企業内大学の成功事例7選|事例でわかる設立すべき企業の特徴も解説
「他社の企業内大学の事例を見て、自社でも再現性があるか参考にしたい。」
「企業内大学を設立して社内教育に取り組む企業もあるみたいだけど、実際の効果はあるのだろうか?」
上記のようにお考えの、企業の教育担当者の方は多いのではないでしょうか?
新人研修には力を入れても、そのあとは現場のOJTに任せっきり。次世代を担う若手を育てられているのか不安を感じているのなら、体系的な教育機会として「企業内大学」の設立が有効です。
しかし、企業内大学の設立にはカリキュラムやコンテンツの作成、講師の選定、広報活動など、多くの労力がかかります。そのため、自社で設立すべきかどうかお悩みのことでしょう。
そこで今回の記事では、企業内大学の事例や事例から分かるメリット・デメリット、実際の企業内大学の設立方法について解説します。
本記事を読んでわかること |
|
企業を長期的な成功に導く人材開発をするためには、戦略的に従業員の教育を行うことが非常に重要です。
その手段として企業内大学が有効なのかどうか、本記事で紹介する事例を見ていただければ判断しやすくなるはずです。
この記事で、企業内大学の設立・運営に成功して結果を出している企業の事例を知り、自社の人材開発に活かしましょう。
▼企業内大学や現場教育、OJTについては下記で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
- 企業内大学のメリットとは?企業の成長を促進するポイントを徹底解説!
-
OJTとは?意味や目的、メリット、Z世代への適応まで全解説!
- 新たな現場教育で人材育成の効率と効果を高める方法とは?
- 技術伝承とは「熟練技術やスキルの引き継ぎを行うこと」秘訣を解説!
▼企業内大学についてまとめた資料はこちらからダウンロードできます。
目次[非表示]
- 1.企業内大学の代表的な事例2つ
- 2.企業内大学の国内事例5つ
- 2.1.トヨタ自動車株式会社「トヨタインスティテュート」
- 2.2.SGMO「ものづくり総合大学」
- 2.3.SoftBank株式会社「ソフトバンクユニバーシティ」
- 2.4.株式会社日立製作所「日立アカデミー(旧:日立総合経営研修所)」
- 2.5.三菱UFJ銀行「MUFG University」
- 3.事例からわかる!実際に得られる企業内大学のメリット
- 4.設立を判断する前に知っておくべき企業内大学の注意点
- 5.企業内大学を設立すべき企業
- 6.企業内大学設立までの流れ
- 6.1.課題を明確にする
- 6.2.理想像をイメージする
- 6.3.カリキュラムを設計する
- 6.4.運用方針を整える
- 6.5.カリキュラム実施と効果検証を行う
- 7.企業内大学での効果的な教育にはデータの可視化が重要
- 8.企業内大学の運用には「UMU(ユーム)」がおすすめ
- 8.1.勉強した内容・データを可視化できる
- 8.2.インタラクティブな学習環境の提供
- 8.3.社員に寄り添う学習経験の提供
- 9.まとめ
企業内大学の代表的な事例2つ
日本の企業内大学の事例を見ていく前に、企業内大学の代表的な事例を2つご紹介します。
企業内大学は、1956年にゼネラル・エレクトリック社が設立した「クロントンビル経営開発研究所」が始まりだと言われています。
また、その後設立されたマクドナルド社の「ハンバーガー大学」も、企業内大学の先駆けとして有名です。
それぞれの企業内大学が設立された目的や、実際の研修内容を確認していきましょう。
ゼネラル・エレクトリック社「クロントンビル経営開発研究所」
ゼネラル・エレクトリック社(以下、GE社)は、アメリカに本社を置く多角的企業です。元々は総合電機メーカーでしたが、現在は医療システムや電気システムなど、さまざまな事業を展開しています。
GE社は、企業内大学を最初に設立した企業として有名です。GE社は、企業内大学を設立する前に、以下のような課題を抱えていました。
課題 |
◎集権的な企業文化
|
企業組織の分権化を進める中で「それぞれの部門のリーダーがトップと同じ思考・行動ができること」を目的に、企業内大学が設立されました。
実際に、GE社の企業内大学で実施されていた教育内容は以下のとおりです。
教育内容 |
◎主にリーダー育成を行う
◎知識や技術よりも、GE社の「価値観」を伝える
|
GE社は、企業内大学を設立して以下のような効果を得られました。
効果 |
◎リーダーの質の向上
◎分権化の成功
|
GE社は、次世代リーダーを育成するには、以下の3つが大切と述べています。
- 執行役員・上級役員が関与すること
- 企業の理念・信念・リーダーシップの方針が明確であること
- 研修により、企業運営の全体が理解され、自社利益に貢献するためにどうすれば良いか考えられるようになること
企業内大学を設立し、メンバーを選定しながらより深く学んでもらうことで、社員をまとめられるリーダーを多数輩出できるようになりました。
参照:日経ビジネス「企業内研修の頂点、GEクロトンビルが変わった」
高等教育研究「企業内大学 -日米の動向を中心に-」
マクドナルド社「ハンバーガー大学」
GE社に続き、アメリカで企業内大学を設立したのがマクドナルド社のハンバーガー大学です。マクドナルド社は、世界最大のファーストフードチェーンを展開している企業です。
1955年に創業したマクドナルド社は、6年後の1961年に以下のような課題からハンバーガー大学の設立をします。
課題 |
◎店長の能力不足
◎急速な事業拡大に伴う人材育成
|
マクドナルド社は「人材教育が何よりも重要だ」という姿勢を大切にしています。そのため、東京のハンバーガー大学は、日本第一号店である東京銀座三越店のオープンより1ヶ月前に設立されました。
現在は東京を含む世界9ヵ国にキャンパスが設立されており、アルバイトやパートも含め、年間1万人が東京のハンバーガー大学で学んでいます。
ハンバーガー大学の教育内容は、以下のとおりです。
教育内容 |
◎3つのコースに分けて教育を実施
◎新人からマネージャーまで、さまざまな人が自分のレベルに合った学習ができる |
ハンバーガー大学は、マクドナルド社に以下のような効果をもたらしています。
効果 |
◎店舗経営の標準化
◎従業員のスキルとモチベーションの向上
|
ハンバーガー大学は、以下の3つに焦点を当て、変化する環境とお客様のニーズに応えられるビジネスパーソンの輩出を目指しています。
- 「生涯にわたって活用できるリーダーシップスキルの提供」
- 「ブランドミッションを実現するための一人ひとりの能力向上」
- 「Our Values(私たちの価値観)の浸透」
社員一人一人がいつまでも学び続けられる環境は、社員のモチベーションアップに大きく貢献していることでしょう。
企業内大学の国内事例5つ
お伝えしたとおり、企業内大学はアメリカの企業が成功させたことから始まりました。
アメリカの事例を元に、日本では2000年ごろから大企業を中心に企業内大学の設立が増えています。
この章では、代表的な企業内大学の日本の事例を5つご紹介します。
- トヨタ自動車株式会「トヨタインスティテュート」
- SGMO「ものづくり総合大学」
- SoftBank「ソフトバンクユニバーシティ」
- 株式会社日立製作所「日立アカデミー(旧:日立経営研修所)」
- 三菱UFJ銀行「MUFG University」
近年の日本では少子高齢化が進んでいることもあり、優秀な人材の確保や有能な人材の育成が課題です。
それぞれの企業の目的や内容、効果を知り、自社でも実施するかどうか判断する材料としてください。
トヨタ自動車株式会社「トヨタインスティテュート」
トヨタ自動車株式会社は、1937年に設立された日本の自動車製造会社で、世界最大級の自動車メーカーの一つです。
トヨタ自動車株式会社は、事業を拡大していく中で以下の点に課題を感じていました。
課題 |
◎日本のトヨタの理念や考え方がうまく海外事業に伝わらない ◎次世代のリーダー育成がうまくいっていない |
上記の課題を解決するため、トヨタはトヨタの経営哲学を学べる企業内大学として「トヨタインスティテュート」を設立しました。
企業理念ややトヨタ生産方式を共有し、グローバルな事業展開を担う人材を継続的かつ確実に育成することが主な目的です。
トヨタインスティテュートでの教育内容は、以下のとおりです。
教育内容 |
◎トヨタの経営上の信念や価値観をまとめた「トヨタウェイ」を共有
◎実践的な課題解決方式「トヨタ生産方式」の共有
◎リーダーを養成する2つのプログラム
|
これまで暗黙の内として伝承されてきたトヨタの経営哲学や価値観を見える化することで「真のグローバル化」を目指したのです。
実際の効果は以下のとおりです。
効果 |
◎世界規模での企業理念と価値観の浸透 |
トヨタインスティテュートの特徴は、ただの人材育成ではなく海外のグループ企業の育成まで担っていることです。
トヨタインスティテュートを展開することで、事業が拡大していってもトヨタの価値観や手法を共有できています。
参照:TOYOTA「トヨタ、グローバル人材育成機関「トヨタインスティテュート」を設立」
トヨタ自動車75年史「詳細解説(トヨタの人材育成)」
大嶋 淳俊「日本型「企業内大学」の発展」
SGMO「ものづくり総合大学」
ソニー製品を支える、ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社(以下、SGMO)は、人材育成や技術伝承を目的に「ものづくり総合大学」を設立しています。
課題 |
◎技術の進歩・グローバル市場の急速な拡大に対応できる人材を育成するための教育体制が必要 |
このような課題から「社員が能動的に学習し、ノウハウを蓄積しながら人間力と専門性を高め、真のプロフェッショナルとなる」ことを目的に、ものづくり総合大学が設立されました。
ものづくり総合大学には、主に以下の2つのコースがあります。
教育内容 |
◎新人からリーダーまで、全社員へ2つのコースを展開
◎80以上の充実した講座を展開
|
ものづくり大学では「自分のキャリアは自分で築く」というソニーの価値観を大切に、社員一人ひとりの主体的な学習とスキルやノウハウの向上を支援しています。
ものづくり総合大学の実際の効果は、以下のとおりです。
効果 |
◎受講満足度93%、年間受講者数1,500名以上 ◎日本最大級の人事ポータルHRproが主催している「第10回 日本HRチャレンジ大賞」にて『大賞』を受賞 ◎講座の9割を内製化することで、暗黙知だったスキルや技術の伝承に成功 |
SGMOは、若手海外派遣プログラムや女性リーダー育成プログラムなど、多様なプログラムを用意している点が特徴です。
参照:HRpro「企業内大学「ものづくり総合大学」を通じてプロフェッショナル人材を育成。人生100年時代の“学び続ける組織”を実現」
SGMO「第10回日本HRチャレンジ大賞を受賞しました」
SoftBank株式会社「ソフトバンクユニバーシティ」
SoftBank株式会社は、通信事業からロボット開発までさまざまな事業を手がける、日本の多国籍企業です。SoftBankは、以下のような課題を抱えていました。
課題 |
◎急速な技術革新とグローバル展開に対応できる人材がいない |
そこで、優秀な人材・次世代リーダーの育成を目的として「ソフトバンクユニバーシティ」を2010年9月に設立しました。
教育内容 |
◎スキルアップやキャリア形成をサポートする2つのコース
◎AI関連の学習コンテンツ「AI Campus from SBU Tech」を2021年から展開 ◎実践的かつアウトプット中心の内容
|
プログラムでは、約8割の研修を社内講師が担当し、実務経験に基づいた実践的な教えが得られます。ソフトバンクユニバーシティによって、以下のような効果が得られています。
効果 |
◎社員満足度約90%
◎社員の専門知識とスキルの向上
|
社内講師による経験を活かした研修や、「実践的」であることを重視した教育内容で、Softbank社自ら「効果的な人材育成につながっている」と評価しています。
株式会社日立製作所「日立アカデミー(旧:日立総合経営研修所)」
株式会社日立製作所は、1910年に設立された日本最大の総合電機メーカーです。
その日立グループの人材育成を支えているのが、日立アカデミー(旧:日立総合経営研修所)です。
今では日立アカデミーとして、企業内外の人材育成を行っていますが、当初は「日立総合経営研修所」として以下の目的で設立・運営されてきました。
課題 |
◎次世代リーダーの育成 |
このような目的から「明日の経営者を育成することが何よりも肝要である」という理念のもと、教育を実施してきました。
ここでは特に、近年力を入れていた「グローバルリーダーの育成」に焦点を当てて教育内容を紹介します。
教育内容 |
◎グローバルリーダー候補の選抜研修 以下3つのモジュールにより選抜者への教育を実施。
|
このようにグローバルリーダーの育成に力を入れた結果、以下のような効果が得られました。
効果 |
◎グローバル市場での競争力強化 2008年度には8000億円近くの赤字を計上したが、その後V字回復を果たすことに成功。 |
また施設内にタブレットを導入したことで、以下のような学習状況を可視化できる体制を実現しています。
- 受講後のアンケート入力
- リアルタイム投票
- 出席登録・成果物の持ち帰り など
今後はLMS(学習管理システム)を導入してデータを取得・蓄積していくことで、リーダー育成へさらに力を入れていくとのことです。
参照:デジタル・ナレッジ「株式会社日立総合経営研修所【インタビュー第二弾】」
Learning Design「総合経営研修所我孫子研修所(千葉県・我孫子市)」
三菱UFJ銀行「MUFG University」
三菱UFJ銀行(以下、MUFG)は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の総合金融グループです。次世代リーダーの育成を目的に「MUFG University」を開講しています。
基本理念として「社員一人ひとりが知識や専門性のみならず、見識や倫理観を高められる教育機会を提供し、社員の自律的なキャリア形成を支援すると同時に、MUFG Wayを体現できる多様なプロフェッショナル人材を育成する」ことを掲げています。三菱UFJ銀行は、以下の課題を抱えていました。
課題 |
◎社会環境・競争環境の変化に対応できる人員がいない ◎重要な次世代リーダーの育成にもっと力を入れたい |
他の企業ではさまざまな階級の社員が学べるコースもあるものの、「MUFG University」はラインマネージャー以上のみを対象にしています。
教育内容 |
◎次世代リーダーを育成する2つのコース
|
次世代リーダーの育成に力を入れた結果、以下のような効果が得られました。
効果 |
◎MUFGの経営人材プールの着実な拡充 ◎変化に対応できる人材の確保 |
MUFGは世界50カ国以上の国でビジネスを展開していることもあり、グローバル人材の育成にも力を入れています。
階層別のグローバル研修や出張形式のOJT実施により、海外の社員のモチベーション向上、より強い組織をにするための競争力促進につながっています。
参照:MUFG「プロ度追求」
事例からわかる!実際に得られる企業内大学のメリット
日米のさまざまな事例から、企業内大学を設立するメリットを感じたことと思います。
ご紹介した事例をもとに、企業内大学の受講側と運用側のメリットを確認しましょう。
受講側には、以下のようなメリットが考えられます。
【受講側の視点】
メリット |
詳細 |
関連事例 |
成長の機会が増える |
|
|
幅広い社内の人員とコミュニケーションがとれる |
|
|
企業理念の理解が深まる |
|
|
学べる場があることで安心につながる |
|
企業内大学があることで、キャリアアップに悩んだり、仕事がうまくいかなかったりするときも安心して学び続けられます。
運用側には、以下のメリットが考えられます。
【運用側の視点】
メリット |
詳細 |
関連事例 |
コストが抑えられる |
|
|
次世代リーダー育成につながる |
|
|
フレキシブルにカリキュラムが組める |
|
|
企業理念の浸透 |
|
|
働くモチベーションアップにつながる |
|
企業内部でオリジナルのコンテンツを作成し、社員に合わせたカリキュラムを作ることで、これからの企業の活躍を担う人員を教育できるでしょう。
設立を判断する前に知っておくべき企業内大学の注意点
企業内大学には、受講側にも運用側にも、さまざまなメリットがあることがわかったかと思います。
しかし、メリットだけではなく注意点も存在します。
受講側の注意点として、以下の点が考えられます。
【受講側の視点】
注意点 |
詳細 |
学べる内容に偏りが生じる場合がある |
|
最新情報が学べない場合がある |
|
企業内大学だけで学ぶと、外部機関と比べて最新知識や技術に取り残される可能性があります。企業内大学だけでなく、外部からの情報もうまく取り入れて学ぶことが大切です。
また、運用側にも以下のような注意点が考えられます。
【運用側の視点】
注意点 |
詳細 |
設立に時間や手間がかかる |
|
初期投資のコストがかかる |
|
企業内大学は、社員に合わせた幅広いコンテンツやカリキュラムの作成が求められるため、設立に多くの労力がかかることが予想されます。
こうした人的コストに対しては、AIや学習システムをうまく活用して、負担のかかりすぎない設立・運営を目指すと良いでしょう。
企業内大学を設立すべき企業
これまでの企業内大学の事例から、企業内大学を設立するメリットや注意点がご理解いただけたかと思います。
どちらも踏まえて、慎重に企業内大学の設立を検討していくことが大切です。
では、どのような企業が企業内大学の設立に動いていくべきなのでしょうか?主な特徴や、それに当てはまる企業事例は、以下のとおりです。
企業内大学を設立すべき企業の特徴 |
理由 |
関連事例 |
大規模な組織 |
|
|
多国籍企業 |
|
|
高い専門性が必要 |
|
|
一貫した品質やブランドイメージが必要 |
|
また、上記以外にも、以下のような悩みを抱えている場合は企業内大学の設立も視野に入れると良いでしょう。
抱えている悩み |
関連事例 |
自社内の知識・技術継承がうまく行っていない |
|
ベテラン社員と新人社員のコミュニケーションがうまくいっていない |
|
グローバル展開がうまくいっていない |
上記に当てはまる場合、企業内大学を設立することで課題が解決できる可能性があります。
企業内大学設立までの流れ
ここまで読んで「自社に必要な教育体制は、企業内大学なのかもしれない」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際の企業内大学設立は、以下のステップで進めていきます。
- 課題を明確にする
- 理想像をイメージする
- カリキュラムを設計する
- 手法を設計する
- 実施と効果検証を行う
今後の大まかな流れを把握しておくため、順番に確認していきましょう。
課題を明確にする
まずは、自社の抱えている課題を明確にしましょう。その上で、企業内大学を設立する目標を設定します。
現在の社員のスキルを調査し、学んで欲しいものの現在不足している点を洗い出します。洗い出す方法は、以下のとおりです。
- 社内の教育体制の現状を把握する
- 社員や管理職にアンケートやインタビューを実施する
不足している点を、カリキュラムやコンテンツとして作成していきましょう。
理想像をイメージする
課題を明確にしたら、どのような形で運営していきたいのか、理想像をイメージしましょう。
- 企業のミッション、ビジョン、価値観を明確にする
- 他社の成功事例を参考にし、自社に合いそうな教育内容や運営方法を知る
- 短期的ではなく、長期的な視点で理想像を描く
企業内大学の運営における理想像を明確にすることで、より自社に合う運用ができるでしょう。
カリキュラムを設計する
理想像を元に、カリキュラムを設計していきましょう。カリキュラムは闇雲に増やせば良いわけではありません。学習時間や労力が分散され、社員のモチベーション低下や運営コストの上昇につながるからです。
企業のミッションや価値観が明確になれば、自然と行うべきカリキュラムやコースが絞られます。
運用方針を整える
次に、設計したカリキュラムを運用していくための方針を固めます。
- 講師の選定
- コンテンツの管理
- 効果検証の方法
- 対象の階層
また、企業内大学の設立を採用にもつなげたいのであれば、企業内大学を設立していることを周知する活動が必要です。社内外問わず広報活動や情報発信を行っていきましょう。
カリキュラム実施と効果検証を行う
ただ実施するだけでなく、効果検証を行うことでよりプログラムの改善につながります。効果測定には、主に以下のような方法があります。
- アンケート
- テスト
- 実技試験
- 成果物
社員のニーズやレベルは常に変化していきます。効果検証した結果を分析し、必要に応じてカリキュラムの削減や追加を行っていきましょう。
企業内大学での効果的な教育にはデータの可視化が重要
ここまでで、企業内大学の事例から、どんな企業に適しているのか、ということや設立の大まかな流れがお分かりになったかと思います。
しかし、ただ企業内大学を設立すれば良いのではなく、効果的な研修を行うためには、効果測定の仕組みづくり、つまりデータの可視化が大切です。
行うだけで終わったイベント・研修、配信するだけで終わった学習動画など、効果があったのかよくわからない学習シーンに心あたりのある方は多いのではないでしょうか?
そこで必要になってくるのが、学習内容をデータで記録、管理して可視化することです。可視化することで、以下のようなことが実現します。
- 社員の成長具合や理解度がわかる
- 社員の長所や短所が見極められる
- 適切なアドバイスができる
- 人材育成の再現性がわかる
企業内大学における教育でも同じで、データを可視化しなければ、受講側も運用側も必要な学びを得られているかイマイチ理解できません。
企業内大学においても「教えっぱなし」ではなく、しっかり教育の効果を把握し、足りない部分を改善していくことで、より高い学習効果が期待できるでしょう。
企業内大学の運用には「UMU(ユーム)」がおすすめ
企業内大学のような、体系的な学習の仕組みづくりでは、データの可視化が大切ということが理解できたかと思います。
データが可視化できるだけでなく、多様な機能を備え、企業内大学の運用に適したプラットフォーム「UMU(ユーム)」です。
UMU(ユーム)とは |
|
UMU(ユーム)は、パフォーマンス型AIデジタル学習プラットフォームです。企業内大学の運用はもちろん、人材育成に利用していただけます。
UMUの大きな特徴は、以下の3つです。
- 勉強した内容・データを可視化できる
- インタラクティブな学習環境の提供
- 社員に寄り添う学習経験の提供
UMUは、時間や場所にとらわれず、さまざまな場面で学習をしていただけるため、以下のような企業にぴったりのプラットフォームです。
|
UMUはAIを活用した直感的な操作が可能であり、簡単に目的に応じたさまざまなコースの作成・提供ができます。実際に、UMUの特徴を確認していきましょう。
勉強した内容・データを可視化できる
UMUでは、社員一人一人の勉強した内容や学習行動、データを可視化できます。
社員の過去のスキルと学習後のスキルがすぐに比べられるため、社員自身の成長の実感につながります。また運営側も、どのような学習行動が社員成長につながっているのか、社員の今後の可能性、長所や短所を見極めるためにデータを利用できます。
また、AIによるリアルタイムのフィードバックやビデオ作成もUMUの大きな特徴です。これまでの社内研修や蓄積したノウハウをAIが動画化・コンテンツ化します。そのため、教育担当者は講義の質向上にリソースを割けます。
その場でアンケートや意見を聞くこともできるため、より効果的な研修へと改善できます。
インタラクティブな学習環境の提供
UMUは、画像や動画、図解などさまざまなものを組み合わせたコンテンツ作成が可能です。
自社の課題や目的に沿って、コース設計と学習プログラムの作成もできます。
そのため、一方通行の学びではなく双方向のコミュニケーションや学びを加速させます。
また、最大1,000人が同時参加できる双方向生放送のビデオ会議も開催でき、実際の研修に近い形での学習を実現できます。
多様な機能を備えているものの、UMUの操作は直感的で簡単なため、初めて利用する方にも使いやすいです。
社員に寄り添う学習経験の提供
UMUは、社員の学習進捗状況をトラッキング(追跡・分析)することで、パーソナライズされた学習経験を実現しています。
理解度クイズや、間違えた問題だけを集めた問題集など、一人ひとりに合わせた学習を提供します。
また、UMUでは社員が自分のペースで学習を進めていける「オンデマンドの学習体験」も提供しています。
さまざまな背景を持つ労働者が増えている現在、社員の働き方やスケジュールに合わせた学習機会が提供できることは非常に大切です。
社員に無理なく学習を進めてもらえる機会を提供することで、学習の参加率や完了率の向上にもつながっていくでしょう。
\\ぜひ、UMUの機能をご確認ください!//
まとめ
次世代リーダーの育成はとても大切なのに、自社社員がしっかり学べているか、本当にスキルアップしていっているのかが掴めないと不安ですよね。
企業内大学のさまざまな事例やメリット・デメリット、企業内大学を設立すべき企業の特徴をもとに、自社の教育方針が見えてきたかと思います。
最後に、もう一度記事の内容をおさらいしましょう。
▼紹介した企業内大学の事例
- ゼネラル・エレクトリック社「クロントンビル経営開発研究所」
- マクドナルド社「ハンバーガー大学」
- トヨタ自動車株式会「トヨタインスティテュート」
- SGMO「ものづくり総合大学」
- SoftBank「ソフトバンクユニバーシティ」
- 株式会社日立製作所「日立アカデミー(旧:日立経営研修所)」
- 三菱UFJ銀行「MUFG University」
▼事例からわかる!実際に得られる企業内大学のメリット
【受講側】
- 成長の機会が増える
- 幅広い社内の人員とコミュニケーションがとれる
- 企業理念の理解が深まる
- 学べる場があることで安心につながる
【運営側】
- コストが抑えられる
- 次世代リーダー育成につながる
- フレキシブルにカリキュラムが組める
- 企業理念の浸透
- 働くモチベーションアップにつながる
▼知っておくべき企業内大学のデメリット
【受講側】
- 学べる内容に偏りが生じる場合がある
- 最新情報が学べない場合がある
【運営側】
- 設立に時間や手間がかかる
- 初期投資のコストがかかる
▼企業内大学を設立すべき企業
- 大規模な組織
- 多国籍企業
- 高い専門性が必要
- 一貫した品質やブランドイメージが必要
▼効果的な研修にはデータの可視化が重要
効果的な研修をしていくために、ツールの活用も検討していきましょう。
この記事が、人材育成にお悩みの企業さまの助けになれば幸いです。
株式会社LDcubeはこれまでの組織活性化や人材育成で培ったノウハウを生かしながら、新たな時代の人材育成方法の模索を支援しています。
また、企業内大学の設立や学習環境の構築支援、OJTのデジタル化など課題解決に向けたプラットフォームの提供やコンテンツ作り、運用のサポートなど、社内トレーナー研修の実施など、さまざまなサービスを展開しています。
無料のデモ体験会や具体的な使い方のご案内、導入事例の紹介なども行っています。お気軽にご相談ください。
▼ 関連資料はこちらからダウンロードできます。
▼関連記事はこちらから。