財務を身近にすることが、より良い組織への道!
私たちの中には、財務はビジネスの世界で最も怖い言葉だという人もいるでしょう。ビジネススクールから老後の資金計画まで、これは「専門家」に任せる唯一の科目だと思っている人も少なくないかもしれません。Excelやスプレッドシートを見るだけでおびえるかもしれませんが、財務は企業の基本的な柱の1つです。結局のところ、財務なくして企業は存在し得ないのです。
財務への恐怖は、しばしばその本質を誤解しているために生じます。それが何を意味するかと言えば、非常にシンプルです。企業は金融ポンプなのです。まず、資金や資産を調達します。次に、収益を上げたり費用を負担したりします。そして最後に、これらの要素がキャッシュフローとして表現されます。
財務の知識が限られていることは、財務の訓練不足によるもので、それは財務の重要性が軽視されていることを正当化するものではありません。では、企業における財務の役割を理解することがどれだけ重要なのでしょうか?
目次[非表示]
- 1.財務を身近にする重要性
- 1.1.価値創造
- 1.2.価値に基づく経営
- 1.3.ビジネスにおけるお金のコストを理解する
- 1.4.運転資本
- 1.5.ビジネスの財務状況(全体像の把握)
- 2.課題における氷山の一角
- 3.まとめ
財務を身近にする重要性
「戦争は将軍たちに任せておくにはあまりにも重要すぎる」
20世紀の有名なフランスの首相ジョルジュ・クレマンソーが言ったように、戦争は全員が参加するものです。もし企業の中心に財務があるならば、チームメンバーに日常的に使用するように普及させるべきです。その理由は2つあります。
- より戦略的な意思決定を行うため
- 財務部門とのコミュニケーションを向上させるため
これを実現するためには、いくつかの方法があります。下記は、特にマネジャーが財務をより理解しやすくするのに役立ちます。複雑な数式を長いスプレッドシートで展開するのではなく、ハーバード大学の教授であるマーク・ベルトネシュ氏が提唱する計算法を用いることが有効です。
シンプルで効率的な操作で、企業の現状、過去、または将来の状態を数秒で理解することができます。とは言え、財務について知ることがあなたの仕事にどのように役立つのか疑問に思うかもしれません。財務が役立つ例をいくつか挙げます。
▼ マーク・ベルトネシュ氏のマイクロラーニングについてはこちらをご覧ください。
価値創造
最も理解しやすい概念は価値創造です。なぜなら、それは多くのマネジャーが利用している唯一の概念であり、残念ながら多くの場合に誤解されているからです。多くの人が、価値創造は既存の価値を他の場所に移すことであると考えがちですがそうではありません。買収や税金削減は価値創造ではなく、価値の移転です。
価値創造は難しく、長期的なプロセスであり、交渉力、規模、あるいはスケールメリットを通じて新たな価値を付加することで、社会にとっても会社にとっても深い意味を持つことになります。
価値に基づく経営
価値に基づく経営は、全てのマネジャーの任務です。つまり、投資したお金から元のコストよりも高いリターンを生み出すという意味での価値創造です。
もちろん、経営陣はそれを理解していますが、企業の評価とその基盤を理解し、それを全てのメンバーの役割に関連付けて、その目標に向かって努力するインセンティブを作ることで、価値に基づく経営をより効率的に行うことができます。
ビジネスにおけるお金のコストを理解する
お金にはコストがかかることを知っていますか?結局のところ、お金はおそらく全ての産業に共通する唯一の原材料です。お金や資本のコストとは、株主が企業に資本を提供し、利益やリターンを得る、このリターンこそが資本のコストです。ビジネスのルールは、投資した資本のコストよりも高いリターンを生み出すことです。
運転資本
マネジャーはよく事業部門の指導に取り組むことがあります。そのためには固定資産や運転資本を活用する必要があります。運転資本とは、ビジネスを日常的に運営するのに必要な資金を指します。その定義から、それは企業にとって非常に貴重な資産となります。
なぜなら、財務、マーケティング、生産、購買など、さまざまな機能が交差するところに位置付いているからです。そのため、運転資本は財務部門だけでなく、社内の全ての部門で適切に管理する必要があります。
ビジネスの財務状況(全体像の把握)
具体例の締めくくりに、当たり前のことに触れなければなりません。財務はビジネスの全体的な財務状況を理解し、市場での地位を危険にさらすことなく、戦略的な意思決定を行うための重要な鍵なのです。
最後に、財務部門も再構築する必要があります。財務部門だけ特別ではなく、他の全ての部門と同じようなプロセスを経るべきです。つまり、より効率化し、付加価値のない活動を廃止し、生産性を向上させ、主要でない活動をアウトソーシングします。
これらの行動は全て同じ最終目標に向かっています。それは、他の部門と緊密に連携し、より良いコミュニケーションを行い、より堅固なチーム・組織を作ることです。
課題における氷山の一角
われわれには1つの記事で取り扱いきれない、未回答の多くの質問があります。負債はどうでしょうか?どれくらいの負債が適切なのでしょうか?そして、1株当たりの利益の価値はどれくらいが良いのでしょうか?なぜAmerican Apparelのような企業が衰退しているのでしょうか?金融予測は役立つのでしょうか?合併と買収についてはどうでしょうか?75%の合併が失敗すると言われていますが、財務スキルを活用してもっと良くする方法はあるのでしょうか?
現代の不確実性に対して、1つだけ言えることがあります。あなたがどのような予測を立てたとしても、常に予期せぬ出来事に驚かされることになるでしょう。しかし、それが事実であっても、事業成功の一側面としての財務を学ばなくてよい理由にはなりません。
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デジタル時代は財務の学習のみならず、クリティカル・シンキングの学習も重要視されています。クリティカル・シンキングについてはこちらから。
まとめ
財務を身近にすることが、より良い組織への道!について紹介してきました。財務は専門性が高く、複雑な計算などを伴うことから避けてしまいがちです。しかし、財務をきちんと理解することで、より効果的で効率的、生産性の高い組織運営が可能になります。
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CrossKnowledge社原文記事
https://www.crossknowledge.com/blog/democratizing-finance-the-key-to-a-better-organization/