PMP®更新ガイド|必要PDU数と効率的な取得方法・手続の流れ
「PMP®資格の更新方法がよくわからない」
「忙しくて、うっかり更新を忘れそうになっていた」
……という方は、多いのではないでしょうか。
プロジェクトマネジメントの国際資格PMP®は、取得後も3年ごとに更新が必要です。
更新手続きの流れや、満たすべき要件を理解しておかないと、資格が失効してしまうリスクがあります。
この記事では、PMP®資格更新に必要なPDUや手続きの流れについて、わかりやすく解説します。
PMP®資格更新に不安を感じている方、PDU取得の方法がわからない方、更新手続きの流れを確認したい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
PMP®資格の更新を確実に行い、プロジェクトマネジメントのプロとしてのキャリアを継続的に維持していきましょう。
▼PMPの資格については下記で詳しく解説しています。
⇒PMP®資格ガイド─取得メリットから受験資格・試験の流れまで解説
▼PDUについては下記でも解説しています。合わせてご覧ください。
⇒PDUとは?PMP®資格維持に必要なおすすめeラーニングも紹介
▼プロジェクトマネジメントについて学ぶeラーニングについては下記で詳しく解説しています。
⇒プロジェクトマネジメントを学ぶeラーニング!PDU取得コースも紹介!
目次[非表示]
- 1.PMP®更新に関する基礎知識
- 1.1.そもそもPMP®とは?
- 1.2.PMP®の資格維持には3年ごとの更新が必要
- 1.3.CCRプログラム/CCRサイクルとは?
- 1.4.更新に必要な「PDU」とは?
- 1.5.PMP®の更新申請には「60PDU」が必要
- 2.PMP®を更新する手続6ステップ
- 2.1.PMP®資格の取得/CCRサイクルが開始
- 2.2.専門能力開発および学習活動に参加/3年間で60PDU以上を取得
- 2.3.PDUの記録と報告
- 2.4.CCR必要条件クリア/CCR申請
- 2.5.PMIからの更新メールを受領/更新料の支払い
- 2.6.CCR更新の完了/次のCCRサイクルの開始
- 3.PMP®更新のPDU取得方法
- 3.1.教育分野:最低35PDU/ギブバック活動分野:最大25PDU
- 3.2.PDUは多くの部分が自己申告制
- 3.3.教育分野は3つのスキルエリア×各8PDU以上が必要
- 3.4.60PDUを確保するパターン例
- 3.5.PDU取得に特化したeラーニングの活用
- 4.PMP®資格更新に関する留意点
- 5.まとめ
PMP®更新に関する基礎知識
PMP®更新の解説では、さまざまな略語や専門用語が出てきます。
前知識がないと混乱してしまいますので、先に基本的な事項を確認しておきましょう。
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そもそもPMP®とは?
PMP®(Project Management Professional)は、プロジェクトマネジメントの国際資格です。
PMP®は、アメリカに本部を置く非営利団体PMI(Project Management Institute:プロジェクトマネジメント協会)が認定しています。
PMP®は、プロジェクトマネジメント専門家としての知識とスキル・経験を証明する、世界で広く認められた資格であり、多くの企業で重視されています。
PMP®資格保持者は、プロジェクトマネジメントの知識体系(PMBOKガイド)に基づいた高度な能力を有していると認められます。
PMP®の資格維持には3年ごとの更新が必要
PMP®資格は、取得後も継続的な学習と能力開発が求められる資格です。
PMP®資格を維持するためには、3年ごとに更新手続きを行う必要があります。
PMP®資格保持者は、更新プロセスを通じて、常に最新のプロジェクトマネジメント知識とスキルを身に付け、自己研鑽を続けることが期待されています。
この継続的な学習と能力開発の要件は、PMIのCCR(Continuing Certification Requirements)プログラムによって定められています。
CCRプログラム/CCRサイクルとは?
CCR(Continuing Certification Requirements)プログラムは、PMP®資格保持者が資格を維持するために必要な要件を定めたPMIの制度です。
※Continuing Certification Requirementsは「資格認定継続要件」という意味になります。
CCRサイクルは、PMP®資格取得または前回の更新から次の更新までの3年間を指します。
資格を維持するためには、CCRサイクル内に、PDUと呼ばれる単位を取得し、更新手続きを完了する必要があります。
更新に必要な「PDU」とは?
PDU(Professional Development Units)は、PMP®資格更新に必要な単位です。
※Professional Development Unitsは「専門能力開発単位」という意味になります。
PDUは、プロジェクトマネジメントに関連するeラーニングの受講や実践的な経験、他者への知識共有などを通じて取得できます(詳細は後述)。
各活動に対して定められたPDUが付与されますが、基本的には、1時間の学習や活動が1PDUに相当します。
PDUには、教育分野(Education)とギブバック活動分野(Giving Back)の2種類があり、それぞれ取得数が設定されています。
PMP®の更新申請には「60PDU」が必要
PMP®資格を更新するためには、3年間のCCRサイクル内に「60PDU」を取得する必要があります。
3年間 = 36か月で、60PDUを取得するペースは、月平均にすると 「1.66 PDU/月」となります。
60PDUの内訳は、教育分野で最低35PDU、ギブバック活動分野で最大25PDUと定められており、PDUの取得状況は、オンラインのCCRシステムで管理・申請します。
PDU取得については、後ほど詳しく解説します。まずはここまでの情報を概要として、ご確認ください。
【ここまでに出てきた用語のまとめ】
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PMP®を更新する手続6ステップ
続いて、PMP®を更新する手続き上の流れを確認しましょう。ここでは、以下6つのステップに分けて、解説します。
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PMP®資格の取得/CCRサイクルが開始
1つめのステップは「PMP®資格の取得/CCRサイクルが開始」です。
PMP®は、試験の正式な合格通知をPMIから受け取った時点で、その資格が授与されます。資格が授与された日は、CCRサイクルの開始日です。
たとえば、2024年4月30日に資格を取得した場合、この日からCCRサイクルが開始し、3年後の同日の前日である2027年4月29日がサイクルの終了日となります。
CCRプログラムに則って、3年ごとに資格の更新を行っていきます。
専門能力開発および学習活動に参加/3年間で60PDU以上を取得
2つめのステップは「専門能力開発および学習活動に参加/3年間で60PDU以上を取得」です。
PMP®の資格保有者は、3年間のCCRサイクル中に、専門的能力開発および学習活動への参加を通じて、自己研鑽を続けていきます。
それらを定量的に証明するのが「60PDU」の取得です。
PDU取得方法は、個人の状況に合わせてカスタマイズできるよう、柔軟な設計になっています。
詳しくは後述しますが、大まかな枠組みと指針のみ定められており、その範囲内で自由に選択できる仕組みです。
たとえば、プロジェクトマネジメントの業務や読書、記事執筆なども、要件に合えばPDUとして申請できます。
PDUの記録と報告
3つめのステップは「PDUの記録と報告」です。
取得したPDUは、PMIのCCRシステムで記録・報告します。CCRシステムは、PDUの取得状況を管理し、更新申請を行うことができるシステムです。
以下のURLよりアクセスできます。
CCRシステム:https://ccrs.pmi.org/
※PMI.orgへのアクセスと共通のユーザー名・パスワードでログインできます。
PDUの申請には、活動内容や日付、時間数などの情報入力が必要です。
定期的にCCRシステムにログインしてPDUの取得状況をチェックし、計画通りにPDUを取得できているか確認しましょう。
なお、申請したPDUの証明書類は、PMIの監査に備えて、CCRサイクルが終了して少なくとも18か月間の保管が求められています。
CCR必要条件クリア/CCR申請
4つめのステップは「CCR必要条件クリア/CCR申請」です。
3年間のCCRサイクル内に60PDU以上を取得し、CCRプログラムの必要条件を満たしたら、CCR申請を行います。
CCR申請は、前出のCCRシステムから、オンラインで行えます。
CCR申請後、PMIによる監査プロセスを経て承認されると、PMP®資格の更新手続きが進行します。
このPMIによる監査プロセスでは、ランダムに選択された資格保有者に対して、PDUの証明書類の提出が求められます。
先ほど述べたとおり、申請したPDUの証明書類は、きちんと保管しておきましょう。
PMIからの更新メールを受領/更新料の支払い
5つめのステップは「PMIからの更新メールを受領/更新料の支払い」です。
CCR申請後、更新に必要な条件を満たしていることをPMIが確認すると、PMIから資格更新手続きに関するメールが送信されます。
このメールの指示に従って、オンライン(Online Certification System)で更新料を支払います。支払方法は、基本的にクレジットカードやデビットカードとなります。
CCR更新料の金額は、PMIからのメールやPMI公式サイトにて最新情報をご確認ください。
参考までに、2024年4月現在での更新料は、PMI非会員の場合で 150ドル(US)です(PMI会員の場合は60ドル)。
1ドル150円で換算すると、150ドル = 22,500円となります。
CCR更新の完了/次のCCRサイクルの開始
6つめのステップは「CCR更新の完了/次のCCRサイクルの開始」です。
更新料の支払いが完了すると、PMP®資格の更新が正式に完了します。
更新完了すると同時に、次のCCRサイクルがスタートします。
3年後のCCRサイクル終了日に向けて、PDU取得の計画を立て、学習や活動を継続していきます。
PMP®更新のPDU取得方法
続いて、PDU取得の具体的な方法について、以下のポイントを解説します。
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教育分野:最低35PDU/ギブバック活動分野:最大25PDU
前述のとおり、PMP®資格更新に必要なPDU数は「60PDU」です。
その内訳は、「教育分野で最低35PDU以上、ギブバック活動分野で最大25PDUまで」と決められています。
教育分野とギブバック活動分野の概要は、以下をご確認ください。
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【教育分野とギブバック活動分野の違い】
比較項目 |
教育分野 |
ギブバック活動分野 |
目的 |
自身の学習と能力開発 |
他者への知識共有と貢献 |
活動内容 |
研修受講、オンライン学習など、自分が知識を吸収する活動 |
プレゼンテーション、メンタリング(後進の個別指導)など他者へ知識を共有する活動 |
PDU取得方法 |
活動時間に応じてPDUが付与される |
活動内容や成果に応じてPDUが付与される |
自身への影響 |
自身の知識やスキルの向上に直結 |
教える力や伝える力の向上、ネットワーキング(人脈形成)の機会 |
では、具体的に “どこで・どうやって教育分野やギブバック活動分野のPDUを取得するか?” については、以下に続きます。
PDUは多くの部分が自己申告制
PDUは、資格保持者の自己研鑽を促進するための制度であり、多くの部分が自己申告制となっています。
教育分野およびギブバック活動分野に当てはまる活動ならば、柔軟にPDUとして申請できるのです。
PMIが認定した教育パートナーが提供する研修やセミナーを受講するほか、多様な方法でPDUを取得できます。 以下は一例です。
【教育分野のPDU取得方法の例】
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【ギブバック活動分野のPDU取得方法の例】
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詳細は、PMI「CCR ハンドブック」p.9 にて解説されていますので、ご確認ください。
教育分野は3つのスキルエリア×各8PDU以上が必要
注意点として、教育分野で取得するPDU(最低35PDU以上)は、以下の3つのスキルエリアに分類され、それぞれ8PDU以上と定められています。
【教育分野のスキルエリア】
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教育分野(最低35PDU以上)は、3つのスキルエリア × 8PDU = 24PDUを取得し、残りの11PDUは、自身の必要性や関心に応じて、いずれかのスキルエリアで取得します。
60PDUを確保するパターン例
教育分野「最低35PDU」に対し、ギブバック活動分野は「最大25PDU」と上限が決められていますが、下限はありません。60PDUをすべて教育分野で取得することも可能です。
【60PDUを確保するパターン例】
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自身の強みを伸ばしつつ、弱点を補強するような学習計画を立てて、PDUを取得していきましょう。
PDU取得に特化したeラーニングの活用
PDUを取得する方法は多岐にわたりますが、その中でもeラーニングは、効率性と確実性の面で優れた選択肢といえます。
eラーニングは、自分のペースで学習を進められるため、仕事と学習の両立が容易です。また、場所を選ばずに学習できるので、移動時間や隙間時間を有効活用できます。
さらに、PDU取得に特化したeラーニングコースを選ぶことで、PMIにPDUとして認定されるか不安を感じることなく、安心して学習に取り組めます。
以下は、CrossKnowledgeのPDU取得コースの一例です。
詳しくは、以下のページにてご確認ください。
CrossKnowledge eラーニング|PDU取得コース
PMP®資格更新に関する留意点
最後に、PMP®資格更新に際して、留意したい3つのポイントをお伝えします。
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CCRサイクル終了までに60PDUに満たないと1年間の資格停止
PMP®資格を維持するためには、3年間のCCRサイクル内に60PDU以上を取得することが必須条件です。
もしCCRサイクル終了までに60PDUに満たない場合、PMP®資格は1年間停止されてしまいます。
資格停止期間中は、PMP®資格を使用することができず、名刺やメールの署名などでPMP®の肩書きを表記することもできません。
ただし、資格停止期間中に不足分のPDUを取得し、更新手続きを行うことで、PMP®資格を復活させることは可能です。
【資格停止を避けるためのポイント】
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60PDUを満たしたらCCRサイクル終了前に申請可能
CCRサイクル内に60PDU以上を取得した場合、CCRサイクルの終了を待たずに、CCR申請・PMIによる監査のプロセスを進められます。
PMIの公式サイトでも、「早めの申請・早めの更新」として、
〈60PDU以上を満たした方は、CCRサイクルの終了を待たずにPMP®を更新することができます〉
と明記されています。
ただし、更新料を支払って更新完了すると、その日が次のCCRサイクルの開始日となる点には注意が必要です。
3年よりも短いスパンで更新料を支払うのを避けたい場合には、更新料を支払うタイミングの調整で、更新完了日を調整するとよいでしょう。
PDU必要条件を満たした後は、CCRサイクルのどの時点でも、更新料を支払えば更新プロセスを完了できます。
なお、更新料の支払期限は、CCRサイクル終了日から90日以内と定められています。この期限は過ぎないよう注意しましょう。
60PDUを超えた分は一部を次のサイクルに繰り越し可能
CCRサイクル内に60PDUを超えてPDUを取得した場合、超過分のPDUの一部は、20PDUを上限として、次のCCRサイクルに繰り越しができます。
【PDUの繰り越し条件】
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注意点として、PDUの繰り越しは、あくまでも過剰に取得したPDUを有効活用するための仕組みです。
繰り越しに頼りすぎると、継続的な学習と能力開発が疎かになる恐れがあります。
持ち越しに頼りすぎることなく、常に自己研鑽の姿勢を持ち続けることが重要です。仕組みを上手に活用しながら、PMP®資格更新を効果的に進めていきましょう。
まとめ
本記事では「PMP®更新」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
PMP®資格は、プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルとして、常に自己研鑽が求められる資格です。資格を維持するためには、3年ごとの更新が必要であり、CCRプログラムに則ってPDUを取得し、更新手続きを行います。
PMP®を更新する手続きの流れを6つのステップで解説しました。
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PMP®更新のためのPDU取得の具体的な方法として、以下を解説しました。
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PMP®資格更新に関する留意点は以下のとおりです。
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PMP®資格更新は、スキルアップの機会でもあります。PDU取得を通じて、自身の強みを伸ばし、弱点を克服していくことで、プロジェクトマネジメントの実践力を高めていきましょう。
参考:PMI「CCR ハンドブック」 、PMI「資格ハンドブック」
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