山梨英和大学様
LIFO導入事例

行動特性診断を使った個別支援で、学生が大きく成長
「成長を楽しみながら就職活動を」

  • LIFOを導入した理由は「腑に落ちる」自己理解ツールであり、「自ら取り組む力」を育成するキャリア支援に生かせるという確信があったこと
  • 本質的な自己理解の促進で、本質的なキャリア支援を実現。大学のキャリアセンターと学生の信頼関係構築にも。
  • LIFOを共通言語にすることで、企業とのやり取りの円滑化も図っていく

山梨英和大学

進路部 次長
山梨県大学就職指導研究会(事務局) 
兼 キャリアコンサルタント
宮川 仁様

山梨県甲府市にある山梨英和大学は2022年で開学20周年を迎え、全国でも珍しい「人間文化学部」を設置しています。
この学部には心理・言語・情報に関する3つの専門領域と、公認心理士過程プログラムや司書過程プログラムなど幅広い6つの専門プログラムがあります。興味のある分野を専門的に学べることはもちろん、何をしたいか明確に決めていなくても、入学してから自分に合った分野や卒業後の目標に合わせて決めていくことができる、自由度の高い大学です。

宮川様は大学の進路部として、就職活動を行う学生に支援を行っています。
キャリア形成は3年生から始めるのではなく、低学年からの支援が3年生の就職支援につながっていくと考え、1年生には「基礎ゼミ」のコマをもらい「キャリアデザイン」の講座を実施。
本格的に就職活動を行っていく3年生には1on1の面談を実施し、個別支援を行っています。

 

「就職する実感が湧かない」「自分に何が向いているかわからない」
昨今、このような悩みを抱えている学生は数多くいます。
このような学生に対してどのようにアプローチをしていくべきか、模索している職員の方、教員の方は多いのではないでしょうか。

その解決策の一つとして、山梨英和大学様にてLIFOプログラムをご活用いただいた事例があります。
本記事では、山梨英和大学 進路部 キャリアセンターとして学生就職支援を行うほか、
キャリアコンサルタントとしても活躍されている宮川 仁 様にインタビューした内容をレポートします。

 


導入前の課題

本質的な自己理解でキャリア教育を効果的に

職業教育ももちろん大切ですが、社会人基礎力が圧倒的に足りていないと感じており、キャリア教育はどのようにしたら効果的なのか、教職協働で模索していました。

課題に対して、これまで机上学習は無く、企業の話を聞く、インターンシップに参加するなどをしながら、将来どのような職業を目指しているのか学生から聞き出しアドバイスをするという支援を行っていました。

自己理解/自己分析のツールを使っても「ありきたり」「腑に落ちない」などの声が多く、実際エントリーシートや自己PRで活用した後はそのままになってしまい、本質的な自己理解にはつながっていませんでした。学生は世の中によくある適性検査や適職検査で「あなたに最適な職業は~」と言われてしまうとその結果にとらわれ、将来への道を狭めてしまうことに問題認識を持っていました。

 

 

出会いと導入の決め手
自分自身に興味を持ち、腑に落ちるツールであるという確信

実は、大学のキャリアセンターの責任者を介してご紹介いただいたことがLIFOを知ったきっかけでした。

LIFOは自分の行動特性に着目することで強みを理解します。自己を決めつけるのではなく、「自分のどのような特性を生かしていくのか」という発想につなげていくことができるため、社会人基礎力を伸ばしていくツールとして最適だと感じ導入を決めました。そして大学内で展開できるようにするため、大学から2名LIFOプログラムライセンス取得講座に参加しました。

講座に参加する中でLIFOの考え方と実習が大変面白く、診断を受けた後に出力される個人レポートを見ても自分に当てはまる部分が非常に多かったことが活用したいと思ったきっかけです。また、講座を受けることでLIFOへの理解が深まり、信頼へつながりました。

ライセンス取得後にキャリアの講座で、LIFOとライフラインチャートを組み合わせ「過去の行動が現在の自分にどのような影響を与えているのか」という内容を行うようになってからは、自分自身に興味を持ち、内容が腑に落ちるという学生が増えました。

LIFOに出会わなければ、これまで通り自己分析も学生任せにしながら個別支援を続けていたと思います。

 

 

導入後の使用シーン
「自ら取り組む力」を育てるキャリア支援に

LIFOの価値を感じるシーンとしては、大きく2つあります。

  1. 自己PRの作成やエントリーシート作成時
    LIFO診断後に出力される個人レポートには、「後輩に接するとき」や「変化・変革に対するとき」などさまざまなシチュエーションに置かれた際の行動スタイルの特徴や強みが書かれているため、そこから自らのエピソードを想起することで自己PRやエントリーシートの作成に役立てています。
    個人レポートはエビデンスとして残すことができるため、自信を持って自己PRやエントリーシートを作成することができます。
     
  2. インターンシップの事前事後学習の時
    事前学習では自身の強みを個人レポートで確認し、インターンシップで何を学んでくるか目的・目標設定のために活用しています。
    インターンシップ終了後には立てた目標に対してどの程度達成できたのかを確認するとともに、再度LIFO診断を実施することで、どれだけ行動の変化が出たかの検証を行っています。
    これまで、インターンシップに参加する目的や目標を定めることはありませんでしたが、LIFOを取り入れたことで、インターンを通じて学生の自己成長の機会につなげることができています。

2023年、インターンシップの枠組みが大きく変わり、キャリア教育に重きを置いた方針に切り替わりました。

LIFOが無ければ社会人基礎力、キャリア形成の概念を伝えることはできましたが、自ら取り組み、力にしていくことは私たちの力ではできず、就職先の企業へおまかせするしかなかったと思います。
それでは「学生のための教育」としては薄れてしまい、「企業に就職するための教育」となってしまいます。

学生のうちに「自分の強みをどのように発揮していくのか」という共通認識を持ち、互いに成長していく力を身に付けていくツールとしてLIFOは大きな指標になりました。

現在はキャリアコンサルタントとしても活動しているため、このさまざまなシーンで活用できるLIFOを大学・企業問わず多くの方に知っていただきたいと思っています。

 

 

導入後の感想・成果
個人に合わせた的確なフォローで大きく成長する学生

率直な感想として、非常に良いツールだと感じています。
基本的には授業中にLIFO診断を受講していただくことがほとんどですが、希望があれば1人ずつでも対応可能です。

LIFOはその場で自身のスコアが出るため、紙で診断を実施する場合はすぐに学生へ結果を伝え、フィードバックを行うことができます。
Webで診断を実施する場合は、受講後すぐにLIFO個人レポートが出力されるため解説の必要がありません。自己PRやエントリーシートを作成する際には、LIFO個人レポートを自分の取扱説明書を見るような感覚で活用している学生が多数います。

私たちキャリアセンターとしても、さまざまな支援活動を行う中で、LIFOの活用は就職活動時のアドバイスで確実に効果を感じています。
現在、山梨英和大学には私も含めて3名のLIFOライセンシーがおり、キャリアセンター内でLIFOを共通言語として、学生に合わせて「どのようなフォローが良いか」「どのようなアプローチが効果的か」を話し合っています。

例えば、公務員を目指す学生の場合、論理的に考える力が必要不可欠となるため「このスコアのこの部分を伸ばす必要がある」というように具体的なフィードバックができます。
ある学生は、インターンシップや県内大学のプロジェクトに参加する前後でLIFOスコアが大きく変化しました。環境や気持ちが変化し行動に移すことで、LIFO診断の結果も大きく変わることを実感することができました。

就職支援ではLIFOを活用しながら、どのようにしたいのか意見を聞く⇒チャレンジ⇒報告⇒チャレンジ、という個別指導を行うことで発言力・行動力が身に付き、コミュニケーションが苦手な学生でも自ら発言することが増え、大きく成長する学生もいます。

私たちキャリアセンターの仕事は学生の職探しですが、自分主体で成長を楽しみながら行っていただきたいという思いがあります。
しかし、さまざまな人とコミュニケーションを取り、自分を認めてもらい自信を付けていくためには自己理解・自己発信が大切になっていきます。
そこを楽しむことができれば、就職活動は嫌々、仕方なく行うものではなくなるのではないでしょうか。

実際、1つ内定をもらうと「もっと就職活動を続けたい」という学生も毎年複数人は現れます。

 

 

受講生の声
信頼関係があるからこそできる相談も

LIFOを活用した就職支援の中で、学生からは次のような声を多くいただきます。

  • 診断結果がすごく当たっています。
  • 自分の知らない自分を知ることができました。
  • どうしてそんなに私のことが分かるんですか?

特に、「どうしてそんなに私のことが分かるんですか?」と言っていただける学生には「ゼミの先生に話せない内容でも、自分のことを分かってくれている〇〇さんには話します」「親には話せないのですが進路部には話します」というような、信頼関係ができているからこそ可能な相談をいただくこともあります。

このような体験をすることで、LIFOスタイルに合わせたアプローチを学生に行えていることを実感しています。

 

 

LIFOを知ってほしい組織・親和性の高い組織
コミュニケーションの問題を可視化し解決の糸口に

ぜひプログラムを知ってほしいと思う組織は大きく3つあります。

  1. 大学のキャリアセンター
    キャリア形成というところで、プログラムを持っている大学は活用すべきだと思います。
    キャリアセンターは「選考対策」「就職支援」というところに目を向けがちですが、低学年からプログラムの中にLIFOを取り入れることで就職に向けた伸ばすべきスキルを把握し、成長を促していくことが大切だと思います。
     
  2. 企業
    企業内でのキャリア開発担当者の方、キャリアコンサルタント、人材育成部門の方にはぜひ知っていただきたいプログラムです。
    さまざまな場面で活用できるツールなので適材適所、自己理解や組織の活性化をテーマとする場面ではぜひご活用いただきたいです。
     
  3. 地方自治体
    大学も同じですが、部署ごとの業務が属人化している部分が多くあります。コミュニケーションを活発化させ、連携体制を整えることで自治体としての成長につながるのではないでしょうか。

特に親和性が高いと感じるのは、組織力の向上、エンゲージメント向上に課題を感じている組織です。
現在よくある研修では、個々がマネジメント能力を付けていくパターンが多いですが、LIFOを活用すれば組織が現在抱えているコミュニケーションの問題を可視化することができます。もちろん個人がマネジメント能力を身に付けることも大切ですが、部下とのコミュニケーション、チーム間のコミュニケーションにLIFOを活用し、互いの特性理解・チームの相互関係を高めた上でマネジメントを行う方がスムーズにやり取りができるのではないかと考えます。

近年、ハラスメント問題も注目されていますが、パワーバランス的に役職が自分より上の方から指摘を受けると、人によってはそれだけでハラスメントに感じてしまいます。これは、相手に合わせたコミュニケーションが取れていないから起きている問題なのです。

大学も一般企業のように教員と職員が分かれており、それぞれに上下関係があります。教員が職員を教育・マネジメントする際には、受け取る側の特性を見て接していかなければハラスメントにつながる恐れがあります。お互いの信頼関係を築けるようなプロセスを踏む必要があるため、学生だけでなく教員職員内での活用も必要だと感じています。

このように大学、企業問わずチームコミュニケーション、対人コミュニケーションの活性化やハラスメント対策にLIFOは多くの力を発揮すると思っています。

 

 

今後の展望
学生が大学から就職後まで成長し続けられる環境を

冒頭でもお話ししたように、低学年からの支援が3年生の就職支援につながっていくと考えています。ですので、大学のキャリアセンターとしては、低学年に向けてもキャリア支援のガイダンスの中でもっと活用していきたいです。そして、大学の質の保証「アセスメントを行う」というところで、LIFOを自己理解のアセスメントの一つとして位置付けていきたいと考えています。

また、インターンシップの前後でスコアが大きく変化することを実感できたことから、現在行っている年1回の診断回数を2回に増やし、どのような経験を経てスコアが変化したのか考えるきっかけを作っていきたいです。

大学の中だけで活動していても変化を見るのは難しいと思いますが、インターンシップや地域のプロジェクトなど、社会と関わることでストレス時の自分を把握・検証していけると思っています。

構想というより妄想になってしまいますが、キャリアコンサルタントとしては企業にもLIFOを認識していただき、大学と企業の間で、社会人基礎力・キャリア形成について話をする際の共通言語としてLIFOを活用したいと考えています。
企業としてもLIFOを活用することで信頼感を得られ人材の確保につながりますし、「どの面を育成していくべきなのか」「就職後は学生のどの面が生きていくか」など企業とキャリアセンターでのやり取りも円滑になると思っています。

2024年の「三省(※)合意のインターンシップ発言」により、インターンシップがキャリア教員や専門プログラムに基づく人財育成を産学連携で実施するという方針に変わりました。
組織内の育成は、根本的に「前に進む力」がある前提でできることですので、学生が大学~就職後の中で成長し続けられる体制が理想的です。
育成はずっと行っていかなければならないからこそ、大学と企業で連動し、大学で基礎力を身に付け、企業の中で自己成長を促していただきたいと考えています。

※文部科学省、厚生労働省及び経済産業省

 

 

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