の手法を応用しながら、異なるアプローチでシステムを考案することが求められます。
例えば、SlackやChatworkなどのビジネスチャットツールは、既存のメールにリアルタイム性を加え、もっとシンプルかつスピーディーに双方向のやり取りができるように考えられた通信ツールです。
このように、0から作り出すことだけでなく、既存の手法や考え方を応用しながら新しい可能性を切り開くプロセスも創造的な仕事と言えます。
創造的な思考とは
最後は、「創造的な思考」です。
創造的思考とは、既成概念に捉われることなく、柔軟な発想や視点で新しいアイデアを生み出す自由な思考プロセスのことです。
創造的な思考とは、自分なりの考えや解決法を考えることだけではありません。
別のアイデアを応用したり、自由に物事を結び付けたりする考え方も自由な発想で斬新なアイデアを生み出す創造的思考のひとつです。
例えば、Uberは「タクシー会社が車両とドライバーを管理する」という従来のタクシー業界の常識に対し、「空いている車を活用する」という逆の発想から、ライドシェア(一般のドライバーが自家用車で乗客を乗せる仕組み)という新しい仕組みを生み出しました。
このように、「既成概念を疑い、別の角度からアプローチをして新しい価値を見出す」一連の思考が、創造的思考なのです。
創造的な能力は後天的に積み上げていくもの
ここまでの内容を見て「創造的とは生まれ持ったスキル」と思った人がいるかもしれませんが、それは誤解です。
創造的な能力は習慣やトレーニングで養うことができ、後天的に積み上げることが可能だからです。
創造的能力を後天的に鍛える取り組みの事例として、Googleの「20%ルール」が挙げられます。
「20%ルール」とは、業務時間の20%を本業とは異なるプロジェクトに対して自由に使えるというもので、自分の時間の一部を新しいアイデアを考えたり試したりすることに使うことができます。
この「自由な思考の実践」と「試行錯誤」に使う時間と機会が与えられたことで、日々の業務で培った知識を新しい発想に活用し、実際に形にすることが可能になり、GmailやGoogleマップといった革新的なサービスの誕生につながっているのです。
つまり、創造的な能力は生まれ持ったスキルではなく、チャレンジできる環境や機会があり、それに対して挑戦すれば、これからでも創造的な能力を身に付けることができます。
「創造的」であるために習得すべき要素
「創造的」な思考や仕事を行うためには、どのような要素を身に付けておく必要があるのでしょうか。
創造的なアイデアを生み出し、実行・具現化するためには、これから解説する4つの要素を習得する必要があります。
この4つの要素が複合的に作用することで創造的な能力を発揮できるため、各要素についての理解を深めましょう。
独創性
「創造的」であるために習得すべき要素のひとつが、独創性(originarlity)です。
新しいアイデアや概念を生み出すには、独自の考えや視点を持つことが重要になります。
単なる模倣ではなく、ユニークな発想でアイデアを生み出す力が求められるのです。
スティーブ・ジョブズのiPhoneの例でも説明した通り、過去の携帯電話のデザインや機能をそのまま踏襲するだけでは、今のようなスマートフォンの市場は生まれなかったかもしれません。
創造的であるためには、常識や既存の枠組みに捉われることなく、他人が真似できない独自性やユニークさが不可欠で、それこそが新しい価値やイノベーションを生み出す源になるのです。
柔軟性
2つ目の要素は、「柔軟性」です。
創造的であるためには、物事を多角的に捉え、その場の状況に応じた行動や判断を導き出し、対応できる能力が求められます。
目まぐるしく変化する現代において新しいアイデアを生み出すには、固定観念に縛られず、多様な視点を受け入れながら考えを適応させなければなりません。
電球を発明したトーマス・エジソンのように、ひとつの方法に固執せず、失敗するたびに新たな素材や手法で試行錯誤するという思考の柔軟性が求められています。
発想の豊かさ
3つ目に紹介する「創造的」であるために身に付けたい要素は、「発想の豊かさ」です。
発想の豊かさとは、多様なアイデアや概念を生み出す能力のことです。ひとつでも多くのアイデアを生み出すことが求められます。
多様な視点と知識の幅が発想の豊かさのベースとなり、既存の枠組みを意図的に組み替えたり、異なるものを組み合わせたりするといった斬新な発想力で次々と新しいアイデアや概念を生み出すことにつながります。
そのため、好奇心が旺盛で、失敗を恐れず、人と異なる視点で物事を捉えながら、最良の発想を選び抜く力が必要になってきます。
実現力
4つ目の要素は、「実現力」です。
言葉の通り、アイデアを具体的な形に落とし込み、計画を立てて着実に進め、実現させる能力が必要です。
イーロン・マスクのスペースXの事例は、ユニークなビジョンや発想における、数多くの技術的な問題と向き合い解決してきた実現力が成功のカギとなっています。
このように、発想力があり、多くのアイデアを生み出したうえで、それを形にすることではじめて価値が生まれます。
そのため、日々新しいアイデアを生みながら、積極的かつ継続的に実践し、アイデアを形にする能力が求められます。
創造的な要素を身に付ける方法
「創造的」であるための要素を見て「本当にこれから身に付けることができるのだろうか?」と不安になった方もいるかもしれませんが、安心してください。
これから紹介する方法を実践し、トレーニングすることで確実に鍛えることができます。
この章では、先ほど解説した「創造的」を為す要素ごとに鍛え方を紹介します。
【要素1】独創性を身に付ける方法
独創性は、主観や先入観を取り除き、白紙状態から物事を考えることがポイントとなるため、次の3つの方法で身に付けることができます。
【独創性を身に付ける方法】
方法 |
企業としてできること |
一度離れることで生まれる「無意識」のアイデア発想を促す |
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ゼロベース思考で常識や先入観にとらわれない発想を鍛える |
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創造的な場所を訪れて刺激を受けてインスピレーションを得る |
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いったん目の前の業務から離れて別のことをしたり、刺激の多い場へ出向いたりすることで、無意識の中でも思考が成熟して自然と新しいアイデアが浮かび上がることがあります。
既存の価値観や思い込みは、自由な発想を阻害してしまうため、頭をフラットな状態にすることを重視しましょう。
【要素2】柔軟性を身に付ける方法
一見すると関係ないものでも組み合わせることで既存の発想を超えた新しいアイデアが生まれることがあるため、次のような方法で柔軟性を身に付けましょう。
【柔軟性を身に付ける方法】
方法 |
企業としてできること |
マイナスをプラスに変える逆転の発想法を身に付ける |
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異分野の知識を積極的に取り入れ新しい組み合わせを生み出す |
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積極的に異なる分野の知識や知見を増やして挑戦し、既存の知識と結び付けるクセをつけることで、柔軟性を高めることができるため、企業としてチャレンジしやすい環境や異分野に触れる機会を作りましょう。
【要素3】発想の豊かさを身に付ける方法
発想を豊かにするためには、次の4つの方法で多様な知識とアイデアをインプットし、それらを組み合わせる機会を増やすことが大切です。
【発想の豊かさを身に付ける方法】
方法 |
企業としてできること |
知識とアイデアのインプットを増やし発想の源を豊かにする |
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マインドマップやブレインストーミングで発想を自由に広げる |
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アイデアをいつでもメモできる習慣でひらめきを逃さない |
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創造的であるためには、新しいアイデアにつながる知識と知見が必要不可欠です。
日ごろから知的好奇心を持ち、インプットを増やしていくことを目指しましょう。
ただし、インターネットやSNSの情報には、真実と虚偽が混ざっていますから、なんでも闇雲にインプットするのではなく、質の高い情報源を活用しましょう。
【要素4】実行力を身に付ける方法
創造的=新しいアイデアから価値を生み出すには、アイデアを形にする必要があるため、次のような方法で実行力を身に付けましょう。
【実行力を身に付ける方法】
方法 |
企業としてできること |
プロトタイピング(試作品)でアイデアを素早く進化させる |
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失敗を恐れずチャレンジし経験から学ぶ姿勢を大切にする |
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失敗を恐れることなく「失敗から学べるものがある」という逆転の発想で、アイデアを商品やサービスに落とし込む姿勢が求められます。
試作モデルを作成し、検証・改良を繰り返してアイデアを洗練させながら、実行力を養いましょう。
ここまで紹介した創造的であるための要素を身に付ける方法は、「創造力を鍛える12の具体的な方法と発揮しやすい環境の作り方」でも解説しています。
それぞれの要素を身に付けるコツを知りたいという人は、あわせてご覧ください。
創造的な人材を育成するために意識すべきこと
企業において、創造的な人材を育成するためには、それを後押しする風土や環境づくりを意識する必要があります。
創造的な取り組みに対する理解や、失敗・チャレンジを受け入れて奨励するカルチャーが根付いていないと、安心して挑戦できないからです。
気兼ねなく新しいアイデアについての発言や行動が取れるよう、次の3つを意識して風土や環境づくりを進めましょう。
創造的思考の習得に特化した学びの場を提供する
効果的に「創造的」な人材を育成するためには、創造的な思考を高める学びの場を提供することが大切です。
具体的には、知識や情報を体系的に学べるスキル学習のための研修に加え、新しいアイデアを生み出すワークや実践できる場の提供が挙げられます。
先述の通り、創造的な思考は、トレーニングによって習得が可能です。
組織の創造力を引き出してくれる、イノベーション思考に特化した実践的な研修を取り入れましょう。
創造的思考を身に付ける学びの場の提供を考えているならLDcubeへご相談ください |
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自律性を重視して主体的な創造活動につながる環境を提供する
組織メンバーが創造的であるためには、各個人の自律性を重視し、自ら行動できるような環境づくりも大切です。
一人一人が自分たちの意思で行動できる環境がなければ、挑戦することなく既存の枠組みの中でしか思考・行動できず、新しいアイデアや概念が生まれにくいからです。
そのため、組織の中で創造的な人材を増やしたいと考えるのであれば、メンバーの自主性を促す取り組みを行いましょう。
【自律性を促す環境の例】
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完璧な結果だけで評価せず、諦めずにチャレンジした姿勢や、創意工夫にも着目して評価しましょう。
社内的にも発信をして組織のマインドやカルチャーに変革を与え、主体的な創造活動につながる環境づくりをしましょう。
外部の研修やサポートを積極的に利用する
創造的な人材を効率よく育成するには、外部の研修やサポートをうまく活用することも大切です。
なぜなら、社内にはない視点やスキル、考え方が身に付くからです。
社内で研修を行えば、社内の目線や視点で物事を捉えた既存のノウハウを共有することになりますが、社外研修やサポートを積極的に利用することで、新しい視点や知識の習得が期待できます。
スキルアップやモチベーションの向上など、学びの質にもプラスの効果が期待できるため、専門家からの質の高い研修やサポートを効果的に活用しましょう。
外部の研修やサポートを取り入れるならLDcube |
外部の研修やサポートを活用し、企業における創造的な能力を底上げしたいと考えるのであれば、LDcubeの人材育成プログラム「イノベイティブ・シンキング・システム(ITS)」がおすすめです。 LDcubeのITSは、アイデアを生み出す方法から、ベストなアイデアの絞り込み、具現化するまでの一連のフローを “技法”として学ぶことができます。 体系的に学び、技法を習得していけるため、着実に能力が身につき「革新的な行動」を取れる人材の育成が期待できます。 実際、「アイディアがあふれる組織づくり」を目的にITSを導入した企業で、取り組み後に生まれたアイディアが特許出願につながった事例があります。 創造的な思考は、体系的な学びを通してインプットし、鍛えることで身に付けることが可能です。 新しいアイデアが生まれにくく、似通ったアイデアばかりという現状に課題を感じているご担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。 |
まとめ
本記事では、「創造的」とはどういうことなのかを具体例とともに紹介しました。要点は次の通りです。
- 創造的とは、これまでにない独自の視点で価値を生み出すこと
- 創造的な能力は、後から身に付けることができる
- 創造的であるために習得すべき要素は「独創性」「柔軟性」「発想の豊さ」「実行力」の4つ
「創造的」に必要な要素は、生まれ持った才能ではなく、トレーニングで養うことができるため、誰でも努力することで習得できます
創造的な人物を育てるのに重要なポイントは次の3つです。
- 創造的思考の習得に特化した学びの場を提供する
- 自律性を重視して主体的な創造活動につながる環境を提供する
- 外部の研修やサポートを積極的に利用する
その人が持つ能力を最大限に引き出し、創造的な思考から新しいアイデアにつなげていきましょう。
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