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プロジェクトマネジメントの資格はどれがいい?主な4種類を比較解説

「プロジェクトマネジメントの資格を取りたいけれど、どれがいいのか分からない」
「プロジェクトマネジャーになるには資格が必要?転職で有利になる?」
「現場のプロジェクトマネジメントを行うにあたって、社員に受けさせる資格はどれがいいのかな」

プロジェクト全体を管理する上での必要な知識や経験を証明するために、「何か資格を取りたい」と考えている方は多いことでしょう。

プロジェクトマネジメントに関連する資格にはいろいろなものがあるため、「どれを選べばいいか分からない」と悩む方も多くいるようです。

結論から言うと、以下の表の通り、プロジェクトマネジメントに関連する代表的な資格4つのうち、迷ったら「PMP®資格」か「プロジェクトマネージャ試験(PM)」がおすすめです。

【プロジェクトマネジメントの資格の比較表】


PMP®資格

プロジェクトマネージャ試験(PM)

P2M

PMOスペシャリスト認定資格

(PMO-S)(★)

おすすめ度

★★★★★

実務経験がある方に最もおすすめ

★★★★★
IT系でコスパを
重視する方向け

★★★☆☆
段階的に学びたい
初学者向け

★★★☆☆
PMOを目指す
専門家向け

受験資格

・2年〜5年以上の実務経験
・35時間以上の研修受講

なし

PMC:講習会修了
PMS:PMC資格者など
PMR:PMS資格者+3年以上の実務経験

・認定教材での学習終了者
・当協会または他団体のプロジェクトマネジメント関連資格を保有している者

試験内容

230分で180問
複数選択・複数回答、空欄穴埋め、マッチング選択など

合計300分(5時間)
マークシート・記述式・論述式

PMC:75分50問
PMS:75分50問
PMR:論文・面談・ワークショップなど

90分で50問
択一式の
選択解答方式

勉強時間

60時間〜
100時間程度が目安

100時間〜
300時間程度が目安

PMCの場合
25時間程度が目安

最短20時間
で取得可能

実施時期

毎月2回実施
(年3回まで受験可能)

秋期(10月)の年1回

PMCの場合
年間6回実施

好きなタイミングで実施可能

受験会場

オンラインか
試験会場を選択可能

会場での筆記試験

CBT試験

自宅や職場で気軽にオンライン受験可能

受験費用

655ドル(USD)
※PMI®非会員

7,500円(税込)

PMCの場合
17,050円(税込)

初回受験が14,300円(税込)

※受験費用は、会員価格ではない「一般価格」を掲載しています。
※価格など掲載内容は、2024年12月確認時点の内容となります。

この記事では、プロジェクトマネジメントに関連する主な4つの資格について、受験資格や勉強時間、費用などをそれぞれ解説するとともに、状況別・ニーズ別におすすめの資格を紹介します。

プロジェクトマネジメントの資格について「それぞれの違いを把握したい」「どれを受ければいいか判断したい」という方は、ぜひ参考になさってください。

▼PMPの資格や更新については下記で詳しく解説しています。
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▼PMP資格維持のためのPDUについてまとめた資料は下記からダウンロードできます。

目次[非表示]

  1. 1.プロジェクトマネジメントの資格は主に4種類ある
    1. 1.1.PMP®資格:実務経験がある方におすすめの資格
      1. 1.1.1.PMP®資格の受験資格
      2. 1.1.2.PMP®資格の試験内容・難易度
      3. 1.1.3.PMP®資格の会場・受験料
    2. 1.2.プロジェクトマネージャ試験(PM):IT系でコスパ重視の方におすすめの資格
      1. 1.2.1.プロジェクトマネージャ試験(PM)の受験資格
      2. 1.2.2.プロジェクトマネージャ試験(PM)の試験内容・難易度
      3. 1.2.3.プロジェクトマネージャ試験(PM)の会場・受験料
    3. 1.3.P2M資格:段階的に学びたい初学者におすすめ
      1. 1.3.1.P2M資格の受験資格
      2. 1.3.2.P2M資格の試験内容・難易度
      3. 1.3.3.P2M資格の会場・受験料
    4. 1.4.PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S):プロジェクトマネジメント支援の専門家向け
      1. 1.4.1.PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の受験資格
      2. 1.4.2.PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の試験内容・難易度
      3. 1.4.3.PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の会場・受験料
  2. 2.【状況別】おすすめのプロジェクトマネジメント資格
    1. 2.1.迷う場合は「PMP®資格」か「プロジェクトマネージャ試験」を比較して選ぼう
    2. 2.2.実務経験が足りているなら「PMP®資格」がおすすめ
    3. 2.3.コストを抑えたいなら「プロジェクトマネージャ試験」がおすすめ
    4. 2.4.段階的に学びたい初学者には「P2M試験」のPMCがおすすめ
    5. 2.5.プロジェクトマネジメント支援の専門家になりたいならPMO-S
  3. 3.【キャリア別】プロジェクトマネジメント資格を選ぶポイント
    1. 3.1.転職に有利になる資格を取得したい場合
    2. 3.2.社内で昇格してプロジェクトマネジャーになりたい場合
    3. 3.3.企業側がプロジェクトマネジメント人材を増やしたい場合
  4. 4.まとめ

プロジェクトマネジメントの資格は主に4種類ある

プロジェクトマネジメントそのものをテーマにした資格は、主に4種類のものが有名です。

【プロジェクトマネジメントの資格の比較表】


PMP®資格

プロジェクトマネージャ試験(PM)

P2M

PMOスペシャリスト認定資格

(PMO-S)(★)

おすすめ度

★★★★★ 実務経験がある方に最もおすすめ
★★★★★ IT系でコスパを 重視する方向け
★★★☆☆ 段階的に学びたい 初学者向け
★★★☆☆ PMOを目指す 専門家向け

受験資格

・2年〜5年以上の実務経験 ・35時間以上の研修受講
なし
PMC:講習会修了 PMS:PMC資格者など PMR:PMS資格者+3年以上の実務経験
・認定教材での学習終了者 ・当協会または他団体のプロジェクトマネジメント関連資格を保有している者

試験内容

230分で180問 複数選択・複数回答、空欄穴埋め、マッチング選択など
合計300分(5時間) マークシート・記述式・論述式
PMC:75分50問 PMS:75分50問 PMR:論文・面談・ワークショップなど
90分で50問 択一式の 選択解答方式

勉強時間

60時間〜 100時間程度が目安
100時間〜 300時間程度が目安
PMCの場合 25時間程度が目安
最短20時間 で取得可能

実施時期

毎月2回実施 (年3回まで受験可能)
秋期(10月)の年1回
PMCの場合 年間6回実施
好きなタイミングで実施可能

受験会場

オンラインか 試験会場を選択可能
会場での筆記試験
CBT試験
自宅や職場で気軽にオンライン受験可能

受験費用

655ドル(USD) ※PMI®非会員
7,500円(税込)
PMCの場合 17,050円(税込)
初回受験が14,300円(税込)

※受験費用は、会員価格ではない「一般価格」を掲載しています。
※価格など掲載内容は、2024年12月確認時点の内容となります。

PMP®資格:実務経験がある方におすすめの資格

プロジェクトマネジメントの実務経験者が資格を取る場合、最もスタンダードな選択肢となるのは「PMP®資格」でしょう。

【PMP®資格の概要】

おすすめ度

★★★★★
難易度は中程度ながら市場価値が高い資格なので
実務経験要件を満たす方に最もおすすめ

受験資格

・2年〜5年以上の実務経験
・35時間以上の研修受講

試験内容

230分で180問
複数選択・複数回答、空欄穴埋め、マッチング選択など

勉強時間

60時間〜100時間程度が目安

実施時期

毎月2回実施(年3回まで受験可能)

受験会場

オンラインか試験会場を選択可能

受験費用

655ドル(USD) ※PMI®非会員の場合

PMP®資格(Project Management Professional)は、プロジェクトマネジメントに関する知識とスキルを証明する国際的な資格で、アメリカに本部があるPMIという団体が認定しています。

プロジェクトマネジメントのグローバルスタンダードとして認知されている有名な資格で、「プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルであること」を証明することが可能な資格といえます。

IT業界や建設業界、製造業界、コンサルティング業界、金融業界など、さまざまな業界・職種でPMP®資格保持者が活躍しています。

実務経験がある方で「どの資格を取得するか迷う」という場合には、まずはこの資格を検討してみてください。

PMP®資格の受験資格

PMP®試験を受験するためには、2年〜5年以上の実務経験(プロジェクトマネジメント業務)が必須となります。

  • 高校卒業:5年(60か月)以上
  • 4年制大学卒業:3年(36か月)以上
  • 大学院卒業:2年(24か月)以上

また、PMI認定の研修機関が提供する研修を35時間以上、受講する必要があります。研修を受講後、PMP®試験の受験が可能となります。

PMP®資格の試験内容・難易度

PMP®資格の試験では、230分(3時間50分)の試験時間で180問の問題を解きます。複数選択・複数回答、空欄穴埋め、マッチング選択などの組み合わせで、日本語で出題されます。

合格率は非公開ですが、一般的には60%程度とされています。ただし、実務経験を踏まえた実践的なスキルや判断力を問われるため、難易度は高めと考えておきましょう。

合格に必要な勉強時間は人によって異なりますが、一般的には、60時間〜100時間程度といわれています。

PMP®資格の会場・受験料

PMP®試験は、監督付きオンライン試験(月2回)と試験会場(テストセンター)での試験を選ぶことができ、日時を予約して受験します。
 
受験料は、受験する地域や「PMI会員か否か」などによって変動します。また、料金改定が随時ありますので、最新情報を公式サイトにてご確認ください。
 
本記事執筆時点(2024年12月現在)では、PMI非会員(日本)の受験料は655ドル(USD)となります。1ドル150円で換算すると約98,250円です。
 
PMP®資格については「PMP®資格ガイド─取得メリットから受験条件・試験の流れまで解説」の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひ御覧ください。

プロジェクトマネージャ試験(PM):IT系でコスパ重視の方におすすめの資格

IT系の方がプロジェクトマネジメントの資格を取りたい場合には、プロジェクトマネージャ試験(PM)もおすすめです。

【プロジェクトマネージャ試験(PM)の概要】

おすすめ度

★★★★★
PM志望のIT系エンジニアでコストパフォーマンスを重視する方におすすめ

受験資格

なし

試験内容

合計300分(5時間) マークシート・記述式・論述式

勉強時間

100時間〜 300時間程度が目安

実施時期

秋期(10月)の年1回

受験会場

会場での筆記試験

受験費用

7,500円(税込)

​​​​​​​プロジェクトマネージャ試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって運営される国家試験で、「情報処理技術者試験」のうちの1区分です。

先ほど解説したPMP®は幅広いジャンルのプロジェクトマネジメントを想定していますが、こちらのプロジェクトマネージャ試験(PM)はIT業界に特化したプロジェクトマネジメントスキルを評価する資格となっています。

そのため、IT系の方は、PMP®資格かプロジェクトマネージャ試験、どちらかを比較して自分に合った試験を受けることをおすすめします。比較の仕方については「2-1. 迷う場合は「PMP®資格」か「プロジェクトマネージャ試験」を比較して選ぼう」で詳しく後述します。

プロジェクトマネージャ試験(PM)の受験資格

プロジェクトマネージャ試験(PM)の受験資格は特になく、前提となる資格や実務経験などは存在しないため誰でも受験できます。

しかしながら、合格には高度な知識やスキルが求められるため、実質的には一定の実務経験があったほうが有利となります。

プロジェクトマネージャ試験(PM)の試験内容・難易度

プロジェクトマネージャ試験の試験時間・出題形式・出題数は以下のようになっています。

プロジェクトマネージャ試験の試験時間・出題形式・出題数
午前Ⅰ(50分):四択問題のマークシート(30問)
午前Ⅱ(40分):四択問題のマークシート(25問)
午後Ⅰ(90分):記述式(3問中2問解答)
午後Ⅱ(120分)):論述式(2問中1問解答)

合計300分(5時間)

プロジェクトマネージャ試験の特徴として、四択のマークシート以外に、記述式と論述式の問題が出題されるという点があります。

特に論述式の試験は特徴的で、自分の経験や考えをまとめて約2,200〜3,600文字の小論文を完成させる必要があります。そのため、プロジェクトマネージャ試験を受験する場合には、PMBOKの知識だけでなく論述式の対策もしっかり行う必要があります。

プロジェクトマネージャ試験の合格率は公表されており、だいたい13%〜15%前後で推移しています。合格に必要な勉強時間は、その人の業務経験やスキルによって異なりますが、だいたい100時間〜300時間程度が一般的です。

プロジェクトマネージャ試験(PM)の会場・受験料

プロジェクトマネージャ試験(PM)は、秋期(10月)の年1回、会場での筆記による試験となります。受験料は7,500円(税込)です。

※価格は、2024年12月時点に確認したものです。

他の資格と比較すると受験料が安く、受験資格も無いのがメリットですが、年に1回しか受験できないのはデメリットといえるでしょう。

P2M資格:段階的に学びたい初学者におすすめ

P2M(Project & Program Management)は、プロジェクトマネジメントに加えて「プログラムマネジメント」(関連する複数のプロジェクトを統合的に管理する手法)も対象にしている試験です。

【P2M資格(日本プロジェクトマネジメント協会)の概要】

おすすめ度

★★★☆☆
入門レベルから段階的に学びたい初学者におすすめ

受験資格

PMC:講習会修了
PMS:PMC資格者など
PMR:PMS資格者+3年以上の実務経験

試験内容

PMC:75分50問
PMS:75分50問
PMR:論文・面談・ワークショップなど

勉強時間

PMCの場合 25時間程度が目安

実施時期

PMCの場合 年間6回実施

受験会場


CBT試験

受験費用


PMCの場合、17,050円(税込)

​​​​​​​P2Mは、特定非営利活動法人 日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が実施する資格制度で、プログラムマネジャーとプロジェクトマネジャーに必要な「実践力」を認定する制度です。

P2Mでは、実践力のレベルによって4種類(PMC・PMS・PMR・PMA)に分けて、それぞれに資格要件を定めて認定しています。入門レベルの「PMC」から勉強して、スキルアップしていきたい方に向いています。

P2M資格の受験資格

P2M資格の受験資格は5段階のレベルごとに設定されています。

【P2M資格の受験資格まとめ】

試験名

取得資格

受験資格

プロジェクトマネジメント・コーディネーター(PMC)資格試験

PMC資格

PMC講習会修了者

PMSプログラム試験

PMS資格

PMC資格登録者

受験要領に定めるPM関連資格保有者


プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験

PMS資格

なし

プログラムマネジャー・レジスタード(PMR)資格試験

PMR資格

PMS資格登録者

3年以上のプログラム・プロジェクト実務経験

プログラムマネジメント・アーキテクト(PMA)資格試験(未実施)

PMA資格

PMR資格登録者

入門レベルのPMCを受験するためには、「PMC講習会」を修了するだけで受験資格を満たせます。上位のレベルを受けるためには、その下のレベルの資格を保有している必要があります。

また、3番目のレベルの「PMR」資格を得るためには、下位の「PMS」資格に加えて、3年以上のプログラム・プロジェクト実務経験が必要となります。

P2M資格の試験内容・難易度

P2M資格の試験時間・出題形式・出題数・出題範囲は以下のようになっています。

【P2M試験の出題内容】

試験名

出題形式

出題範囲

PMC資格試験

CBT試験で、50問の問題を四肢択一により解答(75分)

改訂3版P2Mに記載されているプロジェクトマネジメントコアに関する知識を主に問います。

PMSプログラム試験

CBT試験で、50問の問題を四肢択一により解答(75分)

改訂3版P2Mに記載されているプログラムマネジメントに関する知識を主に問います。

PMS資格試験

CBT試験で、100問の問題を四肢択一により解答(150分)

改訂3版P2Mに記載されているプロジェクトおよびプログラムマネジメントに関する知識を問います。

PMR資格試験

一次試験:論文、面談による実践力評価
二次試験:論文、ワークショップ、面談による実践力判定

プログラム・プロジェクトマネジャーが直面する様々な課題に対するP2M資格の実践的活用力を論文、面談、ワークショップ等で審査します。

PMA資格試験
(未実施)

未発表

未発表

入門レベルの「PMC」と「PMS」は四肢択一問題での出題となり、上位の「PMR」からは論文やワークショップ、面談でより実践力を問う内容となっています。

P2M試験の合格率は公式サイトで公表されており、受験回やレベルによって違いがありますが、50%〜70%前後となっています。

P2M試験の合格率(2024年12月時点)

PMC資格試験の合格率:60%〜70%台(平均67.92%)
PMS資格試験の合格率:40%〜70%台(平均49%)
PMSプログラム試験の合格率:40%〜70%台(平均64.8%)
PMR資格試験の合格率:60%台〜100%(平均77.8%)
PMA資格試験は未実施

合格までの勉強時間もレベルによってまちまちですが、入門レベルのPMC資格試験の場合、25時間程度が一般的といわれています。

P2M資格の会場・受験料

P2M資格試験は、CBT方式によるコンピュータ試験(年間実施)となります。PMCの場合は年6回実施しています。

CBT方式による試験は47都道府県の主要都市で行われており、日程と会場を選んで会場に行き、会場にあるコンピュータを操作して受験することが可能です。

P2M資格の受験料はレベルごとに異なり、以下のようになっています。

【P2M資格試験の受験費用】

試験名

受験料(税込)

PMC資格試験

17,050円

PMSプログラム試験

22,550円

PMS資格試験

39,270円

PMR資格試験

220,000円

※価格は、2024年12月時点に確認したものです。

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S):プロジェクトマネジメント支援の専門家向け

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)は、PMO(Project Management Office)、つまりプロジェクトマネジメントを支援する部門や組織での活躍を目指す人向けの資格です。

【PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)の概要】

おすすめ度

★★★☆☆
PMOの専門家を目指す方におすすめ

受験資格

・認定教材での学習終了者
・当協会または他団体のプロジェクトマネジメント関連資格を保有している者

試験内容

90分で50問
択一式の選択解答方式

勉強時間

最短20時間で取得可能

実施時期

好きなタイミングで実施可能

受験会場

自宅や職場で気軽にオンライン受験可能

受験費用

初回受験が14,300円(税込)

一般社団法人 日本PMO協会(NPMO)が実施している資格試験で、PMO業務で必要な知識を証明することができます。受験資格として当協会または別のプロジェクトマネジメント試験に合格している必要があります。

いきなりPMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)を取得することはできず、PMP®資格やプロジェクトマネージャ試験などを取得して、その次のステップアップとしてPMOを目指す場合に向いている試験です。

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)には「★レベル」と「★★レベル」の2段階がありますが、ここでは「★レベル」をメインに紹介していきます。

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の受験資格

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の受験資格は、以下の2つを共に満たしている方です。

(1)指定のNPMO認定教材での学習を修了した者
(2)当協会または他団体のプロジェクトマネジメント関連資格を有している者

上記をいずれも満たしていれば、実務経験や年齢、学歴などは不問となります。

なお、米国プロジェクトマネメネジメント協会(PMI)や情報処理推進機構(IPA)のプロジェクトマネジメント関連資格も(2)の対象となるため、PMP®資格やプロジェクトマネージャ試験に合格している方は、受験資格を満たせると考えて良いでしょう。

参考:一般社団法人日本PMO協会「NPMO認定PMO-S(★)™:PMOスペシャリスト™の受験資格」

いずれにしても、ベースとなるプロジェクトマネジメント関連資格が受験するための条件となるため、初めて受ける方は別の資格を受けてからチャレンジする必要があります。

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の試験内容・難易度

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の試験内容は以下のとおりです。

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の試験内容

・試験時間:90分(自宅で受験可能なオンライン受験)
・出題形式:択一式の選択回答方式
・問題数:50問
・合格基準:正解率80%以上

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の特徴として、教材学習終了後にそのまま自宅でオンライン受験が可能な点があります。他の試験指定の会場に行く形式がほとんどですので、手軽に受験できるのは大きなメリットといえるでしょう。

合格率は発表されていませんが、学習内容がしっかりと定着している方ならば比較的取得しやすい資格といわれています。なお、上位レベルの「★★レベル」は難易度が高く、合格率は約40%といわれています。

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)合格までの勉強時間は、受験者の知識・スキルによって異なりますが、e-learning後に受験可能なので最短20時間で取得できます。

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)の会場・受験料

PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)は、前述した通り、自宅や職場で気軽にオンライン受験をすることが可能です。

受験料は、初回受験が14,300円(税込)で、2回目以降の再受験は5,500円(税込)です。
別途、受験条件を満たすためのNPMO認定教材(e映像型eラーニング)の教材料金が13,200円(税込)かかります。

※上記は一般価格です。会員になると価格が安くなりますが、会員の年会費がかかります。
※価格は、2024年12月時点に確認したものです。


【状況別】おすすめのプロジェクトマネジメント資格

4種類のプロジェクトマネジメントに関連する資格を紹介しましたが、「結局どの資格が良いの?」と悩む方が多いのではないでしょうか。

ここからは、どの資格を選ぶべきか決めるポイントを解説していきます。

それぞれの詳しいおすすめ理由を解説していきます。

迷う場合は「PMP®資格」か「プロジェクトマネージャ試験」を比較して選ぼう

プロジェクトマネジメントに関連する資格が欲しい場合には、基本的には「PMP®資格」か「プロジェクトマネージャ試験」のどちらかがおすすめです。

どちらを選ぶべきかは、その方の状況や価値観、業界、予算などによって異なるので一概には言えません。以下の比較表を基に、自分にはどちらが合っているか確認してみましょう。

【PMP®資格とプロジェクトマネージャ試験(PM)の比較】


PMP®資格

プロジェクトマネージャ試験(PM)

受験資格

・2年〜5年以上の実務経験
・35時間以上の研修受講

なし

試験内容

230分で180問
複数選択・複数回答、空欄穴埋め、マッチング選択など

合計300分(5時間)
マークシート・記述式・論述式

勉強時間

60時間〜
100時間程度が目安

100時間〜
300時間程度が目安

実施時期

毎月2回実施
(年3回まで受験可能)

秋期(10月)の年1回

受験会場

オンラインか
試験会場を選択可能

会場での筆記試験

受験費用

655ドル(USD)
1ドル150円で換算すると約98,250円

7,500円(税込)

メリット

・難易度がPMよりも低め
・PMよりも国際的な知名度が高い
・論文形式がないため、論文対策が不要
・毎月2回受験チャンスがある
・年3回まで受験可能

・PMP®資格よりも受験費用が安い
・更新が不要で、維持費用がかからない
・受験資格がなく、実務経験がなくても受験できる
・経済産業省が認定する国家資格

デメリット

・受験費用が高い
・更新する場合の費用も高い
・実務経験が短いと受験できない

・受験チャンスが年1回しかない
・論述試験の対策が必要になる

※受験費用は、会員価格ではない「一般価格」を掲載しています。
※価格は、2024年12月時点に確認したものです。

以下では、それぞれの資格がおすすめな人を改めて紹介していきます。

実務経験が足りているなら「PMP®資格」がおすすめ

2-1で解説した通り、「PMP®資格」の方が受験できるチャンスが多く、難易度も低い(論述がない)ため、実務経験が足りているならば「PMP®資格」の方がおすすめです。

  • 高校卒業:5年(60か月)以上
  • 4年制大学卒業:3年(36か月)以上
  • 大学院卒業:2年(24か月)以上

PMP®資格は国際的にも認知度が高い資格なので、この資格を持っていることでプロジェクトマネジメントに必要な知識やスキルを持っている証となります。

ただし、自己負担で受験する場合には少し費用が高めです。受験費用が655ドル(USD)なので、1ドル150円で換算すると約98,250円がかかります。もしも所属する会社の研修制度を利用できるようならば、利用することをおすすめします。

※価格は、2024年12月時点に確認したものです。

コストを抑えたいなら「プロジェクトマネージャ試験」がおすすめ

PMP®資格のネックになるのは「費用が高い」と「受験資格に達していないと受験できない」ことなので、このあたりがネックになる場合はIPAのプロジェクトマネージャ試験(PM)がおすすめです。

プロジェクトマネージャ試験(PM)は7,500円(税込)の受験費用で受けることが可能で、更新制度もないため更新費用もかかりません。

経済産業省が認定する国家資格であり、高度なIT人材を育成する情報処理技術者試験の一分野なので、資格に対する信頼度も保証されています。

ただし、秋期(10月)の年1回しかなく、合格までに時間がかかってしまうケースがある点には留意しましょう。

段階的に学びたい初学者には「P2M試験」のPMCがおすすめ

プロジェクトマネジメントの実務経験がない学生など、初学者が段階的に勉強しながら資格を取得したい場合には、P2M試験のひとつであるPMCがおすすめです。

特定非営利活動法人 日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が実施しているP2M資格の入門レベル「PMC」ならば、「PMC講習会」を修了するだけで受験資格を満たせます。

問題も四肢択一問題のみで、合格率も60%〜70%台と比較的難易度が低めです。

そのため、「これからプロジェクトマネジメントに関わりたいから、何か資格が欲しい」という方や、「勉強しながら資格も取れたら良いな」と考えている方におすすめです。

プロジェクトマネジメント支援の専門家になりたいならPMO-S

PM(プロジェクトマネージャー)よりもPMO(プロジェクトマネジメントを支援する部門や組織)で専門家としての活躍を目指すならば、PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)がおすすめです。

この試験自体、受験資格として、何らかのプロジェクトマネジメントの管理資格を持っていることが条件となります。

PMP®資格やプロジェクトマネージャ試験には合格しており、さらなるステップアップを図りたい方におすすめです。

【キャリア別】プロジェクトマネジメント資格を選ぶポイント

ここからは、目指すキャリア別にプロジェクトマネジメント資格を選ぶポイントについて解説していきます。

先ほどは受験者の状況に合わせて「この状況ならこれがおすすめ!」と紹介しましたが、現在のキャリアや将来的なキャリアの希望によっては本章の内容も参考程度に目を通しておくことをおすすめします。

転職に有利になる資格を取得したい場合

転職に有利になる資格を取得したい場合には、志望している企業や業界の求人情報を見て、実際に優遇されている資格がどれかを見ることをおすすめします。

例えば、多くの企業のプロジェクトマネジャー募集求人で歓迎資格として書かれているのは、「PMP®資格」や「プロジェクトマネージャ試験(IPA)」の資格保有者です。

実際の求人例

【応募資格(必須)】PMP、IPAプロジェクトマネージャなどのPM系資格保有、またはPMBOKベースのマネジメント実績

業界や職種、企業によりますが、転職に有利になるための資格を取得したいならば、「PMP®資格」か「プロジェクトマネージャ試験(IPA)どちらかがおすすめです。

また、PMOを目指す場合には、PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)も優遇されるケースが多いでしょう。

社内で昇格してプロジェクトマネジャーになりたい場合

社内で昇格してプロジェクトマネジャーになりたい場合には、自社で優遇されている資格試験が何かをまず確認してみることをおすすめします。

企業によっては、特定の資格に合格すると、月1万円〜4万円程度などの資格手当が出る会社もあります。また、合格した時点で報奨金(一時金)がもらえたり、受験費用の助成を受けられたりするケースもあるでしょう。

実際の報奨金の例
プロジェクトマネージャ試験(PM)(Expert):報奨金16万円
PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル):報奨金24万円

出典:株式会社ワイドテック採用情報サイト「対象資格リスト」

また、企業が特定の資格の研修を行っているケースもあるので、まずは自社の情報を調べてみることをおすすめします。

企業側がプロジェクトマネジメント人材を増やしたい場合

企業側が「プロジェクトマネジメント人材(PM)を育成したい」という場合には、資格だけを重視するよりも、組織に合う「実践型PM研修」の中で資格を活用するのがおすすめです。

例えば、会社経営を学ぶプログラムの中にPDU取得研修(=PMP®資格を維持するための単位のこと)を組み込むことで、組織が求めるプロジェクトマネジメント人材のイメージに合う人材開発を実施できます。

当社LDCubeでは、各企業や個人に合わせて学習方法や研修方法を柔軟にカスタマイズした「プロジェクトマネジメント研修」を行っています。また、プロジェクトマネジメント資格「PMP®資格」の単位PDUを取得するeラーニングコースもご用意しています。

自社に合わせたプロジェクトマネジメント人材開発を行いたい方は、ぜひLDcubeにご相談ください。

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まとめ

本記事では、プロジェクトマネジメントに関連する資格について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

▼プロジェクトマネジメントの資格は主に4種類ある

  • PMP®資格
  • プロジェクトマネージャ試験(PM)
  • P2M
  • PMOスペシャリスト認定資格(PMO-S)(★)

【状況別】おすすめのプロジェクトマネジメント資格

  • 迷う場合は「PMP®資格」か「プロジェクトマネージャ試験」を比較して選ぼう
  • 実務経験が足りているなら「PMP®資格」がおすすめ
  • コストを抑えたいなら「プロジェクトマネージャ試験」がおすすめ
  • 段階的に学びたい初学者には「P2M試験」のPMCがおすすめ
  • プロジェクトマネジメント支援の専門家になりたいならPMO-S

【キャリア別】プロジェクトマネジメント資格を選ぶポイント

  • 転職に有利になる資格を取得したい場合
  • 社内で昇格してプロジェクトマネジャーになりたい場合
  • 企業側がプロジェクトマネジメント人材を増やしたい場合

プロジェクトマネジメントの資格といっても、その方の状況やキャリアによって目指すべき資格は異なってきます。また、もしも人材育成が目的の場合には、資格も大事ですが、組織に合う「実践型PM研修」の中で資格を活用するのがおすすめです。

自社に合わせたプロジェクトマネジメント人材開発を行いたい方は、ぜひLDcubeにご相談ください。

株式会社LDcubeでは、PMP資格の維持に必要なPDUを取得できるeラーニングやマイクロラーニングの提供を行っています。法人、個人問わず活用いただくことが可能です。詳しくは「PDU取得コース」をご覧ください。

▼関連資料はこちらからダウンロードできます。

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LDcube編集部
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株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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