Biz-Ex活用事例

新人行員が経営者のパートナーの地位獲得を目指して
【Biz-Ex活用事例】

社員数:1,000名以上
事業:金融業

導入前の課題
新人行員が経営者のパートナーの地位獲得を目指して

課題解決策
経営シミュレーション:Biz-Exで楽しく学べる体験型ビジネススクールの導入

導入前の課題
新人行員が経営者のパートナーの地位獲得を目指して

H銀行は地方都市でトップバンクとして存在感を示しています。窓口の教育企画担当の問題認識は、失われた30年の間に染み付いた銀行員に「安全性第一マインド」から「経営者の投資行動に寄り添ったマインド」への転換が必要ということでした。

1980年代に、日本は好景気の影響で、世界No.1の地位に上り詰めました。この好景気に乗って、企業も積極的な投資を行い、急成長してきました。しかし、バブル崩壊後には、H銀行は急激な資産価値の減少から不良債権の問題解決に追われる状態に陥りました。

この時代の反省からH銀行は「リスクの高い案件には融資しない。安全性の極めて高い案件にだけ融資する」という考え方が組織全体の主流の考え方として浸透・定着してきました。この考え方と具体的な融資案件の選別手法が優れていたため、H銀行は安定的に好業績維持し、成長していました。

しかしながら、東日本大震災やコロナ禍など未曽有の天災を乗り越えて、市場が再活性化してきたことで、世の中の経営者には積極的な投資行動をしていく空気が醸成されています。従来の安全性第一の融資方針・考え方は顧客である世の中の経営者の思考と大きく乖離(かいり)してしまい、他行との融資競争において、H銀行の優位性が発揮できなくなる恐れがありました。

H銀行の行員は、長い年月をかけて積み上げてきた融資基準や融資システムを大前提としながら、顧客である経営者のリスクテイクの思考に積極的に寄り添うことが求められています。H銀行としては行員を「経営者のパートナーとして」打開策を考えられるような人材として積極的に育成していくことや、行員一人一人が自己研鑽してマインドを変化させていくように仕向けていくことが求められていました。

とはいえ、30年間かけて染み付いた組織文化は急に変えられないため、今年入社する35名の新入行員に対してマインドセット研修を行うことになりました。まっさらな状態の彼らに座学と実学を組み合わせて経営者の考え方を教育していくことになりました。

 

課題解決策
経営シミュレーション:Biz-Exで楽しく学べる体験型ビジネススクールの導入

新入行員から組織の底上げを図る際に課題となったのは、いかに経験不足の彼らに経営者思考を理解してもらうことです。新入行員たちは、入社前の事前学習として、アカウンティングやファイナンスを座学で学習しているものの、学んだ知識が実際の経営活動や投資活動とのつながりのイメージができない状態でした。経営活動を座学の知識と実践活動と有機的に結び付けるために、経営疑似体験から実践的に経営者の思考を学ぶことができる『経営シミュレーションBiz-Ex(ビジックス)』を導入しました。

Biz-Exは、社長の立場で財務諸表や市況分析をしながら6期分の経営疑似体験が行える研修プログラムです。受講期間中、経営分析や意思決定をサポートするBiz-Ex専属コーチが受講者進捗状況や理解度を確認しながら、レクチャーとフィードバックを行い、受講者に経営活動の理解を促進していく仕組みです。H銀行では、配属後の現場での業務の合間を縫って受講していく都合上、Biz-Exプログラムができるだけ本業に影響を与えない学習負担で実施できるよう工夫しました。そのため、1カ月に1回程度、6カ月間、各開催1時間オンラインコーチングの場に全員で集まるという現場への負荷を考慮したプログラムスケジュールを組みました。

また、事前試験の結果によると、受講者の理解度にかなりのばらつきがあることが分かりました。そのため、H銀行は一人一人が個人で学習できる環境を整えました。加えて、6カ月のライセンス期間中なら、経営シミュレーションを何度でも繰り返し学ぶことができるようにしました。学習意欲が高い人が積極的に学習でき、理解が追いついていない受講者でも、反復学習から理解度を底上げできる設計にしました。

 

経営シミュレーション実施中の受講者の様子

新入行員は、財務諸表の読み方や分析手法について全般的な知識が既にインプットされていたため、「専門用語が出てきても全員がある程度理解できる」状態から経営シミュレーションをスタートしました。1期目の経営体験が終了したときに、経営成績にはかなりの個人差がありましたが、Biz-Ex専属コーチからアドバイスやコツを伝授することにより、2期以降の経営成績の個人差が縮まり、全体的には経営活動に対する理解度が高まりました。

また、経営シミュレーションは個人の判断力を磨くため、基本的には個人戦ですが、同期同士で情報交換することは可能としてシミュレーションを運用しています。講師と受講者だけでは、知識が十分にインプットされず、さまざまな角度から経営活動を検討できないという懸念があり、受講者と受講者でお互いの学習を促進できるような取り組みも加わりました。

このような取り組みにより、シミュレーションで経営活動へのコミットメントが高まり、受講者が周りのメンバーと競争しながらも、協力して積極的に学習していました。

また、各期の決算発表では経営成績が全員に公開されるため、受講者が「同期には負けるわけにはいかない」と緊張感を持ちながら、それぞれの学習意欲をさらに高めることができました。Biz-Exの経営結果を通じて、経営分析や思考が得意な人がその能力を社内でアピールする機会にもなりました。

Biz-Exという疑似的な経営活動を行った共通体験ができたことで、受講者たちがお互いに声をかけて協力し合うという組織人として必要なマインドや、成果を競い合うという社会人として必要なマインドが醸成されました。

 

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