社員数:約250名
事業:新車・中古車販売、自動車整備、保険代理店業務、部品用品販売など
導入前の課題
実績重視の現場指導による離職率の向上。理念やビジョンを職場で定着させるには?
取り組みの詳細
社員一人一人の行動変容に向けた取り組みの展開
導入後の成果
風通しの良い職場づくりができたことによる離職率の改善
基本理念やビジョン、考え方がうまく現場に浸透しておらず、拠点ごとに異なる習慣が根付いていたことから、職場によって指導内容や方針がバラバラでした。また、実績重視の現場指導により社員が自信を失うことで、入社5年以内の離職率も非常に高くなっていました。
状況を打破するために、マニュアルに頼ることなくスタッフが自ら考え、最適な行動ができる人材の育成もかねて、「感謝する」「思いやる」など全社員共通の判断軸を策定しましたが、判断軸は職場にうまく浸透しませんでした。
3年間対策を打っている中でHEP(ヒューマン・エレメント・プログラム)に出会いました。HEPでは、人と協働し、生産性の高い個人・チーム・組織をつくるためには、自己肯定感(セルフエスティーム)の向上がカギであるとメッセージしています。
セルフエスティームは「自己重要感」「自己有能感」「自己好感」で構成されており、基本理念や判断軸で求められる行動とつながることから、判断軸を職場に定着させるためにはHEPが最適であると考え活用を決断しました。
また、HEPは従来のよくある知識やスキルをインプットする学習ではなく「どうしてそのような行動をするのか」「何を思い込んでいるのか」を考え、自分の行動の特徴やその内面にある感情(期待、不安、思い込みなど)に気付き、新たな行動を取るきっかけをつかむ“内省思考”による学習です。この内省思考による学習方法が、「自ら考え最適な行動ができる人財」の育成にもつながると考えていました。
判断軸を職場に定着させ、行動変容につなげるために、人間力向上プログラムとしてHEPの内容を取り入れた研修を全社員対象に実施しました。
診断や内省、他者からのフィードバックなどを通して、自身の行動の特徴や他者に与える影響を理解すること、無自覚に行っている防衛(生産性を下げる行動)の仕組みを知ることから行動変容のきっかけをつかむための内省思考型のプログラムです。
加えて、演習を通して自己肯定感の重要性への理解を深めていただきました。
【全社展開までの流れ】
1.3.5.6.7は、必要に応じて継続実施をしており、定期的に自己診断を実施することでスタッフの変化や成長をとらえるきっかけにしています。
プログラムを受講した社員からは以下のようなポジティブな感想を数多くいただきました。
全社員を対象に人間力向上プログラムを実施したことにより、自己肯定感・防衛などが共通言語化され、階層や部署に関係なく、自分の選択した行動が基本理念や判断軸に沿っていたのかを内省する習慣が付きました。また、定期的に自己診断を取り、日々の振り返りと照らし合わせることで、さらなる変化や成長に気付き行動変容につなげられるようになりました。
特に、新入社員にとっては対人行動を深く考える機会が増加し、目指す姿(基本理念やビジョン、判断軸からの行動)が理解しやすくなりました。
また、拠点や人によってばらつきがあった方針や指導内容、評価は判断軸が浸透したことで統一化されました。これまで業績や数字の視点からのみだったフィードバックも、判断軸や自己肯定感の視点から行われるようになり、ある失敗から「どのように行動すれば良かったのか」と先輩社員が一緒に考えながらコーチングするようになりました。
全社員共通の取り組みにより社内の風通しが良くなったことで、上司・部下関係なく自由に意見交換ができる雰囲気が醸成され、今では「店長、それは防衛ですね」「今の一言は自己肯定感が下がります」など、部下から上司に対してフィードバックができるようになりました。
判断軸や理念が職場に浸透した結果、課題となっていた若年層の離職率改善にもつながっています。
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