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PMP®資格ガイド─取得メリットから受験条件・試験の流れまで解説

「PMP®資格って、何?」
「PMP®の取得を勧められたけれど、どうすればいい?」

このような疑問をお持ちではないでしょうか。

PMP®は、プロジェクトマネジメントのスキルを証明する国際的な資格です。

PMP®の資格取得は、プロジェクトを成功に導く知識とスキルを体系的に学ぶ機会となるのはもちろん、キャリアアップや転職にも有利です。

この記事では、PMP®資格の基本知識から、取得のメリット、受験資格、合格後の流れまで、PMP®資格取得に関する情報を網羅的に解説します。

PMP®資格取得を目指す方は、まずこの記事をご一読ください。

▼ PMPの更新については下記で詳しく解説しています。

  PMP®更新ガイド─必要PDU数と効率的な取得方法・手続きの流れ プロジェクトマネジメントの国際資格PMP®は、取得後も3年ごとに更新が必要です。 この記事では、PMP®資格更新に必要なPDUや手続きの流れについて、わかりやすく解説します。 株式会社LDcube

▼ PDUとは?については下記で詳しく解説しています。

  PDUとは?PMP®資格維持に必要なおすすめeラーニングも紹介 PMP®資格維持には、3年間で60以上の単位取得が必要です。今回はPMP®資格更新という状況に必要なPDUとは何か、PDUを取得するためには何が必要なのか、一般に利用いただいているおすすめeラーニングコースも含めご紹介します。 株式会社LDcube

▼ PMP資格維持のためのPDUについてまとめた資料は下記からダウンロードできます。

PDU取得資料

この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.PMP®資格とは何か?基本の知識
    1. 1.1.PMP® = プロジェクトマネジメントプロフェッショナル
    2. 1.2.PMP®資格保持者の実態から見えてくる資格の価値
    3. 1.3.PMP®の母体組織PMIと知識体系PMBOK®ガイドの役割
    4. 1.4.PMP®試験の概要と合格基準
    5. 1.5.PMP®の受験料
    6. 1.6.PMP®資格を取得するメリット
  2. 2.PMP®を受験するために必要な受験資格
    1. 2.1.プロジェクトマネジメントの実務経験 2年〜5年以上
    2. 2.2.PMP®試験受験に必要な実務経験の詳細
    3. 2.3.自己申告制でランダムに監査あり
    4. 2.4.公式研修 35時間以上
  3. 3.PMP®資格の受験申し込みの手順
    1. 3.1.ステップ1:PMIアカウントを作成する
    2. 3.2.ステップ2:PMP®受験の申請手続きをする
    3. 3.3.ステップ3:受験料を支払い、試験日を予約する
  4. 4.PMP®資格の受験当日から合格後の流れ
    1. 4.1.ステップ1:試験会場に行き手続きする
    2. 4.2.ステップ2:試験を受ける
    3. 4.3.ステップ3:試験結果を確認し認定証を取得する
    4. 4.4.補足:不合格で再受験する際の注意点
  5. 5.PMP®資格を取得した後にすべきこと
    1. 5.1.名刺やプロフィールの更新
    2. 5.2.PMP®資格を活用した実務への取り組み
    3. 5.3.PDUの取得と3年ごとの資格更新手続き
  6. 6.まとめ

PMP®資格とは何か?基本の知識

PMP資格①

最初に、PMP®資格の基本的な知識から確認していきましょう。

PMP® = プロジェクトマネジメントプロフェッショナル

PMP®とは、Project Management Professional(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)の略称です。

冒頭でも触れたとおり、PMP®はプロジェクトマネジメントに関する知識とスキルを有していることを証明する国際資格であり、プロジェクトマネジメントのグローバルスタンダードとして認知されています。

PMP®資格は、プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルであることを示す証となります。

PMP®資格保持者の実態から見えてくる資格の価値

世界中で160万人以上いる(*1)とされるPMP®資格保持者は、さまざまな業界・職種で活躍しています。

【多様な業界で活躍するPMP®資格保持者】

  • IT業界
    システム開発やインフラ構築のプロジェクトを担当するプロジェクトマネジャーの多くがPMP®資格を保持しています。
  • 建設業界
    大規模な建設プロジェクトを成功に導くために、PMP®資格を持つプロジェクトマネジャーが活躍しています。
  • 製造業界
    新製品開発や生産ラインの構築など、製造業界でもPMP®資格を持つプロジェクトマネジャーが重要な役割を果たしています。
  • コンサルティング業界
    クライアントの課題解決のためのプロジェクトを推進する際に、PMP®資格を持つコンサルタントが活躍しています。
  • 金融業界
    システム統合や新サービス開発など、金融業界でもPMP®資格を持つプロジェクトマネジャーが欠かせない存在となっています。

幅広い業界・職種でPMP®資格保持者が活躍していることから、PMP®資格の価値の高さがうかがえます。

*1 参考:日経クロステック「日本のPMP資格者数は世界5位、その力を生かせているのか」

PMP®の母体組織PMIと知識体系PMBOK®ガイドの役割

PMP®資格は、アメリカに本部を置く非営利団体であるPMI(Project Management Institute:プロジェクトマネジメント協会)が認定している資格です。

※PMIの公式サイトは以下からアクセスできます。
Project Management Institute(PMI)の公式サイト

PMIは、1969年に設立されたプロジェクトマネジメントの専門組織であり、プロジェクトマネジメントの普及と発展に尽力しています。

PMIが発行している「PMBOK®ガイド」(Project Management Body of Knowledge Guide)は、プロジェクトマネジメントの知識体系を網羅的にまとめた標準ガイドです。

※PMBOK®ガイドはPMI日本支部のオンラインショップやAmazonなどで購入できます。

PMBOKガイド

出典:PMI日本支部オンラインショップ「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版+プロジェクトマネジメント標準」

PMP®試験の出題範囲は、このPMBOK®ガイドに準拠しています。

PMBOK®ガイドは、プロジェクトマネジメントに関する知識やベストプラクティス(最良の実践例)を体系化したものであり、プロジェクトマネジメントの国際標準として認知されています。

PMP®試験の概要と合格基準

PMP®試験の概要は、以下のとおりです。

【PMP®試験の概要】

  • 受験資格
    所定の実務経験と公式研修の受講が必要です(後ほど詳しく解説します)。
  • 出題範囲
    PMBOK®ガイドに基づく幅広い知識が問われます。
  • 問題数
    180問の選択式問題が出題されます(ただし、その内5問は採点されない予備質問です)。
  • 試験時間
    230分です。

受験者の合格率は公表されていませんが、合格基準は、以下のとおり案内されています。

PMP資格③

出典:PMI「資格ハンドブック」

PMP®の合格スコアは、問題の難易度やほかの受験者のパフォーマンスも考慮して決定されるため、一律での合格ラインはありません。

その前提のうえですが、一般的には、60%程度の正答率が最低ラインとして必要と考えられています。

PMP®の受験料

受験料は、地域やPMI会員か否かなどの要件によって変動します。また、料金改定が随時ありますので、最新情報を公式サイトにてご確認ください。

本記事執筆時点(2024年5月現在)では、PMI非会員(日本)の受験料は、575ドル(USD)となります。1ドル150円で換算すると、約86,250円です。

PMI会員(日本)の場合は、405ドル(約67,500円)です。

PMI会員については、PMI ®メンバーシップにてご確認ください。

PMP®資格を取得するメリット

上司や先輩などから「PMP®の資格を取得したほうがいい」と勧められた方は、その理由が気になるところでしょう。

PMP®資格の取得には、さまざまなメリットがあります。

【PMP®資格取得のメリット】

  • 体系的なプロジェクトマネジメントスキルの修得
    PMBOK®ガイドに基づいて、プロジェクトマネジメントの知識体系を包括的に身に付け、実務に活用できるようになります。
  • プロジェクトマネジャーとしての市場価値の向上
    PMP®資格は、プロジェクトマネジメントの実務能力を証明する国際的に認知された資格です。取得すれば専門性が客観的に評価され、市場価値が高まり、転職やキャリアアップの際に有利に働きます。
  • 社内での評価やアサインの機会増加
    PMP®資格取得者は、社内でプロジェクトマネジメントのエキスパートとして認識されます。重要なプロジェクトのリーダーや社内研修の講師を任されるなど、評価やキャリアアップのチャンスが増えます。
  • プロジェクトマネジメントに関する人脈の形成
    PMP®資格取得者は、世界中のプロジェクトマネジメントのプロフェッショナルとつながり、PMI主催のイベントやコミュニティで知見を共有し合えます。
  • PDU(専門能力開発単位)取得による継続的な学習と成長
    PMP®資格を維持するには、3年ごとに60PDU以上の単位を取得する必要があります。最新の知識やスキルを学び続ける仕組みであり、継続的な成長につながります(PDU取得については後述します)。

以上のように、PMP®資格は、実務に直結する能力開発に役立ち、キャリアアップや転職にも有利な資格です。

取得を迷っているのなら、ぜひチャレンジしてみる価値のある資格だといえるでしょう。

PMP®を受験するために必要な受験資格

PMP資格④

PMP®試験を受験するためには、一定の受験資格を満たす必要があります。

PMP®受験資格には、「プロジェクトマネジメントの実務経験」と「公式研修」の2つがあります。

プロジェクトマネジメントの実務経験 2年〜5年以上

まず、「実務経験」から見ていきましょう。

以下のとおり、PMP®試験の受験には、プロジェクトマネジメントの実務経験が一定年数、必須となります。

  • 高校卒業:5年(60か月)以上
  • 4年制大学卒業:3年(36か月)以上
  • 大学院卒業:2年(24か月)以上

下図はPMI資料からの引用です。

PMP資格⑤

出典:PMI「PMP® 試験内容の概要 2021年1月試験更新」

上記では、
〈一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験〉
〈経験にはプロジェクトのリードと指揮が含まれている必要がある〉
〈プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、または所産を創出するために実施する有期的業務〉
と説明されています。

これだけでは、わかりづらいかもしれません。以下で補足します。

PMP®試験受験に必要な実務経験の詳細

前述の要件を読み解くと、以下のとおりです。

【PMP®試験受験に必要な実務経験の詳細】

  • プロジェクトマネジメントのプロセスグループの経験
    実務経験は、PMBOK®が定義するプロジェクトの5つのプロセスグループ(立ち上げ→計画→実行→監視・コントロール→終結)のすべてを網羅している必要があります。各プロセスグループに関連するタスクや成果物に直接携わった経験が求められます。
  • プロジェクトリーダーまたはメンバーとしての経験
    実務経験は、プロジェクトリーダー(プロジェクトマネジャー)またはプロジェクトメンバーとしての経験が対象となります。ただし、プロジェクトマネジメントに関連する意思決定や成果物の生成に直接関与していることが条件です。
  • 複数のプロジェクトにまたがる経験
    1つの大規模プロジェクトのみならず、複数の小規模プロジェクトにまたがる経験も認められます。ただし、それぞれのプロジェクトで、5つのプロセスグループに関連する実務経験を積む必要があります。
  • 実務経験時間の計算
    実務経験の時間は、プロジェクトマネジメントに直接従事した時間のみをカウントします。プロジェクトに関連する一般的な業務や、その他の業務に費やした時間は含みません。

また、
〈プロジェクトマネジメントのすべての経験が、申し込み前の8年間に連続して蓄積されたものでなければなりません〉
と記載されており、実務経験の年数は申し込み時点より直近8年以内の分のみ、カウントできます。

自己申告制でランダムに監査あり

PMP®試験の申請時には、申請フォームに実務経験の詳細を記載し、その証明としてプロジェクトの概要・自身の役割・担当した業務内容・プロジェクト期間などを具体的に記述します。

これらは基本的に自己申告制ですが、ランダムに一部の申請者が監査対象となる仕組みとなっています。

監査対象になった場合、PMIの要請に応じて、必要書類を提出しなければなりません。提出内容に不備があれば、監査不合格となります。意図的に監査に応じない場合も、不合格となります。

監査不合格となった場合、PMI資格認定の申請資格は1年間停止されるため、注意が必要です。

公式研修 35時間以上

続いて、「公式研修」に話を移しましょう。

PMP®の受験資格を得るためには、ここまでに解説してきた実務経験に加えて、PMI認定の研修を35時間以上、受ける必要があります。

PMP資格⑥

出典:PMI「PMP® 試験内容の概要 2021年1月試験更新」

上記のとおり、PMIの資料には、
〈​​正式なプロジェクトマネジメント教育のコンタクト・アワーが35時間以上〉
と記載されています。1時間の研修で、コンタクト・アワー1時間分です。

【PMP®受験に必要な35時間の公式研修の詳細】

  • PMI認定研修機関による研修
    PMP®試験の受験に有効な35時間の公式研修は、PMIが認定した研修機関が提供するものに限られます。PMIのWebサイトで認定研修機関のリストを確認して選ぶ必要があります。
  • PMBOK®ガイド第7版に準拠した研修内容
    2021年に発行されたPMBOK®ガイド第7版では、プロジェクトマネジメントの知識体系が大幅に刷新されました。35時間の公式研修は、PMBOK®ガイド第7版に準拠した内容である必要があります。研修機関に確認を取り、最新版に対応した研修を選びましょう。
  • 学習形式の選択肢
    35時間の公式研修は、オンライン(eラーニング)形式と対面(クラスルーム)形式のどちらでも受講可能です。自身の学習スタイルや予定に合わせて最適な形式を選択できます。
  • 修了証の取得と保管
    35時間の公式研修を修了したら、研修機関から修了証が発行されます。修了証は、PMP®試験の申請時に必要な書類です。大切に保管し、いつでも提出できるよう準備しておきましょう。

以上の受験資格を満たしたら、PMIへ受験の申請をします。続いて、申請手続きの手順を見ていきましょう。

PMP®資格の受験申し込みの手順

PMP資格⑦

PMP®の受験資格を満たしたら、PMP®試験の受験申し込みをします。以下の3ステップで解説します。

  1. ステップ1:PMIアカウントを作成する
  2. ステップ2:PMP®受験の申請手続きをする
  3. ステップ3:受験料を支払い、試験日を予約する


ステップ1:PMIアカウントを作成する

1つめのステップは「PMIアカウントを作成する」です。

受験資格を満たしたら、まずはPMIのWebサイトでアカウントを作成します。

【PMIアカウント作成の手順】

  • PMIのWebサイトへのアクセス
    PMIのオフィシャルWebサイト(https://pmi.org/)にアクセスします。初期設定では英語で表示されるため、[言語を選択]メニューから[日本語]を選択します。


  • アカウント作成ページへの遷移
    トップページ上部の[登録する]ボタンをクリックし、アカウント作成ページに遷移します。

  • 必要事項の入力
    アカウント作成ページで、氏名・メールアドレス・パスワードなどの必要事項を、英語で入力します。入力内容に誤りがないよう確認してから先に進みます。

  • アカウントの作成
    必要事項の入力・確認が完了し、アカウント作成が完了すると、登録したメールアドレス宛にアカウント情報が送信されます。メールを受信できているか確認します。

  • アカウントへのログイン
    アカウント作成後、登録したメールアドレスとパスワードを使ってPMIのWebサイトにログインします。ログインできない場合は、入力情報が正しいかを再確認し、必要に応じてパスワードのリセットを行います。

PMIアカウントは、PMP®試験の申請や資格更新の際に必要になります。大切に管理しましょう。

ステップ2:PMP®受験の申請手続きをする

2つめのステップは「PMP®受験の申請手続きをする」です。

PMIアカウントを作成したら、PMP®試験の申請手続きを行います。

【PMP®試験申請の手順】 

  • PMIアカウントへのログイン
    PMIのWebサイトにアクセスし、作成したアカウントにログインします。
  • 試験申請ページへの遷移
    申請のメニューをクリックし、PMP®試験の申請ページに遷移します。
  • 申請フォームへの入力
    申請フォームに、個人情報・学歴・実務経験・公式研修の情報などの必要事項を入力します。実務経験は、プロジェクトごとの期間・役割・詳細内容を具体的に記載します。公式研修は、研修機関名・研修名・受講期間・時間数などを正確に入力します。
  • 申請内容の確認と提出
    入力内容に誤りがないか、十分に確認しましょう。記載した情報が受験資格要件を満たしているかも再確認します。確認が終わったら提出します。
  • 申請完了の確認
    申請完了後、受付完了のメッセージ表示や確認メールを確認します。メールが届かない場合は、迷惑メールフォルダを確認したり、PMIに問い合わせたりします。

申請内容に不備がなければ、5日ほどで申請が承認されます。承認が下りるまでの間、定期的にメールをチェックするようにしましょう。

ステップ3:受験料を支払い、試験日を予約する

3つめのステップは「受験料を支払い、試験日を予約する」です。

試験申請が承認されたら、受験料を支払い、試験日を予約します。

【受験料の支払いと試験日予約の手順】

  • 受験料の支払い
    PMIから届く申請承認メールに記載された手順に従って、受験料を支払います。クレジットカードやデビットカードで決済できます。
  • 試験日の予約
    受験料の支払い完了後、試験予約ページにアクセスします。希望の試験会場と日時を選択し、予約手続きを進めます。予約可能な日時が表示されない場合は、別の会場や日程を探します。必要に応じて、PMIに問い合わせます。
  • 予約内容の確認
    試験会場・日時・受験番号などの予約内容を十分に確認します。予約完了メールが届いているかをチェックします。メールには、受験票のダウンロード方法なども記載されているので、手順に従って受験票を入手します。
  • 受験票の保管
    ダウンロードした受験票は、印刷するか、デジタルデータとしてスマートフォンなどに保管します。受験票には、試験当日に必要な情報が記載されているので、紛失しないよう注意します。

申請が済んだら、試験日までの期間を有効に活用して、PMP®試験対策を進めていきましょう。

学習計画を立て、PMBOK®ガイドの知識を体系的に習得します。模擬試験などで実力を測りながら、弱点を克服していくとよいでしょう。

PMP®資格の受験当日から合格後の流れ

PMP資格⑪

次に、PMP®試験の受験当日から合格後の流れを見ていきましょう。

  1. ステップ1:試験会場に行き手続きする
  2. ステップ2:試験を受ける
  3. ステップ3:試験結果を確認し認定証を取得する


ステップ1:試験会場に行き手続きする

1つめのステップは「試験会場に行き手続きする」です。

【試験開始前の流れ】

  • 必要物の事前準備
    試験当日に必要なもの(受験票、写真付き本人確認書類、マスクなど)を事前にチェックし、準備しておきます。受験票は、印刷したものを持参するか、デジタルデータをスマートフォンに表示できる状態にしておきます。本人確認書類は、受験票に記載された要件を満たすものを持参します。
  • 試験会場への到着
    試験開始時刻の30分以上前に試験会場に到着するよう、十分な余裕を持って家を出ます。会場の位置を事前に確認し、迷わないよう準備しておきます。公共交通機関の遅延などにも備え、早めに出発しましょう。
  • 受付と本人確認
    試験会場の受付で、受験票と本人確認書類を提示し、本人確認を受けます。受験票に記載された情報と、本人確認書類の情報が一致していることを確認してもらいます。
  • 手荷物の預け入れ
    貴重品以外の手荷物は、指定されたロッカーに預けます。ロッカーの鍵は、試験終了まで自己管理します。試験中は、許可されたもの以外を試験室に持ち込めないので注意します。

試験会場への持ち込みできるものは厳しい規制があるため、十分に注意しましょう。

PMP資格⑫

出典:PMI「資格ハンドブック」

ステップ2:試験を受ける

2つめのステップは「試験を受ける」です。

PMP®試験は、230分の試験時間で180問の問題を解きます。

PMP資格⑬

出典:PMI「PMP® 試験内容の概要 2021年1月試験更新」

現在、PMP®試験では、試験中に10分間の休憩が2回あります。

  • 1回目の休憩
    問題1〜60が終わり、その回答を見直した後
  • 2回目の休憩
    問題61〜120が終わり、その回答を見直した後

回答を見直して休憩を開始したら、前のセクションの問題には戻れませんので注意しましょう。

ステップ3:試験結果を確認し認定証を取得する

3つめのステップは「試験結果を確認し認定証を取得する」です。

【試験結果の確認方法と合格後の手続き】

  • 試験結果の発表
    PMP®試験の結果は、受験後10日以内にPMIのWebサイト上で確認できます。PMIアカウントにログインし、試験結果のページを開きます。合格の場合はそれを伝えるメッセージが表示されます。
  • 得点レポートの確認
    試験結果とともに、得点レポートが発行されます。得点レポートには、知識エリアごとの得点率が記載されています。自身の強みと弱みを分析し、今後の学習やスキルアップに生かしていきます。
  • 認定証の取得
    試験に合格すると、PMP®資格認定証がPDFファイルで発行されます。PMIアカウントからPDFファイルをダウンロードし、印刷して保管します。認定証には、資格取得者の氏名・資格名・認定番号・有効期限などが記載されています。
  • 資格取得の通知
    PMP®資格取得の通知メールがPMIから届きます。メールには、資格取得者としての権利や義務、資格更新の条件などが記載されているので、内容をよく確認しておきます。


補足:不合格で再受験する際の注意点

試験結果が不合格となった場合PMP®受験の申請をしてから1年間以内は受験資格があり、3回まで受験できます。

ただし、再受験料がかかります(PMI非会員の場合375ドル/2024年5月現在)。

PMP資格⑭

出典:PMI「PMP® 試験内容の概要 2021年1月試験更新」

注意点として、3回受験して不合格となり、再度、PMP®受験の申請をするためには、最終受験日から1年間待つ必要があります。

このタイムロスを考慮すると、3回まででしっかりと合格したいところです。計画的に学習を進めていきましょう。

PMP®資格を取得した後にすべきこと

PMP資格⑮

PMP®資格を取得したら、資格を生かしてキャリアアップを目指しましょう。以下のポイントを解説します。

  1. 名刺やプロフィールの更新
  2. PMP®資格を活用した実務への取り組み
  3. PDUの取得と3年ごとの資格更新手続き


名刺やプロフィールの更新

PMP®資格の取得後は、名刺やプロフィールを更新し、資格保持者であることをアピールしましょう。

【名刺とプロフィールの更新方法】

  • 名刺へのPMP®資格の記載
    名刺を作り替えて、PMP®保持者であることを明記します。資格名とともに、認定番号や取得年月を記載すると、信頼性が高まります。名刺の作り替えが難しい場合は、シールを作成して貼り付ける方法もあります。
  • メールの署名へのPMP®資格の追加
    メールの署名欄に、PMP®保持者であることを追記します。メールを受け取った相手に、資格保持者であることを自然にアピールできます。
  • SNSプロフィールの更新
    LinkedInやFacebookなどのプロフィールを更新し、PMP®資格取得の情報を追加します。「資格」セクションにPMP®を追加し、取得年月や認定番号を記載します。
  • 社内プロフィールの更新
    社内のプロフィールシステムがある場合は、PMP®資格取得の情報を追加します。自己紹介文にもPMP®資格保持者であることを織り込み、プロジェクトマネジメントへの意欲をアピールします。

PMP®資格保持者であることを積極的に発信すれば、キャリアアップのチャンスが広がります。

なお、PMP®の表記やロゴの利用については、以下のPMIのガイドラインに従うようにしましょう。
PMI TRADEMARK USAGE GUIDELINES(PMI商標使用ガイドライン)

PMP®資格を活用した実務への取り組み

2つめは「PMP®資格を活用した実務への取り組み」です。

PMP®資格を取得したら、その知識とスキルを実務で存分に発揮し、プロジェクトの成功をリードしていきましょう。

【PMP®資格を活用した実務への取り組み方】

  • プロジェクトマネジャーとしての役割の積極的な担当
    PMP®資格保持者として、プロジェクトマネジャーの役割を積極的に引き受けます。資格の知識を生かし、プロジェクトを成功に導くリーダーシップを発揮しましょう。
  • PMBOK®ガイドの知識の実務への適用
    PMBOK®ガイドで学んだ知識を、実務の場で活用します。プロジェクトの各フェーズで、PMBOK®ガイドの考え方や手法を取り入れ、プロジェクトマネジメントの質を高めていきます。
  • プロジェクトマネジメントのベストプラクティスの実践
    プロジェクトマネジメントのベストプラクティスを、自分なりにアレンジして実践します。他社の事例や資格取得者コミュニティで得た知見を参考に、常に改善を心がけましょう。
  • チームメンバーへのプロジェクトマネジメント知識の共有
    プロジェクトチームのメンバーに、PMP®資格で得た知識を共有し、チーム全体のスキルアップを図ります。知識の共有を通じて、チームの一体感と協力体制を強化します。

このように、PMP®資格を実務で生かし、プロジェクトマネジメントのエキスパートとしてのキャリアを築いていくことが大切です。

PDUの取得と3年ごとの資格更新手続き

3つめは「PDUの取得と3年ごとの資格更新手続き」です。

PMP®資格を維持するためには、3年ごとに資格更新の手続きが必要です。

資格更新には、PDU(Professional Development Unit:専門能力開発単位)と呼ばれる単位の取得が必要となります。

【PDUの取得方法と資格更新の手続き】

  • PDUの計画的な取得
    PMP®資格を更新するには、3年間で所定のPDUを取得する必要があります。PDUは、プロジェクトマネジメントに関連する各種活動(セミナー受講、記事執筆、後進の指導など)で取得できます。3年間で計画的にPDUを取得できるよう、早めに取得計画を立てます。
  • PDU取得活動の記録
    PDUの取得活動は、PMIのWebサイト上で記録・管理します。PDUを取得した際は、すみやかにWebサイトに活動内容を登録します。登録の際は、活動の詳細(日時・内容・時間数など)を正確に入力し、必要に応じて証拠書類をアップロードします。
  • CCR(Continuing Certification Requirements)ハンドブックの確認
    PDUの取得方法や資格更新の手続きの詳細は、CCRハンドブックに記載されています。入念に確認し、PDUの取得条件や更新手続きの流れを理解しておきます。不明な点があれば、PMIに問い合わせて確認します。
  • 資格更新手続きの実施
    3年ごとの資格更新時期が近づいたら、PMIのWebサイトから更新手続きを行います。手続きの際は、取得したPDUの総数が要件を満たしていることを確認します。更新料を支払い、必要書類を提出して、手続きを行います。

詳細は以下で解説していますので、目を通しておきましょう。

PDU取得資料

まとめ

本記事では「PMP®資格」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

  1. PMP® とはプロジェクトマネジメントの国際資格
  2. PMP®を受験するために満たすべき受験資格
    ・プロジェクトマネジメントの実務経験 2年〜5年以上
    ・公式研修 35時間以上

PMP®資格の受験申し込みの流れを以下のとおり解説しました。

  • ステップ1:PMIアカウントを作成する
  • ステップ2:PMP®受験の申請手続きをする
  • ステップ3:受験料を支払い、試験日を予約する

PMP®資格の受験当日から合格後の流れは、以下のとおりです。

  • ステップ1:試験会場に行き手続きする
  • ステップ2:試験を受ける
  • ステップ3:試験結果を確認し認定証を取得する

PMP®資格を取得した後には、以下を行いましょう。

  1. 名刺やプロフィールの更新
  2. PMP®資格を活用した実務への取り組み
  3. PDUの取得と3年ごとの資格更新手続き

PMP®資格の取得は、プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルとして、自身のキャリアを大きく飛躍させるチャンスです。

もちろん受験には費用が掛かりますので、しっかりと準備をして臨みましょう。

本記事をきっかけに、受験に向けて踏み出していただければと思います。

参考:PMI「資格ハンドブック」、PMI「PMP® 試験内容の概要 2021年1月試験更新」

株式会社LDcubeでは、PMP資格の維持に必要なPDUを取得できるeラーニングやマイクロラーニングの提供を行っています。法人、個人問わず活用いただくことが可能です。詳しくは「PDU取得コース」をご覧ください。

▼ 関連資料はこちらからダウンロードできます。

PDU資料

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